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今回はコルトのパーカッション(雷管)式リボルバー(回転式拳銃)、
ドラグーンモデルを。

m1848/01

〔概要〕
ドラグーンモデルは、1848年から再生なったコルト社で生産され、
米軍の制式を得た.44(インチ)口径で6連発の拳銃である。

前作であるウォーカーモデルから大幅に軽量化(約300g)されたが、
他にも機能、生産性を高めるための改良がなされ、またドラグーン自体も
改良が繰り返され、現在そのバリエーションは大きく3種類に分けられて
いる。

ドラグーンとは竜騎兵、火器を持ち馬に乗る兵士のことを指すが、軍隊
でもモータリゼーションが進み移動手段に馬が使われなくなるのに従い
余り用いられなくなった用語だ。

しかしフランス軍には、まだ竜騎兵落下傘連隊があるという。火を噴く
竜の名は、一種の名誉称号かも知れない。

〔1/6〕
今回は先に1/6を。今回の16モデルは、ビギンネットワークス(制作は
バイスらしい)が松本零士アームズコレクション 07として出したもので、
グリップには髑髏マークが付けられている。

m1848/02
附属の箱に入った状態(左)と、取り出したもの(中央)、そして1/1(右)は
HWSのモデルガン。


この松本零士アームズコレクションでは、うちでもグラビティサーベル
コスモドラグーンを取り上げたときに紹介しているが、このドラグーン
モデルがコスモドラグーンのもとになったらしい。

〔1/1〕
ドラグーンモデル(M1848) サードモデルはHWS(ハートフォード)
が2010年に発売、今回登場させているファーストも、セカンドも
そのあとバリエーションとして発売され、最近サードモデルが2013年
特別仕様として再発売されている。

各モデルの違いについても、HWSのホームページで詳しく
解説されているので一度検索,参照されたい。

〔過渡期的なモデル〕
ではウォーカーモデルと比較して各部を。
まずシリンダー(回転式の弾倉),バレル(銃身)を短くしている。
シリンダーは軽量化だけでなく、ウォーカーでは火薬量が多く入り過ぎ
(オーバーロード=過剰な装薬)、壊れるといった事例が多くあったこと
に対する措置でもあったという。

またグリップ前方がフレームに食い込むような形を真っ直ぐにカットし、
加工性,生産性を上げている。

m1848/03
ウォーカーモデル(左)とドラグーン(右)。どちらもHWSのモデルガン。

ローディングレバーは先端でロックされ、ホルスターなどに入れるとき
にも引っ掛かり、開いてしまうことが無くなった。

m1848/04
ウォーカー(左)とドラグーン(右)のローディングレバー。
このレバーを下に下げ、弾丸をシリンダーに押し込む。


トリガーガードは後部が垂直になった所謂ドラグーンタイプだったが、
3rdモデルではラウンドに改められている。

m1848/12
M1860(左 CAW モデルガン)とドラグーンでトリガーガードの比較。
赤い矢印で示した部分が直角(それ以上)になっているのがドラグーンタイプ。


トリガ-ガードとバックストラップは真鍮が使われているが、これは鋳造
が可能だったため生産性が高かったこと、手が比較的長時間触れており
鉄では錆びやすいため、かも知れない。

これもウォーカー,M1860ではバックストラップが鉄、後のカートリッジ
式では両方鉄になっており、このあたりも様々な組み合わせを試していた
過渡期、だったのかも知れない。

m1848/06
ウォーカーモデル(右)とドラグーンモデル(左)で、グリップフレームの比較。
どちらもHWSのモデルガンだが、ウォーカーは亜鉛性だがガンブルー仕上げのグリップフレームで、
実物の鉄製を模している。

また、グリップ上前方がウォーカーモデルではアール状で、フレームを少し抉ってフィッティング
させているのが再現されている。


また、以前M1861のときに取り上げたが、シリンダーストップスロットは
このドラグーンモデルのときにガイディング・グルーブ(ストッパを導く
ための抉り)が設けられた。

手持ちのドラグーンはこれが採用される前のファーストモデルで、
長円形のスロットになっている。

m1848/05
ドラグーン ファーストモデル(上)とM1860(下)で、シリンダーストップ
スリットの比較。 赤い矢印で示しているのがそれ。


ドラグーン,ウォーカー両モデルはバレル先端部が円形断面、基部が
大きく面取りされた直線状だが、M1851になるとバレルはオクタゴン
(八角形)で、M1861(M1860も)では円形断面となっている。

ドラグーンのバレルは基部と一体のようなので、変更は生産性の向上が
目的のようだ。

m1848/07
ドラグーン(左 HWS)、M1851(中央 CAW)、M1860(右 CAW)で
バレル形状の比較。
ドラグーンは前方が円形、後方は四角に面取り、M1851は全体が八角形、
M1861は円形の断面で後部もアール状(ラウンド)だ。


オクタゴンバレルはコルトの第一作、パターソンで既に採用されていたが
ラウンドを試したのは軽量化と、やはりラウンドのほうが携帯時も含めて
角がないほうが人間の体に馴染むから、かもしれない。

m1848/08
ドラグーンモデル(左)とパターソンモデル(右)。どちらもHWSのモデルガン。

全体のラウンド化まで逡巡があったが、パーカションリボルバーの完成形
といえるM1860,M1861でバレル全体の角を丸めるのに成功している。

ドラグーンのあと、コルトはシルバースチールという新素材を採用、
シリンダーにフルフルーテッド(軽量化溝を前後通して加工)、
ステップド(段付き)を試し、カートリッジ式で途中までフルーテッド
加工、というスタイルを確立する。これらも軽量化と強度、加工性の
バランスを考えて進化していったものだと思う。

m1848/09
M1860ショートモデル(左 HWS)、M1860 8インチモデル(中央 CAW)、
ドラグーンモデル(右 HWS)。
M1860ショートには初期に作られたフルフルーテッド、M1860には後部が少し
細くなっているステップド、そしてドラグーンはストレートのシリンダー形状が
再現されている。


作りながらの改良、と言えば印象が良くないが、これは競争の中、市場の
反応も反映しながら絶えず改良を繰り返すことで商品性を高めていった、
ともいえる。

また、コストダンなど利益拡大の面もあったかもしれないが、より軽く、
確実な作動など、性能向上を厭わなかったことも、好調な販売成績の
もととなったのかも知れない。

〔コルトは軍に依って立つ存在だったのか〕
ドラグーンモデルは22000丁ほど作られたらしいが、軍に納入されたのは
9000丁あまりだったという。

パターソンモデルの売れ行き不振から一度は閉鎖に追い込まれたコルトが
再生できたのは、軍の注文があったためで、その後社長のS・コルトは
コネチカット州義勇軍大佐に任じられるなど、軍ベッタリの印象があるが、
これはセールス上の演出で、1848年同時に発売したベビードラグーンは
2年間で15000丁と、同時期のドラグーンが7000丁あまりだったのと
比べると倍以上である。

再生したコルトは、.44口径のウォーカー,ドラグーンに対し、.31口径
のベビードラグーンやM1849ポケット、そしてM1851の.36口径の
三本立てのバリエーション展開を考えており(M1851も1847年には
出来ていたらしいが、発売を遅らせたらしい)、しかもその後M1849
ポケットが累計32.5万丁、M1851は21.5万丁(更に当時のコルト
ロンドン工場でもこれらが製造、販売されている)桁違いに多く
作っている。

m1848/10
ドラグーンモデル(左 HWS)とM1849ポケットモデル(右 CAW)。
M1849はM1848ベビードラグーンのバリエーションともいえ、フレームサイズは同じだ。


m1848/011
M1851ネービーモデル(左 CAW)とドラグーンモデル(右 HWS)。

M1848の後継で.44口径のM1860は20万丁作られているが、これも
軍には5万丁しか入っていなかったらしく、確かにドラグーンの5倍の
数字だが、他のモデルの売れ行きに比べると、.44口径は.31,.36に
続く3位、ということになる。

軍用モデルは、大口の安定受注先というより、その信頼性の証しとして、
多分に宣伝の要素があり、実は世情を反映し最新の武器を求めた市民に
コルトは支えられ成長していったのかもしれない。

思えば1836年にコルトがパターソンを発売したときに誕生した(先行した
アイデアは無かった訳ではないが)リボルバーは、その有用性はもちろん
存在自体まだ知られておらず、コルトはコストダウンもあるが認知,普及に
時間がかかる事を考えなかったために失敗したのかもしれない。

そして当時、多くのユーザーの手に握られていたモデルは.31,.36の
小口径モデルだが、やはりこの時期のコルトを象徴する存在は、この
巨大なリボルバー、ドラグーンではなかっただろうか。

m1848/013

毎年のことだがこの時期は忙しく、今回も更新が少し遅れてしまった。
次回は何をとりあげるかまだ未定だが、既に複数準備中なので、
また宜しく。

では今回はここらへんで。

参考文献;別冊Gun Part6 コルトのすべて

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今回は、パイソンと並ぶコルトのフラッグシップ、ナショナルマッチを
戦前,軍用も含めて取り上げたい。

ナショナルマッチの各モデルを見ているとターゲット用サイトの変遷が
辿れるのだが、その機能の出処など、興味は尽きない。

nm/18

[概要]
ナショナルマッチは、コルトガバメントモデル(M1911A1)の
ブルズアイターゲット(同心円状の紙製標的を狙う射撃競技)用
バリエーションモデルで、戦前(第二次世界大戦=WWⅡ前),戦後そして
軍用などさまざまな仕様がある。
軍用は、M1911A1を軍が射撃競技用にカスタムしたものだ。

nm/15
これはMGCのS70 ゴールドカップ(モデルガン)。
カートリッジは使用弾45ACPのダミーカート。

[1/1]
まず今回は1/1から。

nm/09
画像左から、戦前モデルスティーブンスサイト付き(WA ガスガンカスタム)、
軍用1962年型、軍用1964年型、S70ゴールドカップ(3つ共MGC モデルガン)。


実物の年代を追って紹介すると、戦前ナショナルマッチの固定サイト
モデルはモデルガンでエラン,ホビーフィックス(HF),クラフト
アップルワークス(CAW)から、そしてウエスタンアームズ(WA)から
ガスガンが過去に発売されている。

スティーブンスサイト付きはエランが発売しているが、今回使用した
ものはWAのガスガン,HFのモデルガンをカスタムしたもの。
このカスタムについては別ブログでUPしている。

1962年と1964年仕様のミリタリー(軍用)ナショナルマッチはニュー
MGCのモデルガンがあり、これら2つは今回登場させている。

戦後コルトから発売されたゴールドカップナショナルマッチは、S70仕様
が各社から出され、左側面の刻印が大きなラージ刻印もWAとMGCから
過去に発売されたことがある。

またS70以前や、S80時代のもの、各種カスタム、10mm口径のデルタ
ゴールドカップや9mmのコンバーションキット装着モデルも
モデルアップしているところもあり、ゴールドカップでも非常に多くの
トイガンが存在する。

