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今回は、S&Wが次期スタンダードを目指し開発したと思われる、
M586/M686を。

m586/02

[概要]
M586は、リボルバー(弾倉回転式けん銃)を得意とするS&W(スミス&ウエッソン)
社が1980年に発表した.357マグナム弾を使用するモデルだ。

m586/01
マルシンのモデルガンで、M586 4インチバレル(下)と6インチバレル付き。

それまでのKフレーム(構造体)、Nフレームの中間サイズとなるLフレームを新たに
開発し、バレル(銃身)下に錘の効果を持たせたフルラグ(全長に渡る突起、
M586では円柱状)、調整式のKサイトと呼ばれるリアサイト(照門)を装備
している。

バレル長は2.5~8-3/8インチが作られたという。
全鋼製がM586、主要部材がステンレスのものはM686となる。

[1/1]
M586シリーズはS&W期待の新型、ということもあり、各社競作でモデルガンが
作られ、またエアーガンもエルエス,グンゼ,クラウンそしてモデルガンも
手掛けたマルシンなど、多数出ている。

m586/09
マルシン ガス式エアーソフトガンのM6864インチ(手前は旧型。奥がXカートの新型)。

モデルガンは、まずコクサイ、続いてマルイからは“造るモデルガン”のキット
として、その後MGC、マルシンからの発売となったようである。

m586/04
左から、MGC、マルシン、コクサイのM586 6インチ。
MGCには木製のファイティンググリップが付いている。


各社共当初は4,6インチの2種だったが、MGCでは2.5,3インチと3インチに
反動軽減用の穴加工を施したキャリーコンプと呼ばれるカスタム2種、
加えて固定サイトのM581、ロン・パワー氏のPPC(プラティカル・ピストル・
コース)競技用カスタムを模したパワーカスタムも造られている。

m586/05
MGC M586 2.5インチ(左)と3インチキャリーコンプカスタム。

5An03493.jpg
MGC M586 6インチ(左)とパワーカスタム(右)。

[1/6]
今回のモデルもルーズパーツの単品入手で、出処は不明だが、ステンレスを
模した銀色の塗装で、4インチにラウンドバットのコンバットグリップが付いた
形となっている。
ハンマーが可動で、シリンダーもスイングアウトできる。

m586/03

[M586の開発]
M586シリーズのペットネーム(愛称)はディスティングイッシュドコンバット
マグナムだ。

この名は、単に究極の戦闘マグナム銃、というだけでなく、PPC競技の取得
段位で最高位のグランドマスターに次ぐ位、ディスティングイッシュドマスター
から来ているともとれ、また同社のM19コンバットマグナムの進化形、とも
とれる。

当時S&Wのリボルバー用フレームはJ,K,Nの3種のみで、いやオート(自動
装てん式)もM39系統、M41,M61の3種しか無く、基本的にはサイト,口径など
の違いでバリエーション展開していた。

.357マグナムを使うモデルは元々この弾薬の開発時から用いられていた
Nフレームだったのだが、軽量化のため、Kフレームに焼き入れしたM19を
作ったところ、これが大成功、米国では制服警察官の標準的装備、と
言われるほど普及した。

この銃については過去にも取り上げたが、.357マグナムでは強度上少し
役不足だった。

そして当時、.38スペシャル弾の威力不足がクローズアップされていたことも
あり、S&Wとしては珍しく新型フレーム(サイズ)の採用に踏み切ったのでは
ないかと思われる。

m586/10
コクサイのモデルガンで、左から、M28、M586、M19のスイングアウト
(シリンダー振出し)状態。


これは結果的にこうなった、のかもしれないが、そのサイズは登場当時
『ゴツ過ぎる』とも評されたパイソンのサイズに近い。
パイソンは、同社のオフィシャルポリスから派生した.357マグナム,トルーパー
を元にしているが、S&WのKフレームに比べると、各部が肉厚になっていた。

結果論だが、やはり.357マグナム用としては、これくらいの大きさが必要だった、
ということになる。

m586/06
マルシン モデルガンM586(左)とタナカ ガスガンのコルトパイソン(右)。

しかし、当時まだ好調だったM19と重なる新型の開発は躊躇われたに
違いなく、しかもM19の限界から新型を開発した、となれば、S&Wの評判
にまで響く可能性もある。

そこで、他に外観上大きく注意を引く要素を再びパイソンからいただき、新型に
加えることとしたのかも知れない。
その要素とは、フルラグである。

[フルラグバレル]
パイソンのバレルはフルラグ、クーリングホールが装備された豪華なもの
だが、バレル自体も若干タイト(内径が細い)で、命中精度も高いと考えられた
ため、S&Wやスタームルガー社のフレームにパイソンバレルを付けたカスタム、
スマイソン(=Smi+thon スモルト=Sm+olt),クーガー(Co+uger)が
流行する。

m586/07
左から、マルシン M686(ガスガン)、HWS スマイソン(モデルガン)、
WA クーガー(モデルガン)。


S&Wはこの動きを受けて、フルラグバレルのM586を開発したのでは
ないだろうか。

フルラグバレル付きリボルバーの追従例としてはS&Wの前にダン・ウエッソン
社、独コルス社、仏マニューリン社があり、マニューリン以外(後のM96では
採用)のどちらもクーリングホール(冷却用の穴)もコピーしていた。

しかし、ダン・ウエッソンはコピーするにも少しアレンジを加え、フルラグでも
両側面をフラットに成形していた。

またS&W M586より前か後か、は調べきれなかったが、フルラグバレルは
ブラジルのタウルス社、独エルマ社、伊ウベルティ社とルイギ・フランキ社
(これはウベルティのOEMかもしれない)、ブラジルのロッシと、ともかく
ターゲット用リボルバーの標準装備、といえるまでに普及している。

他ではスタームルガーもGP100でフルラグ化しているが、これも側面は
フラット(台形断面かも知れない)で、やはりパイソンとは少し形を変えている。

ともかく、S&Wはいくつかの”コピーの先例”が登場する(一般化する)のを
待って、フルラグバレルの採用を決めた、のではないだろうか。

[コピーの程度と時期]
1970年代からS&Wの仕上げは悪化していった。これに対し、美しい仕上げ
を(表面上は)維持していたコルト社のパイソンの人気は上昇していた。

M586は打倒パイソンを標榜していたはずだが、当のコルトパイソンも仕上げ
が悪くなり顧客離れを招き、自滅とはいかないが低迷を始めていた。

この時期、結局両者共“仕上げを回復する”というつもりはなく、後にS&Wの
パフォーマンスセンターカスタムが高級路線を受け持ち一定の位置を確保
するまで、S&Wも”見てくれ”よりも実用性重視、だったようだ。

M586は高級な仕上げのパイソン対抗モデルというより、サイズ的にも中庸を
狙い、新たなリボルバーのスタンダード、という位置づけだったのかも
知れない。

しかし、1980~1990年代は、米国でも警察など公用の装備が、リボルバー
からオート(自動装てん式)へ転換、特にポリマー(樹脂)フレームを持ち
多弾数マガジン(弾倉)を持つグロックなどが台頭、大幅にリボルバーの
市場が縮小する時期となってしまった。

M586も7発の装弾数を持つ+1モデルを追加(M619,M620という別モデル名
を持つモデルも存在した)、大型のNフレームでは、8連発となるM327などが
作られたが、再装填の時間など、やはり克服できない問題もあり、現在
制服組の装備でリボルバーは見られなくなっている。

m586/11
8連発のM327(左 タナカ ガスガン)とM586パワーポート
(マルシン モデルガンベースのカスタム)


S&Wは、オートもM39系のものを発展させてきたが、このシリーズでは対抗
しえないと判断し、ポリマーオートのシグマを作る。
しかし、これがグロックの特許に触れていると訴えられ、ワルサーと組んだ
SW99シリーズ、そしてM&Pシリーズとポリマーオートでも迷走、一時外国
資本となるなど、会社自体も思わしくない状態が続いた。

m586/12
S&Wのオート、M&P9(左 マルイ ガスガン)とM586(右 コクサイ モデルガン)

シグマは特許問題に関わる部分のコピーがあり、またすぐにコピーしたこと
でS&Wの評判をを落としたが、単に意匠上、サイズの問題であるパイソンと
M586についても、もし1960年代にM586を出していたら、成功よりも、
『パイソンの二番煎じ』の誹りを免れなかったのではないか。

ただ、1970年代なら、M586は”出遅れる”ことなく、ベストセラーとなってポリス
装備の定番、となっていたかも知れない。

現在、リボルバーはメンテナンスの容易さと作動の確実性から個人や私服
警官の護身用として、大パワーを活かしてハンティングや山歩きの際の
バックアップとして、需要が戻ってきているようだ。

S&Wも大型のM500やポリマー,レーザーサイトを導入した新型ボディガード
など、従来のサービス(公用)モデル、競技用よりも大小どちらかに特化した
モデルに力を入れ、またそれが受けているようだ。

”良いモノは真似られる”というのはある意味当たっており、法的問題や、心象
(デッドコピーで二流のイメージ)を除けば売れている他社製品の要素を
取り入れるのは手っ取り早く品質を向上させる方法でもある。

