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今回はモーゼルの傑作ポケットピストル、HScを。
hsc/01

予め断っておくが、今回も記事が長くなってしまった。
HScは現在忘れかけられている?存在だが、多くのモデルに影響を与え、
また美しいデザインは、今も見るものを魅了すると思う。
そのためつい得られた資料を出来るだけ盛り込んでしまった。
最後までお付き合い願えれば幸いである。

[概要]
モーゼルHScは、32ACP(=7.65×17mm 戦後380ACPも作られた)を使う、
DA(ダブルアクション=引き金を引くとハンマーが起きて、更に引くと
ハンマーが落ちて撃発する)機構を持った中型自動装填式拳銃である。
外観上、HScの大きな特徴は三角状のトリガーガード(引き金の保護部
=用心鉄)で、グリップのチェッカーもこれに呼応した三角状に彫られている。
全体に直線,特に斜めのラインを多用し、グリップの曲線が強調された、
美しく女性的と評されるスタイルである。

[マルシンHSc]
トイガンでは過去に金属製モデルガンでMGC,コクサイから発売されたが、
現在はマルシンがスライド固定のガスガンを作るのみである。
マルシンのHScもブリスターパック入り、ハーフシルバーやサイレンサー付き
タイプと変化していったが、これは過去に販売されたHWモデル。
スライドは固定だがフレームとは別部品で、セフティがライブ、但しトリガーは
直線運動である。
hsc/02

[HScとモーゼルの歴史]
設計はアレックス・セイデル(Alex Seidel)が担当し、1935~1936年に
行ったようだ。
モデル名のHSはHahn Selbspanner、ダブルアクションの意だとされている。
それからHSa,HSbと試作が進み、3番目のHScが製品版となっている。
製造は1940年から戦争終結まで、戦後はフランスで残ったパーツを組み、
1947年まで出荷していたようである。

この間約25万(22.5万との説も有り)丁が作られ、そこでモーゼル社の
解体を受けて一旦製造は終わる。
この数は、FN社のM1900の100万丁に比べれば小さいが、ワルサーPP,
PPKが両方で35万丁、とのことなので、決してマイナーな存在では
無かったようである。

初期のHScは美しい仕上げで、グリップパネルにはクルミ材が
使われていた。
モーゼルは戦後H&K(ヘッケラー&コッホ)社から独立した会社として復活、
新生モーゼルでも、HScは作られ、これは’68から‘77までとか。
’77には最後の5000丁が特別モデルとして作られている。
戦後のHScは省力化のため、マイナーチェンジを受け、木製グリップでも、
全面に近い範囲がチェッカーとなっている。

その後、イタリアのレナートガンバ社がHScをOEM生産、販売のみ
モーゼルが行っていたようだ。
レナートガンバでは、HScの改良に取り組み、HScスーパー(HSc80)
というものを作った。
これは装弾数を増やし、トリガーガードをフィンガーレスト付きに変更する
など、デザインも小変更されている。

モーゼルもSIGグループに買収され、現在はロータリーバレルによる
ショートリコイルの45口径コンパクトM2を販売している。

モーゼルの代表作、ミリタリー(左)とHSc。
これはマルシンのモデルガン M712。
hsc/03

[ポケットピストルの流行]
20世紀の初め、不安な世情のせいもあってか、ポケットピストルは
大流行した。
モーゼル社は軍用のライフルKar98kや大型の自動装填式拳銃C96などが
有名だが、ポケットモデルもM1910(25ACP),M1914(32ACP),M1934
(M1914のグリップ拡大改良型)などを作っていた。
これらは、ストライカー式シングルアクションで手動安全器を備えたモデルで、
スペック的にはこのカテゴリーのパイオニア、FNのM1900に準じたものだった。

