ADMIN TITLE LIST
Selected category
All entries of this category were displayed below.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2
今回は、新しいカテゴリーPDW(パーソナルディフェンスウェポン)のMP7A1を。
MP7/01

[概要]
PDWは、ベルギーのFN(ファブリック・ナショナル)社が提唱し、SMG(サブマシンガン)とプルバップ式アサルトライフルの中間的な性格を持たせたP90と5.7×28mm弾を開発、これを使用する拳銃、Five-seveNも追加してコンビを組ませている。
H&K(ヘッケラー&コッホ)社は、これに対し、G36の試作時にテストしていた4.6mmという、更に小さな口径を選択、英国ロイヤル・オーディナンスと開発した4.6×30mm弾を使うPDW(H&Kはこのカテゴリー名をそのままモデル名とした)を作った。これがMP7の前身となる。
ドイツ連邦軍特殊部隊KSK、NATO軍事委員会の警護官などによってMP7は使用され、’04年7月にマイナーチェンジされMP7A1となる。
このあたりは、今回の1/1モデルを作ったマルイの取扱説明書に詳しい。
これには1999年頃のPDW、2003年頃のMP7のイラストも掲載されている。

MP7A1。これはマルイの電動ガン。
MP7/02

[PDWの必要性]
PDWは、ボディ・アーマー(防弾チョッキ)が普及,一般化したので、これに対抗するために出てきたものだ。
アサルト・ライフル(突撃銃=フル・オートでも撃てるライフル。小口径高速弾を使うのが一般的)はこれに対応して貫通力を上げるようにパワーを増し、スチールで補強した弾を使うなどして対応しているが、従来正式の軍用拳銃弾ではボディ・アーマーを貫通できないため、小口径の弾薬が考えられた。
ライフル以外の武器を扱う隊員や、後方の輸送任務など、全ての兵がライフルを持つことは合理的でなく、また、戦車やヘリコプターの中など、大きなライフルの置き場や取り回しに困る状況では装備したくても困難だ。
そこで従来、拳銃とその弾を使うSMGが使用されてきた、いわばディフェンシブウェポン(護身用火器)の用途で、高い貫通力を持つPDWが考えられたのである。
しかし、軍の中でも、PDWに着目した別の勢力がいた。それは人質救出や偵察などの特殊作戦を主に行う部隊である。
彼らは、小型で室内など狭い状況での取り回しに優れ、また命中精度も拳銃より高いこの兵器を使い、高い評価を与えたようだ。
ドイツでも、特殊作戦部隊KSKが、MP7を使い、改良にも寄与しているらしい。

MP7A1(左)とMP5K(右)。
それぞれの弾薬(ダミー)も。4.6mm弾は下のUCPに付属していたもの。
MP5(マルゼン ガスブローバックガン)は、9×19mm拳銃弾を使うH&Kの名作SMG。
MP7/12

H&KがFNに対抗して新カテゴリーに参入してきたのは、NATO(北大西洋条約機構)軍がPDWを採用すべく製作を依頼していたものに応えるためだが、このような用途の拡大もその要素ではないだろうか。
それまでFNが独占的だったこのジャンルに後から追撃するため、H&KはMP7にいくつかのアドバンテージ(利点)を与えた。
まず小型,軽量化をすすめたことだ。P90の500mm、2.8kgに対しMP7は380(ストックを伸ばすと580)mm、1.7kgとした。
またマガジンが機関部上に横置きになり、排莢が下から、光学サイトを基本とするなど、使用,操作感がやや特殊なP90に対し、もともとシステム・ウェポンとして各種銃器の共通化をすすめてきたH&K、操作系は同社の拳銃USPなどに近く、またドイツで採用されていたサブマシンガン、UZIと同じグリップ内にマガジンを納めるレイアウトを採るなど、徹底してオーソドックスにまとめている。

[相棒]
H&Kでは、拳銃もFNのFive-seveNに対してUCPを開発、これも後にP46というモデル名を得ている。
P46は、まだ制式採用,量産に至っていないらしく、またその機構も独自特許で公開されておらず、一般にとっては謎のままだという。
ライバルFNはストレートブローバックらしいのだが、スライドも表面部分は合成樹脂を使っており、前方は薄くかなり軽量化されている。
これに対し、P46のスライドは側面に削りが入った同社のUSP(過去の記事)などと比べても軽そうにない。
また、エジェクションポート(排莢口)がUSPなどと違ってロッキングラグ(固定用の突起)を兼ねておらず、スライド側面に円形の凹みがある。更に、後述するトリガーのセフティなどMP7A1とも共通の機構を持っており、もしかするとファイアリングピン(撃針)ロックする機構も持たないのかも知れない(これがあれば、手動安全装置と合わせ三重の安全装置になる)。

MP7AとUCP(右)
UCPは頑住吉氏のガレージキットでエアコッキングガン。
MP7/03

UCPとFNのFive-seveN(右)の比較。
Five-seveNはマルシン製ガスブローバックガン。
MP7/15

[装備]
MP7A1は、小さいにもかかわらず、非常に多くの機能が詰め込まれている。
ここでは画像に従って、MP7A1の各部をみていきたい。

スライドストック。
ストックリリースレバー(銃床固定解除装置とでも訳すべきか)を押すとストックはバットプレートに内蔵されたバネの力で少し後方に出てくる。これを手でさらに引き出すとロックがかかる。この状態では全長590mmとなる。
位置的には、ライン・オブ・ボア(銃腔の中心軸)の後方にあり、典型的な直銃床で反動による跳ね上がりが少ないタイプになっている。
ストックは取り外すことも可能だ。
MP7/09

フォアアーム/フォアグリップ
フォアアーム(先台)は、回転させてフォアグリップになる。
この状態で後方の部品をスライドさせると、動かないようにロックする事が出来る。
MP7/11

サイト
前後サイトは両方とも引き起こして遠近切り替えが出来る。画像は起こした状態。
このサイトシステムは、ドイツ特殊部隊KSKにちなんで通称KSKサイトと呼ばれるとか。
上下は前で、左右は後ろで調整可能。
またサイトは前後ともピカティニーレール取り付けなので、外して光学サイトと交換することも可能。
MP7/10

セフティ(安全装置)付きトリガー(引き金)
トリガーには小さなレバーが付いており、トリガーが慣性力などで後退しないようになっている。
トリガー引く時には、指でこれが先に押し込まれ、解除される仕組み。
これはグロックの拳銃が採用しているのが有名だ。
グロックG17(右 KSCガスブローバックガン)とMP7A1で形状の比較。
MP7/13

トリガーガード
トリガーガードはマガジンキャッチ(弾倉止め)のガードも兼ねている。
H&Kのマガジンキャッチはアンビ(左右両用)の押し下げて解除する形式だが、ホルスターへの挿入時などの誤動作を防ぐ為、トリガーガードの幅を広げてガードにしている。
この形状はH&Kでは各種拳銃に共通で、MP7A1もこれを踏襲している。
同社の拳銃、USP(下 KSCガスブローバックガン)との比較。
MP7/14

オプションレール,ボルトキャッチ
フラッシュライトなどのオプション取り付け用レールも左右についている。
これは取り外し可能。
全弾発射後ボルトを後退位置で止めるボルトキャッチもアンビタイプがつけられており、マルイ製は電動でダミーだが、これも再現されて可動だ。
またM16などと同じ会式のボルトのコッキングレバー(これもアンビだ)もダミーだが可動する。これを引いてエジェクションポートを開けると、ホップ(BB弾に回転を与え、上に浮き上がらせる事で弾道を改善する機構)調整ダイヤルが覗く。
エジェクションポート後方には、これもM16系の改良事項だったリフレクターが付く。
MP7/15

マガジン
マルイ製MP7A1は、バッテリーや充電器まで入ったフルセット販売だが、マガジンは20連タイプ(BB弾は50発入る)が付属。
マガジンはボトルネック(ワイン瓶のような先が細い形)弾のためか、給弾性向上のためか湾曲しており、グリップ部のマガジン挿入口に少し前方から入る。
グリップも下がやや前に傾斜しているが、違和感はない。
MP7/08