今回MGCのモデルガンで、トップカットではコンバットカスタム、そして
トップと下の画像で6インチスライドにボーマーサイトを付けたものも
使っている。

nm/06
右がS70 ゴールドカップ。左は6インチ+ボーマー付きカスタム。

[1/6]
今回の1/6は、1962年のマイクロ社製サイト付き軍用ナショナルマッチ
で、M1911A1をもとにした自作カスタムである。

nm/07

実物はトリガーの交換、グリップフレーム前方のチェッカーも施されて
いるが、今回前後サイトの自作に止めている。

もともとスライドが可動、マガジンが着脱式なので、スライドストップ
状態での交換が再現できる。

フロントサイトはプラ板を切ったもの、リアサイトは真鍮から削り出し、
見にくいがサイトリーフのノッチやサイトリーフを見やすくする為の
円弧状のカット加工を施してみた。

nm/08

[開発とモデルチェンジ]
コルトは米軍制式となったM1911A1を、ガバメントモデルとして市販
したが、当時反動が大きな45ACP弾はまだ普及せず、コルトは口径を
38スーパーとしたものも作った。

ターゲット用バリエーションも当初38スーパー弾を使うスーパーマッチ
が先行したが、1933年に口径を45ACPに戻したナショナルマッチが
登場する。

ナショナルマッチ、全国大会という名前だが、これはキャンプペリーで
開かれた射撃大会の名で、米国では独自のルールで大口径ピストルの
ブルズアイ競技がさかんであり、この競技向けの上級仕様をアピール
したかったのだと思う。

初期型のナショナルマッチはガバメントモデルの各部を
ハンドフィッティングした高精度モデルだが、外観上は刻印程度しか
違いは見られない。

これに1935年から、工場長スティーブンスの名を冠したアジャスタブル
(調整式)サイトを搭載するオプション設定がなされた。

nm/10
CAWの戦前ナショナルマッチ(右)とHFにスティーブンスを付けたカスタム
(どちらもモデルガン)。


スティーブンスサイトも変遷が見られ、1940年のものでは、サイト
取り付けベース前方のドブテイル(アリ溝)が段付きでは無くなって
いる。

このサイトは他の競技向けモデルにも使われ、M1911系では22口径の
エースモデルに様々なバリエーションのスティーブンスサイトが
載っているのを見かける。

スティーブンス型はコルトマスター型へ進化し、コルトウッズマンⅡ型
のサイトに用いられている。

コルトはWWⅡ中、軍用M1911A1の製造に追われ、1941年にナショナル
マッチの生産を止めていたが、1957年に新たにゴールドカップ
ナショナルマッチとして競技用ガバメントモデルの生産を始める。

nm/14
MGCのS70ゴールドカップの刻印。

これはベースとなるガバメントモデルのマイナーチェンジに伴い、
1970年にMkⅣシリーズ70(S70)に、そして1983年にはMkⅣシリーズ80
となるが、1997年からはゴールドカップトロフィーと名を変えている。

他にも口径を38スペシャル,38スーパー,10ミリとしたモデル(デルタ
ゴールドカップ)や、珍しいところでは少し短いコマンダーモデルも
ある。

ゴールドカップナショナルマッチの特徴は、上面にリブが付いたスライド、
アジャスタブル(初期はアクロかマイクロと思われ、1964年から
イライアソンだが、38スーパーなどではアクロが使われているものがある
)のリアサイト、パートリッジのフロントサイトの他、スケルトン
(中抜き)タイプの調整式ワイド(幅広)トリガーがある。

スライドのセレーション(指掛け溝)はより滑りにくさを考えた(操作
時、グリップ部,手が支点となり銃口側が持ち上がるので、少し傾けた
方がスライドを引く手が滑りにくい)オクタゴナル(斜め)タイプで、
グリップフレーム前方にもグルーブ(縦溝)が入り、メインスプリング
ハウジングはストレートタイプとなっている。

1970年からは、MkⅣS70に移行するが、S70の特長であったフィンガー
コレットタイプ(スプリング式)のマズル(銃口)ブッシングは採用
されず、フィッティング(合わせ加工)で精度を追求していたようだ。

nm/11
画像はMGCのゴールドカップナショナルマッチ。

ゴールドカップナショナルマッチは、M1911A1が多用途(手袋使用など)
を考えたのに対し、元のM1911に戻ったようなメインスプリング
ハウジング,ロングトリガー仕様で、やはり単に素手で銃を握り、
ちょうど撃ちやすい形は、M1911で完成されていたことを伺わせる。

また、スライドのリブやくだんのメインスプリングハウジングなど、
直線を多用し、オクタゴナルセレーションで前方にスラント(傾斜)
感を持たせたデザインは、単にブルズアイターゲット用として必要な
装備、というだけでなく、ガバメント系のフラッグシップとして
スポーティなスタイルも重視していたように思える。

[クリックストップ]
クリックストップ(スクリューの回転がカチカチと一定の回転角で止まる
機能)は、調整をワンアクションで済ませられるだけでなく、クリック
回数で調整量を記憶しやすく、ターゲットモデルでは現在標準といえる
ものだ。

しかし、戦前型のスティーブンスサイトは、固定用スクリューを緩め、
調整用スクリューで調整、その後再び固定スクリューを締める、という
面倒かつ、回転角度,目盛りなどで調整量を記憶しなければならない
ものだった。

クリックストップは、コルトではコルトマスターと呼ばれるサイトから
だと思う。
これがウッズマンに採用されたのが1947年、M1911系ではエースモデル
で1948年だ。

ライバルS&W社では、クリックストップは1946年に357マグナムに採用
されているようだ。

そうすると、1931年あたりに他から特許が出ていた、という可能性も
あると思う。

さて、クリックストップは光学照準器でも一般的で、米のM1903狙撃銃
用スコープには、既にクリックが付いていたようなので、スコープでは
一般的だったクリックを、アイアン(非光学式)サイトにも持ってきた、
という可能性もある。

クリックストップの起源については、今後調査が進展したら、また報告
したい。

nm/19
各種ナショナルマッチのサイト。

[ディプレッサー]
ゴールドカップになってから、か、S70になってから、か調べきれ
なかったが、戦後の市販型ナショナルマッチにはディプレッサーという
トリガープル(引く力)のセカンドステージを軽く感じさせる機能が
盛り込まれている。

これは予めシアとトリガーバーにテンションをかけておき、トリガーの
引き始めのファーストステージ(まだシアが動き出す前)からバネを
介してシアを押している、というものだ。

ファーストステージはバネの分重くなるが、シアが動きハンマーが
落ちるセカンドステージは相対的に軽く感じる。

現在、日本でAPS競技に用いられるマルゼンのAPS-3などは、逆に
セカンドステージを重くする装置を付けている。
これはトリガーが0.5kg程度と非常に軽いことと、落ちる直前の
ポイントが明確に感じられるほうが扱いやすいためだという。

トリガープルは軽く、しかしセカンドステージは明確、というのが理想
だとすると、一見全く逆に思えるがどちらも理想に近づけるための
工夫だ。

[軍用ナショナルマッチ]
戦後、まだコルトがゴールドカップナショナルマッチを発売していない
時期の1955年から、軍(造兵廠)が射撃訓練の一環として競技用に
M1911A1をカスタムし使用しており、U.S.ナショナルマッチと呼ばれる
このカスタムは1968年まで続いた。

造兵廠では軍内部で使用するだけでなく、DCM(ディレクターオブ
シビリアンマークスマンシップ 民間射撃技術促進理事会、といった
ところか)を通じて市販も行い、またカスタム内容は生産時ごと
(一年の内でも仕様が違う場合がある)に様々な仕様がある。

販売数は一桁という年もあるが、1965年には千丁を超えており、
そのとき既にコルトがゴールドカップを生産していたのだから、
このカスタムの人気が伺える。

軍用ナショナルマッチにはNMから始まる番号が打たれているが、これは
シリアルナンバー(通し番号)ではなく、機種を表すようで、数年に渡り
同じ番号が多くの個体に打たれている。

シリアルは、元々製造時にフレームに打たれていたものを消さずに残して
(追加の刻印も入る)いる。

ベースモデルは、戦時中までのM1911A1で、コルトはもちろんUS&S製の
ものも使われているのが海外サイトの画像で確認できる。

nm/13
左が1962年モデル、右が1964年モデル(共にMGC モデルガン)。
これらは亜鉛(実物はアルミ)だがロングトリガーも備え、グリップ前方の
チェッカリングなどは省略されているが、各所への刻印(Noは変えられている)
も再現されている。


各年式のミリタリーナショナルマッチについては、アメリカン.ライフル
マン協会が調べ、以下のサイトにリストが記載されている。
http://www.coolgunsite.com/images/1911/drake%20nm/national_match_notes.htm

これを元に仕様の変化を追うと、
まずバレル(銃身)の打刻番号は、1955~1958年までNM7267717、1959
~1960年までNM7790429、1961~1962年までNM7790313、1963~1968
(最終)年までNM7791414となっている。

リアサイトは1955年はノーマル、1956年はノーマルと1/8インチ幅広が、
1957~1961年は1/8.458インチ高、1961年にはマイクロ製のものが
付いたものもあり、翌1962年はマイクロのみ、1963~1965年は
トライアングル製、1966,1967年はイライアソン、1968年はケンサイト
となっている。

フロントサイトは1955年はノーマル、1956年は1/8インチワイドとされ、
1957年は1/8.295インチ高く、その後は全て1/8.358インチ高い仕様に
なっている。

マズルブッシングにもNM7267718の刻印が打たれ、フレームにもSAとNM
という刻印が追加(年式により異なる)されているようだ。

バレルは1963年からコルトとされ、グリップフレーム前方のチェッカー
加工は1959年から、となっている。

トリガーは1956年からノーマル改造、1959年からはプラスチック、
1961年からはアルミとされた。

シアは1956年から、ハンマーの外観は変化が無いようだが、1960年から
カスタムされているようだ。

スライドは1655~1962年まではノーマル、1963年にコルト製になり、
スライド刻印は以降NM7791435となる。

1964年だけ、スライドはドレイク製となり、1965年にはコルトに戻って
いる。

スライドのオクタゴナルセレーションは、1963年のコルト製から採用
されており、これは既に生産が始まっていた同社のゴールドカップと
揃えたのではないだろうか。

但し、1966年からのイライアソンサイト付きモデルでも、サイトは
スライドにベースを取り付ける形で構成しており、ゴールドカップの
直付けとは異なる。

特に1964年型のドレイク社製スライドは、精度が高いと評判だった
ようだ。

日本では、1963年もしくは1965年型のミリタリーナショナルマッチを
使い、有名なシューター/カスタマーのボブチャウがコンバット
シューティング向けにカスタムしたものが知られている。

nm/17
右がボブチャウカスタム(WA ガスガン)、左は1964年型(MGC モデルガン)。

[軍用カスタムの変化]
米軍はM1911からベレッタM92Fへ制式拳銃をシフトしたが、海兵隊
などはM1911に固執し、ナショナルマッチ同様旧いM1911A1をカスタム
して使い続けた。