左から、HSc,FN M1910,M1900。
M1910もマルシンのモデルガン。
M1900は頑住吉氏のモデルガン形式ガレージキット。
hsc/07

しかし各種の安全機構にDA機構も備えたワルサーPPが1929年に登場、
民間用だけでなくナチス親衛隊,軍(将校)用に高い評価を受けるようになる。
ワルサーに対抗するため、モーゼルでもDAの32口径中型オートの開発に
乗り出し、このHScを完成させた。
同じ時期、ドイツでは後にSIGと組むザウエル&ゾーン社も、M38Hという
DAオートを作っている。

HSc(右)とワルサーPP。
PPもマルシンのモデルガン。
今回マルシン製が多いが、これはHScに限らず、マルシンが幅広く、
WWⅡまでのモデルをラインナップしているから。
hsc/04

これは単に競争原理だけでなく、ナチスがワルサーの供給量の限界から、
他社に働きかけて同様の製品の開発を促した、とするところもある。

しかし、これは額面通り受け取り難い。当時はまだ品質も落ちておらず、
ワルサーは後にP38だけでなくライフルまで開発に乗り出すのだから、
余力が無い訳ではなかったと思う。そして生産が追いつかないなら、
生産ラインを増やし、外注を使って部品,組み立てを他に任せるほうを
考えると思う。
実際戦時中P38で行ったように、(やむを得ないとはいえ)他社に全て製造
させることも出来た。
もしナチスが他社に“同じ仕様の違うもの”を要請したなら、なじみの業者を
切りたくなかったか、ワルサーの競合を作って、調達価格を抑えるのが目的
だったのでは。

むしろドイツでのみ中型の高性能ピストルが進化したのは、
当時条約により大型拳銃の製造が禁止されていたら、ではないだろうか。
これに対し、ドイツ以外ではDAポケットオートの開発は進まず、
戦後になっても、H&Kや、SIG-ザウエルがまず手がけている。

ベレッタM1934とHSc。
M1934はウエスタンアームズのガスブローバックガン。
M1934はWWⅡ期のイタリア軍制式だが、
シングルアクションのシンプルな機構だ。
hsc/08

HScは戦後モーゼル社の再興に伴ってリバイバルしたが、更にモーゼルの
系譜を受け継ぐ(モーゼルの技術者が設立した)H&K社ではHK4という
380ACPから22LRまで一丁の銃で(バレル=銃身,スプリング,マガジン
=弾倉などは替える)撃てるというモデルのベースになった。
また、戦時中のライバルだったザウエルも、P230シリーズの開発に際して、
ハンマースパー形状などHScを参考にしたのではないかと思われる。

HScとSIG P232。
P232はP230の改良型で、これはKSCのガスブローバックガン。
hsc/09

[分解用ラッチ]
HScは三角状のトリガーガードに分解用ラッチが内臓されていて、
トリガーガードの内側からこれを引くと、バレル,スライドが取りだせる。
モーゼルではミリタリーモデルC96が機関部後方の突起を上げて分解
するが、この部品を前方にもっていったのかもしれない。

この分解方式は、HK4にもそのまま受け継がれ、更に、バレル固定だが
H&KではVP70の分解方式が似ている。
VP70ではラッチはフレームのトリガー上部に移っているが、
これを更に参考にしたグロック社のG17などは、同様のラッチで分離式の
バレルとスライドが外れ、やはりHScの構造に近い。

左から、グロックG17,H&K VP70,HSc。
G17はタナカのモデルガン。VP70はMGCのモデルガン。
hsc/11

[スライドストップ]
自動装填式拳銃の多くは、全弾撃ち尽くすと、スライドを後退位置で止める
スライドストップという部品が組み込まれている。
HScのスライドストップは、マガジンを交換すると、自動的に解除され、
スライドは前進して初弾をチャンバー(薬室)に送り込む。
これはPPのスライドを少し引いて解除する方法より進んだ形だ。

もっとも、この方式はチャンバーに装填せずに持ち歩きたい、という向きには、
過剰な装備かもしれない。
HScでは、スライド前進には空マガジンを再度挿入するしかない。
また、このスライドストップは、M1910からの伝統のようで、マガジン
セフティ(弾倉が入っていないと引き金が引けないようにする安全装置)を
兼ね、ワルサーとは反対側を通っている。