[1/6]
では1/6を。
今回の1/6も単品の中古購入なので出所は不明だが、オプションも豊富で非常に精巧にできている。
MP7/04

本体にサイトは付いていなかったが、ヘンゾルト社RSAらしきものが付属し、またサプレッサー,フラッシュライト,ロングマガジン,ホルスターとマグポーチも付いてきた。
MP7/05

ベルトにホルスター,マグポーチを装着、本体とロングマガジンを入れてみたところ。
MP7/06

[PDW弾]
この4.6×30mm弾は、小口径なので貫通力は得やすいが、軽く殺傷力に欠ける恐れがある。
そこで、比較的軟らかい目標に当たった場合は、積極的に弾を横転させ、破壊力を増すようにデザインされているという。
そして各種の用途に対応する為、標準の鉄製弾頭に加え、ホローポイント(先端に凹みがある),トレイサー(曳光弾),フランジブル(容易に砕ける弾),ブランク(空砲)などがある。
更に、スプーンノーズという弾頭に斜めの抉りが付けられた弾頭も用意されている。
これはホローポイントより、横転もしやすいうよう考えられたものだと思われる。
但し、これは既に’70年代にハーグ陸戦協定に違反するダムダム弾の一種だと見なされて軍用としては使用が禁じられており、警察などに向けた仕様だという。

4.6×30mm弾は、200m先のマンシルエットが狙えるくらい命中率が高く、拳銃弾に比べて、遠距離では空気抵抗によるエネルギー損失も少ないので、ある程度離れた目標を狙う用途ではアドバンテージが大きいかもしれない。
反動は、9×19mm弾の1/4という軽量の弾頭でもあり、非常に小さいらしい。
但し、発射時のエネルギー自体はこれとあまり変わらないレベルである。
また、近距離で重視され、40S&W弾や45ACPの復権に影響していた、マンストッピングパワーという観点からみると、PDW弾の効果には疑問が生じる。
但し、9mmでも弾数で勝負させていたなら、PDW弾は拳銃型でも20連発と更に上をいく。
もっとも、223Rem(M16の弾)でも、当初殺傷能力が疑問視されていたが、数十年後には(パワーアップもしているが)一般化してしまった。
但し、これはもともと狩猟用で効果が認められて広がったものなので、PDW用カートリッジとは少し事情が違う。
4.6×30mm弾も5.7×28mm弾も、貫通力が高い特殊な弾薬だということで、一部を除いて市販はされず、銃も一般市場には出回っていない。
しかし、小口径高速のライフル弾薬は、昔から数多くあり、拳銃用でも、過去S&Wが自社のリボルバー(回転式拳銃)用に22センターファイアマグナムを作ったこともあった。今更PDW用弾薬を禁じても、あまり効果は無いと思うのだが。
軍用としても、今後の普及は、実際の効力が認められるか、だと思う。
万能の道具というものは無いと思うが、45ACPを廃して9mmに乗り換えたものの、特殊部隊では45ACPを存続、一般でも40S&Wが普及したように、小口径の有効性は限定的(中距離に)ではないかと思う。
かといって、MP7A1とM1911を装備するなら、UMP(45ACPのサブマシンガン)の方が現実的ではないだろうか。
全くの外野の側からすると、新しいデザインのモデルが登場するのは楽しいのだが。

それでは今回はここらへんで。
MP7/07

スポンサーサイト
web拍手 by FC2
今回は、Heckler&Koch(H&K ヘッケラー&コッホ )の Mk23 SOCOMピストルと、その技術を見ながら、技術の利害得失,開発制度(!ここまで大げさではないが)についても考えてみたい。。
Mk23/01


今回は、小さな写真の4分割カットは見難いようなので、単純にカット数を増やしてみた。その分長いが、文章は従来の分量で書いたつもりなので宜しくお付き合いを。

[概要]
1991年、米軍の特殊作戦司令部U.S.Special Operations Command(US SOCOM)が、Close Quarter Battles(CQB=近接屋内戦闘)用の新拳銃の開発をコルトとH&Kに依頼、最初の試験用試作でH&Kの採用が決まり、その後改良テストを経て制式となったのがPistol Semi-automatic.Mark23.Mod.0である。
サイレンサー,LAM(レーザーエイミングモジュール=レーザー光による照準装置)が取り付け可能で、DA/SA(ダブル/シングルアクション=引き金を引くとハンマーが起きていなければそれを起こして撃発,起きていればそのまま短いストロークで撃発する)トリガーを持ち、複列式弾倉で45ACP弾を12+1発装填できる。
高い命中精度を要求されたためか、上記の機構,弾のせいか、非常に大柄になっている。
Mk23は、1996年から納入が開始され、‘97年には、市販もされている。
また、同時期に開発されたUSPと機構上多くの交通点を持つが、パーツの互換性はほとんど無い。
ちなみにMk(Mark)という制式名は、海軍の使っていたもので、陸軍はM(Model;M9,M11など)だ。

Mk23(KSC ガスブローバックガン)
ITI社のLAM(解説は下で)、ナイツのサイレンサー付き。
Mk23/10


米国軍の一般装備、M9=ベレッタM92FSと。
これはマルシン モデルガン。
Mk23/17


海兵隊が使用する、M1911A1の改良型MEUピストルと。
これはWA(ウエスタンアームズ)のガスブローバックガンで、MEUでも前期の型をモデルアップしたもの。
Mk23/18


[太いグリップ]
今回の1/1模型は、KSCのガスブローバックガン。
同社はUSP45,USPコンパクトも出しているので、グリップの周長を比べてみると、USPコンパクト134~138mm、USP45は139~152mm、Mk23は151~156mmとなった(当ブログ測定値、あくまで目安)。
Mk23は全長が長いだけでなく、グリップも太く、サイズはデザートイーグル(過去の記事)並みの大型拳銃で、米国のそれまでの正式拳銃ベレッタM92FS(過去の記事)やM1911A1(過去の記事)と比較しても明らかに大きい。

左から、Mk23,USP45,USPコンパクト。全てKSCのガスブローバックガン。
Mk23/13


Mk23(後ろ)とUSPの後部。
アンビのセフティ,コーティング(KSCではダイキャストのままモールドで再現)され大きいハンマーのヘッド,調整式のリアサイトなど全てに手が入っている(KSCとしてはMk23が先なので、USPに手を入れた、となるのかも)。
mk23/15


トリガー,トリガーガードの比較(これも後方がMk23)。
Mk23はグルーブ(溝)付きトリガーで、トリガーガードも大型かつ指掛けも立派な突起になっている。
トリガーガード前方に穴があるが、これはレーザーサイトなどを固定する為のタップ穴。
Mk23/16


[プロトとマスプロ]
KSCでは、フェイズⅡ(第二段階)のプロトタイプと、マスプロモデル、それに市販モデルまで!バリエーション展開をしている。
マスプロとプロトの2つを入手しているので、今回はこの2つの違いも紹介しようと思う。
KSC以外にマルイでもMk23がモデルアップされているのだが、こっちもフェイズⅡのプロトもモデルアップ(固定ガスガンはプロト)されており、どうやら製品版よりも試作モデルの方が、人気があるようだ。
CZ75は、市販のファーストモデル(初期版)とセカンドモデルをKSCがモデルアップしているが、プロトタイプのモデルアップというのは珍しいと思う。
KSCでは、最近ベレッタ M93Rのプロトタイプもモデルアップしているが、これは商標の問題で社名を刻印できないという、大人の?事情では。

Mk23 プロト(後方)とマスプロ。
両者の違いは、スライド前方のセレーション、セフティレバー形状,サイト横のオレンジのドットの有無、刻印やマガジンベースの形、フレームのシリアルナンバープレートなど、多岐に渡る。
mk23/05


右サイドのカットも。
左がプロト、右がマスプロモデル。
Mk23/08


下側のカット。
今度は右側がプロト、左がマスプロ。
マスプロモデルには、フレーム前方にシリアルナンバーを打ったプレートが埋め込まれており、トリガーガードにも刻印が入る。
mk23/09



[複雑な操作系]
以前、米軍正式のM9=M92FSについて書いたとき、操作レバー等の動かす所が多いという指摘をしたが、これは米軍の好みのようだ。H&Kは同時開発の兄弟モデルであるUSPでもここまで操作系を増やしていないし、他のモデルではなおさらシンプルである。
Mk23は、USPでは一体のセフティとデコッキングレバー(ハンマーを安全にダウンさせる装置)がそれぞれ独立し、更にセフティ,マガジンキャッチがアンビデクストラス(左右両方から操作できる)となっていることもあり、やはり操作系が多い。