これはMEUピストルとして知られ、サイトは調整式から固定式に替わって
いるが、そのカスタム手法(フレームを残して、バレル,スライドなどを
交換)が似ている。

nm/16
左が1964年型の軍用ナショナルマッチ、右がMEUピストル(初期型 WA ガスガン)。

もちろん、摩耗するバレルや、サイト交換など手を入れているスライドに
対し、フレームは傷みが少なく、加工もチェッカリング程度なので、
コスト削減の為交換を控えた、という面もあるのかもしれないが、
もしかすると、シリアルナンバー(管理に用いる通し番号)を刻印
しているフレームを残せば、従来から持っている装備品の修理,改良と
されるのに対し、フレームを変えてしまうと、もう新規購入の扱いになる
のかも知れない。

現在、タクティカル,ターゲット向けのM1911は、(商標を買った)
民間会社のスプリングフィールド、キンバーなど多くのメーカーが
手がけており、大手のS&WやSIGまでもが進出してきている。
既に戦時中のM1911をカスタムする必要は無くなったと思う。

また、ナショナルマッチといえばコルトのゴールドカップが思い浮かぶ
ようになったが、造兵廠がコルトと併売し続け、また後にMEUピストルを
作る、というのは、単に職人の雇用対策や余剰装備の有効活用、
ではないように思える。

後に採用されたベレッタM92Fの改良は、メーカーに委ねられ、また
特殊部隊向けの装備としてH&KのMk23SOCOMを採用するなど、他の
選択肢を持ちながら、敢えて自らカスタムして使い続ける、というのは、
M1911(A1)に対する、強い拘りがあるのではないか。

nm/02

では今回はここらへんで。

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今回はコルト社初のダブルアクションモデル、ライトニングを。

c77/01

[概要]
ライトニングは米コルト社が1877年に発表した(製造は1876年から
行われていた、という説もある)回転式弾倉を持つ拳銃(リボルバー)だ。
現在41口径がサンダラー、38口径がライトニングと呼ばれているが、
41口径も含めて「ライトニングモデル M1877」と扱うところもあるようだ。

この呼び方は米国内のディーラーが販売促進のために付けたペット
ネーム(愛称)で、コルト社が付けたものではなかったようだが、
一般には好評だったようで、後にコルトは開発年度からとった型式から、
このようなペットネームにモデル名を変える。

コルトとしては、M1877は初のDA(ダブルアクション=引き金がハンマーを
起こし,解放する2つの機能を持つ)リボルバーだが、後にレプリカすら
作られないように、必ずしも成功した機構とはいえない。

c77/02

[1/1と1/6]
今回の1/1模型は、頑住吉氏が制作したモデルガン形式のレジンキャスト
のもの。頑住吉氏は現在制作,販売を止めており、これは数年前の完成
時に販売されたもの。
キットと完成品の両方が販売されたが、入手時既にキットは在庫が無く、
完成品を購入している。

頑住吉氏自身が組み立て,調整もおこなっていたらしく、表面はメタル
ブルーの塗装で仕上げられている。

シングルアクション(SA)は機能せず、またシリンダーストップ機構を
アレンジしているが、DAでハンマーが動き、シリンダーにダミーのカート
を装填,排出させることが出来る。

c77/11

1/6は単品購入だが、㈱グルーヴのJドール ヴィア・アッピア(2011年
3月発売)の付属品だと思われる。
黒一色だが、非常に艶の良い表面なので、塗装されているのではないかと
思う。

以前のラレード・オブ・ストリートには同じ形状と思しき銀色のモデルが
付属しているが、こちらは入手できていないので同じ型か、は未確認だ。

大きさは少し小さいかもしれず、また一体成形で中央部に若干ヒケはある
が、トリガー,グリップの形状や段差のあるフレームなど、M1877の形状を
良く再現している。

[外観の特徴]
ライトニングはM1873=SAA(シングルアクションアーミー)の上部を
小型化し、DAトリガーとラウンドバットのグリップを付属させたような
外見を持っている。
更にグリップ後方には突起(隆起)部を設けている。

上部の形状は、フレーム分割の形からシリンダー(回転式弾倉)の
ベースピンを留める形式、シリンダー後方,ローディングゲート(装填
窓)部の半円状の形状まで、SAAに非常によく似ている。

c77/03
左から、コルトSAA(タナカ ガスガン)、コルトM1849(CAW モデルガン)、M1877。

グリップ後方の突起部は、DAでトリガー(引き金)を引く力が大きく
なったために、手が前進(銃が後方に移動)しないように設けられたもの
だと思う。

それまでのコルトリボルバーのスムーズな形状のほうが、SA(シングル
アクション)では他社も含めて一般的だったように、反動処理は楽な形状
だ。

銃が発射時の反動で上を向くときに、人指し指と親指の間でこれを抑える
(逆にいえばそこに力が加わる)、突起のある形状より、銃を手の中で
滑らせ、反動を逃がした方が、射手の負担は少なくなる。

しかし、DAでは先行したアダムスは、重いトリガーを引くと銃が動いて
(撃つ前から上を向いて)しまいやすいために、グリップ角度を垂直に
近く立てた形で、なおかつ少し後部を隆起させ、同じDAのM1877では、
突起部を設けて対策したのではないか。

この突起部は、S&WではSAのラッシャンモデルから採用されていたが、
コルトではこの後のモデルではアールの大きな形とし、M1877の影響は
ここでも失われている。

個人的には、大きなアールの上に小さなアールが乗ったような後のコルト
DAリボルバーの形より、M1877の形のほうが、トリガーは引き易いと
思うし、反動処理の点でも、後の形式ではS&Wより評価が低い(あくまで
個人の好のみや手の形,握力などにもよるが)ように聞くが。

c77/04
左から、コルトM1877、コルトポリスポジティブ(タナカ モデルガン)、
コルト オフィシャルポリス(MGC モデルガン)。
M1877以外のグリップ後部は、横から見て突起というよりアール状になっている。



ラウンドバットは、S&W社のモデルでは当時から現代まで見られるが、
コルトは後のポケットリボルバーでも、端部を丸めただけで、後部全体が
前方に向かってアールを描くグリップ形状は、M1877とその一連の
バリエーションモデルくらいではないだろうか。

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M1877と、S&W社のM13ミリタリーポリス(タナカ ガスガン)。

このグリップ形状を、バーズヘッドと呼ぶ場合もあるようだが、ハンマー
形状が、昔のフリントロック銃のものがバーズヘッドと呼ばれていたため、
ハンマー形状にこの呼び名が良く使われ、ショットガンなどでも、
日本語で「有鶏頭」という語がある。

上記のようにM1877のシリンダー後部形状は、正にSAAと同じ形だ。
これに対し、M1878ではローディングゲートが薄くなり、近代リボルバーの
形に近づいている。
M1878も、シリンダー背面にストップを持ち、またフレームに段差がある
など、M1877に非常に近い機構,形状だ。

[バリエーション]
M1877はバレル(銃身)長のバリエーションが豊富で、1.5~10インチ
(1インチは25.4mm)あったという。
4.5インチより短いモデルではエジェクター(弾薬ケース排出器)が無く、
4.5から6インチまではエジェクター付きと無しがあり、それ以上長いもの
では全てエジェクター付きだったようだ。

また、口径は、38ロングコルト,38ショートコルト、41ロングコルト,
41ショートコルトが一般的だが、32口径モデルも存在し、また38口径でも
38-40ウィンチェスターや38S&W仕様も作られたという。

今回トップの画像では、彩りにカートリッジを添えているが、手持ちで
38ロングコルトなどが無かったため、5発は38スペシャルで、手前の一発
は32-20Winを使っている。

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M1877とSAA(タナカ ガスガン)で、エジェクターチューブの有無の比較。
SAAのバレル斜め下に沿うように付けられているのが、エジェクターが納まる
チューブ。


[装填方法]
M1877では発射はDAとなったが、ソリッドフレーム(シリンダー固定)式で、
装填,排莢は一発ずつ行うため、リロード時間は長い。

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ローディングゲートを開いたM1877。

通常のローディングゲートを開いて装填する方法以外に、シリンダーを
外しての再装填も可能だ。
シリンダーベースピンのロックを押してシリンダーベースピンを抜き、
シリンダーを外せば、シリンダーが取り出せる。
特に、エジェクターを持たないモデルの場合、こうしないと排莢(弾薬
ケースを排出)できない。シリンダーを外し、ベースピンでケースを突けば、
発射の圧力で貼りついたケースも排出できる。

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SAA(ハドソン モデルガン シェリフスをカスタムしたもの)だが、
シリンダーベースピンでカートリッジ排出の様子を。


しかしどちらにせよ、6発撃ったら再装填に時間がかかるので、実戦では
再装填は現実的では無い。

[機構の特徴]
また、M1877は変わった機構を採用しており、シリンダー側面にストップ用
の溝(ノッチ)を持たない。シリンダーストップは、後方で行っている。

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SAA(左 ハドソン モデルガン)とM1877のシリンダーを外したところ。
小さな方のシリンダーがM1877で、後方にストップ用のノッチがある。


コルトは初期のパターソンモデルで1840年代にDA化を試みたが実現せず、
どうやらDA開発に懲りた創業者サミュエル・コルトが生前「DAだけには
手を出すな」と言い残していたために、開発が後手に回っていた。

しかし、米国内ではイーサン・アレンのペッパーボックスが、19世紀半ば
にはコルトよりはるかに普及していたし、英国ではM1851が軍制式をDAの
アダムスリボルバーに奪われ、英国工場を撤退させるなど、失敗もしている。

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アダムスリボルバー(左 デニックス モデルガン)、
ペッパーボックス(中央 デニックス モデルガン)、M1877。


また、DAは当時多くの改良パテントが出され、激しい開発競争が繰り広げ
られていた、いわば先進のハイテク技術であった。
生産できる技術、または販売できるコストで、信頼性を得る為の改良が
繰り返され、これらのパテントが切れると、コルトだけでなく英の
エンフィールドも、その機構を模倣し採用している。

M1877のトリガーメカは、トリガー側に可動式のトリガーストラットを付け、
これでハンマーを押し上げるようにして起こす。
SA用のシアは別部品で、これはフレームに付いており、トリガーストラット
はSAでは機能しない。
現在用いられるDAメカでは、ハンマーに可動式のDA用シアを持つものが主流
だ。

c77/14

以前も書いたが、ライトニングはいわば過渡期の製品で、他社のパテントに
抵触しない機構にする必要もあって、特殊な後方シリンダストッパーという
システムをとったのではないだろうか。

さて、S・コルトの死後15年、ようやく日の目をみるコルトDAリボルバーは、
コルトの設計者ウィリアム・メイスンが担当したが、このモデルのDA機構に
ついては、特許が申請されていないという。

ウィリアム・メイスンは後の1881年にDAスイングアウト式でパテントを取得、
1889年に、このコルト初のDAスイングアウトリボルバーは米陸,海軍に制式
採用される。