ただ、それも程度とタイミングが重要で、そのセンスを磨くのはもしかすると
独自技術の開発よりも難しいのかもしれない。

m586/08

でrは今回はここらへんで。

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今回はスミス&ウェッソン(S&W)社が市販最強奪回を目指して作り上げた
リボルバー、M500を。

swm500/01

[概要]
M500は市販最強を標榜するリボルバー(回転式拳銃)だ。
最初に作られた8-3/8インチバレル(銃身)付きのモデルでは重量が2kg
を超え、”44マグナムの3倍”とも言われる強力な.500マグナムの非常に
強いリコイル(反動)など、人が扱える限界を超えている面があるが、
”最強”ファンの所有欲をかきたて、人気を博した。

[1/1]
今回の1/1モデルはタナカ製で、8-3/8インチバレル付きがモデルガン、
3(1インチのコンパンセイター除く)インチモデルはガスガンだ。

swm500/15
タナカ m500でモデルガン(上)の8-3/8インチモデルと3(3+1)インチモデル。

swm500/04
タナカではモデルガンはもちろん、ガスガンでもガスタンクをシリンダー内に持ち、
グリップは実物用が装着可能となっている。
サイズはこれも実物と同じだが、S&WのKフレームラウンドバットと同じになっている。


タナカでは、この他に10.5インチ、6.5インチのハンターモデル、
2-3/4インチでコンペンセイター(制退器)無しのES(エマージェンシー
サバイバル)モデルを作っており、それぞれHW樹脂のブラック、ABS製で
ステンレス風メッキ、ミッドナイトゴールド仕上げなどのバリエーション
がある。

[1/6]
今回の1/6は、ホットトイズのバイオハザードⅣアフターライフ アリス
フィギュアの付属品だと思われる。
すると、同じフレームでもバレルが(コンペンセイター付きで)5インチ、
口径が460のM460XVRとなるが、口径とバレル長が違うのみなので、
これを登場させてみた。

swm500/02
タナカの3インチとホットトイズ4インチ(共に1インチのコンペンセイター付き。

モデルアップする際、5連発のところ6連発と間違え、またシリンダー
サイズが少し小さい、グリップ後方にバックストラップが通っている
など、従来のNフレームの要素を誤って取り入れたように思われるが、
コンペンセイターの形状などから、Xフレームを再現していると思われる。
シリンダーが可動するほか、スイングアウトが可能で、ハンマーも可動で、
コッキング状態が再現できる。

[最強の歴史]
拳銃で強力な弾薬を、というチャレンジはもともとその発生時から、
かもしれないが、1934年、S&Wはライフルのマグナム弾の概念を拳銃に
持ち込み、.38スペシャル弾のケースを延長し、2倍近いパワーの.357
マグナム弾を開発(カートリッジはウィンチェスターの開発)、同社の
リボルバーに採用した。

これはハンティング時のバックアップ、それに当時の防弾チョッキを
貫通する能力から公用でも使われ、現在も広く普及している。

更にS&Wは1956年、当時市販では最強となる.44マグナム弾を使う
リボルバー、M29を発表している。

M29は登場当時、一部のビッグゲームハンターや好事家が入手するだけ
だったらしいが、その後、映画「ダーティ・ハリー」や「タクシー
・ドライバー」などで使われ、”世界最強”の拳銃は、一気に知名度が
上がり、セールス的にも大きな成功をもたらした。

swm500/03
M500(左)とM29(右 タナカ ガスガン 6.5インチ)。

.44マグナムはその後、スタームルガー社やトーラス社などでも採用
されたが、その後、より強力なカートリッジとして.454カスール弾が
フリーダムアームズのM83に採用され、これにスタームルガーの
スーパーレッドホーク、トーラスのレジングブルなどが続く。

また自動装填式でオートマグ、ウィルディ、グリズリー、デザート
イーグルなども登場、グリズリーが.45ウィンチェスターマグナム弾で、
そのあとデザートイーグルが.50アクションエクスプレス(.50AE)弾で
44マグナムを凌いでいる。

swm500/16
左から、デザートイーグル50AE(ハドソン モデルガン)、スーパーレッドホーク.454カスール
(タナカ ガスガン)、M500。


これら以外にも、.500ラインバーを使う拳銃が作られたが、これは弾が
カートリッジメーカーの市販には至っていない。
このように”最強の拳銃”は一定の需要を得、メーカーもそれぞれ開発
していたが、強い反動は撃つ射手を選び、いやもう既にパワー競争は
人間の限界を超えている、という側面もあり、逆にパワーを抑えた
.480ルガー弾なども開発されている。

これらの相次ぐ強力カートリッジに対し、.44マグナムは発売当初の色物
的扱いから、山歩きの際に携帯する護身用などで一般化するまでに
普及した。

しかし、元祖”世界最強”とも言えるS&Wは、M29のバリエーションは作る
ものの、パワー競争からは一歩引いたスタンスをとっていた。

S&Wは一時英国資本となったが、米国資本に戻って、21世紀初めから
積極的に新製品の開発を始める。
この時期S&Wでは複数のプロジェクトが進行していたようで、今回のM500
以外にも、1911シリーズやポリマーオートのM&Pシリーズが前後して
発表されている。
そしてその計画のひとつに”世界最強”を取り戻す、というものがあった。

S&Wは、当時市販最強の.454カスールを超える.500マグナムをコーボン
(Cor-bon)社と共同開発し、これを使用するM500を2003年に発表した。

M500は新たに開発されたXフレームを使うが、大径カートリッジで必要な
肉厚を得る為に装弾数を5発と減らしている。

一方でシリンダー長などはまだ余裕があり、後に.460S&Wマグナム仕様の
M460XVRなども製品化されている。

M500は、ショットショーで発表すると、大きな反響を得て予想の数倍の
バックオーダーを抱えるほどの人気を得たという。

swm500/09
M500は5連発で、フレームにクレーン(シリンダーを支持するパーツ)を止めるディテント
(戻り止め)ボールを設けてシリンダー前方を止めている。


swm500/08
S&Wは以前、ハンマーノーズという部品がハンマーに付き、これが直接プライマー(雷管)を
叩いていたが、現在ではフレームにファイアリングピンを付け、これをハンマーで叩く方式に
改めている。M500は初めからこの方式をとっている。

また、このカットでわかるとおり、強度確保のためハンマー上部がかなり肉厚で、.500マグナム
のパワーの大きさが伺える。


swm500/07
これも最近の機種では標準となった、キーロック。
タナカでも実物と同様、キーロックが付属し、機能する。


swm500/12
トリガーの内側は肉抜きされている。
S&Wは大型の鍛造機を持ち、型鍛造でフレームなどを作っていたが、この形状から、
実物でも、トリガーなどはキャスティング(ロストワックスか焼結)を採用している
可能性がある。


登場当時、反動を軽減する目的のパワーポートが3つの長穴が上方にある
だけのもの(今回のタナカ 8-3/8インチモデルの形)だったが、
3インチ登場時に弾頭の種類に合わせた1インチ長の2種類の交換式
コンペンセイターが付けられ(今回のタナカ 3+1インチがその外観を
再現)、その効果が高かったために、8-3/8インチにも採用されるように
なっている。
swm500/06
制退器の比較。
8-3/8インチ用8左)は上部だけに穴が空いたパワーポート。
3インチ用は側面にも長穴がある。実物では、上方にも穴があるが、このトイガンでは
それは省略されている。


更に、2-3/4インチの短いESも作られているが、これにはコンペン
セイターは付属していない。余りに短い銃身ゆえ、初速が低く(通常
拳銃のサイズでは銃身の長さと初速は比例)、反動が抑えられている
のかも知れない。

[威力の減衰?]
”M500は初速こそ高いものの、その後すぐに弾速が落ちてしまい、結局
.454カスールと大差ない威力となる”とか、更に”20mを超えるあたり
では.44マグナム弾とそれほど違わない”などの記述がネット上で
見つかる。

しかし、月刊Gun誌上では15mで貫通力テストを行い、ハードキャストの
440gr(グレイン)で7/8”厚の松板16枚を抜いて高い貫通力を証明して
いる。
更に、弾薬メーカー ホーナディ社のサイトでは、.各種弾薬の各距離での
エネルギーを掲示しており、これによると.44レミントンマグナムは
300grの弾頭でマズル(銃口)1195J(ジュール)、50m時1048J
(14%ダウン)、
.454カスールは同じ300grでマズル2459J、50m時1918J(28%ダウン)
である。

対して.500S&Wは同じ300grでマズル3435J、50m時2385J(44%ダウン)
とあり、確かに減衰は大きいものの24%ほど.454カスールを上回っている。

swm500/13
各種カートリッジをダミーカートで比較。
左から、.44マグナム、.454カスール、.50AE(アクションエキスプレス)、.500マグナム。


減衰が大きいのは口径が大きい=空気抵抗を受ける面積が大きいこと、
初速が高いことによるものと思われる。

近いものでは20ゲージのショットガン用スラッグ弾が、マズル3349J、
50m時2441J(37%ダウン)となっている。

その半面、ノックアウトパワーファクター
(KOPF 弾丸重量(gr)×弾速(fps)×口径(inch)÷7000)では口径にも
比例するため、.500マグナムは有利になる(KOPFが本当に標的に対する
ダメージを表わしているか、はまた別問題だが)。