そしてHScでは部品の多機能化を進め、エジェクター(空ケースを外に
排出するときに当てる場品)を兼ねているようだ。
HScは生産性を上げるため、プレス加工の部品を多用しており、この
スライドストップもプレス加工パーツである。

[コック&ロック?]
これらの機構をみていくと、HScはチャンバーに装填した状態で使うこと
(コンディション1)を基本としているのではないかと思える。

サムセフティもハンマーはデコック(落とす)できず、セフティをかけてから
トリガーを引き、ハンマーを落とす、という怖い(実際には安全だが)操作を
しないとDAで使えない。
ワルサーPPは逆にコック&ロック(ハンマーを起こして、セフティをかけておく)
では使えないが、DAのみでも、更にセフティを掛けても良く、チャンバーを
空にしておくのも容易だ。

また、ローディング・インジケータもPPは持っており、これでチャンバーに
カートリッジが入っていることを知らせるので、チャンバーへの装填が不要か
すぐに判断できる。

[スナッグプルーフ]
HScのサイトは、スライド上部をアール状に抉ったところに付けられ、
ひっかかりにくくなっている。

FN M1910,HSc,ワルサーPPK/Sをマズル(銃口)側から。
PPK/Sはマルゼンのガスブローバックガン。
M1910とHScでは、フロントサイトがアール状の凹みのなかにあるのに対し、
PPK/S(PP,PPKも)はスライド上にリブがあり、更にその上にフロントサイト
が乗っている形だ。
hsc/10

またHScはワルサーPP同様、ハンマー式の発火機構だが、
このハンマースパー(突起状の指掛け)を横から見て小さなひっかかりにくい
ものとした。
更にHScのハンマーは起こされた状態でも後方に張り出さず、
ハンマースパーの前部が長くとられ、ファイアリングピンがのぞくこともない。
ワルサーPPではリングハンマー(これはモーゼルミリタリーでも使われている)
だったが、ポケットの中から発射するような緊急の事態ではHScが
有利かもしれない。
また、よくハンマー露出式の拳銃を撃てなくするために、
ハンマーの前に指をおいて、とかいわれるのだが
(このようなワザが実際に有用かは疑問だが)、HScには通用しない。

PPK(手前 マルシン モデルガン)とHScでハンマー形状の比較。
hsc/05

マガジンキャッチはPPも初期にはフレーム下にあり、これとHScは同じだ。
側面はサムセフティくらいしか操作レバーが出ておらず、実にシンプルな
外観を実現している。
セフティはPPより上下方向は薄いが厚み方向は中央部が盛り上がって
いる。
しかし、スナッグプルーフの要素として言われているトリガーガード前の
三角部分は、抜くときにはあまり関係ない。

[エルゴノミクスよりデザイン重視?]
HScは厚み方向は突起も少なく、グリップも角は丸められているが平らだ。
しかし、横から見ると前後,上下方向に厚みを感じる。
そして使用感として太い、という話も聞く。実際手にしてみると、PPなどと
そう違わないように思えるのだが。

グリップ後部の大きなふくらみを持たせた曲線は美しいが、少し過剰で、
グリップとしてはちょっと握りにくいと評されることもあるようだ。
グリップ形状は以前のM1934から下拡がりであり、トリガーガードの
デザインとバランスをとって下広がりのこの形にされたのかも知れない。
もっとも、HScを元にしたHk4では、更にグリップが太くされた、との記述も
見られる。

そして、トリガーの高さに対し、手のウェブ(親指と一指し指間の水かきの
ような部分)が当たる部が低く、
これも違和感を生むもとになっているのではないだろうか。

多くの拳銃では、フレーム後部はウエブをハンマーから離すよう、
盛り上がる形にしているが、HScはそれを止め、ハンマー構造上の制約
からか、ストレートに後部を落としており、張り出しが少ないハンマーにも
かかわらず、ウェブが挟まれやすい。
但し、下がふくらんだグリップとこのフレーム後部、言われる程には
特異な握り心地にはなっていない。