このM1889は、使用した38ロングコルト弾の威力不足から45口径に交代
させられるのだが、ともかく、ライトニングの機構は、新しいものでは
なかったか、それともコルトの判断で、“保護するに値しない”と判断された
ものだったようである。

M1877はなんと1909年まで製造が続けられ、16万丁強が世に出たというが、
現在満足に動くものは非常に少なく、またアンティークガンのレプリカ
メーカーでもM1877は作っていない。

ビリー・ザ・キッドがM1877の41口径を使っていたとされ、また映画でも
登場し、決して知名度が低い訳ではないこのモデルが1909年以降、どこでも
作られなかったのは、単に”旧くなったから”ではないのではないか。

この模型を作った頑住吉氏は、M1877をモデルアップするにあたって
「量産メーカーがこの銃に手を出す可能性はきわめて低いと判断した」
というように、細いトリガーストラットやシア,シリンダーストップの
タイミング,クリアランスなど、このモデルを材質の制限の下リアルに
再現するのは困難を極めるだろうことは想像に難くない。

実は、ランパントクラシックがM1877をモデルアップする、とアナウンス
しており、果たしてどのような形で出てくるのか、今から非常に楽しみ
である。

c77/10

では今回はここらへんで。

参考資料;(HP)「頑住吉 元ガンスミスの部屋」
     (HP)「Peko's Gun box」
     (書籍)「別冊Gun コルトのすべて」

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今回は、M16のショートバージョン、XM177を。

xm177/01

XM177は、米軍制式となったM16のバレル(銃身)を短くし、ストック(銃床
=この場合頬づけ,肩づけする部分)をテレスコピック(伸縮引き出し式)
にして小型化したモデルだ。
バレルの短縮に伴って、発射時に大きなマズルフラッシュ(銃口から出る炎)
が発生するのを防ぐ為、大きなフラッシュハイダー(消炎器)が
付けられている。

xm177/02
今回の1/1モデルは、エルエスのツヅミ弾仕様のエアーコッキングガン。

[開発の経緯]
フェアチャイルド社のアーマライト部門で開発されたAR15がコルト社に
製造権を譲渡され、米軍の制式ライフルM16となり、ベトナム戦争期に
全軍に配備されるようになった。
その後コルトではAR15の改良版にコルトのCを加えた(コルトオート
マチックライフルと一応言っているが)CAR-15システムとして展開を
はじめた。

xm177/03
エルエスXM177とマルシンのモデルガンM16A1。

まず手をつけたのが短縮型で、これはCAR-15 M607(なんとSMG=サブ
マシンガンとも呼んでいたとか)と名づけ、フォアアーム(先台=銃身部
を手で掴み支える部分),ストックの外観がノーマルのAR-15と似通った
ショートバレルのモデルを作った。

このモデルはGX5857の型式で少数がテスト採用、実践投入されたようだ。
以後のモデルもCAR-15グループのはずだが、これがCAR-15と認識され、
マルイなどがその名でモデルアップしている。
この現象は日本特有、だとすると、当時M607を紹介した雑誌が、この
モデルをCAR-15と紹介したことから誤解が生じたのかも知れない。

xm177/13
今度は1/6で、ソビエト連邦の制式AK47とXM177E2。
AK47のほうが少し長いが、大体同程度の寸法で、XM177の開発には
コンパクトで好評だったAK47を意識していたのではないかと思われる。
またM16系の30連マガジンは、AK47のそれに刺激され開発されたという。


しかし、単に短くしただけでは、発射音が高く大きく、またマズル
フラッシュが大きく、音でも光でも目立つため、特殊部隊向けにテスト
採用したものの、特殊任務向きではない、とされたようだ。
そこで上記の大きなフラッシュハイダーが開発され、またフォアアームを
丸型にし、スケルトンタイプ(表面カバーの無い骨格状)のストックを
付けたのがM609 CAR-15コマンドで、これがXM177E1として仮採用される。

M16は最初チューリップ型のフラッシュハイダーで、これが引っかかり
やすいためかバードケージ型に改修された。XM177では、発射ガスを
側方に逃がすスリット(穴)までが長く、バレルからスリットまでは
拡大された内径部でガス圧力を下げ、より発射音を低減させている
ものと思われる。
スリットの形状自体は、バードケージ型と同じように加工されている。

xm177/04
再び1/1で、エルエス XM177とマルシンM16A1の銃口部。
実物のXM177E1では、バヨネット装着が不可能なため、バヨネットラグは
削り取られているらしい。


フォアアームの形状,分割位置変更は、まず小型化による反動増大に
対処したため太くしたためと、表面にリブ(凹凸)があるほうがすべり
にくい、などの要因ではないだろうか。リブは強度向上にも効果のある
形だが、この部品は薄いプレス鋼板ではないし、フォアアームが短く
なっているうえ、下記のように分割位置も改善されているので、強度
アップが必要だったか、には疑問が残る。
しかしこの円形断面でリブ付きのフォアアームはその後、標準バレル長の
M16A2に採用されている。

xm177/05
M16A1(左)とXM177のフォアアーム形状の比較。

左右分割から上下分割への変更は、バレルを冷やす為の空気穴を上下に
設ける構成では有利だったためと思われる。
上の画像を見て頂ければわかると思うが、左右分割では分割面に穴があり、
いわば多くの片持ち梁が中央で接触する、強度を上げにくい形になって
いる。

しかし個人的には三角形断面の形状のほうが、握りやすいと思う。
余談だが、M16の三角形フォアアームの形に当初違和感があったが、
モデルガンを持ってみて、この形状が良く出来ている事に気づいたもの
である。

もちろん、滑り難さや剛性の点から、改修されるのは歓迎するべきだが、
この改修は進歩的なイメージから従来の機関銃をイメージさせる、実用的な
ものへと変えているような気もする。
そして、それは潜在意識かもしれないが、M16の信頼性に対する、
ネガティブなイメージを払拭する事も意図されているのではないか、
と思う。

xm177/11
1/6で、M16A3(左)とXM177。
長さは違うが、フォアアームの形状が似ている。


[仮採用の形番]
XMは、エクスペリメンタル・モデル=仮採用の型式だが、これが定着した
ため、このモデルではXM177と呼ばれている。
ステンレス鋼で、銅を添加したボルト用の素材にXM7の名が付けられ、
これもJIS規格に認定され通用している。

当時米軍の中でも陸軍はA1を採用、空軍はA1を採用していなかった
(もともとフェアチャイルドは航空機メーカーで、空軍装備から採用が
始まった)ために、XM177も非A1タイプの空軍仕様は、コルトの呼称で
M610、空軍制式名GAU-5Aである。
コルトは輸出,市販用としてもこのショートカービンを作り、それには
M619,M620の名を付けているという。

その後、トレイサー(曳光弾)の着火不良対策とアドオン(後付け、
とでも訳そうか)グレネードランチャー取り付けのため、10インチから
11.5インチへと若干バレルが長く改良されたものがXM177E2(コルト M629、
輸出,市販型はM639)のようである。

また、14.5インチバレルとM16A1タイプのフラッシュハイダーを装備した
M653というモデルも作られ、その後使用弾薬がSS109(M855)に
切り替えられたことに対応し、改修されたモデルもあるという。

[交代]
XM177は仮制式型番だったが、米軍はその後、第二次世界大戦期のM3
カービン(短く軽いライフル)から途絶えていた、M4カービンとしてM16の
ショートモデルを採用し、今ではフルサイズのライフルに替えてこれを
メインに配備するまでになった。

M4はXM177のノウハウをもとに、バレルは14.5インチ、キャリング
ハンドル/リアサイトをレイルマウントとして光学機器の取り付けに配慮、
またM16A2の3発バースト機構が組み入れられている
(M4A1ではセミ/フルオートに戻っている)。

xm177/08
これも1/6で、XM177(上)とM4。M4ではリアサイトがレイルにマウントされている。

しかし、M16系は、ストック内にリコイル(ボルトの前進用)スプリングを
持つため、テレスコピックにすることは出来ても、ストック無しや、
ストックを折り畳み式にすることは難しい。また、作動方式が、発射ガスを
直接ボルトに吹き付けるリュングマンシステムのため、機関部が汚れやすい。

機関部の汚れについては、教育の徹底と、火薬(推進薬)の指定、ボルト
フォアードアシストという部品を機関部に追加して対策としていたが、
ここへきて追加対策より、抜本的な変更を考え、H&K社のHK416、FNのSCAR
などが一部採用,検討されてきている。

[1/1]
今回の1/1モデルは、LSのエアコッキングガン。
これは主要部品がほぼ全てプラスチック、弾もツヅミ弾である。
既に絶版のキットだが、最近入手することが出来、組み立てたものだ。
LSでは、以前ロータリーボルトまで再現したプラモデルを作っていたが、
その後、ツヅミ弾,BB弾のエアガンでM177コマンドの名でキット販売
していた(完成品もあったかもしれない)。
このXM177はバレル長からE1を再現したものと思われる。
但し、マガジンキャッチの周辺が盛り上がっていない、A1以前のM16の
レシーバー形状となっている。
また、ストックは本体成形色と同じガンメタで塗ったが、ここは黒い
ナイロン,ビニールなどの樹脂コーティングのようだ。
別ブログでご指摘頂き、塗り直したものをUPしているが、ここでは
塗り直し前の画像を使っている。

現在マルイでも手動式XM177は作られていると思う。また、電動ガンでも
同社はラインナップ(こちらはしばらく作っていないようだが)している。

現在はM4が主流なので、他に海外メーカーなどでXM177を取り上げている
ところもあるかと思うが、詳しくないこともあり、割愛させていただく。

モデルガンではマルシンが金属モデルの完成品とキットを販売している。
MGCでも‘70年代から金属モデルでXM177を作っていたと思うが、こちらは
既に絶版になっている。

[1/6]
今回XM177では、コトブキヤ メインウェポン&サイドアームズシリーズで、
SIG P228とセットになっていたE2が手に入っている。

xm177/10
エルエス1/1モデルとコトブキヤ1/6モデル。

他に、ザッカ 1/6スケールガンコレクションから段付きバレルと小型
フラッシュハイダーのものが、またフルタ メタルガンマニアからは
固定ストックのものがXM177として出ている。
コトブキヤではM4アンソロジーシリーズも作り、これは実銃同様多彩な
アクセサリーを取り付け,交換することが可能だ。
1/6ではM16系ショートカービンは数多く出ており、また比較的入手も
しやすい。

xm177/06
左からコトブキヤ,ザッカ,フルタ。右の2つはコトブキヤのM4。

xm177/07
逆サイドも。

xm177/12
1/6でテレスコピックタイプストックの比較。左のコトブキヤ版は画像のように
引き出せる。
M4はパイプが入る部分に2つのリブ(補強)が入っている。
また、ストックのバットプレート(肩付けする部分)にはチェッカーが刻まれている。