もちろん、このデータは平均値だと思われ、相互誤差はもちろん存在し、
またそれぞれ銃身長はもちろん、メーカーの違う銃から採ったはず
(同一メーカー,機種で全ての弾を撃てる銃などない)、
更に弾薬メーカー(火薬,弾頭)の違いもある。

.500マグナムでは300grより重い、440grなどの弾頭があり、それを使えば
エネルギーの減衰率は下がる(エネルギーが同じなら初速が下がり、
空気抵抗は減る)ので、更に有利となるはずだ。

ともかく、.500マグナムは拳銃の有効射程範囲なら、.454カスールを
上回っているといっていいと思う。

このような否定的伝説?が生まれるのも、やはり.500マグナムに対する
“特別の感情”があるのかも知れない。

[オーバーキル]
以前、.44マグナムでオーバーキル(過剰防衛)が叫ばれたことがあった
が、長物(ライフル,ショットガン)はその数倍のパワーがあり、米国
などでは認められなかったと思う。

M500を対人用に使うのは、デメリットの方が大きい(反動が大きく、
弾数も少ない)為考え難いが、ショットガンでも自衛は認められている
以上、今更このパワー自体が問題になることはないだろう。

現在.500マグナムはライフルでも採用例があり、ショットガンの
スラッグ弾や他の大口径マグナムライフルよりマイルドなリコイルで
支持を受けているとか。

大体、死亡件数では圧倒的に.22LR弾が多いらしく、またライフルで
撃たれて生還した兵士の話があるように、パワーだけで規制しても
実効性は疑問がある。

M500登場後、更に強力な拳銃は出てきていない。むしろ、これより低めの
パワーで制御しやすいものを模索する動きが出てきているという。

もっとも、Xフレームはそのシリンダーサイズから、更にパワーを上げる
ことも前提にしておき、他者をけん制するつもりもあったのかも知れない。

swm500/05

このところ余り時間が取れず、次回はクリスマス、年始(画像だけの更新)
に入ってしまうかもしれないが、また次回記事を気長に待っていただけたら、
と思う。

では今回はここらへんで。

参考文献;月刊Gun 2003年7,8,9月号、2006年2月号

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今回はS&W(スミス&ウエッソン)社のM19”コンバットマグナム”を。

m19/01

[概要]
M19はS&W社の中型フレーム(機関部体)、Kフレームを使う
スイングアウト式ダブルアクションリボルバー(回転式弾倉を横に
振り出す形式、かつ引き金を引くことで撃鉄を起こし、その後落とす
ことが出来る拳銃)だ。

m19/02
タナカ製ガスガンで、M19 4インチと357マグナムのダミーカートリッジ。

弾薬は強力な.357マグナム、エジェクターロッドハウジング(銃身下の
カートリッジ排出器の覆い)とランプタイプ(後面が斜め、他の型もM19
には存在する)のフロントサイト、調整式のKサイトと呼ばれる
リアサイトを持ち、バレル(銃身)は1955年の登場当時4インチだったが、
後に2.5,3(少数),6インチが作られた。

m16/18
エアソフトガン(ガスガン)のM19で、各バレル長のモデル。
左から6インチ(東京マルイ)、4インチ,2.5インチ(どちらもタナカ)。


ステンレスモデルはM66、ペットネーム(愛称)が付けられており、
コンバットマグナムという。

M19/M66は‘80年代にリボルバーからオート(自動装填式)に切替えが
進むまで、米国では制服警察官などの公用にも広く使われ、同社の
ドル箱モデルの一つとなった。

m19/14
コクサイ モデルガンで、ミリタリー&ポリスM65(左)とM66。

[M19の開発]
S&Wは、戦後の混乱期が収まると同時に、新しい公用,民間用リボルバー
を模索、当時ボーダーパトロールをしていたコンバットシューティングの
第一人者、ビル・ジョーダンに新リボルバーについて意見を求めた。

ビル・ジョーダンは軽量で強力なものを、と考えたのか、ミリタリー&
ポリスなどに使われていた.38スペシャル用のKフレームを使い、調整式の
サイトを付けて当時市販最強のカートリッジ、.357マグナムを使えるもの
を提案した。

.357マグナムは、.38スペシャルより数ミリ長いカートリッジケースで、
外観上の違いは少ないが、火薬量が多く、大幅にパワーアップした
強装弾だ。
リボルバーでは、.357マグナム仕様なら.38スペシャルは使用可能
(下位互換)となる。

当然シリンダー(回転式弾倉)はマグナムサイズになり、バレルは
フォージングコーン部(シリンダーに接する部分)が短いものになったが、
フレームは基本的に同じサイズで、強度不足に対処するため、焼入れ
などで強化して対処したという。

それまで.357マグナムを使うS&Wのリボルバーは、後にM27,M28となる
大型のNフレームを使ったもので、重量が1kg程には納まらない(2割ほど)
大きなものだった。

Nフレームは1956年に当時市販最強の拳銃用カートリッジの座を
.357マグナムから奪った.44マグナムを使うM29をラインナップに加えた
ほどの大型フレームで、S&Wでは.357ナグナム仕様をサイズ違いで揃え、
よりニーズにあった選択ができるように考えたのかも知れない。

m19/20
モデルガンでHWS M19(左)と、Nフレームのコクサイ M28(右)。
両社は同じ.357マグナム仕様だが、シリンダーのサイズはこのように大きく違う。


M19は登場当初スクエアバット(後端が突き出た形)のグリップフレーム
で、マグナムの強烈な反動に耐えられるようオーバーサイズの木製
グリップが付けられていたが、2.5インチではラウンドバットに、そして
後にはパックマイヤーやホーグのゴム製グリップが使われた。

(上の画像の左がパックマイヤー、右は(Nフレームだが)ホーグ製の
グリップを付けている。
更に2つ上のタナカ 2.5インチにも、パックマイヤーのグリップを
付けている。)

同時期にコルトが出したパイソンは、フレームこそS&WのNフレームより
小さめだが、フルラグバレル(下部に錘がついた銃身)で大きく重い、
ターゲット用やハンティング用の用途を主眼に置いたものだったのに対し、
軽いマグナム、というコンセプトは毎日拳銃を携帯する警官などには
たいへん好評で、コルトは後に対抗機種としてトルーパーを改良、新工場
まで建設してMkⅢシリーズを展開するものの、S&Wの牙城を崩すには
至らなかった。

m19/15
コクサイのモデルガンで、M19(右)とパイソン。

M19は、マグナム仕様とはいえ、通常は.38スペシャルを使い、時には
マグナムが撃てないことはない、という程度のもので、当時警察官は
.38スペシャルを主に使用していたため、この点でもちょうど良かった
のかもしれない。

m19/07
左から、.38スペシャル、.357マグナム、.30-06、.300ウェザビーマグナム。
.357マグナムはマルベリーフィールドのダミカートだが、数ミリ長いだけでなく、
大型のマグナムプライマーも再現されている(左の矢印)。
ライフルのマグナムカートリッジの多くは、ショルダーが急に大径になり、
リムの上もベルトと称される段差がある(右の上下の矢印)。


[1/1モデルガン]
今回はここでトイガン紹介を。M19はモデルガンでも歴史があるモデルだ。
まず金属モデルガンで1968年!にMGCから2.5インチ、続いて4インチと
6インチが発売、これはSM,SMG規格でも製造された。

次にコクサイが「リボルバーのコクサイ」というイメージを決定づけた
KフレームシリーズのABS樹脂製モデルガンで80年代にモデルアップ、
これはキット化,HW(ヘビーウエイト)化や細部のディティールアップ
などのマイナーチェンジを受けながら現在も販売されている。

2.5,4,6インチの他、メッキモデルでM66(ステンレス仕様)も再現し、
後にはパイソンバレル付きのスマイソンも作られている。

コクサイでは同じ基本設計,パーツ(フレーム等は設計も異なる)で、
金属モデルガンでもM19を作っている。

CMCでは、コクサイより後にM19のABSモデルガンを製作、4,6インチの
バリエーションで、6インチはパートリッジ(後面が垂直)タイプの
フロントサイトを付けていた。
この金型はHWS(ハートフォード)に引き継がれ、2.5インチも追加、
現在キットモデルも販売されている。

CMC/HWSではスマイソン4,6インチも作られたが、HWSはワイドハンマー
(撃鉄),ワイドトリガー(引き金)が金型紛失の為、これを組んだ
6インチ版はHWSでは限定数(在庫の部品で組んだ)しか生産できなかった
という。
HWSのスマイソン4インチは、M19の2.5インチのフレームを使ったラウンド
バットモデルも作られている。

タナカは独自開発のガスガンを発売していたが、これをもとにモデルガン
も開発、こちらは2.5,4インチで、上記でモデルアップされている型では
なく、後期型のモデルアップのようである。

m19/17
コクサイのM19(左)とHWSのM19(右)。共に6インチモデル。

[1/1エアソフトガン]
コクサイは好評のABS/金属モデルガンの外形をベースにカートリッジ式
ガスガンも作った。
また、東京マルイは24連射のカート固定式ガスガンを作り、これは長らく
絶版だったが、
リニューアルして再販予定だという。
タナカは上記のモデルガンの前に、同社得意のペガサスシステム
(シリンダーにガスタンクを内蔵する形式)でM19,M66を作り、
それぞれ2.5,4インチでHWなどのバリエーションがある。
タナカでは6インチは作られていないが、スマイソンでは4,6インチが
ある。