また、HScはスライドのセレーション(指賭け溝)が大きく傾けられ、
外観のシャープな印象を強調しているが、これも必要性(もう少し直角に
近いほうが実用的)より意匠デザインから来ているのではないだろうか。

SIG P232(手前)とHScでも、ハンマー形状の比較を。
スパー(指掛け)形状はよく似ている。
しかし、P232はスライド後部の上に位置し、フレームには手とスパーの
干渉を避ける、後方への盛り上がりが大きめ。
hsc/06

[1/6]
ここらで今回の1/6を。
いつものように、これも単品で入手したもので、出処は分からないが、
金属製で、グリップも木製風に塗られ、スライドのセレーションやセフティ,
グリップ下のマガジンキャッチなど、各部が精密に再現されている。
hsc/12

[拡大,発展]
HScがワルサーのDAを使えなかったのは、パテント回避によるものかも
知れない。
これが使い勝手の面でワルサーPPより良い、とはいかず、PPを
凌駕できなかった理由かもしれない。
また、PPはPPKという派生モデルを生み、更に大型のP38へと技術を
応用していったのに対し、全く拡がりを見せなかった。
これは既に時代が戦時中のことであり、モーゼルではP08を密かに
製造していたり、もあって余裕がなかった、という事情もある。
もちろん、逆に戦争によって需要があったため、HScを短期間で25万丁を
作ることができたのかもしれない。

モーゼルの技術者E・ヘッケラーとT・コッホは、第二次世界大戦後H&K社を
興し、独自性の高い商品を送り出した。
H&KはHk4でHScをベースとしながら、更にプレス加工でスライドを成形,
プラスチックをフレームの一部とするなど、大幅に作り方を変えた。
Hk4を巡っては法廷闘争も行われたそうで、HScのコピーが許されなかった
から、という要因もあるが、やはり新進メーカーとして過去のものの焼き直し
はしたくない、という気持ちもあったと思う。
現在はそれも一巡したのか、H&Kは奇をてらうことなく従来ある技術を使った
オーソドックスなものを作ってきているが。
H&K発足時のオリジナリティへの拘りは、もしかするとモーゼル時代に
制約が多く、技術者が充分ウデを発揮できなかった反動なのかもしれない。

現在ではワルサーの影に隠れている印象が強いが、それでも戦後
モーゼルがP08と共にこのHScを復刻したのは、やはりこの美しさゆえ、
ではないだろうか。

では今回はここらへんで。
hsc/13

参考資料; ShootingTips 「Streamlined Hsc 流線型HSc」
        月刊Gun1989年 4月号「モーゼルポケット・ピストルM1910」
        月刊Gun1998年 5月号「Mauser HSc&Hk4」
        頑住吉元ガンスミスの部屋 Hk4実銃について 「Hk」訳

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今回は、モーゼルKar98kを。
kar98/01

[概要]
Kar98kはモーゼル(Mauser)社が開発、第二次世界大戦までドイツが主力ライフルとして使ったモデル。
そのルーツは1898年のGew98で、この仕様になったのは1935年だという。
名称はkarabiner98kurzの略で、騎兵銃の短縮型ということになる。
ちなみに騎兵銃というのも短縮型だったらしく、2重に短縮されたモデル、ということだが、下に記すように更に短いものまである。
Kar98k自体はこの時代の標準的な長さだと思う。
Kar98kの生産はモーゼル社のほか、後にSIGと組むあのザウエルもこれを作っていたようだ。
更にチェコやオーストリーなど、戦時占領下の各国でも生産されたという。

Kar98kはボルトアクション(手動)で5連発のクリップ装填式。
使用するカートリッは、7.92×57mm(約8mmなので8mmモーゼルともいわれる)弾。これは米国が当時採用していた30-06弾よりも少し強力だが、反動も大きいらしい。
シンプルかつ堅牢な構造で、現在使用される公用,民間用ボルトアクションライフルも、これに大きな影響を受けている。
更に、このライフル(スポーツ用に改造されていたりするが)及びカ-トリッジ、一部でいまだ現役である。

