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今回は、FN(ファブリック・ナショナル)の野心作P90を。
p90/15

[概要]
P90は、PDW(パーソナルディフェンスウェポン 個人防御火器といった
ところか)という新たなジャンルの武器として、
1986~1987年に開発されたらしい。
カートリッジは5.7×28mmという専用の特殊なものを使い、コンパクトな
銃で、対ボディ・アーマー性と150mくらいまでの中距離まで有効射程を得る、
という欲張ったコンセプトを実現している。

コンパクトなプルバップ(機関部を銃床内に収納し、引き金などはその前に
位置する)式かつ、ピストルグリップ部が湾曲して本体につながり
(逆に言えばサムホールが空いた形)、
マガジン(弾倉)は給弾部で90度回転して装填される特殊な形を採用、
高さ(上下)方向も極力コンパクトに設計された。
また、カートリッジ排出は下方向、切り替え,安全レバーはトリガー(引き金)
の下として、シンメトリー(左右対称)の形とし、操作は完全なアンビ
(利き手を選ばない)式とした。

このP90、御覧のようにかなり個性的な形で、このデザインのもとは、
どこからきたのだろうか。

P90のトリガーとセレクター。
トリガーの前は単なるトリガーガードではなく、ウイークハンド(利き手でない
ほうの手)で握って支えるフォアグリップとなっている。
p90/03

P90の下部。
このトイガンでは再現されていないが、前方の大きな凹みがエジェクション
(排莢)ポート。
このトイテック製電動ガンでは外部バッテリー用のコネクターが後部
バットプレート部に付いている。
少し見える白っぽいものがコネクター。
p90/05

マガジン。
カートリッジはバレル(銃身)に対し直角に配置され、マガジン後部
(画像右下)の円形部分で90度回転し、機関部へ送り込まれる。
マガジンは実物では5.7×28mm弾を50発装填できる。
マガジン交換は画像のように少し持ち上げ、それから後部へ引き抜く。
p90/04

[フルサイズトイガンのP90]
今回の1/1トイガンはトイテックの電動ガン。
かなり前に絶版になっているが、現在国内では東京マルイが作り、
海外ではCAがマルイのコピーと思われる製品を出している。
マルイ,CAではホロサイトを持つ基本のP90と、3面のアクセサリー
取り付けレイルを装備したTRをラインナップしている。

トイテックP90はホロサイト部分にバッテリーを納め、アダプターを介した
充電用電源を使って充電する。
マガジンは500発!という大容量で、多弾数を活かしてサバイバル
ゲームでは活躍したという。
バッテリー,マガジンを外すと、P90は驚くほどコンパクトである。
p90/02


[1/6]
今回は先に1/6も。
ノーマルタイプは、フルタ 銃コレクション、
TRタイプにサイレンサー,各種光学サイトフル装備のものはHot Toysの
モダンファイアーアームズコレクションシリーズ2から。
p90/10

今回は、まず1/6で他のプルバップ式と比較したい。
左からP90,AUG,FAMAS,L85A1。

通常のプルバップはマガジンが下にあるので、かなりレイアウトが違う。
しかし、マガジンがP90のエジェクションポートにあれば、これらのアサルト
ライフルとはグリップの湾曲などが違うだけで、かなり似ている。

開発は、もしかすると通常のプルバップ方式からスタートし、高さをいかに
抑えるか、マガジ容量をいかに確保するか、というところでマガジン内に
おいてカートリッジを回転させるという画期的な方式を考えだし、次いで
グリップを湾曲させてこれらも高さを増さないように、という順番で開発
されていったのかも知れない。
p90/12

もう一つのデザインの参考候補は、ターゲット用のサムホール(親指の
入る穴)と持つライフルのストックだ。

同じく1/6で、最近のスナイパーライフルだがL96と。
このストック部分だけ、に機関部を押しこんだら、P90が出来そうだ。
p90/13

そしてH&K(ヘッケラーアンドコック)のVP70も、ストックを付けるとサムホール
状になり、形は少し似ている。
(これらは1/1、VP70はタニオ・コバのガスブローバックガン)
p90/09