またクラウンからはエアコッキングガンが出ているという。

[1/6]
今回の1/6は単品購入したものだが、実は映画「ダーティハリー」の
キャラクター、ハリーキャラハンのフィギュアが持っていたもので、
設定からいくとM29である。
しかし、モデルアップするときに間違えたのか、サイズ的にはM19で、
スケールだけでなく、細身のシリンダーでプロポーションもM19である。

m19/12
コクサイ モデルガン6インチと1/6。

[トリガー機構]
S&Wのリボルバーは以前、いちばん小さなJフレーム以外、共通の機構
を採用していた。

ハンマーはリーフスプリング(板バネ)、トリガーはコイルスプリングで、
電動式エアガンのように、噛み合う歯の部分が次の歯に移動(一回だけ
だが)し、効率よく動くように考えられている。

m19/16
トリガーとハンマーの関係。
まず青い矢印で示したシアーとトリガーの上部が接触するが、
トリガーを引くに従ってシアーから外れ、赤の矢印部分のハンマー下部と
トリガーの2段目の突起がかみあう。


また、ハンマーが落ちる(レットオフ)まえに、ボルトがシリンダーを
ロックするので落ちるタイミングがわかりやすく、ダブルアクションでも
当てやすいのも利点だ。

[モデルチェンジ]
M19は長く生産された間に、いくつかのモデルチェンジがあり、社内の
コードでは-5型(6型?)に分けられている。

トリガーがナロータイプ(幅が単一)でグルーブ(溝)付きとセミワイド
でスムーズ、シリンダーがカウンターボア(カートリッジのリムが納まる
段付きの穴)かストレートか、とそれに伴うフレームのラグ(シリンダー
後退防止の突起)形状の違い、バレルピンの有無、エジェクターロッド
ハウジングの裏側形状のほか、中期からフロントサイトにレッドポイント
がインサートされ、後期のモデルでは更にファイアリングピン(撃針)が
ハンマーからフレーム取り付けに変わり、フレームラグも
リコイルプレート(シリンダー後方の半円状の突起部)とつながる形状を
採用したが、2005年にディスコンティニュー(廃番)となったようである。

m19/06
コクサイとタナカで、新旧の相違点。
左から、バレル固定ピン、セミワイドトリガー、エジェクターロッドハウジング。


[軽量化ゆえの弱点]
しかし、M19はマグナムを大量に消費するだけの強度はやはり持っておらず、
また6インチなどでは同社のカートリッジでバレルが裂ける、といった
報告もあった。

基本的に38スペシャルや、その5~15%位パワーアップした+P
カートリッジまでが適する弾薬で、また後にコンバットシューティングが
競技化されると、わざわざM19に重いバレルやウエイトを付けて使う者
まで現れ、役不足の感があった。

強度の点では、鋼材が改善したのか、またステンレスで強度が高かった
のか、KフレームのマグナムはM13,M65などに広がり、S&Wでは更に
小さなJフレームでもマグナム仕様を作っている。

もちろん重量がより大きなM27はあるが、Nフレームは大型過ぎる。
ライバルであるコルトのパイソンは、登場当初はゴツくて使いこなせない
などという評価もあったが、フロントヘビーの重心と、タイトで集弾率の
良いバレルが評価されるようになり、パイソンのバレルをM19のフレームに
組み付ける、スマイソン(スモルト)と呼ばれるカスタムまで登場した。

ここに至ってS&Wは中間サイズのLフレームを開発、コルトのバレルに
倣ってフルラグ(ハウジングを前方いっぱいまで伸ばしたデザイン)
タイプのM586ディスティングイッシュドコンバットマグナム(究極の
戦闘用マグナム)を開発、M19とM27の隙間を埋めた。

m19/19
左から、M586(マルシン モデルガン)、スマイソン(HWS モデルガン)、
M19(タナカ ガスガン)。


またM586登場後も、S&Wはオートに対抗して7,8発の装弾数を持たせた
リボルバーをLフレーム,Nフレームで開発するなどしたが、もともと
ぎりぎりのサイズで357マグナム化しているKフレームでは増やすことは
できなかったようである。

[タクティカル向きのサイト]
M19の登場から、人気を博してきた調整式のKサイトは、一時期コルト
ガバメントにも搭載するカスタムが登場するほど流行したが、時代が
下って、コンバットシューティングがタクティカルシューティングと
呼ばれるようになると、調整式でもボーマーのように分厚いブレード
(照準面)でピクチャーもシンプルな優秀なものが主流になった。

またより堅牢で一度合わせれば狂いの来ないノバックなどの固定式
サイトが使われるようになると、護身用などで使われ続けている
リボルバーでも固定式が人気となり、KフレームでもM13/M65
(.357マグナム仕様の固定サイトモデル)などがFBIで使われたりも
した。

m19/21
パラオードナンスのノバックサイト(左 WAガスガン)と、M19のKサイト
(右 タナカガスガン)。
Kサイトはスクリューで調整できるが、ブレードが薄く、
強度では固定のノバックに敵わない。


[.38スペシャルの役不足感]
更に公用拳銃が自動装てん式に置き換えられるようになった頃、弾薬も
.38スペシャルではストッピングパワー(人を行動不能、つまり止める力)
不足、という評価がされ、自動装てん式用の40S&Wなどの大口径
カートリッジが開発され、使用されるようになる。

こうなると、.38口径より大きなカートリッジを6発納めることができない
Kフレームでは、弾薬でも対抗することが出来ない。

これらの複合的要因からか、M19はひっそりと姿を消した。
ミリタリー&ポリスやレディスミス、チーフスペシャルなどの愛称は、
リボルバーから自動装てん式に振り替えられているが、マグナムの名称
が”合わない”せいか、コンバットマグナムの愛称は、自動装てん式に
転用されていない。

今後復活を望む声が大きくなれば、S&Wが再度M19を作る可能性はあるが、
既に一世を風靡したコンバットマグナムの時代は、終わったのかも
知れない。

m19/13

では今回はここらへんで。

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今回はS&W初期の作品、モデル2アーミーを。
m2a/01

[概要
モデル2アーミーはスミス&ウェッソン(S&W)社の2番目の製品であり、
同社で初めてペットネームとモデルナンバーで呼ばれる製品でもある。

S&W社は、ローリン・ホワイトの特許をもとに、初めてのリムファイア式
メタルカートリッジを使うリボルバー(回転式拳銃)を量産,市販した。

第一号となるモデル1が22口径7連発だったのに対し、モデル2は若干大型化
して32口径6連発とした。
この装弾数から、坂本龍馬が寺田屋事件で使用した拳銃だと推定されている。

m2a/02
[機構]
連発方式はシンプルなシングルアクションと呼ばれるもので、これは
発射の前にまずハンマー(撃鉄)と呼ばれるパーツを指で起こし、
そのあとトリガー(引き金)を引く。
するとハンマーが前進し、カートリッジのリム(縁)を叩いて発火させる
仕組みである。
トリガーはスパートリガーと呼ばれるもので、トリガーガード(用心鉄)
を持たない。

m2a/07
モデル2アーミーのトリガー。

カートリッジを納めるシリンダー(回転式弾倉)には軽量化のための
フルート(溝)が切られておらず、これは後にフルート付きが主流に
なったためノンフルートシリンダーと呼ばれている。装填時は、
シリンダー前下のロックを上げて外し、バレル(銃身)を上方に持ち上げ
(チップアップ式ブレイクオープン)、シリンダーを抜いてカートリッジ
を詰める。
発射後、カートリッジがシリンダーに張り付くので、このときはバレル下
のエジェクターロッドでカートリッジを突き出す。

m2a/03
チップアップしてシリンダーにロッドを当てた状態(左)。
右はS&Wのスイングアウト式ミリタリー&ポリス。


チップアップ式は、このあと見かけなくなった機構である。同じ中折れ式
でも、バレルを下げる方式は、エジェクターとの連動を行うなど、
操作上のメリットを生み、S&Wのモデル3に採用されたほか、WWⅡ終結まで
英国などで使われた。

m2a/05
S&Wのモデル2アーミー(左)とモデル3ワイアットアープモデル。
どちらもマルシン製の樹脂製モデルガンだが、
モデル3はメッキモデルである。


S&Wのリボルバーは、フレームの一部をサイドプレートとして別部品化、
ここを外して組み立て,分解を行う。この方式は現代のリボルバーでも
一般的で、それまでのコルトの3分割式よりシンプルかつ強度的にも有利だ。
またレミントンの下側分割より普及(下側分割式はスタームルガーなどが
踏襲している)した。

m2a/08
サイドプレートを外した状態。

また、このモデルとモデル1では、フレーム上部にシリンダーストップ
(ボルト)を設け、ハンマーの動作でロックを解除する、珍しい構造と
している。

m2a/13
シリンダーを外し、内側からシリンダーストップを。

m2a/12
上部から、サイトを兼ねたシリンダーストップを見る。
ハンマー上部の光っている部分がシリンダーストップを持ちあげ、解除する。


[リムファイア]
この初めて実用化された金属製カートリッジは、ケースの底部を張り出させ、
リムを形成している。そしてリム部に衝撃で爆発する薬剤を入れ、リムに
衝撃を与えると火薬が爆発、ケース内に納めた推進薬に着火し、先に
詰められた弾頭を撃ち出す。