上に引き続き、プロトとマスプロで、操作系のアップ。
後ろがプロト、前がマスプロ。両者はセフティの形が違う。
Mk23はスライドストップ,デコッキングレバー,セフティの3つがグリップ上に並ぶ。
mk23/07


[ユニバーサル]
また、USP/Mk23は、H&Kが従来とことん避けてきたショートリコイル(銃身が少しだけスライドと共に後退し、閉鎖機構が解除される)機構を採用したモデル達である。
分解方法も、従来のものとは異なり(機構が違うのだからそれは当然だが)、M1911系を強く意識したものとなっている。
スライドを少し後退させ、スライドストップの突起とスライドの溝を合わせてスライドストップを引き抜く工程まではM1911と全く同じだ。
USP(過去の記事)のときにも触れたが、Mk23の兄弟機種であるUSPは、ユニバーサル・セルフローディング・ピストル(世界規格自動装填拳銃)の略である。
まさかM1911系に合わせる=ユニバーサル化と考えていたのではないと思うし、それなら米国志向で全世界共通というものでも無いと思うが。
逆にこれは、アメリカ志向という事を露骨に出さない為の、ユニバーサル化という表現なのかも知れない。

スライドストップを引き出したところ。
Mk13/19


[Mk23のショートリコイル]
USP/Mk23では、SIG P220のスライドとチャンバーをかみ合わせる結合方法を採っている。
これはもともとプレス鋼板でスライドを作るときに考えられたのだと思うが、H&Kでは、NC(数値制御)フライスによる切削で製造しているUSP/Mk23でも、加工がシンプルなこの方式とした。
これは単にコスト低減だけでなく、シンプル故に高精度の追求にも寄与した面があるのではないか。
コルト,ブローニングが使う従来の3本の溝をバレル,スライドに設ける方式では、3つのうちどれかの一ヶ所だけが厳密にいうと接触している可能性が高い。また、3つの凹凸それぞれの精度を上げても、相互の寸法精度も上げる必要がある。
強度上問題がないなら、一ヶ所で済むならその方が精度を上げやすい。

また、USP/Mk23はチルト・バレル(銃身が傾くことによって上部のスライドとのかみあいが外れ、後はバレルが停止,スライドだけが後退を続け、ケースを排出する)式の閉鎖機構だが、バレルのチルト機構部は他では見られない合理的な構成になっている。
それは、スライド前進用スプリングのガイドシャフト(軸)にカムを設けた事である。
このカムとバレル下のラグがかみ合う事でバレル後部が下がるのだが、従来他社では、スライドストップのシャフトを流用するか、ブロックをフレームに埋め込んでいた。
特にアルミ,ポリマー(高分子の合成樹脂)フレームでは、金属ブロックを使う事が多かった。
USP/Mk23ではこのガイドシャフトをスライドストップで止めているが、これは単に勝手に分解しない(上記のように分解時にはスライドストップを外す)為である。
通常カムの前方にあるスプリングガイドを使ったことで、部品を減らせ、分解,交換もしやすく、またチルト中に本来の動作が必要なスライドストップのシャフトよりも固定されているガイドシャフトの方が、機構上無理が無い設計である。
ガイドシャフトはフレームに固定していないものもあるが、USP/Mk23では、M1911カスタムで見られるように、固定ガイドがスライド前方の位置決めに寄与し、ここでも精度向上に役立っているのではないかと思う。

スライド,バレル,ガイドシャフトを外し、噛み合わせ部分を。
ガイドシャフトの斜めの溝と、バレルのラグ部分が噛み合い下方向に動き、スライド上のエジェクションポート(ケース排出穴)と噛み合っていたバレルが外れる。
KSCでは、反動低減用の2段階機構?リコイルスプリングも再現している。
Mk23/20


[ポリゴナルバレル]
Mk23では、ライフリング(バレル内に刻まれた、弾頭に回転を与える為の溝)には、同社が以前から採用していた6条のポリゴナル(多角形)ライフリングが採用されている。
これは、通常のエンフィールド型ライフリングが内径より少し大きい径となるような溝を数本刻み、段が付いた形(内径のままの部分とそれより大きな径の部分が交互に構成される)なのに対し、断面が角を落とした6角形となるように成形したものだ。
以前紹介したデザートイーグルもこれを採用している。
ポリゴナルライフリングの長所は、角が無いので汚れがたまりにくく、角部分の弾頭が密着しないところからガスが漏れることも無いため初速が上がる、ということだという。
但しポリゴナルライフリングは、現在ではもてはやされる事がなくなっているようだ。
H&Kでは、軍用アサルトライフルG3などにもこれを採用していたが、結局通常のライフリングにしている。
これは拳銃ならともかく、小口径で、かつ高圧できついピッチのライフリングとなるライフルでは、ブレットにエンフィールド型より(口径との相対比でも)大きな変形が必要になるからではないだろうか。
通常のエンフィールド型ライフリングなら、溝の深さは0.1~1/2ミリ(普通は0.1ミリほど、しかしH&KはVP70で0.5ミリ程の深いエンフィールド型ライフリングを刻んだ。但しこれには、ガスを逃がして圧力を下げるという特殊な目的があった)程の程度、これに対し、KSCの模型でみてもポリゴナルライフリングの内径の大小(単に溝にはなっていないので)の差は、その数倍くらいありそうだ。
そうするとガスの漏れは少なくても、効率は必ずしも良くないし、発射ガスだけでなく、変形に対する反力もバレルに負担としてかかる。
現在ボルトでは六角頭やヘックスリセス(六角穴)のものが多く用いられているが、大きな動力の伝達で分解の必要な所にはエンフィールド型に似たキー溝やスプラインが切られるように、やはり引っかかりがあるほうが外れにくく、逆にその凹凸も小さくできるのではないだろうか。
拳銃でも、このバレルは削りで作り難く、H&Kのようにコールド・フォージン(冷間鍛造=軟化する温度まで熱せず、大きな外力で変形させて成形する)で作るなどの方法を要し、大規模な設備が必要になる。
Mk23の米軍への納入数は数千とか聞くので、これだけの為に設備するなら全く割に合わない機構だったと思う。

Mk23プロトとマスプロで、マズル(銃口)部分。
インナーバレルの色が違うが、これは仕様の違いによるもの。
KSCでは数回、主に機関部のマイナーチェンジをMk23に施している。
Mk23/06


[マイナス隙間]
また、精度向上の為に、バレルにゴムのOリングをはめ、ガタつきを減らすだけでなく、いわゆるマイナス隙間としている。
コルトも、MkⅣ シリーズ70でバレルブッシングに板バネ作用をもたせ、精度向上を図っていた。
機械要素では、ガチガチに変形しない剛体を隙間の無い,もしくはマイナス隙間とする機構では、まず組み立てられないし動かない。
また、動いたとしても、作動が不確実で重い,直ぐに摩耗,焼きつきを起こしてしまうなど、問題を抱えることにもなる。
製造上の制約もあるが、クリアランス,バックラッシュは必要な隙間でもある。
そこで、バネ作用を持つ弾性体を使い、そのバネの力で押しつけ、隙間を無くす方法がとられている。
Mk23もこれに倣ってバレル-スライド間の隙間を無理なく殺し、25m5発で64mm以内という軍の要求ラインを、3万発撃った状態の銃でも実現するという。

バレルのOリング。サイレンサー取り付け用のタップの後ろにある、緑色のものがそれ。
Mk23/14


[オプション装備]
Mk23は、開発当初から特殊任務の為の各種オプションの装着が求められていた。サイレンサーは当初H&Kで試作されたが、その後ナイツ社から供給されるものに切り替えられている。
LAMも試作ではITIのものだが、その後ウィルコックスのものが試されている。

写真では、横の部品を一つ付け忘れているが、これはITIの物を模した社外品のガレージキット。
ちゃんとHWS(ハートフォード)のレーザーが仕込め、写真のように後方のスイッチを使い点灯させることが可能だ。
固定も前述のトリガーガードのタップ穴にスクリューが入って前後も動かない。
但しフレーム前方の取り付けレールは、一般的なピカティニーレールではなく、この為アダプターを使用しないと使える機種が限られる。
そしてネジ式の固定より、ピカティニーのラッチ,ラグ式のワンタッチの方が素早い装着が可能だ。
Mk23/11