同じく1/1で、各種SMG(サブマシンガン)との比較。
p90/06
フォアグリップと、その前に手が出ないようにするガードの突起を持つ形状は
MP5Kが参考になったのではないだろうか。
これらのSMGは、マガジンが下に伸びており、高さ寸法を小さく済ませるには
マガジン容量の小さいものなどで対処していた。
また、P90では、小口径高速弾を使用するため、バレル長を確保したかった。
そうしないと速度が上がる前に弾頭が出てしまい、パワーが出ないから
である。
これがバレルを長くとれるプルバップを選択させた一因だと思う。

また、P90のコッキング(装填用)ハンドルは、グリップ上部という他では
見られない位置にある。
これもコンパクト化のためにマガジンが上に乗ったが故のレイアウトかも
知れない。

P90とTMP(KSC ガスブローバックガン)。
p90/07

P90とTMPのコッキングハンドルの比較。
それぞれ矢印で指しているところがコッキングハンドル。
TMPが実銃通りに操作できるが、P90は電動ガンのため、
ダミーの固定(一体モールド)になっている。
p90/08

[プルバップ]
アサルトライフル(突撃銃 全,半自動切換え式小銃)でも、オーストリーの
AUG,フランスのFAMAS,英国のL85などがこの形式を採用し、P90の
開発期に正に大流行した方式である。
しかし、その支持は拡がらず、米国はテレスコピック(伸縮)式ストックのM4、
他でもスライド,ヒンジ式のストックを装備した通常の構造のものが使われて
いる。
プルバップのメリットは、長いバレルとコンパクトな全体寸法の実現だ。
しかし、上の方式でも、ストックを伸ばす手間はあるものの、全長は同程度に
収まっており、あとは横幅の増大など、を我慢すればいい。
プルバップが進められたのは、初速の維持、が目的だったのではないかと
思う。
バレルが短いと初速は下がる。そうすると、小口径高速カートリッジ.223に
移行しようとしていたアサルトライフルでは威力低下が懸念されたのだと思う。
現在米軍はM16のカービン(小型軽量)型であるM4を制式にしているが、
NATO軍と共通のカートリッジにするときに、パワーアップしたSS109弾薬に
スイッチしていた。
つまり、原料の効率は悪いが、火薬量を増やして、短いバレルでも充分な
威力を持たせたのである。
そうするとバレル長を稼ぐ為のプルバップには欠点が目立ってくることと
なった。
まず構成上、前方にあるトリガー,セレクターなどの動きを機関部に伝える
ために、長い伝達バーなどを用いて複雑な機構となりがち(もしくは切り替え
や安全装置を機関部に持っている)であることだ。
機関部にトリガーなどが付いているのが、通常最も簡単に構成できる。
そして照準線長(前後サイト間の距離)が短く、精密なサイティングに
向かない。これを補う為、光学サイトを付けるのだが、これは高価で破損,
故障の危険が高い。
もっともこれらは近年急速に改良が進んでいる。もはや光学サイトは標準
装備になりつつあるが、しかし既に銃の開発は、プルバップ以外の形式で
進められつつあるように思う。

PDWについては、以前MP7A1のところで少し述べたように、その有効性
には疑問がある。
P90は、元の後方支援用から特殊部隊の室内,市街戦などで使われ、
いまやSMGのジャンルに組み入れられつつあるように思う。
このコンセプトで、拳銃弾にも拡げていけば、市場は拡がると思うのだが、
そうすると既存の機種との競合から、参入は難しいのだろうか。
P90は地上部隊の主力装備を狙っていないものの、ニッチな市場も、FNの
期待したような需要は無かったのかも知れない。

ただ、まだP90は過去のものになっていないと思うので、今後の展開に
期待したい。

p90/16

では、今回はここらへんで。

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今回は、ブローニングM1910を。
m1910/01

[概要]
M1910は、護身用のポケットピストルとして好評だったM1900の後継機種として
1910年にFN(ファバリックナショナル)社から発売されたモデル。
設計は有名な銃器設計者ジョン・モーゼス・ブローニングであり、彼の名と、
その名を使った後の米国での販売元ブローニングアームスの商標から、
ブローニングの名が付いたのではないかと思われる。
全長15センチメートルほどのポケットサイズで、口径はセミリムド
(縁が少し大きい)の7.65mmと9mmショートで、それぞれ米国では32ACP,
380ACPと呼ばれているものを使う。