ケースは一体で成形されているので、弾頭部をしっかり締めれば、
機密性も高く湿気で不発になる恐れも少ない。

リムを叩けば発射するので、この形式はリムファイアと呼ばれている。

リムファイアは登場後しばらくのあいだ、ピンファイアを凌駕する勢いで、
41口径なども作られたが、その後、大口径に向くセンターファイア式が
発明され実用化されると今度はこちらが主流となった。

しかし小口径では機能上問題は無く、いわばセンターファイアのプライマー
を延長、リム加工しただけのシンプルなリムフィアが、小型で安価、
というメリットを活かして生き残っている。

しかも、22口径の22ロングライフルという弾は世界で最も多く製造され、
普及しているという。

m2a/06
モデル2アーミー(左)、コルトSAA(タナカ ガスガン右)と、カートリッジ。
モデル2のカートは付属のもの、SAAのカートは、ダミーカート。


[名称の迷走]
S&Wがこのモデル2にアーミーとつけたのはなぜか、そして、ナンバー制は
次のNo3までで終わってしまったのはなぜだろうか。
先行した連発式拳銃メーカーであるコルト,レミントンは、アーミーの
名前を44口径のモデルに付けている。36口径の場合はネービーで、これは
コルトが始めてレミントンが追従したのかもしれない
(時代的にレミントンリボルバー登場より前)。
しかしS&Wはそのあと登場する44口径(カートリッジ式なので、ボアを
示していないが)ではなく、32口径のNo2にアーミーとつけたようである。

m2a/04
左から44口径のコルトドラグーン(HWS モデルガン)、36口径のM1851ネービー
(CAW モデルガン)、32口径のモデル2アーミー。



この呼び方が正式な名称か、だが、ネット上の情報では将校の私的装備
として使われだしたため、S&Wが販促のためにアーミーと呼びだした、
とされているところがあった。

米国での商標の法制化は1870年、当時はメーカーも好きなように自社製品を
呼んでいたのかもしれない。

そして、時代は南北戦争の真っ只中、軍の主な装備はコルト(一説に38万丁
とか!)やレミントンで、S&Wは数の上では比較にならないが、それでもこの
新興メーカーの向こう3年の生産分が予約で埋まり、会社の基盤を築いた
のだから、S&Wにとってはアーミー様々といったところだったのでは。

S&Wはモデル3で、スコーフィールド、ラッシャンモデルと、顧客の
特別仕様という意味でペットネームを使った。しかしそうすると、
モデルナンバーが意味を持たなくなってくる。

そこでモデル4はどれか、というように、今度はモデルナンバーを付けない
ということになる。しかし更に後にはハンドエジェクターで複数の
バリエーション、というように混乱は続く為、戦後になって、改めて
ナンバーを振り直した。

S&Wは後にJ,K,Nなどフレームサイズ共通のバリエーション展開を
行ったので、当初フレームサイズでモデルを分け、最小型をモデル1、
中型をモデル2、そして大型がモデル3としていたのかもしれない。

No1の改良モデルは32口径で5連発だがNo1-1/2となっていたので、
口径では分けておらず、またトップブレイクになってもモデル1-1/2や
モデル2と呼ばれるものがあったようなので、開発順でもなかったと
思われるのだが、しかし実はこの頃からモデル名の混乱が始まっていた
のかもしれない。

[マルシン製モデルガン]
マルシンはこのモデルを、当初委託を受けて生産していた。最初の発売元は
ブレインズ・レプリカで、龍馬の銃としてメタルフィニッシュ(メッキ)
のもの、次に販売したフランクリンミントは、更に龍馬をアピールすべく、
シルバーメッキで坂本家の家紋がサイドプレートにあしらわれていたらしい。

その後仕様を変えマルシンブランドでも販売を開始、HW(ヘビーウエイト
樹脂),ABS発火式、HWを磨いたエクセレントHW,キットなどで展開、
最近では弾頭も再現されたカートの仕様、木箱入りなど、非常に多くの
バリエーションがある。

今回のモデルはエクセレントHWのソリッドカート非発火モデルで、
バレルも閉塞されている。
バレル長は130mmで、約5インチである。
モデル2は6インチが多いようだが、5インチもメーカーで作られており、
マルシンのものはそれをコピーしたようである。

m2a/09
マルシン製モデル2アーミーと1/6のミニチュア。

[1/6]
さて、今回の1/6であるが、これは坂本龍馬の掛け軸セットとして刀,
「今一度日本を洗濯致し申し候」の名言を記した掛け軸、ブーツなどと
一緒にセットで(有)マイスター・ジャパンから販売されているもので、
一応全長ではスケール1/6といえるのだが、バレルが長く、全体としては
少し小さい。
スケールがいくら、と書かれていないので責められるものではないのだが。

またサイドプレートが両側にモールドされており、どうやら片面の
資料画像から型をおこしたようである。
そしてこれにはシリンダーにフルートが刻まれている。

S&Wのチップアップ式ではモデル1-1/2がフルーテッドシリンダーなのだが、
フルーテッドとグリップのバーズヘッド(ラウンドバット)化が2nd
イシューで同時だったようであり、フルーテッドシリンダーと
スクエアバットを持つ物を探したものの、見つけられなかった。

しかし形は明らかにS&Wの初期のモデルのそれであり、貴重な
ミニチュアだと思う。

m2a/10
掛け軸セット一式とマルシン製モデルガン。

最近特に旧いモデルが製作されているが、これもモデル2など、先行モデル
の好調な人気に後押しされて、という側面もあるかもしれない。
それを考えると、坂本龍馬の影響力は、この模型の世界でも少なくない
のではないだろうか。

m2a/11

では、今回はここらへんで。

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今回はS&W(スミス&ウェッソン)のマグナムターゲットリボルバー達、特にM29を主に取り上げようと思う。
M29/04

[マグナム]
マグナムとはワイン用の大きな容器(大瓶)からきており、それまでのカートリッジより少し大きく、火薬量を増やした弾である。
拳銃用のマグナムはまず38スペシャルをベースに、ケースを少し長くした(プライマー=雷管も大型化している)357マグナムが1935年にウィンチェスター社でS&W新型リボルバー(これが後にM27に発展する)用として開発された。
S&W製の拳銃ではM19(ステンレスはM66),M27,M28などがこの357マグナムを使う。
それから約20年、戦争をはさんだ後、景気の良くなった1955年に、更に大口径で威力も増した44マグナムが今度はレミントン社とS&Wで開発される。
そしてM29は、M27,M28と同じ(もともと44口径用)Nフレームと呼ばれるフレームを使い、これを発射できる、当時世界最強の市販拳銃として1956年に(完成は1955年らしい)に登場する。
M29は、コルト・パイソン同様、初めは長めの6.5インチ、それから4インチや8 3/8インチのバレル(銃身)のバリエーションを増やし、ステンレスのM629(これは6インチが採用された)、フルラグ(錘)バレルのクラシック、更にクラシックとは逆に軽量化の為のテーパーバレルとしたマウンテンガンなど多くのバリエーションを生む。

M29 6.5インチバレル付き。
これはタナカのガスガンで、ミッドナイトブルー仕上げのもの。
M29 6.5インチは映画「ダーティ・ハリー」で主演のクリント・イーストウッドが使ったモデル。
マイナーチェンジでいくつかの仕様があるが、これは映画の使用モデルを意識しており、マイナスドライバーで調整できるアジャスタブルサイト、ワイドハンマー,グルーブ(縦溝)入りワイドトリガーを持ち、オーバーサイズの木製グリップ(ガスガンではプラスチック)も装備している。
M29/14


NフレームでM29,M29マウンテンガン,M28を(左から順に)。
このM29はタナカ ガスガン。バレルは4インチで、サービスサイズ(フレームと同サイズ)のタナカ純正の木製プレーン(チェッカリングが無い)タイプグリップをつけている。M29マウンテンガンは、コクサイのガスガン。
表面仕上げは、ほとんど黒だが、メタルフィニッシュ。
これも4インチバレルだが、先が細くなったテーパードバレルとし、山に出かけるときなどの護身用として計量化を図っている。
グリップはパックマイヤーのグリッパータイプだが、メーカーに依頼して作ってもらったのか、それとも細かい文字までコピーしたのか、内部がガスタンクが入るので全く違うのだが、外観はよくできている。
M28はコクサイのモデルガン。これは6インチバレルをつけたもの。M28はテーパーバレルが標準である。
M28はM27の仕上げを簡略化してコストダウンした357マグナムリボルバーで、ハイウェイパトロールマンという愛称を持つ。
これはコクサイでもモデルチェンジ後の第二世代のM28。
前ユーザーが入れたのか、文字の刻印にホワイトが入っていた。
これにはホーグの実物用グリップをつけてみた。
コクサイのM28は当初MGCのデッドコピーに近かったのだが、独自設計でリアルさを増したものを‘81年に発表、この少し後にM29のデベルやサターンというカスタムモデルを作っていた。
M29/07