また、コトブキヤのXM177はストック,エジェクションポート,トリガー,
チャージングハンドル,ランヤードリングが可動、マガジンが着脱できる
など、よく造り込まれている。

[米国のガンコントロールについて]
本編とは余り関係が無いが、最近気になったことをとりとめもなく。

少し前になるが、米国の銃社会について、TV番組で現地取材も含め
取り上げた番組を見た。

この番組では、一般の個人は銃を持つべきではない、という解説者,製作
者の思想,または潜在的な信教によるものか、米国の銃社会を異常なもの
と捉えていたと思う。
これまでにも、米国人の銃所持について報じた番組があったが、知る限り
では同様の、銃が無いほうが良い、という論調のものである。
今回の番組は、現在多くの番組で現代社会情勢を解説するなど、詳しい
解説者で、実際に米国で多くのインタビューを行い、また番組自体もNRA
本部の様子を(遠くから)撮影するなど、一歩踏み込んだ内容だった
だけに、その根本の部分が、未だに全く変わらないことが残念であった。

そして番組では逆に参加者の「米国人の思想に、危うく洗脳されそうに
なった」旨の発言を取り上げていた。
"洗脳”される前に、既に自らが色眼鏡で話を聞いていないだろうか。

米国の銃規制は緩いとはいえ、逆に日本の銃規制が、他には無いほど
世界的に厳しい、いやむしろ日本のほうが特殊なケースである。

米国では銃による死者が年間1万人、日本では10人ほど、と報じられていた
と思うが、これは銃を殺人に手段として用いただけで、日本でも毎年
1000人を超える人が殺人の被害に遭っている。

また、上記のように、日本ほど厳しい銃規制を行っても、銃による犯罪は
防げず、2桁とはいえ、被害者が出ている。
もちろん、外国で規制の緩いところから銃が流入するから、という側面は
否定しないが、米国人の言う通り、性能を問わないなら銃は核兵器など
とは異なり、大がかりな設備と特殊な技術を要しない、簡単に“作れる”
ものだ。

日本で犯罪の犠牲となり命を落とした人々は、自己防衛,反撃の手段
としての銃を持つ権利を奪われ、また国が(国民との契約であり、義務で
ある)安全を保障できなかったために亡くなっている、とも考えられない
だろうか。

米国人が尊重しているのは、正にこれで、その自衛の手段を放棄しても、
(銃器による犯罪に遭わないという)完全な安全は得られない、それを
図らずも日本の社会は示していないだろうか。

また、米国の憲法が護っているのは、健全な民兵の武装権であり、これが
民主主義の要だから、という側面もある。
独裁国家やクーデターは、一部の勢力に軍事力が握られてしまうために
起きる(もちろん、複数の武装勢力があれば、内戦がありうるが)。
米国は、連邦以外に、各州でも州兵を持ち、更に個人が民兵たりえる。
そして、このシステムの上に、世界最強の軍隊を有することを許容して
いる、ともいえる。

つまり、個人が武装できる権利は、個人の生命,財産を、他の個人だけ
でなく、軍ですらおいそれと侵害できず、また民意に沿わない行動を
軍が起こすことを抑制し、自由で民主性を失わない、制御装置としての
役割もあるのではないか。

いや、もっといえば、個々の力が結集したのが民主主義国家の武力で
あるべきで、個人の武器を持つ権利は、その基本だ、と考えている
のではないか。

それに対し、日本のように、武力をお上に預けてしまい、自衛の手段まで
備えることを許されない体制は、クーデター,独裁の温床となり危険
である。
そして先の戦争では、実際に軍部が政府をも掌握、制御不能で徒に戦線を
拡大、国内でも、また周辺諸国にも、大きな被害を与えた。

戦後、この反省から非武装を唱えたのだが、この余りに非現実的な"妄想”
は、現在大きな歪みを産み、逆に対外的に不信感を抱かせ、非常に多くの
問題を抱えてはいないか。

以前も書いたが、この自覚無き宗教について、作家の井沢元彦氏が
「逆説の日本史」で触れている。
この平安時代の貴族が"穢れた”仕事である軍事を嫌った、という経緯
だけでなく、江戸時代の刀狩りを受け入れ、非武装で君主に服従する形
で生きてきた(もちろん武器を持っていても絶対服従だが)ことで身に
付いた、国際的には異常な"武器嫌い"は、いわば何の科学的根拠も無い
過度の潔癖症と同じではないだろうか。

いやそれは違う、という前に、それだけ頑なに銃を拒むその自らの心理を、
一度客観的に分析してみてほしい。
本当に武力無しで、大切な多くのものを守っていけない、という事情は
わかっているはずである。

以前にも書いたが、日本を取り巻く全ての国が領有権について争い、また
話し合おうにも(非武装論者の解決手段は、話し合いによる相互理解と
相手の良心に依るものだと思うが、この態度はその両方が欠けているので
はないだろうか)そのテーブルにさえついていない国まである。

もし意見するなら、この現状を打破し、本当に非武装中立で国際世界を
渡っていってから、「この方法が正しい」と言うべきではないだろうか。

話を戻すと、米国人が毎年多くの犠牲を払っても護ってきた個人の自由と
権利、そして民兵武装権によるバーターとしての世界最強の軍事力に
よって、日本も守られているのではないか。

我々は、忌み嫌ってきた”血を流す”モノを自ら手にするのを避けて
逃げ回り、ニセモノの自由,民主主義の下に、自らを守っている相手を
「野蛮で遅れている」と言っているのではないだろうか。

日本が、本当の意味で独立した国家となり、友人国である米国に意見できる
立場になろうというなら、軍事面で米国に全面的に運命を委ねる訳には
いかない。
そして、東西冷戦が終息した今、米国も既に日本を共産主義からの防波堤
とする必要は無くなっている。

望む望まざるに関係無く、日本は遠からぬ将来に、"防衛力"でも自立する
必要が生じてくるかもしれない。

そのとき、米国式で無くても良いが、再び軍部による政治の支配が発生
しないような、民主的な仕組みを考えておかなければ、先の戦争から何の
教訓も得ていないことにならないだろうか。

いや、もし本当に「全ての武器を楽器に」(管楽器,打楽器などは軍隊に
通信,統制手段して使われ発達,普及してきたし、およそあらゆる楽器、
というものは、利用すれば素手より強い“武器”になる)などと
ジョークにもならないようなことを“信じて”いるのなら、それは立派な
アレルギーで、しかも、国民の過半数が罹れば全滅の恐れすらある、
危険な病ではないだろうか。

話が長くなった。

では今回はここらへんで。
xm177/09

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今回は、コルトで最も成功したDA(ダブルアクション)リボルバー、
オフィシャルポリスを。
op/01

[概要]
オフィシャルポリスは、1927年から1969年にかけてコルト社で製造され、
総生産数425,000丁と、コルト・ダブルアクション・・リボルバー
(引き金を引くだけでハンマーが起き、倒れる回転式拳銃)の中型~大型
フレームの中では、最も生産数の多い人気モデルだったという。


これは、警察用拳銃でも、最も成功したモデル、との記事もみられたが、
あくまでコルトの、警察向け、という意味だと思われる。
ライバルS&Wにもミリタリー&ポリスという、非常に似た人気モデルがあり、
これは現在も製造されており、一説には300万丁(オフィシャルポリスと
異なり、モデル名はM10,M64などと分かれており、どこまでを同モデルと
するか、で違うと思う)に達しているとか。

今回のトイガンは、MGCのHW樹脂製モデルガン。
これは4インチバレルのモデル。
横に38スペシャルのダミーカートを置いてみた。

op/02

オフィシャルポリスは、鉄道公安職員に装備されていたこともあり、
日本ではなじみの深いモデルである。
4,5,6インチバレル(銃身)のバリエーションがあり、
口径は、22ロングライフル,32,38,41ロングコルトもあったという。
戦後、コルトウッドと呼ばれるプラスチック製のグリップが採用された
ものもあるが、基本は木製でフルチェッカー(綾目状の凹凸)が施された
フレームと同寸のサービスサイズと呼ばれるグリップを持つ。

オフィシャルポリスは、スイングアウト式で、シリンダー(回転式弾倉)
後方のサム・ラッチを引くと、シリンダーが左側に振り出せ、カートリッジの
排出,装填ができる。

スイングアウト式以前には、コルトではソリッドフレーム式を採っており、
シリンダーはフレームに固定され、カートリッジは一発づつ、排出,装填
する必要があった。下に画像のある、M1877ライトニングが、この形式だ。

オフィシャルポリスのスイングアウト状態。
op/07

[コルトDAリボルバーの系譜]
コルト最初のスイングアウト式リボルバーは、M1889ネービーというモデル
だったらしい。
この前に、DAを実現したM1877ライトニング,サンダーがあるが、これらと
機構は大きく異なる。以前エンフィールドM1861のところで触れたが、
M1877の機構は他社のパテント回避に腐心した跡があり、M1889はこれら
パテントの期限切れによってその機構を取り入れていく過程に位置する
モデルではないかと思う。
この為シリンダーストップはM1877形式で、サイドプレートも右側(S&Wと同じ)
になっている。

オフィシャルポリスは位置づけからいくと、このM1889ネービー直系のモデル、
ではないだろうか。
コルトのスイングアウト式は、M1892~1903のニューアーミーを経て、
M1908アーミースペシャルに進化、
そしてこれが名前を変え、オフィシャルポリスとなった。

オフィシャルポリスのバレル。
半円状のフロントサイトは、20世紀に入った当時の流行で、コルトは
自動装填式にも採用、またライバルS&Wのミリタリー&ポリスも、
同じ形状のサイトを採用していた。

op/08

オフィシャルポリスと、M1877ライトニング。
M1877は、頑住吉氏のガレージキットで、モデルガン形式のもの。

op/15

1926年、アーミースペシャルがNY市警の制式となり、また、軍用としては
自動装填式のM1911が採用されていたためか、以前から云っているように
この時期にコルトは職業名を各モデルに付けて販売促進を計っていたことも
あってか、アーミースペシャルをオフィシャルポリスと改名した。

[類似モデルとモデルチェンジ]
オフィシャルポリスには、類似のモデルがいくつか知られている。

一つはコマンドだ。
これは戦時中、表面仕上げをパーカーライジング(リン酸塩皮膜処理 ;軍用
M1911A1などでも採用している艶消し灰色の表面になる) としたモデルで、
2,4インチバレルがあり、2インチはジュニアコマンドと呼ばれたようである。
この2インチモデルは人気があったらしく、終戦後、4インチモデルも2インチに
ソウドオフ(鋸で切り落とす、という意)されたとか。

また、1955~1956年の間に僅か2500丁が生産されたレアモデルで、
マーシャルモデルがあり、これも2,4インチバレルがあったという。
マーシャルの特徴はグリップ端部で、デティクティブ,ポリスポジティブと
同じ、ラウンドバットとなっていた。
(Gun誌別冊 「コルトのすべて」に画像がある。)