まずリアルサイズのKar98kは、マルシンのエアーコッキングガン。
これは6mmBB弾使用のカートリッジ式。
Kar98kは人気商品のようで、現在タナカのガスガンもあり、モデルガン形式でも過去にCMC、そのあとCAWが手掛けている。
マルシンも現在8mmBB弾仕様のガス式でこれを作っているようだ。

Kar98/13


操作はボルトにつけられたハンドルレバー(下の写真の中央付近、引き金の上の球形の部分)を持ち、これを上方に動かし、ボルトを回転させてロックを解いてから後退させ(撃った後なら後退時にカートリッジを排出)、前進時にマガジン(弾倉)のカートリッジをチャンバー(薬室)に送り込む。
Kar98/07


[特長]
Kar98kには多くの特長がある。
2つのロックキングラグ(ボルトが後退しないよう止める突起)をボルト先端に持つこと、
ボルトを回転,後退させるときに撃発装置がコック(発射準備)されること、
ストック(銃床)に強度が安定して出て、かつ反り難い合板を使っていること、
などである。

今回の1/1と1/6。
いつものように単品購入なので、出所ははっきりしないが、この1/6はドラゴン製ではないかと思う。
しかし、ものが大きいと1/6はあるのかどうかもわからないような状態になってしまう。
が、以下1/6も交えて進める。
Kar98/14


Kar98kの構造は当時既に新しいものでは無かったが、相手によっては戦車の装甲でも撃ち抜くほどの強装弾を使い、これを各個人の兵器として数多く安く作る、という点では自動式に拘らなくて良かったと思う。信頼性も自動式より上で、過酷な環境にも強い。
それに、ドイツはサブマシンガン装備に力を注いでいたので、ライフルは住み分ける意味でも威力重視だったと思う。
後にソビエトの自動装填式式狙撃銃に対抗してワルサーのGew43を使ったが、これは全員に行きわたらせるのではなく、狙撃支援用として使ったらしい。米軍でいうとBARの方が近い扱いである。
そしてこの頃には、カートリッジを短縮,小型化して銃も小型化、装弾数も30発と増やして全自動も可能なMP43(後にstg44 過去のAK47の記事)も開発,一部装備されている。
全自動とは、マシンガンと同様、トリガーを引き続けると弾がある限り連発する機構、自動装填=半自動は、一回のトリガー操作につき、1発の弾が出るもの。

1/6で各種ライフルを。
上からM1ガーランド,Gew43,Kar98k,二式小銃。
M1ガーランドは米軍の第二次世界大戦期の制式ライフル。
カートリッジはKar98kに近い性能だが、半自動(自動装填式)8連発である。
Gew43も半自動ライフルだが、カートリッジはKar98kと同じ8mmモーゼル弾を使う。
二式は日本の制式ライフル。日本の制式ライフル、三八式,九九式と同じく手動式ライフルだが、これは機関部と銃身が分かれる2分割式の変り種。
Kar98/09


更に1/6でKar98kのバリエーションを。
上から、G33/40,Kar98kを2つ,そしてスコープ装着モデル。
G33/40は、Kar98の中でも珍しいバリエーション。1940年チェコで作られたものでバレル,全長が短く、バレル上部の覆いがリアサイト後部まで延長されており、ストックの後部、バットプレート横(写真の裏側)にも補強の鉄板が付けらるなどの改造点がある。
これを日本ではマウンテントルーパーモデルと呼んでいる。
これはG33/40が山岳猟兵(Gebirgsjager)と呼ばれる部隊向けの仕様だったと推定されている、というところから来ているらしい。
が、この訳も直訳で、元のイェーガー(jager=ハンター)の意味で使われているのではないようだ。
もともと帝政時代からの伝統で、正規軍に対し武装を強化した(昔は通常兵と異なりライフルが与えられた)エリート部隊にjagerが使われていた。
ここから一種の名誉呼称となったらしいのである。
ちなみにパラシュート部隊も降下猟兵になるのだが、ここで米国のパラ・トルーパー(米国はここにkarabinerと同じ騎兵という意の語をつけたようだ)と符合し、マウンテン・トルーパーになったのではないだろうか。