アングル,バリエーションを変えて、またNフレーム。
M29マウンテンガン,M28,コクサイ M29デベル,MGCのM29。
上記のM28の後、普通のM29より先に出たのが、上でも少し述べたデベル。PPC用に近いカスタムをM29に施したもの。
バレル下にねじ留めされたウエイト(錘)、ワンタッチで高さを変えられるフロントサイトを持ち、パックマイヤーのプレゼンテーションタイプ(これも本物かもしれない)を装備している。
MGCのM29は、先のコクサイM28第一世代のもとになった自社のハイウェイパトロールマンにヘビーバレル,フルサイズのシリンダーをつけて、M29に仕立てたモデル。
グリップはこれもパックマイヤーのプレゼンテーション風だが、これは国内でサードパーティーが出したものだ。
M29/06

次はタナカのペガサスシステムガスリボルバーでM29バリエーション。
左からM29クラシック6.5インチバレル付き,M29 6.5インチ,M29 4インチ,M629 PC3インチ。
クラシックはM29にフルラグ(バレル下の錘付き)バレルをつけたもの。フレームもマイナーチェンジされ、リアサイトの先端がアール形状となっている。
Nフレームはその後もモデルチェンジをしており、最近固定サイトの、本当に「クラシック」な外観のモデルも作っている。このモデルには木製(たぶんウォールナットでメーカーオプション)のオーバーサイズグリップをつけてみた。
M629はM29のステンレスモデルで、これはS&Wのパフォーマンスセンター(PC)が、両側をフラットに削った(フラットサイド)カスタムバレル3インチを付けたもの。カスタムはトリガーにストッパを付けるなど他のパーツにも及ぶ。これにはパックマイヤーのグリッパーだが、実はこれ、パイソン用を加工してつけている。
M29/05

コクサイ ガスガンのバリエーションも。
M29マウンテンガンとM629セブンショット。
7ショットはクリップを使い、通常より1発多い装弾数7発のカートリッジを装填できる。
M29/10

[混乱のナンバー]
S&Wのモデルナンバーは1957年(1955年?)に当時のモデルに全てつけたもの。
このとき、10番台はKフレーム、20番台はNフレーム、30番台はJフレームというように分類したが、以前M39(前記事)のときに述べたように後になって末尾の9がラッキナンバーなのでM39をオートに、などとしたようで、40,50番台もオートのM41やM52,M59に対しリボルバーのJフレームのM49、NフレームM57が混在、更にさっさと60番台をステンレス仕様リボルバーの型番にしたが、上記のLフレームの登場,オートの素材バリエーション展開で破綻をきたし、3桁,4桁とどんどん大きなモデルナンバーでよりわかりにくくなった。
もともと、番号振り分け時点でM19,M29のようにその番号の終わりを使っており、発展性がなくなるのは分かっていたと思うが。

[S&Wの製品構成]
S&Wは5つのフレームサイズを持つことになった。大きさはJ,K,L,N,Xの順で、現在は最も小型のJフレームでも357マグナム5連発があるので、全てに(昔はもっと小さなフレームもあったが)マグナム弾を使用するモデルが存在することになる。

左からフレームの大きい順に。
M500(Xフレーム),M29(Nフレーム),M586(Lフレーム),M19(Kフレーム),M36カスタム(Jフレーム)。
M500は現在市販最強のマグナム拳銃で、500マグナムを使用する。これは3インチバレルにマズルブレーキを装備した仕様(M500では全てマズルブレーキがつく)で、タナカのガスガン。
M586はフルラグバレル標準装備で登場したシリーズで、これは4インチバレルのマルシン製モデルガン。
M19も4インチ、タナカのガスガン。
M36は以前ここで(前記事)紹介した自作カスタム。これは3インチバレル。
M29/03

M19は、先行したM27系が大型で重量もあったことから、当時は38スペシャル弾までしか対応していなかった同社のKフレームで357マグナムを撃てるようにし、調整式リアサイトやエジェクターロッド(発射済みカートリッジを排出するとき押す棒)のシュラウドをとりつけたもの。
これはコンバット・シューターとして有名なビル・ジョーダンの発案で、愛称もコンバットマグナムとされ、同社のドル箱、人気モデルとなる。

M19 4インチで3つほど。M66,M19(共にコクサイ モデルガン),M19(タナカ ガスガン)。
M66はM19のステンレスモデル(もちろんこれはメッキのABS製)。これにはマルベリーフィールドだったかの木製オーバーサイズグリップを奢っている。
M19コンバットマグナムは、現在もコクサイがモデルガンで金属,ヘビーウエイト(HW)樹脂製などを幅広く展開、ハートフォードもHWでM19のほか、パイソンバレルのスマイソンも作っている。更にタナカのガスガンもあり、これもM19,M66とスマイソンがある。最近作っていないようだがマルイもM19を手がけている。
M29/11

M19コンバットマグナムは、357マグナムをなんとか使える、というレベルだったらしく、このためKフレームとNフレームの間に位置づけられるLフレームを新たに開発、M586(ステンレスはM686)も作られた。
M586は、ディスティングイッシュド・コンバットマグナム(Distinguished=名高い,有名な)という長い愛称を持つモデルで、コルト・パイソン(前記事)を参考にしたフルラグ(銃身全長に渡る下側錘付き)バレルを装備している。
実はこのフレームサイズもパイソンを意識したようだが。

M586を4つ。左からMGC 2.5インチ,MGC 3インチ キャリーコンプ,マルシン 4インチ,マルシン 6インチにパワーポートをつけたカスタム。
パワーポートカスタムはこのフレームの改良型でS&Wから市販されているモデルを参考に自作したもの。フロントサイト部を少しカットしてポートを掘り、サイトはランプタイプからパートリッジタイプに変えている。
M29/02

[トイガン]
MGCのハイウェイパトロールマン(実銃では存在しない、Nフレームで41マグナム,3.5インチテーパーバレルでフレーム上にチェッカー加工による反射防止が施されたモデル、しかもこの愛称はM28のもの)は、当時ABS製の“黒い”リボルバーはこれしかなかったこともあり、TV映画などにも使われて大人気機種となった。
そこでこれに便乗すべくコクサイはほぼ同じモデル(357マグナム仕様だったかもしれない)を作った。
しかし上記のように架空モデルであり、更にABS製モデルガンで各社ラインナップが充実してきたので、よりリアルなM28がコクサイにより開発されたのだと思う。
これは4インチと6インチモデルがあり、上記のように、後にこれをベースとしてM29デベル,サターンなどと名づけらたカスタム、M29へと発展していく。
ところが新型M586の登場により、日本ではM28はもちろん、M27などはついぞ名が出てこなくなった。
これら1980年代までのモデルはCMCの金属製などを除いてトリガーはナロー(狭い=フレームに入る部分と同じ幅)タイプ、ハンマーはショートスパー(指かけの突起)で、M29でもこれを流用してつくられていたりする。
そして1/1模型ではM27の4インチが作られたことは無かったと思う。M27は以前CMCが金属モデルガンでモデルアップ(しかし3.5,6インチ)し、MGCのハイパトも事実上M27なのだが、愛称からいくとM28である。
[M27コンバットマグナム?]
これは1/6の名称であるが、少しおかしい。コンバットマグナムとはM19,M66(ステンレス版)の愛称で、M27はこれより大きなNフレームのターゲット(標的射撃),ハンティング向けモデルである。
今回の1/6は、テーパーのついた4インチらしきバレル、大型のフレーム、そしてシリンダーがほぼフレーム一杯のサイズということから、M29マウンテンガンではないかと思われる。コンバットマグナムの愛称は間違いではないかと思うが、もしかするとM27をM28として、ハイウェイパトロールマンの愛称を使ったモデルガンのように、この愛称を注目度を上げるために敢えて使ったのかも知れない。
それならM19を素直に製作すればいいのだが。

コクサイM29マウンテンガンとM28で、シリンダーの長さの差がわかるようなカットを目指してみた。
上がM28で、短いシリンダー。バレルの付け根部分、フレームとの隙間が大きい。
M29/08


それでは1/6と1/1を。
1/1はコクサイのM29マウンテンガン、1/6は先にLink先のmomocloで紹介されたが、バイスのスモールアームズコレクションから。
グリップは別体のようで、メダリオンも銀色に塗り分けられている。
M29/12

シリンダーが回転するだけでなく、シリンダーをスイングアウト(横に出す)出来、金属製のエジェクターロッドもリアルな寸法を実現している。
驚くべきは、リアサイトの固定用スクリューを2つしっかり再現していること。サイトリーフ(照準するとき見る部分)まで薄く成形されている。
M29/13

S&Wリボルバーは1/6では意外にモデルアップされておらず、M29もあるようだが入手できていない。機会があれば、もっとそれぞれを掘り下げて取り上げたい。
ではまた。
M29/09

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今回はスミス・アンド・ウエッソン(S&W)のM10 2インチを。
M102/13