オフィシャルポリス登場当時、コルトリボルバーには3つの流れがあった。
一つは本流ともいえるこのオフィシャルポリス系(Iフレーム)、
もうひとつはコンパクトなポリスポジティブなど(Dフレーム)、
そしてニューサービス,M1917などの大型フレームモデルだ。
もちろん、3つはそれぞれ同じフレームを使っていたわけではなく、
この時期のコルトは、大小,新旧の様々なモデルが存在したようだ。

オフィシャルポリスのフレームも、357マグナム弾に対応して大形化、
トルーパー,パイソンへと続くが、オフィシャルポリス自体は後にMkⅢ
シリーズのフレームを使い、リニューアルされることになる。

コルトリボルバー3種。
左からポリスポジティブ・スペシャル(タナカ ガスガン)、
オフィシャルポリス、そしてローマンMkⅢ(MGC モデルガン)

op/05

ここでライバルS&Wのミリタリー&ポリスとも。
左から、オフィシャルポリス,S&Wヴィクトリーモデル(HWS モデルガン),
M10テーパードバレル(コクサイ モデルガン),M13?ヘビーバレル
(コクサイ モデルガン)。
ヴィクトリーモデルが5インチ、他は全て4インチバレル。
ヴィクトリーモデルは、オフィシャルポリスと同じ形のフロントサイトだ。

op/06

[MGC オフィシャルポリス]
MGCは以前金属製モデルガンでパイソンとオフィシャルポリスを作っていたが、
かなり前に絶版となり、またSMG規制に対応したモデルが作られたかも
知らない。
同社は、金属モデルガンへの規制を受けて、プラスチック製モデルガンを
開発、パイソンもラインナップに加えた。
そして、長い期間を置いてから、このパイソンをベースにカスタムメイドで
オフィシャルポリスを作った。

本体はHW(ヘビーウエイト)樹脂だが、バレルはABSで、フロントサイトも
別に作ったものを接着しているという。
これも以前M1861のときに話題にした、シリンダーストップスロットの
ガイディンググルーブ(シリンダー後方の長円状の溝)も
パイソンが長くなっているのに対し、ちゃんと短くしており、シリンダーを
作り直したようである。
更にバレルの刻印などは、彫刻機で彫ったというから、
非常に手間のかかったモデルである。
グリップは実物を模したチェッカーのものも販売されたようだが、
これはプレーンで木製のものである。

MGCモデルガン2種。
左がパイソン6インチ、右がオフィシャルポリス

op/03

ハンマーも新規に制作されているが、これも削りだしとか?
パイソンのフレーム側ピン式から、ハンマーノーズが直接プライマー
(雷管;衝撃で発火し、カートリッジ内の火薬を燃焼させる)を叩く
形を再現している。

奥側がオフィシャルポリス、手前がパイソンのハンマー。
op/04

[1/6]
では1/6を。
オフィシャルポリスの1/6は、どこかで製作されているかもしれないが、
発見,入手に至っていない。
手元に、以前パイソンのところで紹介した、
コトブキヤ ワンコインフィギュアシリーズ メインウェポン&サイドアームズの
No.1 タイプMP5K&タイプPYTHONが複数あるので、これをベースとして
MGC宜しく改造してみた。

1/1と1/6(完成状態)。
op/10

まず、バレル,フレーム上部,リアサイト,ハンマーとグリップの一部を
削り取り、フレームトップはサイト用の溝を切った。
バレルはアルミ挽きだしで、フレームに穴を開けて実物同様差し込む形
(実物はねじ込み)とした。
完成画像で見られる通り、少し上向きに付いているように見えるが、
フレーム上のラインに合わせてバレル取り付け加工をしたためか、
フレーム上部が割れている(もともと2分割)ために、キリがそちらに逃げて
傾いたのか、だと思う。
再塗装するなら、もう一度加工し直して少し下向きにしてみようかとも
思っているが、とりあえずUPさせてもらっている。

カット,削りを終えた本体と、アルミ製のバレル。
上はベースとなったパイソン。

op/11

本体を削っていくと、穴が開くので、これをパテで埋める。
もともと可動式のハンマーだが、パテ埋めの為、固定になっている。
フロントサイトは、プラ板をポンチで切り抜き、これを分割して貼り付けた。

このあと、組み立て,塗装(ブルースチール)を行った。
op/12

1/6のリボルバーで、コルトとS&Wの比較も。

左側がコルトで、上からパイソン,オフィシャルポリス,ローマンMkⅢ。
右はS&W ミリタリーポリスで、上がヘビーバレル、下がヴィクトリー。
これらは過去にそれぞれ紹介(パイソンローマンミリポリ)しているので。
そちらも参照されたい。
op/13

リボルバーは、ハイパワーのマグナムや、可動調整式サイトを持つモデルが
いっとき全盛で、コルトもパイソンなどが注目されていた。
いまでもターゲットサイト,オーバーサイズグリップを持つマグナムリボルバー
は魅力的だが、シンプルなモデルも近年見直されてきているように思う。
オフィシャルポリスも、その無駄無く均整のとれた美しいフォルムで、
復活して欲しいモデルである。

では今回はここらへんで。
op/14

参考文献;Gun誌 '91年11月号別冊Part6「コルトのすべて」
            '05年 2月号, '09年 4月号

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1861/15
今回は、パーカッションリボルバーの世界を。

単品モデルシリーズ久々の記事でもあり、ちょっとくどく(長く)
なってしまったが宜しくお付き合いを。

[概要]
M1861は、M1851に、M1860の機構を盛り込んだ改良型。

M1861は、基本的には先に製作されていたM1851と同じSAで
オープントップ(シリンダー上部が開いている)フレームを持つ36口径
6連発のリボルバー(回転式拳銃)である。
(SAとはシングルアクション=撃発にあたってハンマーを起こしてから
トリガーを引く必要がある機構。)

M1851に、44口径のM1860で改良されたクリーピング・タイプと呼ばれる
ローディングレバー機構を持つのが、構造上の相違点だ。
製造数は意外に少なく、4万丁に満たないという。
M1860と同じく、ラウンドバレル(丸い銃身),流線形のバレル下部,
ローディングレバーなど、それまでになく曲線を取り入れ、また素材も
シルバースチールと称する、強くて熱処理性も優れたものを採用している
という。
M1861は、コルト製パーカッション式の最後にして最高傑作、とも評される。

まず今回のトイガンを。
これはCAW(クラフトアップルワークス)のモデルガン。
プレーンな木製グリップは標準装備だが、この右側面には、素晴らしい
杢が入っている。
M1861のモデルガンとしては、このモデル以外にマルシンが全体に彫刻を
施したカスター将軍モデルが作られており、以前はOEMで、現在は自社で
販売されている。
このCAW M1861は、発火も可能で、素材はHW(ヘビーウエイト、
つまり重い)樹脂を主体に、金属部品も使われている。
これは中古入手だが、キットには紙箱に入ったパーカッションキャップと、
ニップル取り外し用レンチが付いていた。
1861/02

この当時36口径モデルはネービー(海軍モデル)、44口径がアーミーと
呼ばれていたようだ。
これはM1851がテキサス海軍とメキシコ海軍との戦いの図をシリンダーに
刻んだことから、らしい。
しかしM1860アーミーにも海戦のシーンがエングレーブされていたのだが、
口径44からアーミーと呼ばれたようである。
パーカッション式とローディングレバー,ニップル,キャップなどについては
以下に。

M1851(右)とM1861。
M1851もCAWのモデルガン。
CAWはまずM1851を作り、そのバリエーションとしてM1861を作った。
2つ共木製グリップ、シリンダーにカービング(彫刻)無しの仕様のもの。
トリガーガード(引き金の覆い)の形状と、バレル,ローディングレバー
が違うだけだ。
(トリガーガードはM1851がⅡ型の為。Ⅳ型モデルではM1861と同じ。)
1861/03

[パーカッション方式]
パーカッション式は、火縄式,フリントロック式とカートリッジ式との間に
用いられた形式。
弾丸と雷管をそれぞれセットする事からキャップ&ボール式とも呼ばれる。

火縄式が火を付けた縄、フリントロックは少し前のライター宜しく、火打ち石
の摩擦による火花を火薬に当てて発火させるのに対し、
パーカッション式は衝撃を受けると化学反応を起こし、発火(爆発)する雷汞
(二価の雷酸水銀)を入れた雷管=パーカッションキャップを用い、これを
叩いて撃発する。

パーカッションリボルバーではシリンダーの後ろにニップル(火穴、
穴あきの突起)が付いている。
装填は、ニップルにパーカッションキャップを被せ、シリンダー前方から火薬,
パッチ,弾丸の順で入れ(紙で一包みにしていることもあるが)、最後に
弾丸を強く押し込む。

ここで量産リボルバーのパイオニア、コルトの歴代モデルを。
右から、テキサスパターソン(HWS=ハートフォード製)、
M1851(CAW製),M1861(CAW製),
SAA(シングルアクションアーミー タナカ製)
SAA以外はモデルガン。M1873はカートリッジ式ガスガン。
この順に開発され、SAAはもちろんパーカッション式でなく、
実銃もカートリッジ式。
M1851,M1861,SAAのフレームはサイズも含め良く似ており、
またM1861とSAAのサイト(照星)は似ている。
サイト形式の進化もこれでよく判る。
1861/08

コルト以外のパーカッションリボルバーで、初のDA(ダブルアクション)
量産リボルバー?アダムスパテントモデル(下)と。
アダムスパテントモデルは、デニックスのモデルガン。
アダムスは最初DAオンリーで、後に改良されてDA/SA(どちらも出来る)
になったモデル。
コルトは英国にも進出し、ロンドン工場を作り、M1851を英国軍に
納入していたが、アダムスにその座を奪われ、工場も撤退(本国での
生産が軌道に乗ったので生産拠点を一本化したという言い方もあるが)
させられている。
1861/05

米国内でのライバル、レミントン社のニューモデルアーミー
(上 過去の記事)とも。
ニューモデルアーミーは44口径。これはHWS製のペガサス方式ガスガン。
画像ではM1861のほうが大きそうにも見えるが、ニューモデルアーミーの
方が.44口径ということもあり、ひとまわり大きい。
1861/06


[ローディングレバーの改良]
上の画像にあるテキサスパターソンのように、パーカッションリボルバーの
初期には、弾を込める装置は別になっていた。
しかし、紛失すると装填できないし、当時軍用などでは7.5インチクラスの
バレル(銃身)を備えていたので、それならローディングレバー
(装填用レバー)をつけた方が便利、となったようだ。

パーカッションリボルバーでは、テコの原理を応用し、レバーで
弾丸を押し込む方式の装填装置が使われている。

このレバーだが、実銃レポートでは大変な作業だと記されており、
シリンダーに弾丸を押し込むのは、強い力を要する作業だったようだ。

これは、隙間があると湿気が入ること、発射時、ある程度抵抗がないと
火薬ガス圧力が上がる前に弾丸が出てしまい、初速が上がらない為
ではないかと思う。

M1851のローディングレバーは、L字クランクのレバーにピン(スクリュー)
を介して直線移動するロッドがつながり、これで弾丸を押す。

M1860,M1861のクリーピング・タイプ ローディングレバーは、いわば
歯車式である。
バレル下のレバーが納まるえぐりの中には、直線状に並んで設けられた
穴がある。
ローディングレバーには、歯に相当する、少しテーパーが付けられた軸が
5本植えられており、レバーを押すとバレル下の穴と軸が順次噛み合って
ここが支点となってロッドを押す。