[オープンな秘密兵器]
ハイスタンダードのHDモデルは、パワーズ事件でソビエト側に拿捕されるまで秘密だったし、S&WのM39,M59をベースにしたMk22(過去の記事)は、生産数が少ないこともあってか実物の画像も見かけない。
Mk23のサイレンサーはその内部構造も明らかにされていないが、本体は上記のように市販され、また販売前でもショット・ショーなどで公開されていた。
それまでのサイレンサー付き拳銃が、トップ・シークレットの扱いで、その存在,姿の写真が公開されなかったのとは大きく違う。
これは思うに、開発の経費がかかる割に生産数が少なく、これを解決するために情報公開,市販をメーカー側が求めたのでは。
ライフル,マシンガンはともかく拳銃の採用実績に乏しかったH&Kにとっては、初のビッグタイトル?黙っていろというなら引き受けないつもりだったのかも。

[1/6]
それでは1/6ミニチュアを。
まず上はドラゴンの装備セット(下写真)のもの。そして下は単品購入で金属製(サイレンサーも金属)のもの。
Mk23/02


ドラゴンの装備セット一式と、金属製Mk23。
ドラゴンのセットには、トップのカットで使ったウィルコックスらしきLAMとサイレンサーも付属、ホルスターもある。
更にスライド,ハンマー,トリガーまでも可動、そしてスライドはグレーに、フレームはブラックと塗り分けされている。
Mk23/04


[豪華装備]
Mk23は、他に無いほど盛りだくさんの要求に応えた、高精度で豪華なモデルとなった。
しかし、コストだけでなく、大きさやマガジンキャッチの方式などが嫌われ、米軍の特殊部隊内でもM1911系の使用を続けるところもあるようだ。
マガジンキャッチなどは、誤動作の危険はあるものの、それはM1911系にも言えることであり、操作方法自体は決して不評を買うようなものでは無いと思う。更にアンビになっており、これは利便性が上がっているはずだ。

但し、サイドアームズ(従,副装備の火器)としては大き過ぎ、またコンパクトマシンガンの方が制圧力も保持性(これらの多くはフォアードグリップを持っており、それに対しMk23では結局グリップ部だけで握ることになる)もいい。
重装備,高精度,耐久性の確保という命題によって軽さやコンパクトさを失った面は否定できないが、どうもこれは最初に出した要求が、それこそ雲をつかむようなオーバースペックで、現実を捉えていなかったような気がする。
それに最後まで付き合ったH&Kも大変(いやむしろ予算がついて技術研究が出来、市販もしたしPRにもなって一石三鳥だったかも)だが、一番迷惑だったのは高い買い物の代償を払わされる米国民では。
ここで以前少し述べたかもしれないが、某国自衛隊?の狙撃用ライフルも、結構吹っかけられており、これは国会でも取り上げられたが、ガンロッカーなど周辺装備まで含めた価格なので高くない、とかいうことでうやむやになったような。
その後、もっと大きな案件で商社が不正を働いていたことが明らかになったが、この件も総額で考えればロッカーどころか射撃場が一つ出来そうな額の上乗せだったように思うのだが。
くわばら、くわばら。

ハイテク満載で特殊部隊ご用達、そして大きくて実物は高嶺の花、横綱相撲のようだが、シャープでごつくていかにもドイツ、のデザイン。
Mk23、経緯はともかく、やはり格好良いと思う。

それでは今回はここらへんで。
mk23/03

web拍手 by FC2
今回は、H&Kのグレネード・ランチャー HK69A1を。
69A1/01


[概要]
69A1は、H&K(ヘッケラー&コッホ カテゴリー有り)社が開発したグレネード(榴弾)・ランチャーである。
グレネード・ランチャーは、爆薬を内蔵して破裂する弾=榴弾を発射する装置で、カートリッジ内の火薬で発射,推進し、弾体自体は着弾するまで着火しない。
後に模型が登場するロケット・ランチャーとは、弾体が自力で飛んでいくか否かで区別される。

1960年代半ばからH&Kが開発していたグロスカリバーピストル、HK69を改良したのがこの69A1で、NATOスタンダードの40×47mm榴弾のほか、催涙弾やゴム弾も使えるが、H&Kではこれと並行してHE-FRAG W/PDSDFグレネードを開発した。
これは、大量のベアリング(鋼球?)と自爆装置が内蔵されているという。
69A1/02


[1/1]
今回の1/1は、CAW(クラフトアップルワークス)のガスガン。
バレル,グリップとショルダーパッド(肩当て)以外には金属が使われ、質感も高い。
ガスはカートリッジ内に注入され、多数のBB弾が、散弾銃と同じで一気に撃ち出される。
カートリッジと本体は、別に購入するのだが、今回登場させたのは、2007年春モデルチェンジした新型カートリッジで、一度に60発発射出来るもの。
69A1/03


69A1は、中折れ式。本体後部に2つ突き出た突起のうち、上の方(バレル」ロックレバー)を引くと、スプリングでバレル(銃身)が跳ね上がる。
カートリッジが取り出しやすいようにか、バレルの両サイドが少しえぐられているが、これは実銃も同様のようだ。
69A1は、セフティレバーも左右に付き、上記のバレルロックレバー、実銃のシングルアクションのハンマー(トイガンではコッキング操作は不要だ)も含め、完全なアンビ(左右両用)になっている。
69A1/04


フロントサイトはガード付き。
マズル(銃口)付近にはライフリングも再現されている。
69A1/06


リアサイトは2つ有り、主に警察用などで近距離の50m,100mでは後部の切り替え式リアサイト(写真は100m時)、150~350mでは照尺を立てて使う形式。
警察仕様のMZP-1も69A1とほとんど同じだが、この照尺は省略されている。
オープンサイトでかつ機関部後端にリアサイトが位置しており、ややぼやけやすい配置だが、ストックを伸ばし、顔面を離して狙えばこれでも充分だ。
69A1/07


69A1/08


ストックはT字型をしており、90度ひねってスライドさせると伸縮出来る。
以前取り上げたコンバットショットガンM1014(過去の記事)では、ボタン式のストッパーだが、形式が似ている。
操作性には好みもあるが、69A1の方が簡単で片手で操作しやすいように思う。
69A1/09


[1/6]
このブログでよく登場するザッカ・ピー・エイ・ピーは、2008年に入ってワールドウェポンコレクション グレネードガン セレクト1を発売した。
この69A1を含めた5種(×2つの塗色)+シークレットがあり、定番のM79、通常ライフルに取り付けて使う、アドオン(add on=加える)タイプのM203,AG36とロシアのKBP GM94、そしてこの69A1がHK69としてモデルアップされた。
69A1/10


AG36もH&Kの作で、これはアサルトライフルG36と同時開発されたアドオンタイプのランチャーにストック,グリップ等をつけたものを再現している。
M79のストックはライフルに比べ水平に近く、少し違和感があるが、これは基本的に斜め上にバレルが向く状態で撃つ為。
69A1/11


69A1とM79はバレルを上へ跳ね上げてチャンバー(薬室)を開く方式、M203とGM94はスライド式で、AG36はライフルの銃身下につけることを考慮して、側方に開く。
1/6でも全て開閉可能で、カートリッジが挿入出来る。
69A1/12


照尺やストック、フォアードグリップ(AG36)も可動になっている(69A1では単にスライドだけで、ひねってロックを解除するところは再現されていないが)。
M203に至っては、ダットサイトが付いており、これも大きな発射角(グレネードは大きな放物線を描いて飛んでいく)に対応して可動する。
69A1/13


GM94は連発式で、バレルの上にチューブマガジンがある。
これは一般的なショットガンとは逆の構成だが、1/6でもスライドして機関部を開くと次弾がのぞく。
69A1/14