[スナブノーズ]
短銃身のリボルバー(回転式拳銃)は、スナブノーズと呼ばれる。
現在コンシールド(隠し持つ)性を高めるために極端に短いバレル(銃身)を装備したモデル全般がこう呼ばれ、特定のメーカーや製品を指すものではない。
スナブノーズとは、ししの鼻という意味で、短い銃身の上にフロントサイトが乗った姿から連想されたそうだ。
リボルバーが出来る前から短い銃身の拳銃は存在したようだ。
ただ、極端に短くすると、弾の装填や命中精度などに問題が生じる。
これは現代のスナブノーズモデルでも、程度の差はあるが抱える問題である。
2インチクラスの短銃身リボルバーは、コルトのディティクティブスペシャルやバンカーズスペシャルなどが比較的早くから作られていたようである。
S&Wもこの対抗機種としてミリタリー&ポリス(M10 過去の記事)の2インチを作っている。
今回のモデルは、その現代(少し前?)版だ。
S&Wが製品に通し番号をつけるようになったのは'57年で、2桁から始まり、M10はその一番最初に当たる番号を割り振られている。
M10は.38スペシャル 6連発でシリンダー(弾倉)をスイングアウトさせて弾の装填,排莢を行う中型(K)フレームを使う回転式拳銃、ということになる。
2インチモデル自体は、いつから作られているのか調べきれなかった。
2インチ(約5センチの銃身)モデルはラウンドバット(丸まっている)の細め,薄めのグリップとそのフレームになっている。
1インチ=25.4mmだからこれは50.8mmかといえばそうでもなく、それぞれのモデルで実際には長さが違い、更に個体差も大きいという。
アメリカ人は大雑把だ、という声もあるが、しかしこれは誤差論からいっても間違いではない。
2インチ、とするなら1.5インチ以上2.4インチ未満ならO.K.だ。
単位がミリ,センチ以上に大きいから、許容誤差もそれに応じて大きくなる。

[S&Wとコルト]
さて今回はずらずら各スナブノーズを。
S&W M10とコルト ディティクティブスペシャル。
M10はコクサイのHW(ヘビーウエイト=重い合成樹脂)製モデルガン。
ディティクティブは、タナカのガスガン。これもHW製。
M102/02

S&Wはディティクティブに対抗してチーフスペシャル(M36)を出す。
これは5連発としてデティクティブより小さくし、M10とタッグを組んでラインナップを構成する。
コルトもちょっとした改良を行う。
バレルの下にエジェクターロッド(カートリッジ排出用の棒)をカバーするシュラウドを装備したのである。
S&Wはロッド前方にロック機構を設けているので、2インチだとロッドが短くなって排出しにくい。
このためFBIでは、3インチモデルのM10(M65)を使っていたという。
S&Wとコルトのスナブノーズを更に。
左からM10,M36,ディティクティブスペシャル後期型,ローマン後期型。
M36はタナカのガスガン。これはHW(ヘビーウエイト)樹脂製のもの。
ディティクティブもタナカだが、これはペガサスシステムでなく、カート式でガスタンクがグリップに内臓されているもの。
ローマンは強装弾.357マグナムを使う、スナブノーズとしてはヘビーデューティなモデル。MGC製モデルガン。コクサイのM10にもオールドモデルがあるが、MGCも新旧モデルを作っている。
大きさはだいたいローマン,M10,ディティクティブ,M36という順になっている。
M102/03

[ステンレスモデル]
ステンレスタイプのシルバーのモデルも。
M64,M60PC,スタームルガー スピードシックス。
M64はM10のステンレス版。これもコクサイのモデルガン。
他のコクサイ製品からの流用で、グリップアダプター(グリップ前方についている銀色のパーツ)。
M60はM36のステンレス版。
M60はS&Wのステンレスモデルとしては初めてのモデルで、その後他のモデルがなかなか出てこなかったのはステンレスのライフリング加工が難しく、長いバレルが作れなかったためだという。
これはそのM60をS&W社内のパフォーマンスセンターがカスタムしたモデルを再現している。コルトのようなシュラウドが設けられている。
これもタナカのガスガン。
グリップはホーグの実物用木製。
スタームルガーは販売量では現在米国を代表するメーカーのひとつになっている。
これはウエスタンアームズのモデルガン。
グリップがラウンド(丸まっている)タイプとスクエア(角ばっている)タイプの中間的形状だが、この写真のように実物グリップもつく。
これはステンレスハンマー,トリガーが奢られた豪華版。
純正はオーバーサイズグリップと、これと同じサービスサイズがあるが、今やサービスサイズは実物グリップの方が入手しやすい。
M102/04

[更にスナブノーズバリエーション]
少し変わった短銃身リボルバーも。
左から、チャーターアームズ ブルドック,M10,M36カスタム,M49ボディガード。
ブルドックは、44スペシャルの大口径リボルバー。
連続殺人犯”サムの息子”が使用していたような。
これはカナマルのガスガン。
M36カスタムは、タナカ製 M36の3インチ パフォーマンスセンターモデルをベースとして、フレームに溝を掘ってアジャスタブルのKサイトを搭載、バレル下のウエイトも少し削りこんだ自作もの。
アルタモントのグリップも奢っている。
M49もタナカのガスガン。
これはハンマーの形に添ってフレーム,サイドプレートを盛り上げ、銃を抜く時に引っかかりにくいようにしたモデル。
内臓式ハンマーではないので、一応ハンマーコック(起こす)もできる。
もちろんやりにくいが、ダブルアクションで使うことを主眼にしており、これはスナブノーズのコンシールド性を高めるという目的からいうと正常進化ではないかと思う。
M102/05

M10,M36 3インチ,ニューナンブ。
このM36,ニューナンブはマルシン製で、8mmBB弾を使用するガスガン。
ニューナンブは商標の問題か、ポリスリボルバーとされている。
M36を参考に、38スペシャル5連発だが、日本では更に弱装弾を使用している。
日本で作られた警察用拳銃だが、手本としたM36より少し大きくなっている。
M102/10

[スナブノーズは当たらない?]
M10を前方から。
銃身は上部リブ付きで、短いが一応ヘビーバレル。
スナブノーズは当たらない、と昔は言われていたそうだ。
これは、銃身が短いから、というわけでもないらしい。
現在では、2インチでもレーザーサイトによって良好な集弾を得られるという。
どうやら、細いグリップ、短い照準線長、小さく見易いとは言い難いサイト、しかも、それが固定で、調整できないこと(弾や射手によっても着弾が異なる)などがあり、当たらないということになっていたようだ。
照準線長とは、前後サイト間の距離で、これが短いと、サイティングの誤差が大きくなる。
レーザーなどの充分精度を上げられるサイトシステムを持てば、当たらないことはなかったわけだ。
レーザー機器の小型化,コストの大幅ダウンによって、スナブノーズリボルバー(+レーザーサイトの組み合わせ)は現在、護身用拳銃として再び高い人気を得ているという。
M102/08

[1/1と1/6]
1/6は、単品購入だが、ドラゴン製らしい。
形はちょっとM36にも似るが、6連発なので、S&WならM10ということになる。
実はリアサイトが別体で高い位置にあるような形をしている。
以前MGC系のタイトーがノバックサイトをコルトローマンにつけたカスタムを作っていたが、これはそれよりオーソドックスなオート用ドブテイル リアサイトにも見えるが。これだとフロントももっと上げないといけないようにも思うが。
シリンダーはスイングアウトでき、カートリッジもモールドで再現されている。
M102/09