それでは、トイガンのM1910を。
これはマルシンのABSモデルガンで口径9mmとなっている。
マルシンは、1980年代からこのM1910を作り、現在もダミーカート,
ヘビーウエイト仕様など改良しながら作り続けている。
m1910/02

[安全装置]
M1910は小型の護身用拳銃として安全性が重視され、
3つの安全装置を持っている。
銃を握った親指(右手の場合)での操作でオン-オフを切り替えるサムセフティ、
グリップを握り込んで解除するグリップセフティ,
弾倉を抜くと発火機構がロックされるマガジンセフティの3つの参禅装置を
備えている。

[シンプル・ブローバック]
また、作動方式は、先行したM1900などと同じ、スライドの重量と
スプリングの力だけで抵抗し、閉鎖機構を持たないシンプルブローバック
(Blow-back)式である。

M1900とM1910、そしてM1910ターゲット。
M1900は頑住吉氏のガレージキット。
M1910ターゲットもマルシンのモデルガン。
m1910/17

[スナッグプルーフ]
スライドカバー式もブローニングがコルトのM1900などで始めた形だと思う。
FNのM1900では2分割で単純なカバーにはなっていない。
M1910は、ブローニングの設計した、それまでの拳銃の開発で培った
ノウハウが活かされているが、更にスリムに、また引っかかりを少なくする
スナッグプルーフ化が計られ、前後サイトはスライド上の溝の中に収まる
独自の形状になっている。

スライド後方から前後サイトを見たところ。
m1910/10

[リコイルスプリング配置]
M1910は、リコイル(スライド前進用)スプリングの配置もオリジナル
ではないかと思うが、バレル(銃身)にスプリングを巻きつける形としている。
この形式は、後にワルサーPPなどが踏襲し、
小型拳銃では良く用いられる形になった。

M1910の通常分解。
中央付近にあるのがバレル。スプリングを入れたままの状態。
m1910/08

M1900がバレルの上で、その後のコルトポケット32,コルトM1911が
バレルの下にスプリングを配置、現在はこれが一般化している。
コルトポケット25も、バレル下にスプリングを持っているが、
これはバレルの回転防止に、バレル前部をスライドをかみ合わせているため、
スプリングを入れにくかったからではないだろうか。

M1900のスライド分解状態。
これは上記の頑住吉作品だが、スプリング配置などはそのまま
再現されている。
m1910/09
[分解性]
分解は、通常のメンテナンスに必要なところまでは、全く工具を必要とせず、
しかも比較的簡単にばらせる。
明確に完全分解と通常分解の境界を分け、同じ設計者のコルトM1911のように
完全分解が容易に可能とはしていない。

これも、生産性と用途を考え、不用意にばらして組み立てに苦しむようなことが
ないように配慮した面もあるのではないかと思う。
M1910は、このように複眼的な視点から考えられた、「良く練られた」商品で、
故に他の追随を容易に寄せ付けなかったのではないか。

[FN]
FN、ファバリック・ナショナルは1889年にベルギーで設立されたメーカーだが、
もともとベルギー軍用のモーゼルライフルを製造するために作られたという。
国営と名前にあるが、設立時は銃器製造者が資本を出し合っていたとか?
会社はハースタルという町に設立時からあり、このためファバリック・ナショナル
・ハースタル(英語読みカタカナ化)という社名だったようだ。
FNはその後買収され、フランスのGIATグループとなったようだが、もともと国は
出資していなかったのだろうか。
それとも、いったん国営になったのち、民営化,売却されたのだろうか。
ともかく、FNはブローニングが設計した拳銃の欧州での製造,販売元として
共に歩み、M1900のあと、25口径ののベストポケット,9mm口径のM1903、
そしてこのM1910、ブローニング・ハイパワーなどを発表している。

ハイパワーとM1910。
左から、ハイパワー カナディアン(マルシン モデルガン),
M1935(通称コマーシャル タナカ ガスガン), M1910。
m1910/06