更にカンプ・ピストル(過去の記事)、シュツルム・ピストル、日本の21.5mm信号拳銃と1/6グレネードラインナップを。
69A1/15


最後はロケットランチャー、ショットガンと。
全て1/6だが、これらと比べると、グレネードランチャーの小型さが理解できると思う。
69A1/16


[高低圧理論]
爆弾を投げる考案は、火薬の発明当初から試みられており、近年では、手で投げるより正確に、遠くへ榴弾を飛ばすものとして、ライフルのマズルにアダプタをつけて空砲を使って飛ばすものもあった。
しかし、これは通常の弾とは比較にならないほど大きく重い榴弾を発射するには不向きで、射手,銃共に負担が大きく、応急的に使用するだけならともかく、常用するには問題があった。
そこで第二次世界大戦時、ドイツで砲弾の為に開発された高低圧理論を応用、米国で開発されたのがライフル型グレネードランチャーM79と専用のグレネードだった。
このグレネードランチャーは日本の擲弾筒を参考にした、という説もあるらしいが。
しかし既に第二次大戦期に信号弾用の発射装置を改良したカンプ・ピストルでは高低圧理論に基づく弾が開発,使用されていた、という話もある。
高低圧理論による構造は、カートリッジに2つの空間があり、、高圧室から低圧室にガスを導き、低圧室で弾頭に圧力をかける、というもの。
こうすることで圧力が一気に上がらず、バレル内圧力(腔圧)のピーク(最大値)が下がるという。
それなら少量の発射薬で、と思うところだが、少なくても推進薬の燃焼速度は同じだと思われ、充分発射するだけのガスを生む火薬だとやはり初速が高くなる恐れがあるのかも知れない。
更に少量の火薬を大きな空洞に入れておくと、中で踊って粒が壊れたり、温度差によって結露した水を吸うなどして発火の安定性が損なわれるのではないだろうか。
この本田の副燃焼室付きエンジンCVCC(話が古い!)のような構成を持つM79がベトナム戦争で活躍、米国からNATOのメンバーであるドイツに里帰りしたらしい。

今回のドール衣装もLink先の樽猫さん提供のものである。
momokoドールと同じスケールなので簡単にお願いしたが、微妙に体型?が違うらしく、専用のサイズで先週紹介分も含め何着も製作して頂き、恐縮である。
それでは、ここらへんで。
69A1/17

web拍手 by FC2
今回は、H&K(ヘッケラー&コッホ)社 G3のスナイパーバージョン、SG1を。
SG1/20


[G3の発展型]
SG1は、H&Kの代表的なライフルである、G3をもとにしている。
G3は、(WWⅡ)戦後第一世代のドイツ軍用ライフルであり、一応アサルト・ライフル、但し当時のNATO制式  308弾を使用する為、現在の考えでいくとバトル・ライフルに入るのではないかと思われる製品。
H&Kは、サブマシンガンからライフル、ライトマシンガン,スナイパーライフルまで、同じ基本構造,操作方法で、パーツも共通化を進めたウェポン・システムを提唱した。
ウェポン・システムは、教育期間の短縮やそのレベルを下げ、また部品の供給などにもメリットがあり、更にパーツを変えて使用目的の違う用途に転用出来るなど、製品は高価でもトータルでは安くつく、とH&Kは主張している。
G3はウェポン・システムの中核商品であり、G3自体もバレル(銃身)長や互換性のあるストックの形式など、多くのバリエーションを生んでいる。
G3を含め、このシステムに属する製品は、ボルトをディレイドブローバック(遅延吹き戻し式?)で動かすローラーロッキングシステムを採用している。
このためもありG3は通常の自動装てん式ライフルのようにバレルにガスピストンなどがつかないフリーフローティングと(改良後)出来た。
この、もともと命中精度が高いライフルG3を、狙撃用にも使えるよう発展させたのがSG1だ。
精密射撃では、バレルを根元だけで保持し、バレルに振動の節となる支持点を設けない方が高い命中精度が得られることがわかっていた。
このため、手動式のライフルでもこのフリーフローティングのバレル保持形式が多く使われている。

SG1の改修点としては、セット・トリガーの採用、フル・オート(全自動)の廃止、スコープ使用を前提に追加されたチークピース、更に長くされたバットプレートといったところ。
バイポッド(二脚)は、G3にも装備できるものだが、これもSG1の標準装備だ。

SG1/09

[1/1]
今回の1/1模型は、東京マルイの電動ガン。
マルイは以前、このG3をバリエーション展開し、固定ストックにスリムなハンドガードの付いたA3、スライド式ストックにSG1と同じ大きめのハンドガードを持つA4、そしてこのSG1、更に短いMC51、もっと小さく、ストックも廃したG3 SAS、またSG1より更に狙撃向けに特化したPSG-1をラインナップしていた。
但し、現在ではG3A3、G3A4は製造されていないらしい。それとは逆にこの(特殊型ともいえる)SG1がラインナップに残されている。

[セット・トリガー]
実銃のSG1はセット・トリガーというシステムを採用している。
これは発射前に、まずトリガー後方のレバーを引いてトリガーをセットする。
トリガー自体は軽くなっており、精密射撃に向く。
二段式にしたのは安全性からだと思うが、毎回レバー操作が要る。
やはり操作性に問題があったのか、その後のモデルではこれは廃止されている。
マルイのSG1は、セット・トリガーを装備せず、更にフル・オートも可能だ。
つまり、厳密に言えばこれはSG1では無く、G3にSG1用チークピース、バットプレートをつけたものなのだ。

これは、マルイの間違いなどではなく、説明書にも敢えてこの仕様にした、と書かれていたと思う。
製品バリエーション展開上、PSG-1との違いを明確にし、SG1にもメリットを与える為だったと思われる。
実銃では、狙撃用の精度を持つバレルで全自動射撃などすると、あっという間に使い物にならなくなりそうであるが、エアーソフトガンならこの問題はなく、狙撃とライト・マシンガンの、二者合体型の万能後方支援兵器?の役割を担わせようとしたのではないだろうか。

機関部の図。グリップ上部に、セフティ(安全装置)を兼ねたセレクター(切り替え器)が見える。
Sで安全状態、Eでセミ・オート、Fがフル・オート。
SG1/10


[サイト・システム]
G3では、オープンサイトとピープサイトの両方が使えるドラム式のリアサイトが装備されている。
SG1はスコープ使用が前提とされているが、このサイトもそのまま装備されており、更にワンタッチ式のスコープマウントは、スコープ装着のままでこのサイトも使うことが出来るよう、バイパスになる穴が設けられている(もっとも、追加されたチークピースのせいで、狙い難いが)。
スコープ,マウントリング,それにワンタッチ式のマウントベースは、マルイでは別売りになっているが、実物ではシュミット&ベンダーの1.5~6倍のものが装備されているようだ。
今回のものには、Tascoもつけていたのだが、それはM700にいったので、手元にあるSimmonsのズームスコープを付けてみた。

ワンタッチのスコープマウント(別売り)もそのまま再現されている。
これは、スコープを外した状態。
SG1/11


アイアン・サイトの写真も。
これはピープ(穴)サイトの時。ピープ径もドラムを回して変更できる。
SG1/13


クリックのついたドラムを更に回すと、オープンサイトにもなる。
SG1/14


フロントサイトには、リング状のガードがあるが、これにピープに合わせる形で照準するので、サイト自体といってもいいかも。
電動ガンなので機能は無いが、ロック機構のついたコッキングレバーも再現され、一応作動する。
ハンドガードについている金属製の部品が見えるが、これは実物ではマガジンにカートリッジを装填するときに、これでカートリッジを押し下げるとか。
SG1/15


ノーマルのG3より延長されたバットプレートと、ストック上方に追加されたチークピース。
チークピースは購入後、ユーザーが両面テープで固定するようになっていた。
これはアイアン・サイトでは狙いにくくなるが、スコープにはちょうどいい高さである。
SG1/16


[1/6]
今回は、ドラゴン製のフィギュア付属のもの。
SG1/08


これには、ベルクロで固定できるベルトのついたソフト・ケースもついてきた。
ケースの内側には、ポケットがたくさん付けられている。
SG1/04


PSG-1(後方)とSG1。
PSG-1には、ハードケース,弾(使用済みまで!),可動かつ着脱可能なバイポッドまでついてきた。
これは単品購入だが、ケースにIN TOYS 2000と記されている。
SG1/03