次の2つのKar98kは、標準モデルをモデルアップしているが、製造元が違うと思われるもの。
そして一番下が、スコープ(恐らくZF39)装着モデル。
このスコープは銃に対して90度回して着脱するターレット・マウントというマウントベースがついている。
このスコープは1939年に採用されたZF39を再現しているようだ。
ZF39は、カール・ツアイスの4倍スコープだという。
Kar98k用には、この他にも銃の機関部側面に装着するZF41(倍率1.5倍)、1943年にZF39の後継モデルZF4(これはGew43用に開発されたもの)もごく少数(試作の可能性もあるらしい)使われ、これ以外に市販スコープを使用したこともあったという。
Kar98/08


1/6スコープ付きライフル。
上からKar98k,M700,M40A3
M700は以前(過去の記事)取り上げたが、今回はブラックタイプを。
M40A3もM700をベースにしている。
ちなみにM700は、ボルト先端部にロッキングラグを持つ,ボルトを引く時にコッキングできる撃発機構などKar98kの強い影響が伺えるモデル。
Kar98kのスコープは比較的(特にM40A3と比べると)高い位置にある。
これはスコープ故障時に通常サイトを使えるよう、マウントに穴(溝)が開けられていたせいらしい。
しかしこれでも(実物は)クリップを使って上から装填できなかったのかも知れない。
比較的小型で、リアサイト上あたりの位置に付くZF41が採用されたのは、このせいかもしれないが、今度は目とスコープ間に距離があり、前線では評判が良くなかったとか。
Kar98/10


[サイト]
サイトはオープンサイトで、現在でも拳銃やAK47系が使っている形式だ。
フロントサイトは山形で、後ろから見るとカマボコ型のカバーがつけられている。
これは傷み防止と光が当たらないよう配慮したもの。
フロントサイトはドブテイル(あり溝)とされ、専用工具などを使えば左右への調整が可能だ。
Kar98/04

リアサイトはタンジェントタイプ。
これは数学で使うタンジェントと同義で、ロックボタンを押しながらスライダーを前後させ、上に刻まれた距離を合わせると、高さが調整できるようになっている。
モーゼルの拳銃、モーゼルミリタリーC96(この一種M712は過去に取り上げた)にも同じ構造のものが付けられている。
サイトの横には、ZF41使用時に使うマウントベースがある。
Kar98/05


今回登場させたマルシン製のKar98kは手動でポンプ作用するピストンを圧縮して撃つ、エアーコッキングガンだが、リアル志向でカートリッジにBB弾を詰め、これを5発クリップで保持、機関部上から装填、そしてボルト操作でコッキングとカートリッジ交換を行う。
ピストン,シリンダーをボルトの中に納めたせいもあって操作は軽くなく、またコッキング自体もボルトを戻す時(オリジナルは引く時)になっているが、機構上の制約を思えば、良く出来ている。
Kar98/03


Kar98kのセフティはボルト後方にある。
下の写真の状態でオン、180度回転させてオフとなる。
セフティオン時には、ボルトも固定され、シンプルながら安全にも気を配っている。
戦後Kar98kをスポーツ,狩猟用として改造して使用することが流行ったが、信頼性だけでなく、安全性もその評価に含まれていると思う。
Kar98/06