[自動装填式拳銃の開発]
自動装填式は19世紀末に盛んに開発が進められ、実用化が計られた。
しかし、初期の自動装填式は、いずれもかなり大きかった。
これは、従来の軍用拳銃も、7.5インチくらいの長いバレル(銃身)を持った
回転式だった為、大きさとしてこれらが参考にされたこと、軍用用途などで
想定された一定以上のパワーを受ける機構はやはりある程度の大きさを要し、
そして大きな方が複雑な機構を作り易かったことがあるのではないだろうか。
また、ボーチャードはストック装着が前提となっており、モーゼルC96にも、
ルガーP08にもストック取り付け溝がある。

初期?の自動装填式拳銃とM1910。
左から、モーゼルミリタリー M712(マルシン モデルガン),
ルガー P08 6インチ(タナカ ガスガン),M1910。
m1910/03

しかし、大きいと拳銃本来の、携帯しやすいというメリットを失う。
その後軍用自動装填拳銃は、ドイツのP08、米国のM1911などに
見られるように、結局、10センチ(薬室含む)内外のバレルで、
20センチ前後の大きさの、片手で使えるサイズのものが
その後主流になった。

コルトM1911(左 MGC モデルガン)とM1910。
m1910/04

[ポケットオートの開発]
J・ブローニングはこうした欧州勢の“過大な”自動装填式に対し、
全く違ったコンセプトを抱いていた。
それはポケットサイズの自動装填式だ。
彼は、複雑な閉鎖機構を要する高圧のカートリッジでも、バレル自体を
ロック部品として使うチルト式ショートリコイルで比較的シンプルな
自動装填式拳銃を開発していたが、同時にもっとシンプルなブローバック
(拭き戻し式と呼ばれる)で、従来の2/3サイズの小型拳銃が作れることに
気づいていた。
ここにちょうどFNのスタッフが訪れ、ポケットオートの実現は一気に加速する。
FNは最初からブローニングと契約交渉するために米国に向かったのではなく、
別の商品の購入案件で渡航した際、たまたまブローニングのところに
立ち寄って、この話が始まったとか?
信じられない幸運か、時代を読むセンスか、それまで拳銃開発に携わって
こなかったFNは、それゆえ先入観なく、市場分析が出来たのか、
大きなチャンスをつかんだように思う。
逆にコルトは大型の開発に主眼を置いていたようだし、欧州のニーズを
掴んでいなかった、という事情もあるだろうが、ともかく他を出し抜いて
FNはM1899,続いての小改良型M1900で、ポケットオートという
ジャンルを確立、一躍自動装填式拳銃のリーディングカンパニーになるのである。

従来にないコンパクトなサイズの自動装填式拳銃は、世情もあって大いに売れた。
コルトもあわてて?同じ32ACPを使うコルト32ポケット
(M1903、コルトとFNは同じ命名法でM(モデル)+年式だが、
同じM1903でもコルトは32口径の小型、FNは9mmの大型拳銃である)を発売、
これもポケットピストルの代表的機種となる。
FNは、この勢いにのって、より大型の9mmM1903、更に小さな25口径の
ベストポケットと次々に発表、独自の小さなものから逆に広げていく、
という逆転の構図で、そのあと世界経済の大幅な後退によって
時間がかかったが、軍用の?ハイパワー開発に至るのである。
中核をなすことになった先行機種のM1900は、その後の製品からみると
ずいぶん個性的な形だが、そのぶん製造にコストがかかるようで、
また機能的に手動安全装置一つしか装備していないこともあって、
FNの要請によってブローニングが再設計、M1910が後継機種となる。

ブローニング設計のコルトピストルと。
左から、コルト32ポケット(MGC モデルガン),
コルト25ポケット(コクサイ モデルガン),M1910。
m1910/05

[ミリオンセラー]
当時、ようやく軍用大型オートの実用化が始まったところで、当然小さなものも、
あれば売れるという予測は出来たかもしれない。
しかし、民需が軍をある意味上回るとまでは、多くの開発者,製造者が
予測しなかったのではないか。
もちろん技術的限界があった、という側面はあるが、コルトのように、
その技術を持ったブローニングと接触しながら製作に踏み切らなかった
ところもある。
もっともコルトは、安定した官需で伸びた会社で、創業当時は販売不振で
一度会社をたたむようなところまで追い込まれた経験があり、需要が不安定な
一般向けに傾注するより、軍の制式を今後も受けることが最重要課題だった
のかもしれない。
しかし、そのコルトにしても、回転式ではパーカッションリボルバーの時代から
ポケットと名づけた小型サイズのものを作っており、一定の需要なら
予測できたと思うのだが。