1/6でH&Kライフルバリエーション。
左から、G36,G3,SG1,PSG-1。
G36は、次世代(G3のあと)5.56mm口径モデル。
これは、半透明のマガジン(弾倉)も再現されている。
G3は、全金属製だ。スリムな緑色(オリーブドラブ?)のハンドガードと、固定タイプの同色ストックを装備したものを再現している。
SG1/05


次は、スナイパーライフル3種。
左からM40A3,AR10 SR25,SG1。
M40は、レミントン700をベースに米軍海兵隊用にカスタムしたもの。
AR10は、米軍制式M16のルーツ、これも308弾用のもの。
現在では小口径のM16系とは異なり、自動装填式スナイパーライフルとして発展している。
SG1/06


バトルライフルのくくりでも並べてみた。
左下からSG1,M14,FAL。
M14は、G3と同時期米国に採用されたライフル。
M16登場後は、308弾の威力を活かして、個人が携行する後方支援用火器として、スナイパー用のボルトアクションライフル(M700系)とマシンガン(M60)の良いとこどり(逆にそのどちらにも敵わない面もあると思うし、全自動射撃は大変激しい反動だっとという)兵器として、WWⅡのBARのような位置づけで使われているようだ。
FALはベルギーの名門FN(ファブリック・ナショナル)のNATO308弾用ライフル。これは削り出しレシーバーで重いがタフだったという。
しかし、これでも308弾フル・オートはきつく、セミ・オートのみとしたL1A1を英国などは採用したという。
SG1/07


最後になったが、1/6 SG1のスコープにはレンズも嵌め込まれている。
G3については、また機会があれば取り上げたいと思う。
SG1/02

ではまた。

web拍手 by FC2
今回は、H&K(ヘッケラー・アンド・コック)のUSPを。
USP/01

[世界標準]
USPはユニバーサル・セルフローディング・ピストルの略だという。
その名の通り世界,とりわけ米国を狙った戦略機種である。
開発中から米軍特殊部隊を総括するSOCOMに向けたMk23も同時に試作される。92年にMk23が、93年にUSPが発表されている。

45口径のMk23ソコム(手前)とUSP(後ろ)。
両者ともKSCのガスブローバックガン。
Mk23はプロトタイプをモデルアップしたほう。KSCでは量産型も作っている。
USP/10

USPは最初から40S&W弾の使用が前提とされており、当然9mm口径モデルもある。バリエーションは各種ターゲットモデル,45ACPモデル,Mk23,コンパクト,ドイツ軍用のP8,そしてコンパクトの発展型P2000など。

USP45ACPモデル,USP40S&Wモデル,P8。
全てガスブローバックガン。
45口径は上記と同じKSC製。
40S&Wはタニオコバ製。
P8(9mm)はタナカ製。
USP/02

USP45モデルとコンパクト。
これも両者KSC製。
USP/03


ガスブローバックのトイガンとしては、まずタニオコバからガスブローバックのUSP40S&W仕様が出た。そしてタナカが9mm仕様でUSP,P8を出し、タナカはモデルガンのUSPも出した。バリエーションでタナカはコンパクトも出したが、これはグリップ部がそのままだったような。
KSCはまずMk23を、そしてUSPコンパクト,45ACPのフルサイズと3つを出した。更に最近、フレームの色違いも出している。
マルイは固定ガスのMk23,コッキングのUSPを作っていて、電動でもUSPを作った。
他にもコッキングガンでモデルアップしているところもあるようで、ともかくUSPはトイガン業界ではグロック以上の人気機種である。
そしてさすがに人気モデル、通常はひとつの仕様(この場合40S&W)に集中するのだが、これだけバリエーションが出てきている。

USPはフレームをポリマーで作っているが、これも口径やサイズ毎に変えてきている。
そういう点では一機種で幅広いニーズをカバーするのではなく、閉鎖機構などの共通部分を除いて、極力パーツを変えて対応しようとしているようだ。

USP45ACPモデルとMk23、コンパクトのグリップ部分の比較。
3モデル共KSCの作だが、これだけフレームサイズが違う。
USP/11


USP各口径のチェンバー。
奥から9×19mm,40S&W,45ACP。
USP/04


KSCのUSP45には、マガジンにレーザーによる刻印も施されている。
USP/05


[超大型]
USPシリーズは大柄である。
上記のように細かくフレームサイズを変えたりしているが、スライドの幅があり、同クラスの他の拳銃と比べても、ごつい印象を受ける。
特にMk23は群を抜いて大きいが、これは特殊型なので(後にこれだけを取り上げるつもりでもあるので)、45口径で各種揃えてみた。広角で手前が大きく見えるのもあるが、比較してみて欲しい。

45オートの各種拳銃と。
左上から、AMTハードボーラー,S&WのM945,M4505,ベレッタはM8045,手前がUSP45。
ハードボーラーはタイトーか新日本模型時代のガスブローバック。
M945はKSCのガスブローバック。
M4505はタナカのガスブローバック。
M8045はWAのガスブローバック。
USP/14


USP45とM945のスライド。
45オートの中でも、特に贅肉を落とされたM945のスライドと比べると、USPのスライドのごつさがわかると思う。
USP/09


[ポリマー]
H&Kは拳銃のフレーム素材にポリマーを持ち込んだ先駆者である。
ポリマーとは多数の分子が重合してできた分子で、分子量1000以上の有機化合物。ナイロン,ポリエチレンなどもこのジャンルに入る。
H&KではP9でグリップパネルと別体のポリマーのトリガーガード+グリップフロントストラップを、VP70(過去の記事)でグリップ部も一体のポリマーフレームを作った。
P9は`65年発表だが、製造は`69年からだとか。これにダブルアクション機構を加えたP9Sは’70年に出ている。
VP70も`70年発表らしいが、’72年との記事もみられる。
ともかくこれらは’80年代末には生産を終了し、H&Kは削り出し鉄フレームのP7(過去の記事)に主力を移行させていた。
しかしここでH&Kの思惑は外れ、市場でのP7の評価は限定的だった。このころグロック(過去の記事)が大旋風を巻き起こし、ポリマーの本家H&Kを食っていた。また、SIGはアルミフレームだが、P226(過去の記事)などが高い評価を受けている。P220で始まったこのシリーズはチャンバーをスライドのエジェクションポート(排莢口)にかみ合わせた画期的なロック機構を持っていた。但しこれがパテントでも’90年には切れていただろうから、H&Kはこれを使ってオーソドックスなショートリコイルのUSPシリーズを開発、巻き返しを図っている。

左後方からポリマーDAオートの始祖、VP70M,G17とこれを追ったSIGMA,USP,SP2340,P99。
全てガスブローバックガン。
VP70はタニオコバ製。
ダブルアクションオンリー,ストレートブローバックというシンプルな機構のモデル。
G17はKSC製。グロック特有の半分ダブルというべきセーフアクションを持つ。
SIGMAは大手S&Wがグロックの真似をやったモデル。発射機構はダブルアクションオンリーとなっている。これはウエスタンアームズのマグナガスブローバックモデル。
SP2340はSIGのポリマーオートで、これはバレルにガスポートを持ったKSCのXM13トライアルカスタムにノーマルのサイトを載せたもの。
P99はトライアクショントリガー(3通りの引き方)を持つワルサー起死回生の作。マルゼン製。

USP/15


[ユニバーサル]
オーソドックスな機構に人気のポリマーフレーム(これはH&Kが元祖ともいえる)で無難にまとめた作品を狙ったのだが、ドイツ人の几帳面な性格からか、人間の操作にも正確さを前提としているらしく、セフティ操作でデコックしてしまうという欠点?がある。
セフティアレンジは多いが、基本は上げてセフティオン、下げてデコックする。P8は一段下げてオン、更に下げるとデコックで、これは従来使用していたP1(P38)などと統一する為だったとのことだが、実際の使用でも、セフティオフ時に誤ってデコックしないのでこちらが良いと思う。
基本の仕様は、M1911など、フレームにセフティを持つモデルの標準的操作方法(スライドに持つものはこれと逆が普通)にしたため、この問題が生じることになった。

P8とUSPのセフティ。
左がP8、右がUSP。共にセフティはオン(かかっている状態)の位置。
USP/12


USPではP7M13に続きアンビ(左右両用)のマガジンキャッチとして、トリガーガード両側にレバーがつく。特にUSPでは、この誤動作対策として、トリガーガードを広げている。
USP/16