[番外編;海の中道事件の弁護]
最近、弁護士の無茶苦茶な主張ぶりが目立つ。福岡、海の中道での追突事件の公判でも、逆効果としかいえないような弁論が展開されているようだ。
追突されたときの被害車両の速度を、急ブレーキをかけたと主張したかと思うと、次は時速30キロ(km/h)だという。
そして、被害者は追突されても居眠りをしていて、ブレーキをかけられなかったのだとも主張しているそうだ。
時速30キロという主張の根拠はなんだろう。加害車両の速度100キロは争いが無いらしいので速度差70キロとなり、それにしては加害車両の損傷度合いが少なすぎるように思う。報道記事からすると、加害車両は事故後逃走を計って約200m走ってからようやく走行不能になり止まったようで、少なくとも事故後すぐは走れる状態だったと考えられる。
そして、追突後、被害車両は橋の欄干を突き破って歩道に乗り上げてからもう一つの柵を破って(これが弱かったとはいえ)転落しており、異常な低速で走行していたというにはエネルギーが大きすぎると思う。
そしてもし被害車両が30キロ、加害車両が100キロ、両者が同じ車重で、衝突によるエネルギー吸収が無く、ブレーキも無かったら追突によって速度が35キロ増しの65キロで欄干に当たる。この抵抗もとりあえず無視して、仮にブレーキをかけるのが0.7秒後だとすると空走距離(ブレーキが間に合わなかった距離)は
65÷(60×60)×1000×0.7=12.6m
追突から転落まで40メートルの走行距離なら残りは27.4メートル。
制動距離の式L=v×v/(254×μ)
L=制動距離(m), v=速度(km/h),μ=摩擦係数(乾いた路面で0.7)
を使い計算するとL=100×100/(254×0.7)=23.8m
どうやらここから逆算して速度は30キロ、と言い出したのではないかと疑ってしまう。
さきほど無視した欄干等の抵抗があるので、これなら“充分停止できた“速度だからだ。
上記のように加害者側の主張には疑問があるので、被害車両の速度が仮に40キロとすると衝突後70キロとなり、同じく0.7秒で空走距離14.6メートル、残り25.4メートルである。
制動距離Lは27.6mとなり、つまりブレーキをかけても“転落は防げなかった”可能性が出てくることになるのだ。
速度について争うなら、証拠を示すべきだし、無いならこれは思ったこと、考えられる可能性はなんでも「それが事実だった」と強弁できる、というとんでもない誤りを犯していることになる。
また、被害車両の運転者が居眠りをしており、転落するまで回避行動をとらなかったという主張に至ってはもう笑うしかない。
「寝ていた」根拠(敢えて証拠まで、とは言わない)がどこにあるのか。
速度30キロも(証拠がないなら)加害者側の勝手な想像である。
走行中の突然の追突ですぐにブレーキがかけられないことは「珍しい」現象ではなく、むしろぶつけられてのけぞっている、もしくは欄干にぶつかって前につんのめっているときに制動しろというほうが無理な注文ではないか。
そしてこんな状態で制動がない=寝ていたとは「普通」考えられない。
その前に被害車両が蛇行を繰り返していたとか、第三者が証言しているのだろうか。
そして追突され、この事故で転落時を除いて最大の衝撃を受けても、転落するまで「寝ていた」というなら、その後脱出している点が不自然(当然起きていたものと考えられる)である。
そもそも自分の居眠りに気づいて急ブレーキを踏んだなら、その後は起きているはずだし、ブレーキは追突後も踏みっぱなしの方が自然だと思う。
また、居眠り運転イコール低速走行ではないことは、多くの重大事故事例(高速度のまま追突)が物語っている。
これは弁護側の2重の想像,つまり連想で、下衆の勘ぐりだが自分達に都合の良い話を組み合わせて述べているに過ぎないのではないか。
むしろその高速度で突っ込んだ加害車両のほうが、「普通」居眠り状態ではなかったかと疑われないだろうか。

この裁判のポイントは飲酒による危険運転か否かで、これはもう加害者=被告に圧倒的に不利だと思う。
なまじ被害車両の速度を30キロにしたせいで、加害車両100キロという(恐らく速度超過になる)ところを受け入れてしまい、危険運転を認める墓穴を掘っているような。
話が長くなった。


さて、S&Wリボルバーは他にも予定しているものがあるが、これも2丁手に入れたのでひとつは1/1と同じくKサイトでものせようかと思っている。
ではまた。
M102/14


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今回はS&WのM39。
M39/01

M39は有名なワルサーP38のダブルアクショントリガーと手動セフティ、コルトのM1911のスライド周り、ついでにフレームとの噛み合わせはブローニングハイパワーあたりを参考に、更に当時は目新しいアルミフレームを採用、といわば良いとこどりで構成された意欲作。
後のM59はこれにハイパワーと同じ複列弾倉まで盛り込んだ。
メカ的にもバネはコイルスプリングに拘る(形状から板バネに比べ、焼きが均一に入り性能がよく、そして折れても完全に機能を失わない)など設計陣は大変良く努力しているのだが、このシリーズ、その割には受けなかった。
結局制式になったのは米国の一部警察くらいで、登場時期が早すぎたのか、それとも品質に問題があったのか、オートはM1911以外は欧州、という流れになってしまう。
M39は9×19mm弾を使用するが、その後バリエーションとして40S&W、45ACP仕様まで幅広く展開された(今も続いているようだが)。
まず1/1でありったけのM39系を。
M39/02


M39は左右調整可能なリアサイトを持つが、これに大きなガード板と上下調整も出来るものをつけたのがM439。
S&W社は末尾の9をラッキーナンバーと考えていたフシがある。M19,M29はベストセラー、M39やM59はオートの意欲作だ(M49は地味だが)。
もともとリボルバー(回転式)で10番台はKフレーム、20番台はNフレーム、30番台がJフレームとしていたのだが、何故かこれを無視してオートマチックにM39を割り振った。しかもM39は1955年とM19と同年の発表らしく、するとM29発表より前なのだ。どうして30番台に無理やり持ってきたのか。憶測だが、ワルサーP38より上、という意味があるような。

M39(左)とM439(右)。
M39はMGC、純正オプションの木製グリップ付き。
上の写真に少ししか写っていないが、M59にはプレーンな木製グリップ、M459にはガスガン用のチェッカリングされたものがついたものと、標準のプラグリップの両方を出している。
M439はマルシンのモデルガン。こちらはキット組み立てで、グリップも無塗装のプラ。
M439はHW樹脂なので、スライドをブルーイングした。
M39/03

リアサイトのアップ。手前がM439。両端に大きなガード板がついている。
次にM39。なぜか前に伸びたベースが、P38の影響を感じさせる。
一番後ろがM4505。これはタナカのガスブローバックガン。
M39/04

今度はMGCモデルガンラインナップ。
左からM459,M59,M39。
M39とM439はサイトと銃口部のブッシング形状が違うくらいだが、M59とM459では、サイト以外に両側から操作できるセフティ、指かけのついたトリガーガード、トリガーの上まで幅広になったフレームなど変更点が多い。
m39/05

M59の評判の良くない太いグリップがわかるようなカットを目指してみた。
左のM39に対し、複列弾倉のM59は太い。右のM4505は45口径にもかかわらず薄いのだが、今度は前後に長い。
いいかげんな数字が一人歩きすると問題なのであくまで参考だが、模型でグリップ上部の周長を計測したところ、オートでは133mm~137mmくらいが普通、太目のSTIで約140mmである。しかしM59のそれは約145mmある。これ以上はP7M13くらいしか(まだ上があるということではあるが)持っていない。
M59も好きなので決して握りにくいとは言わないが。
M39/06

1/1と1/6、といいたいところだが、今回の1/6はM39の特殊型、Mk22 model 0という海兵隊がベトナムで暗殺用に使ったもの。サイレンサーと予備弾倉もつき、ホルスターもある。
これはドラゴン製。
M39/08

Mk22は1968年ごろ試作が始まり、1971年にM59が出てからはこれをベースに製作されたという。
消音性を高めるため、亜音速の弾を使い、更にスライドをロックするレバーを追加した。これを使うと手動操作になるが、もしかすると通常はセミ・オートとして使えるのかもしれない。
ところで、大きなガードのついたサイト、後のM439,M459に採用されたものは、Mk22のものをベースに開発されたのか、Mk22のほうがサイレンサーのぶん高くなっているが、形状が似ている。
M459は米軍のXM9(結局ベレッタM92Fが採用された)トライアルにも出されているのだが、どうしてあの場にフルアジャスタブルサイト付きのM459が、と思っていたが、Mk22で既に密かに採用されていたという経緯があったのかも(トライアルモデルのM459は固定サイトだったら、ちゃんちゃん!とオチがつくのだが)。
Mk22は実物の写真も見たことがなく(不勉強なせいかもしれないが)、後のMk23が市販までされたのとは大きく扱いが異なる。
そういえば米空軍のハイスタンダードH-Dサイレンサー付きもパワーズ事件でソ連側に捕獲されるまで秘密だった。
米軍制式拳銃を1/6で。
左上から45口径のM1911A1、隣がMk23。左下は9mm口径M92F、その隣がMk22。
M39/09

何とスライドがバネ入りで動き、ハンマーも可動!
M39/07


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今回は、S&W M10 4インチ ミリタリー&ポリス ヘビーバレルを取り上げる。 
M10/01

まず1/1でM10バリエーション。
左からハートフォード製モデルガン。M10の前身、ミリタリー&ポリス ヴィクトリーモデルに5インチ銃身付き。
隣がM10 4インチ テーパーバレル コクサイの旧型モデルガン。
次が今回の主役、4インチヘビーバレル コクサイの新型モデルガン。
4番目はタナカ エアーガンのマグナム仕様M13の3インチ。
最後がコクサイ 新型の2インチ。(両端は切れてますけど)
ちなみにM10といっていても、マグナム仕様のシリンダーサイズだったりするところもあるが。
M10/02

コクサイM10は幾度かモデルチェンジしており、カートリッジ,トリガーだけでなくサイドプレート形状、刻印位置からフレーム上部の厚み,シリンダーストップ(抜け止め)形状も改善されている。
M10/03

M10と、そのステンレス版、M65。
これもコクサイだが、たぶんM10の新旧の間に作られたバージョン。
M10/04

1/1と1/6。
1/1は鉄粉入り樹脂、グリップはマルベリーフィールドのウォールナット?に替えている。
1/6もトップの写真の通り、シリンダーがスイングアウトする。
さらにグリップのメダリオン,サイドプレートの取り付けネジまで再現されている。
M10/06

1/6はまたしてもバラ買いだが、今回ポリス用ベルト一式がついてきた。
M10/07

M10らしき2インチも入手したので、それも近日公開の予定。乞うご期待(て、古いか?)
M10/10

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