ともかく、パイオニアとなったブローニングのポケット・オートは、欧米だけでなく、
米国でも(コルト32ポケットが)大変な成功を収めた。
やはり需要はあったのである。
FN M1900は11年の生産で70万丁を超え、続くM1910は、1975年に
生産を終了したが、トータル100万丁を超えた、という。
軍用でいうと、ドイツのP08とP38がそれぞれ100万丁、米国のM1911A1が
200万丁らしいが、これらのうち時期的に近いのはP08で、このP08でも
第二次世界大戦終了まで作って、の数である。
世情もあってポケット・オートが大流行したといわれるが、
小型リボルバーやデリンジャーは既に存在しており、
やはり潜在的需要はあったのではないかと思う。
もうひとつは、FNの技術者が一目でほれ込み、また爆発的に売れたことから、
ポケット・オートは「斬新なアイテム」として、
スマートでスタイリッシュな形に写ったのかもしれない。
電気製品と一緒にしていいか、疑問はあるが、ソニーからウォークマンが
発売された当初(最近ではi-podか?)に似た“流行”が起こっていたのでは
ないだろうか。

M1910は、登場後デッドコピーも含めて多くの模倣,参考にした作品を生み、
正にこれが標準,基準となったように思う。
しかし、ブローニングとFNの掘り起こしたポケット・オートは、ブローニングの死後
ワルサーのPPによって世代交代がはかられ、M1910はゆっくりとではあるが、
その影響力,販売力を失い、生産が打ち切られる。
既に公用でも個人でも、M1910は過去のものになったのかも知れない。
但し、例え生産性や機能で今日のものに劣っていても、その美しさはまだ
衰えていないのでないだろうか。
そして、トイガンとしての根強い人気は、それを示しているのではないだろうか。


ポケット・オートの代表機種、ワルサーPP(左、マルシン モデルガンと)M1910。
m1910/11

[1/6]
さて、それでは1/6のほうを。
これはいつものように単品で入手したもので、しかも無塗装のマーブル状の
銀色だった。
そのパーティングライン(合わせ目),バリを取り、メタリックグレイで塗装している。
少しスリムさに欠け、またグリップのチェッカーが無いなど、大味な部分もあるが、
立派にM1910に見える。
m1910/12

それでは今回はここらへんで。
m1910/07


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今回はブローニングハイパワー、カナディアンモデル。
HPCN/01

[誕生、そしてカナダへ]
ブローニングハイパワーはブローニングが晩年取り組んだ試作をもとに、ファブリック・ナショナル(FN)が1935年に発表したモデル。
9×19mm(ルガー,パラベラム)弾を使い、溝カム形式のショートリコイル(少し銃身がスライドと共に後退する)方式の大型軍用拳銃。
拳銃としては当時最大の13発の装弾数を持つ複列弾倉が採用されていることから、ハイパワーの名を冠された。
FNはブローニング設計の拳銃をずっと生産し、ハイパワーは今も現役である。

No2MkⅠ(上)とFNのM1910(下)。
M1910もマルシンのモデルガン。
このM1910もブローニングの設計。
これも小型の護身用拳銃としてスタンダードとなるヒット作。
HPCN/04

第二次世界大戦が始まり、ベルギーが占領中されると、カナダのジョン・イングリス社にFNの技術者が渡り、ハイパワーが生産された。
No1Mk1がタンジェントサイト付き、No2Mk1がこのタイプである。
こっちがカナディアンモデルと一般には言われていると思う。

M1935(コマーシャル)とNo2MkⅠ。
向かって右がM1935。タナカ ガスブローバックガン。
M1935はFNで作られ、市販もされた初期のモデル。
左がNo2MkⅠ。マルシン ABSモデルガン。
HPCN/03