結局H&KはM1911式の押しボタン型マガジンキャッチを一度も採用していないように思う。ここらへん、SIGとは対照的だ。

USPにはライトなどのオプションを付けられるようにレールが設けられているが、これが独自規格で専用のアダプターが必要だ。
しかし、登場当時はレール規格がまだ統一されておらず、上で紹介したSIG SP2340もワルサーP99も独自のレールである。
実はユニバーサル化には、こういった規格の統一の方が重要なのではないかと思う。そして、このためには、自社の独自規格に拘らない、また、早くからパテントを普及のために破棄するなど、思い切った方策をとらないとなかなか統一できず、結果これだけの規格が乱立することになる。
現在はようやく統一化が進んでいるが、このレールのパテント、開発費といっても、たかが知れていると思う(間違っていたら、それはそれでメーカーの方が大きな問題を抱えていることになると思う)。
それでもこれだけ混乱するのだから、世界標準機種の難しさを感じる。


[1/6]
さて、1/6はコトブキヤ メインウエポン&サイドアームズ No3についてきたもの。
このシリーズは可動部を増やすことに拘っていて、これもマガジン脱着、スライドがバネ入りで可動する。
そして動くものが多い割りに外観の再現もいいと思う。
1/1はタニオコバのUSP40S&Wモデル。
USP/06

実はこのブログで最も多く紹介されているメーカー、H&Kでも、最もコレクションが多いのがこのUSPである。とりあえず口径が違う、コンパクトモデルがある、などのことでついつい集めてしまった。
なんだかんだいっても、この造形、そしてあくまでも主張を通す頑固さ、好きなのである。
次回は米海兵隊も採用した最近話題?のコンバットショットガンを予定。
それでは。
USP/07


web拍手 by FC2
今回はH&KのP7シューマッハカスタム。
P7SM/01

[シューマッハ]
P7(過去の記事)は既に取り上げたが、これはMGCがP7バリエーションとして発売、何故か1/6でもこれが作られている。
シューマッハカスタムは「ドイツの新進気鋭のカスタムガンスミス、アンドレアス・シューマッハがHK社より純正ロングバレルを特別に入手して製作。似たデザインで、サイズ別にコンペンセイターが2種、バレルウエイトが1種ある」(MGC カタログより)だそうだ。
MGCカタログにある実物写真ではサイトがノーマルなのだが、MGC製のガスガンでは更にミレットのアジャスタブル(調整可能)サイトも装備しており、標的射撃向けを狙ったのではないかと思われるモデルになっている。
有名なF1ドライバーとの関連は不明。
よくある名前だとも思えないのだが。
MGCではアウターバレルも金属製とし、豪華なカスタムになっている。
P7SM/02

[1/1モデル]
今回も登場するのはMGCガスブローバック式エアガンである。
但しこれは自分の物ではなく、友人U氏所有のコレクションを取材させてもらった。
U氏はケースも付属物も一式、かなり良い状態で保存されていた。
このMGC純正ケースはプラスチック製で、その色,入手時期からしてもこれはハイパーブローバック仕様だったと思われる。
P7SM/04

豪華といえば、ケース内には、当時の付属スプレー、弾、マニュアルそれにH&Kのロゴ入り栓抜き!(先端はドライバを兼ねているようだ)が入っている。
この栓抜きにそっくりなものが、MGCカタログでは実物の横にも置かれている。
MGCもこれを参考に作ったのだろうか。
しかし、大成功のグロックの後だとはいえ、MGCの豪華付属品攻勢は、その後は見られないくらいのもの。
P7SM/03

P7でシューマッハカスタム(左)とオリジナルP7M13。
どちらもMGCガスブローバックガン。
P7SM/05

[カスタム部分]
ミレットのリアサイト。
調整はフィリップスリセス(プラスの溝)に見えるが、マイナス用の浅いリセスが交差している形のようだ。
P7SM/07

ミレットサイトのサイトピクチャー。
水平,垂直も合わせやすいようにするためか、縦横にラインが走る。
フロントサイトは丸ドット。
P7SM/08

コンペンセイター。略するとコンプ。
反動による跳ね上がりを低減する重しとして、バレル(銃身)前方につけられているバレルウエイトに、更に発射ガスの一部を上に噴出させて跳ね上がりを抑えるコンペンセイター機能を持たせている。
左右4つずつの長穴が斜めに切られている。
古くは米国のトンプソンM1928サブマシンガンなどがコンプ付きで有名。
当時コンバットシューティングという競技が米国で流行していたが、そこでもコンプ付きカスタムが多く使われた。
またマズル(銃口)の外側が大きく面取りされているが、これはあまり見かけない形式だ。
弾道への影響という点では、内径側とクラウン(断面)が重要で、このため少し内径側に傾きを持たせた断面とする11ディグリー(11度の緩い逆テーパー)などのクラウンがある。
もしかすると分解の為にこのバレルウエイト+コンプを着脱する必要があるので(左横の2本のソケットスクリューはこの分解,固定用)、ウエイトにマズルを差込みやすいように実銃では考えられていたのではないか。
しかし、この仮説では、ガスガンと違い、バレルがコンプを貫通していることになる。するとバレルにもポートを開け、コンプのポートと位置を合わせていていたのだろうか。
P7SM/09

[1/6]
1/1と1/6。
今回のミニチュアは、以前のコルトパイソンと同じくコトブキヤ ワンコインフィギュアシリーズ 
メインウェポン&サイドアームズのNo.5 タイプP551(SIG)&タイプP7というものから。
P7SM/11

1/6だが、スライドは可動のうえスプリングが入っていて自動的に戻る(おかげで撮影時はホールドオープンさせるのに苦労した)。
また、マガジン(弾倉)も着脱可能で、もともと外装式ハンマーを持たないP7としては文句ない可動機能となっている。
外見も、前述のミレットサイト、バレルウエイト固定スクリュー、加えてスライド上の元のフロントサイトを埋めた(1/1ではスライドと面を合わせたものをアリ溝=ドブテイルに挿入)跡まで再現しており、実に細かい。
ただ、実銃を見たことがないくらいマイナーなカスタムで、しかも同じ仕様。
これはMGC製を参考にモデルアップしたのではないかとも思うのだが。
そういえば、MGCのエジェクションポート(排莢口)は実物と違ってスライド後退時に内部メカが見えるのだが、1/6もポート内側に中身がある。
もっともこれはスプリング内臓メカのためで、MGCの発射メカとは違うのだけれど。
今回の企画に協力してくれた、U氏に感謝します。
毎回そうなのだが、この時点でまだ次回分は完成できておらず未定(書きかけがいくつかたまっている)。
ネタとしてはミリガバ(何回も言っているが),P08などのクラシックなものも作成中。
P7SM/10

web拍手 by FC2
今回は、H&K社のP7M13。
H&KP7/10

まず1/1はMGCのガスブローバック方式エアガン。
それではモデルアップしている実銃について。
[特徴,バリエーション]
P7はH&Kが70年代後半に発表した、ガスピストンによる遅延作動式(ディレードブローバック)拳銃。
当初は西ドイツ警察向けとしてPSP(ポリッツアイ・セルブストラーデ・ピストール)の名称で呼ばれていたが、制式番号P7を得たため、これを名乗ることに。
H&KP7/08

発射機構も変わっており、グリップ前方のレバー、スクイズコッカーを握り込む事によって撃発装置がセットされ、またレバーから手を離すと安全位置まで戻る。
H&KP7/09

P7は銃身の下にガスピストン,シリンダーを配置しているため、連射で過熱、ときに射手の指が触れ火傷するのでここにプラスチックカバーをつけ対策となしている。
H&KP7/03

P7M13はP7に複列弾倉を装備したバージョン。加えてリアサイトがスクリュー(ねじ)固定で左右調整が容易になっている。
ちなみにグロックと違ってP7M8は弾倉に8発、P7M13は13発とストレートに弾数を示している。
P7にはこのほか、40S&Wや45ACP弾仕様のものもある。
H&KP7/04