[ブナ材]
ストックは今まで取り上げたAK47,M700LTRと同じくブナ材ではないかと思う。
着色は少し薄く、紅色がかっている。また、合板にはなっていないが、木製ストックの質感は充分である。
ブナ=ビーチ(Beech)は、曲げ,積層細工に最適の材料とされ、この特性を見出し、製法を発明したドイツの椅子作り職人、トーネットは代表作No14などで世界を代表する家具メーカー、トーネット社を興している。
樫などは同じブナ科でももっとワイルドな木目で、堅く農具の柄などに使われるが、ブナは斑も控えめで木目細かく、柔軟性に優れている。
但し反り易く、そこで積層構造でその得失を上手く相殺させて成功したようだ。
ブナは腐りやすい木でもあるのだが、これは近年、保護,防腐剤の進歩により抑えられているようだ。ゴムの木なども、腐らない対策(防腐剤)が出来てようやく実用になった材種である。
ストックは本来、ウォールナット(くるみ)材なのだが、実物と違って強力な反動に耐える強度も、反動を吸収する必要も無いので、加工しやすく入手しやすいブナになったのではないだろうか。
また実物でも高級品は美しい複雑な杢のものを選んで使ったりするが、それでも黒檀などの木材は使わず、ウォールナットで作られているようだ。これは実用面から、堅過ぎてもいけないということらしい。
このモデルも10年以上放ってある割に状態は変わらず、以前取り上げたAK47も表面の退色はあるが、傷みや反りはない。
この様子だと、亜鉛や合成樹脂の方が、傷みが激しそうだ。

亜鉛合金は不純物が多い場合、時間が経つと自然崩壊するらしく、輸入品などでこれが見られる(早いと数年で崩壊する)ことがある。国産では余り聞かないが。
コクサイなどは、以前亜鉛部品にメッキをかけて、更に上から黒色半艶塗装で着色するなど、非常に手間をかけた加工を施していた。
合成樹脂、例えばABSでも応力のかかる部分がひび割れ、更にスチロール樹脂のグリップパネルなどはある日気が付いたら粉々になっていたりする。

木材の中でも比較的入手しやすかったブナは、(世界遺産、白神山地の原生林のように貴重なところでなくとも)日本国内で採れなくなってきているのか、価格も上がり、輸入ものが多くなっているように感じる。
くしくも最近の輸入小物に使われているブナ材は、メイド・イン・ジャーマニーのものをよく見かける。
ドイツではブナ林の再生などが進み、資源が枯渇しないように配慮して生産できているのだろうか。北米のメイプルなどはこのサイクルができているように聞くのだが。

現在、木材より合成樹脂系の素材がストックでも幅を利かせているが、これも重量という点では木材に敵わない。
破壊する応力度自体や寸法精度の維持の点では劣るが、木材は重量比強度という点では結構優秀な構造材だ。加えて、インジェクション成形などのキャストでなければ、加工しやすさという点でも優れている。
何だかんだ木材を擁護するようなことを言ってきたが、実は見飽きることの無い、美しいその杢目に惹かれるゆえこんな事まで書いているのかも知れない。

それでは、また。
Kar98/02

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今回は、モーゼルミリタリーM712。

モーゼルミリタリーは数多くのバリエーションがあるが、このM712はセレクターレバーで半,全自動(マシンガンになる)を切り替え可能、さらにボックス型の弾倉を備えた、いわばオプションフル装備仕様。
ちなみにM712の呼び名はモーゼル(この呼び方も本国では少し違うらしいが)社がつけたものではなく、米国の代理店ストーガー社がつけたとか。
M712/01

1/1と1/6。1/6の横にあるのが予備のボックスマガジン。
M712/02

モーゼルのサイトはワンタッチで目標の距離に合わせられる可動式。
タンジェント・サイトと呼ばれるそれは、モーゼルの作ったドイツ軍用ライフルと同形式。
M712/03

フロント・サイトは山形、リアはV型という構成は、今は使われないが、精密なサイティングを狙ったもの。
最も遠い距離はなんと1000m。弾は飛ぶかも知れないが、ちょっと無理しすぎでは。
M712/05

分解は工具なしでほとんどバラせるが、メカを引き出すとそこには複雑な立体パズルが。
これはマルシン製のモデルガンだが、内部も結構リアル。
M712/04

1/1のストックは持ち合わせないが、1/6はストックがつき、しかもそこに収納できる。
M712/06

持っている1/6は出処がわからないものが多いが、これは押井守氏の映画キャラクターを再現したものについていたものだと思う。

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まとめ

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