ブローニングの元設計は、M1910などと同じストライカー式だったが、これをハンマー式に変えるなど発表までの改良を行った技師がデュートネ・J・サイーブ。
彼は英国に渡っていたので、協力してカナダで作ることにしたとか。
No1Mk1は主に中国(蒋介石政府)に、他には英国やオーストラリア軍にも納入されたという。カナダ軍も採用したが、この制式名はM1935Mks1のようだ。
カナダ生産のモデルには、(構えた人から見て)左のグリップ横下にランヤードリングが付属しているのも特徴。

[サイト]
No2MkⅠの最大の特徴はサイトである。フロントはドブテイル(アリ溝)固定のパートリッジ(後ろが垂直かそれ以上にそそり立った)タイプ。リアは一体成形の周囲が盛り上がったタイプである。

No2MkⅠのフロントサイト。
HPCN/18

この組み合わせはその前後のモデルには見られない。
そして削り方も、前後サイトベース(リアは更にサイト自体)を残して削る必要があり、これならさっと全体を削り、更にドブテイルを前後加工したほうが早い。実際最近のMkⅢはその加工だし、他社をみても大半がこの形である。
なぜこのような形にしたのだろうか。

ハイパワーの各種フロントサイト。
銃身の周りにリング状に見える部品は、マズル(銃口)ブッシング。
左からNo2MkⅠ、M1935、MkⅢ。
MkⅢもタナカのガスブローバックガン。
M1935はABSでMkⅢはヘビーウエイト樹脂製。
HPCN/05

ひとつの仮説は、No1MkⅠ(ミリタリー、タンジェントサイトタイプ)の製造設備で、固定サイトを作ったから、ではないだろうか。
タンジェントサイトは上下をワンタッチで調整できるが、左右調整がないのでフロントサイトをドブテイルとして左右調整式とし、スライド上部を前後削り残す形でそこにサイトをつけた。
そしてこの後ろのタンジェントサイトの代わりに、削り残した高い部分をそのままサイトに成形したのが、カナディアンではなかっただろうか。
またフロントのドブテイルをスライド上に削り残した部分に加工したのは、当初マズルブッシングに干渉することを避けたのではないか(後のMkⅢではそのままつけているが)。
ハイパワーはここもブローニングの前作(ハイパワーの前にはウッズマンの前身コルトオートマチックピストルターゲットモデルなども作っている)M1911からは改良されているが、後のモデルのようにティルト(傾く)方向だけ逃がしのため削り込んだスライドではなく、ブッシングが入っている。
それと、当時はコストに占める人件費の割合は必ずしも高くなく、少々加工に手間がかかっても性能が良くなればそちらを採用した、という背景もあるかもしれない。

各種ハイパワーのリアサイトを後方から。
左から、No2MkⅠ,M1935,MkⅢ,ターゲットモデル。
ターゲットモデルはJACのガスブローバックガン。
HPCN/09

フロントサイトは現在につながる方式だが、リアはどちらかというとクラシックな一体型である。
No1MkⅠのタンジェントサイトのベース部分も、No2MkⅠ同様上部を削り残して加工している。
No2MKⅠでは調整を前でやってしまうからリアサイトは固定、という考えか、一体のサイトとされている。
これは単にサイトリーフ(板)部分を一体で作るのではなく、前後に肉を盛られて(実際は削り残した)十分強度が確保されている。
同様の形ではSIGのP210(SP47/8、過去の記事TT-33に関連事項)が有名だ。しかしこれは参考としたフランスのMleがここに手動セフティを設けていたこと、P210ではスライドとフレームのかみ合わせを通常と逆にして、長い距離をかみ合わせ、精度を向上させたが、フレームが上まできているため、スライドを掴む部分としてここを利用していることが理由だ。
ちなみにハイパワーもM1911と同じスライドのかみ合わせだけではなく、リコイルスプリングハウジング付け根を(P210のように)逆の組み合わせでフレームとかみ合わせてガタ(バックラッシュ)を減らし、精度を確保している。

No2MkⅠとSIG P210のスライド後部。
左がNo2MkⅠ、右がP210。
P210はマルシンのガスブローバックガン。
No2MkⅠのセレーション(指かけの為の溝)中央に小判状に独立した部品があるが、これはシアーバーの固定用パーツ。
ハイパワーは複列弾倉によるフレーム幅の拡大を防ぐ為もあり、引き金の動きをスライド部分に着けた部品を介して後方に伝える。
HPCN/07