[トライアル]
話は前後するが、P7M13の開発前、H&Kは米国次期制式拳銃トライアルJSSAPトライアルにP7の単列弾倉を延長し、P7XM9として提出、予選で落ちている。
そのため急遽13連発の複列弾倉を装備したP7A13を開発した。これを市販用に上記のサイトなどに変更して手直しし、販売したのがP7M13とのこと。
ロングマガジンでまず提出したくらいなので、当初P7の複列弾倉化は考えていなかったのではないかと思う。
P7M13でも、メカの干渉を避けたのか、弾倉を左右非対称にし、装弾数もライバルより少なく抑えるなどしているが、それでも巨大なグリップになるなど苦労のあとがありありと伝わってくる。
ちなみにP7M13のグリップ周長は上部で160mm(トイガン調べ)。このトライアルに出ていたS&WのM59より太い(前M39記事参照)。
このトライアルにはVP70(前の記事)も出したらしいが、結局ベレッタがM9として採用される。
上で左右弾倉の非対称はメカの為ではないかと書いたが、左右同時に絞っていくより、片側ずつ狭くした方が給弾がスムーズになるなどの理由もあったのかも知れない。
が、これも後のUSPシリーズには踏襲されていないし、これより前のVP70(トイガン調べ)では、左右対称で二段階に絞られている。
下の写真はMGC P7用マガジン。左右非対称なところも再現されている。
H&KP7/11

[アンビデスクトラス]
P7は閉鎖,発射機構だけでなく、ユニークな特長を備えている。
それは左右どちらの利き手でも使用できる、アンビデスクトラス(Ambidextrous)としたことである。
弾倉止め(マガジンキャッチ)は用心鉄(トリガーガード)を挟んで両側にレバーがあり、また、スクイズコッカーがスライドストップの解除を兼ねる。
後に自社のUSPシリーズや、ワルサーP99がこの弾倉止めを採用、更にUSPシリーズの発展型、P2000シリーズではスライドストップも左右につけ、P7と同じ左右両用とした。
左からP7M13、USPコンパクト、ワルサーP99。
全てガスブローバック。USPコンパクトはKSC、P99はマルゼン製。
H&KP7/02

現在シリーズ4作めが公開されている、映画「ダイ・ハード」の一本目に、P7も出ている。
ダイ・ハード ダイ・ハード
ブルース・ウィリス (2007/06/16)
20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン

この商品の詳細を見る

[評価]
P7シリーズは命中精度にとことん拘ったモデルである。
その作動方式から銃身が固定され、発射方式は軽く短い引きしろ(トリガートラベル)を可能にした。
反面、人間の指は一本だけ独立して動きにくく、やはりスクイズコッカーを握ると誤って引き金(トリガー)も引いてしまうという事故もあったらしい。
一方グロックなど優秀なライバルもあり、H&K自体もより一般的な機構のUSPシリーズなどを開発、主力を全くそちらに移してしまい、数年前にP7はひっそりと生産終了。
[トイガンのP7]
これをモデルアップしたMGCのエアガンもまた、短命に終わったモデルである。
MGCはこのモデルにサイクロンバレルを搭載した。
実銃のライフリングのように、らせん状に溝が彫られている。
実銃とは違い、溝に弾を食い込ませる力は無いので、溝を通るガス,溝の端の抵抗でBB弾を回転させている。
これを撃つと、回転のせいで、弾が斜め下へ曲がっていく。
実銃でも、右周りのライフリングだと右へ、左回りだと左へいくらしい。
H&KP7/05

MGCのほかでは、マルイがエアコッキングガンを作っており、これは現在も販売されている。
[1/1と1/6]
1/6は先に紹介したG17、P226と一緒に売られていた金属製のもの。鋳造で、表面のモールドが少し甘いが、間違いなくP7には見える。
H&KP7/06

実はH&K製品はまだまだ紹介するものがある。このP7のバリエーションも取材しているので、近いうちにUPの予定。
ではまた。
H&KP7/07


web拍手 by FC2
今回は長物、H&K MP5A5を取り上げる。
初回と同じH&Kの製品、世界的にも代表的な現代サブマシンガンである。
MP5/01

まず1/1は両方エアガン。
長い方がマルイ製電動ガンでMP5A5。
オプションのレーザーサイトとそれを取り付けられるハンドガードを銃身の下に付けている。
短いのはマルゼン製ガスブローバックでMP5K(Kはクルツ、短いの意)。
MP5/02

1/1と1/6のMP5A5。
MP5/03

サブマシンガン(拳銃用の弾を使ってフルオートで撃てる銃)では、それまで発射に際して重いボルトが前進し、発射前から激しく動いてしまう機構のものが主だったのだが、MP5はウエポンシステムとして統一して使用の便を図る意味もあり、同社のライフルG3と同機構のローラーを使った遅延式(ローラーロッキング)とし、高い命中精度を実現した。

1/6で各種バリエーション。
左端からMP5A4(固定ストック)。
2番目はMP5A5(スライドストック)。
3番目はMP5Kにスライドストック,スコープ,サイレンサーを装備した仕様。独特のスライドストックなので、日本の警察などで使われているものを再現したものでは。これは上記2種と製造元が違うようだ。
4番目がサイレンサ-とスライドストックのついたMP5SD6。
これはザッカピーエイピーというところが出した、1/6スケールガンコレクションVer2というシリーズの食玩。
5番目もそこのMP5SD5。
MP5/04

1/1ではレーザーサイトをつけたが、1/6にはフラッシュライトがついていた。
MP5/05

上記のように現在日本でも警察の特殊部隊SATでこれが使われている。
少し前の事になるが、愛知でSAT隊員が銃撃され亡くなるという痛ましい事件があった。
亡くなった林さんはまだ若く、優秀な方だったとのことである。
謹んで哀悼の意を捧げたい。
しかし、まだ犯人が立てこもっているうちから、「法を改正して厳罰を」などと言っていた閣僚を見かけ、暗澹たる思いになった。
どうしてまず、今まさに犯行を行っている殺人犯に対し、厳しい対応をという指示が出せないのか。
潜在意識かも知れないが、自らはたとえ殺人犯にでも手を汚したくない、しかし立法が考えているのだ、という姿勢を見せて安心させたい,又は自分が安心したいという両面から出た発言なのではないかと思う。
そして時間的にみて、持論として持っていたか、既に想定シナリオがあったのではないかとさえ疑ってしまう。
殺人罪は既に極刑が可能な罪だ。
この発言は銃に関して「厳罰を」求める意図であろう。
それなら既に球技のボールより弱いものまで所持禁止にしたところである。
日本は既に先進国でも類を見ない、銃規制が最も厳しいといっていい国家である。
そして今までこの規制強化路線で進んだ結果、今自らが「ゴマン(5万丁、悪い冗談だ)とある」と認める状態になっているではないか。
非常事態の正にその最中に、泥にはまってから、またまじないのような効果の疑わしい縄を結うという。
なぜ強硬な姿勢がとれないのか。
これは一閣僚だけの問題ではない。事実この発言を問題視して、発言の撤回や罷免を求めたりした者がいただろうか。
広く”共通の認識”、銃は絶対悪という意識があるからではないか。
一方で厳罰化して遠ざけようとしている心理が、反対に治安を守る側にも作用しているからではないだろうか。
銃,武力に対する嫌悪,恐怖が、根本的な問題解決を阻み、これが余計に犯罪をエスカレートさせてはいないだろうか。
その恐怖を逆手にとる(つまり銃を持つ)者も含めた、犯罪者になめられてしまっていないだろうか。
たとえ人質が撃たれ、同僚が撃たれて動けなくなっても、殺されても、実力行使は悪なのだろうか。
自分が危機に陥っても、手をこまねいて遠巻きに見ているだけで、誰も助けてくれない”人道的”な体制を、皆は望んでいるのだろうか。
このような下らないブログで何を言っているのかと思われる方もあろう。
しかし、それならどうすれば、をそれぞれ真面目に考えてもらえればそれでいい。
そして、もし気分を害された方がいるなら申し訳ない。

悲しい事件だっただけについ長々と書いてしまった。
次に何をやるかは未定だが、H&KはG3系や同じMP5でもKで一回まとめてやりたいと思っている。
MP5/07


web拍手 by FC2

| HOME | Next

Design by mi104c.
Copyright © 2017 Gun1+1/6, All rights reserved.
まとめ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。