M1861のローディングレバー(分解の様子 左)と、M1851のレバー。
1861/04

レバーの保持(根元部分)には、弾丸を押すロッドが兼ねられており、
M1851式よりパーツの数は少なくなった。
しかしその加工は、現在の視点から見ると、M1851の方が安く済むかも
しれない。

レミントン(左)とアダムスのローディングレバーも。
レミントンはリンクプレートを介してロッドを押す方式。
アダムスは、バレル下に支点をもっていってロッドを押す支点が移動する
シンプルなスライド?式としている。
1861/09

[シリンダーストップ・スロット]
これも以前、レミントンのところで取り上げたが、シリンダーを止める
ストッパーが入る溝について、進化の跡を追う事が出来るので、
これらを比較してみようと思う。

左から、アダムス,コルト テキサスパターソン,コルト M1861(M1851),
コルト M1877(ライトニングモデ),
そして手前はレミントン ニューモデルアーミーのスロット(矢印で示した部分)
M1877は今回シリンダーしか登場しないが、頑住吉氏の作ったモデルガン。
1861/07

まずテキサスパターソンでは、単なる丸穴だった。

アダムスは、ニップル取り付けの為の抉り部を少し削り込んで、
上昇してきたトリガーが当たるようになっているが、逆転止めに
なっていない。

ニューモデルアーミーでは、上から見ると四角形、断面では半月状の
削りとなり、かなり現在の形に近づくが、ガイドになるグルーブ(溝)が
無いので、シリンダーの回転スピードが早いとストッパーが上昇する
まえに通過してこの溝にストッパーがはまらない恐れがある。
この方式は、S&W(スミス&ウェッソン)でもモデル2まで使われていた。

M1861,M1851はコルトのドラグーン2ndモデルから使われている、
ガイディング・グルーブ付きのもの。
これもSA機構とは別にコルトが取得したパテントによるものらしく、
上から見て、四角形に加えてアール状の部分があり、ストッパーを
ガイド(導く)する。
ガイディング・グループに沿ってストッパーが上がり、スロットで止まるが、
スロットとガイディング・グルーブに段差があるので、ストッパーが効いて
逆向きにも回らなくなる。
この確実性の高いロックは、現代のリボルバーと同じ形になっている。

しかし、コルトも決して進化は平坦な道のり、では無かったようで、
SAAでもこの形式だったのだが、同社初のDAモデル、M1877では
シリンダー後方にスロットが移動、このためか作動は余り芳しくなく、
現代でもレプリカモデルが作られず、またスロット形式はガイディング・
グルーブ付きが一般化している。

レミントンなどが同じ形式にできなかったのは、まだコルトのパテントが
有効だったので、同じ形にできなかったようだ。
さきほど少し述べたS&Wでは、モデル3あたりからこの方式を
採用している。

ここでS&W初期のSAリボルバーと。
左から、モデル2,モデル3,そして今回のホストM1861。
S&Wはどちらもマルシンのモデルガン。
1861/16

[コルトのパテント]
サミュエル・コルトはもともと、SA機構でパテントを持っていた。

米国のパテントナンバーは9430で、この概要は、苦手な英訳が
間違っているかも知れない(特に8、は少し意味不明、原文は
ここに掲載されたものを参照させていただき、このうち要約部を
訳した。 説明,訂正いただければ有難い)が、
大体このような内容のようである。
1、シリンダー後端部にキャップを配置
2、キャップ間の仕切りを持つ仕様
3、湿気とロック?に対する安全策としてのキャップ使用
4、ハンマーとトリガー間のコネクションロッドの原理
5、シリンダーとラチェットをつなぐシャックルの使用
6、シリンダー回転とロックの原理
7、バレル下の楔が貫通する軸によって、バレル,シリンダーを
 結合する原理
8、アダプターの原理とレバーの配置、どちらかピストルに使われる
という合わせ技(もちろん個々の要素も独自性が認められれば
拘束力がある)である。

似たような構造が既にパテントを取っていたのもあるが、これによって
概ねハンマーを起こす事でバレルと別になったシリンダーが廻り、
そしてロックされる構造はコルトの独占するところになっていたと思う。
しかも、コルトは裁判所に訴えて、このパテントの有効期間を延長する
ことに成功する。
1835年から1857年まで、SAリボルバーは正にコルトの専売特許だった。

[技術競争]
英国では特許の延長は叶わず、1851年に失効したのでアダムスのような
ライバルが出てきたのかもしれない。(特許失効の情報が見つかったため、
投稿時から訂正)


米国では1857年を境に、S&W,レミントンなどがリボルバーの製造に
乗り出し、またそれぞれがパテントを取って、今度はコルトに対抗してきた。

レミントンはビールズ氏のパテントによるリボルバーを作り、ここから
M1861アーミー,ネービーへと進み、これらが持つローディングレバー
の三角状の部品形状などは、M1863(ニューモデルアーミー)へと
受け継がれる。

レミントンのパーカッションリボルバーは、コルトがサイドハンマーモデルで
試みていた、頑丈なソリッドフレームを持っていた。
またトリガーガードをスクリュー一本で止め、グリップフレーム一体で作る
など、極めてシンプルで合理的なものだった。
これなど後発だけにじゅうぶん研究してきたのではないかと思う。

S&Wは、更に革新的なカートリッジ式のパテントによるリボルバーを
作ってコルトの牙城を崩しにかかってきた。

カートリッジ式とは、パーカッション式の発火方式をそのまま、弾頭,火薬,
キャップ=プライマーの3つを一つの金属ケースに納めたカートリッジを
使うもので、現在拳銃,小銃で主流の方式である。

また、これも以前レミントンのところで述べたが、ニップル間にハンマーを
置き、フル装填でも安全に携帯できる機構でもレミントン,コルトには違い
がある。

レミントンはニップル間のシリンダー後部にリセスを彫ったシンプルな形
なのに対し、コルトではシリンダー後部にピンを立て、ハンマーには
スリットを入れてここにピンが入るという、複雑なものにしている。
これもパテント対策か、それともシンプルな解決策を思いつかなかったから
ではないかと思うのだが。

M1861のハンマーを前方から。
スリットが中央にある。
本来キャップを叩く部分にスリットは設けたくなかったはずだ。
1861/11

[造形の一つの完成形]
コルトのリボルバーは年代,モデルによって大きく形を変えていき、
またパーカッション式やカートリッジ式などの違いによって異なる構造が
外観にも影響を与えていると思うが、このM1861とM1873の間には、
工場の火災や創業者であるサミュエル・コルトが亡くなるなど、
少なからぬ断絶の要因があると思う。

そのためか、流れるようなラインのM1860,M1861などのシリーズは、
ひときわ他とは違うデザインに思える。
このデザインは、たとえばライバルのレミントンがローディングレバー部を
三角にしたことも影響(参考に)しているのではないか。

M1861の開発された時期は、正にリボルバーの変革期、パテントによる
攻防戦の真っただ中である。
コルトパーカッションリボルバーは、既に新しい勢力から見れば
「新しいもの」では無かった。
コルトもそれは承知しており、故に素材に拘り、形状も優しいラインを採用
するなど、完成度を高める方向に注力されたのではないかと思う。

今回は5種類のパーカッションモデルを比較してみたが、M1861が最も
デザインの為に手間のかかる加工を行ったモデルではないかと感じた。

また、36(カートリッジ式の38口径とボアは同じ)口径の細さが、全体に
スマートな印象を与え、これらが上手く組み合わさったことが
コレクターをして、最も優雅でエレガントなモデル、と言わしめる所以では
ないだろうか。

[1/6]
それでは1/6を。
いつものようにこれは単品購入で、出処は不明なのだが、シリンダーが
回転し、またグリップだけでなく、トリガーガードなども黄銅色に塗られて
いる。
ただこのモデル、シリンダーがカウンタード(段付き)なので、M1860では
ないかと思われる。
M1860は以前マルシンが金属モデルガンを作っていたが、現在は生産
されていないので、ここで登場願った次第。
また、ショルダーストック取り付け用にリコイルシールドのカット、
フレームに追加スクリューが再現されている。
1861/12

今回の記事作成に当たって、
月刊Gun1991年別冊Part6「コルトのすべて」
頑住吉元ガンスミスの部屋
(Linkを希望されていませんでしたので非Linkとしています);
 頑住吉氏訳「Faustfeuerwaffen」
Pichori」を参考にしました。

では、今回はここらへんで。
1861/13

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今回は、コルト ガバメントのMkⅣシリーズ70と、グリップのメダリオンなんかを少し。
S70/16

[概要]
コルトは米軍の制式となったM1911,M1911A1を民間用にも販売したが、マークⅣシリーズ70(以下MkⅣS70)は、軍用から少し変更を受け、1970年代に市販されたモデルだ。
市販用M1911は1912~1924年のものが通称Cモデル(シリアルの頭にCが付く)、そしてその次(恐らくA1型)の市販が50年まで、という記述を(ネット上で)見つけた。
更に次のタイプは1950~1970年の製造で、これが通称MkⅢと呼ばれるものではないかと思う。
そして1970年(1971年?)からMkⅣS70が登場し、1980年代にMkⅣS80にバトンタッチするまで約10年間製造されていた。
S80登場後、その使用感からS70の人気が出、中古のS70がプレミアムがつく、という事態も起きたという。
以前から、M1911、M1911A1、コンバットコマンダーと記事にしてきたが、今回調べた事も踏まえ、これらも少し訂正している。
このあたりの詳細、それからMkⅢ,MkⅣS70,MkⅣS80の、一連のコルトM1911コマーシャルモデルについても、今回まとめ直してみた。

従来、用語には注釈を出来るだけつけていたのだが、今回ガバメント系は4回目ということあり、用語等の参照は前回までのものを見ていただくものとし、今回割愛させていただいた。

ミリタリータイプのM1911A1(左、マルイ ガスブロバックガン)とMkⅣS70(右、ウエスタンアームズ(WA)ガスブローバックガン、マガジンはシルバーモデルのもの)。
S70/06

[MKⅢ]
これは上記のように戦後1970年まで生産されたモデルを指しているのだが、MkⅢはコルトの正式な名称ではないと思われる。
このモデルにはMkⅢの刻印も入っていないし、コルトがそう呼んでいた、とう記述も見つけられなかった。
MkⅢは社内呼称だった可能性もあるが、M1911ファンがそう勝手に呼びはじめたのではないか、と思う。
上記のように製造時期によって分類され、ちょうど4つ目の次の世代に当たるものがMkⅣと銘打って出たので、逆にその前の(分類上の)3つ目はMkⅢと呼び始めたのでは。
MkⅢの正式呼称を疑問視するのは、S80という別名を与えてMkⅣを存続させたこともある。
これはMkⅤがリボルバーに使われたから、というのであれば、MkⅢもそうだった、というのが結論になると思う。