[ハイパワーの影響]
ハイパワーの複列弾倉は、スタガードコラム(カァラム)シングルフィードという形式。
千鳥状にジグザグに収まった弾は上部におくられるにつれ一列になる(シングルフィード)。それまでマシンガンなどでは複列弾倉が採用された例があるが、これは最後に一列にならないままチャンバー(薬室)に送り込まれるもので、送り込むボルト,スライドが大きいならともかく、拳銃では少し無理があった。
そこでブローニングは最後に一列になるよう、弾倉の側面を上部にいくにつれ狭くなるよう絞った形とし、更に強度を上げるリブをつけた。
ハイパワーのあと、これを採用したのはフランスのMAB P15だったと思う。その後、しばらくは追従者が出てこなかった。
これは特許問題かもしれないが、基本の特許は既に切れていたはず(周辺技術を次々申請していたらその後も作れなかった可能性はある)。
他がすぐに手を出さなかった理由は、寸法精度等厳しい品質管理が要求されるのと、いかにハイパワーが優れた拳銃であっても、多弾数のメリットを認識させるのに時間がかかったのではないだろうか。
流れが変わったのは、S&W(過去の記事),ベレッタ(過去の記事),CZが相次いで複列弾倉+ダブルアクションを採用し、これら(CZを除く)が米国軍用のトライアルXM9に提出されるようになってからだ。
ワルサーP38が大型軍用拳銃に持ち込んだダブルアクションと共に導入されることで、一気に次世代の標準となっていく。
この弾倉形式は、やがて各社がこぞって採用、多弾数オートは今やミリポリ(ミリタリー&ポリス、軍用,警察用の意)拳銃のスタンダードな装備になった。

各種の複列弾倉と銃本体。左からNo2MkⅠ,CZ75,S&W M59,ベレッタ M92FS。
CZ75はKSCガスブローバックガン。これはファーストモデルと呼ばれる物。
弾倉もガスタンクを兼ねているが、外板を鉄板プレスで作り、実物に似せている。
M59は過去にM39のときに取り上げたMGC製モデルガン。
M92FSもこの間取り上げたマルシン製モデルガン。
HPCN/08

[トイガン]
マルシンは以前金属モデルを作っていたが、これは中田商店のものを受け継いでいたようだ。ABSモデルも固定バレル,サイドファイア式で始め、現在擬似ショートリコイル,センターファイア式に改良されている。ABSで出した頃に10種類位のバリエーション展開(刻印の違うものとしてチャイニーズモデル,セントルイス,ピンダットモデル)があり、実に幅広いモデルが存在する。
表面仕上げ(素材)で、ABS,メタルフィニッシュ,HW(ヘビーウエイト樹脂)などがある。キットも存在し、現在はコマーシャルモデルとミリタリーモデルが販売されているようである。
JACはガスブローバックのエアガンとしては初めてのハイパワーをモデルアップした。コマーシャル,MkⅢ,ターゲットモデルとそのカラーバリエーション(メッキ)があったはず。こちらはメーカーが無くなったせいもあり、現在生産されていない。
タナカはJACのあとガスブローバックを作り、現在も生産している。
バリエーションはコマーシャル(ビジランティ),ミリタリーそしてMkⅢがあり、ミリタリーには中華民国刻印モデルがある。最近、HWも生産しているが、ミリタリーとMkⅢでコマーシャルが出ていたかは未確認。

[1/6]
ドラゴン製と思われるものを単品で購入した。スライド,ハンマーが可動、弾倉が抜け、予備弾倉とホルスター、ランヤードらしき紐もついてきた。
ホルスター等は今回割愛。
実はマルシン製のハンマー形状が気に食わず少し削っているのだが、これは小さいにもかかわらず、良く再現したものだと関心する。手荒に扱うとすぐおれてしまいそうな部品だ。
HPCN/11

ハイパワーはMkⅢを別にやる予定。他のバリエーションも1/6カスタムが製作出来次第、取り上げる予定。
今回トリガーシステムなどにも話を広げかけたが、長くなりすぎるので次回にそのあたりも追求したい。
それでは、また。
HPCN/15

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まとめ

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