さて、この戦後版ガバメントモデルだが、情報が少なく(努力不足か?)、またこれも大幅訂正することになる可能性もあるが、以下のようなものだったと思われる。
基本はM1911A1の形状だが、セフティレバーが一部だけの突起のものから、上面全部が突起となり、前に向けて盛り上がっている形になった。
そして部品の滑り止めは全体的にチェッカーからグルーブに変更が計られ、トリガー,ハンマー,マガジンキャッチ,SPハウジング,スライドストップなどがグルーブになっている。
リコイルスプリングのハウジングはチェッカーが残されている。
ワイドハンマーは廃され、戦時中レミントンランドが作ったモデルのような、幅の狭いもの(ナロータイプ)になっている。
グリップはプラスチック製のものが付けられていたようだ。
スライドの左(スライドストップ側)面の刻印は、斜字体の大きなCOLTの左側に小さく2列にGOVERMENTと”MODEL"の文字、右側も2列で、AUTOMATICとCALIBER.45の文字が入る。
戦前のもの(MkⅡ?)はCOLTが斜字体で無かったようである。
この刻印は、MkⅣにならなかったコンバットコマンダーにも受け継がれ、模型もモデルアップされている。
また、MGC系の新日本模型(SNM)でもガバメントモデルのこのモデルガンが出ているという。

[MkⅣS70]
それでは今回のメイン、MkⅣS70だ。

コルトMkⅣS70。
S70/02

外観,装備の基本はMkⅢを受け継いでいるが、外観上大きな違いは刻印とグリップだと思う。
グリップはプラスチックからウォルナットのフルチェッカーとされ、中央付近にメダリオンを入れている。
スライド左面の刻印はまず一番上にCOLT’S MKⅣ/SERIES'70と斜字体で入り、そして下にGOVERMENTMODELの文字、更にその下は.45 AUTOMATIC CALIBERと続く。
この刻印には更に斜字体部分の大きさの違いでスモールとラージがあるとか。
また、ハンマーが側面を磨き出しとなっているが、これがMkⅢからなのか、MkⅣからなのか、はちょっとわからなかった。

機構面の話に移ろう。
MkⅣは主にマズルブッシングが異なり、バネ作用を持つもの(フィンガーコレットブッシング)を使っている。
これは、マズルブッシングのスライド内部に入るところが、旋盤などで見られる、棒状の材料を挟む部品、フィンガーコレットチャックに似た形状になっており、4つに分けられた部分がバネになっていてバレルを挟むものだ。

WA製MkⅣS70のブッシング(左上)と、タイトー(MGC系列)コンバットコマンダーのブッシング(右下)。
S70/07

しかし、S70でもナショナルマッチにはこれを採用していなかった。また、コンバットコマンダーはMkⅣS70仕様が無かったようで、このブッシングも(模型のように)ついていない。
ナショナルマッチはもともとタイトにフィッティング(削り込んでいくのか、サイズの違うものを一通り揃えて組み合わせるのか)されている。
コンバットコマンダーはもともとバレルが短い、コンシールド目的のものであり、精度より作動が優先されるので、クリアランスがあっても良いとされたようだ。
そう、バネ式には多くの他の要素と同じく得失がある。まずメリットは精度の向上だ。バネで押し付けられているので、いわゆるマイナス隙間であり、ガタ(クリアランス)は無くなる。スライド-バレル間の固定度が高いので、バネ以外が同じクリアランスなら、命中精度の向上が望める。
逆にデメリットは抵抗の増大だ。バネで押し付けられているバレルがスライドするので、動きが重くなる。そして抵抗による発熱も増える。もともと火薬の熱の方が大きいとしても、決して馬鹿にならない。
次に発射による付着物に弱い。頻繁に分解掃除が必要なのだが、このときブッシングがタイトに押し付けられているので、分解もやりにくくなっている。
そのためコルトもとうとうこのバネ式を止めたようだ。

[MkⅣ S80]
シリーズ80の最大の特徴はファイアリングピンをブロックする自動(トリガー連動)安全装置だ。
トリガーを引かない限り、これが解除されない。
しかし、トリガーにロック解除を任せたのでトリガーフィーリングが悪化し、これを嫌ったマッチシューター達が、S70を探し始め、中古にプレミアが付く事態となったという。
S80では、フィンガーコレットブッシングは止め、旧来のものに戻っているらしい。
その後、10mm口径を採用したデルタエリートや、1990年代に入り、原点回帰を目指した?M1991シリーズ、ダブルイーグルなどの展開を見せるようになるのだが、今回はここらへんで、Mk70に戻って各部を見ていく。

[各部]
MkⅣS70の魅力といえば、ワイドでない両側面磨きのハンマーとブルー仕上げのボディのコントラスト、そしてグリップのメダリオンではないかと思う。
このトイガンではヘビーウエイト(HW)樹脂だが、A1との違いは実物ではパーカーライジングからブルー仕上げに、というのがまずある。
仕上げでは、ハンマー側面,チャンバーが磨き仕上げになっている。
これはトイガンでも再現され、バレルも今回のバージョン(複数の仕様がある)では黄銅にニッケルメッキのようである。

WA MkⅣS70のバレル。フィンガーコレットブッシングによって固定されるバレル前部は一段太くなっている。
S70/08

グルーブに置き換えられた各パーツも。
このカットではトリガー,マガジンキャッチ,セフティレバーが確認できる。
S70/03

ワイドからフレームに入る部分と同幅にされた(ナロータイプ)ハンマーも。
ハンマーもチェッカーからグルーブに替えられている。
S70/04

メイン(ハンマー)スプリングハウジングも。
ここがストレートからアーチ型に変えられたのがA1の改良点の一つだが、後部の滑り止めもやはりグルーブに替えられている。
また、下部のランヤードリング(背負い紐用の輪)も無くなっている。
奥がマルイのM1911A1、手前がWAのMkⅣS70。
S70/05

[メダリオン]
コルトは戦前から、円形のメダリオンを木製グリップに埋め込んでいる。
絵柄は、ランパンド・コルト=跳ねる若駒(馬)があしらわれ、上方にCOLTの文字がある。
槍は飛んできた2本の矢ではないか、と以前思っていたが、これだと飛んできた矢に驚いて立ち上がった馬の図になりかねない。
そして、この絵柄のもとになった像には、一方は鏃がついておらず、形状からもともと一本の槍で、これをへし折って進む勇猛な姿ではないか、と思う。
当初はこの若駒の背景が無かったようだが、後に(といっても戦前から)若駒は地球の上に立っている、という構図になり、地球を表す子午線が入った球体の一部が下にあり、星を表すらしきドットが背景になっている。

木製グリップは、コルトのオートローディングピストルでは、M1911の前身であるM1900の頃から採用されている。但し、M1911がガバメントモデルとして市販された頃まで下っても、メダリオンはつけられていない。
その後、1924年に.32ポケットが装備したという木製グリップが、全体にチェッカリング,中央上寄りにメダリオンが付けられ、これがMkⅣS70の元になったのではないか。
既に当時、リボルバーにはメダリオンは使われており、これはグリップ上部に配置されている。
当時のメダリオンは若駒が少し大きく、上方のCOLTの文字のLにその頭がかかっている。
戦後のメダリオンは、COLTのCに若駒の頭がかかり、折れた2本の槍は逆ハの字形になっている。
当初色は銀だったが、メッキの金色が標準になり、銀はシルバーモデルなどの時に使われるようになったようである。
MkⅣS70では、フルチェッカーのグリップに金色のメダリオン、という仕様だった。
その後、S80になって若駒の半身だけになり、COLTの文字も筆記体?のものに変わる。更にS80の後半では、COLT文字だけのメダリオンになってしまった。

それでは、各社のメダリオンを。

WAのメダリオンは、比較的立体的な若駒のリリーフになっている。金色はメッキで再現している。
S80でもこれがついていたが、こういう仕様も実物ではあったのだろうか。
MGC(系列)は長い歴史の間にメダリオンもいくつか変えており、ABS製モデルガンを登場させた頃はアルミ製の銀色のもの、その後S70のものとなった。これはメッキで金色にしている。
MGC(タイトー時代?)は、実物がS80に変わったのに呼応してS80用半身タイプに変更した。
これをつけたオフィサーズのグリップが画像のもの。
しかし、何と.32ポケットにまでこれを付けてしまっている。
複数のメダリオンを存続させることを嫌ったようだ。
S70/09

AJAXのものは、縁が太く、モールドが少し甘いが、もしかするとこれは実物かも知れない。
キャロムショットのものは、黄銅製で、素材の酸化によるアンティーク色が強いものになっている。
金色に光り輝く実物より渋い。
グリップはM1911系用のもので、今回のMkⅣS70には、ここのローズウッド(ココボロ)フルチェッカーを付けている。
タナカは現在、S70のものを使っているようだが、マグナ方式でない380ガバメントで、S80の、しかも特殊なメダリオンを作っていた。S70年代のものは下に。
マルシンの.25ジュニア・コルトのメダリオンも変わっている。
一見普通のS70のものだが、右側面のメダリオンでは、若駒が逆を向いているのだ。
これは実物のジュニア・コルトがそうなっているのを再現している。
S70/10

タナカのパイソン,ディティクティブ用のものは、アルミらしき銀色のもの、黄銅らしき金色のものがある。
マルベリーフィールドの木製グリップについているものも銀と金があるが、この銀色は燻し銀のような仕上げになっている。
モールドは最もエッジが立ち、実物よりもはっきりくっきりした感じである。
これもパイソン用とディティクティブ用のもの。
S70/11

[1/6]
さて1/6だが、手元にあるのは、コマーシャルモデルのセフティが付いているが、グリップのメダリオンが無い。
他のものでは、グリップのメダリオンはあるが、ワイドハンマーになっている。
このように、多分に仕様がごっちゃになっている感じである。
一応M1911A1も含め、これらを撮ってみた。
トップとエンドのカットでは、メダリオン無しのものを使っている。
S70/12

前回の更新から3週間、今まで以上に間を開けてしまった。
幸い、ネタはあるのだが。
再び隔週更新のペースで行けるか、はちょっとまだわからないのだが、宜しければまた覗きに来ていただければ嬉しい。
それでは今回はここらへんで。
S70/13

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今回はコルトのローマンMkⅢを。
lo/01


[概要]
コルト社は、リボルバー(手動回転式拳銃)のシェアを奪いつつあるS&W社に対抗する為、1960年代後半(1970年代?)に工場を新設し、ダン・ウェッソン社のM15シリーズを手がけたカール・R・ルイスの設計によるMkⅢシリーズの生産を始めた。
MkⅢには、固定サイト,テーパードバレル(先が細い銃身)で38スペシャル弾仕様のオフィシャルポリス、357マグナムのローマン、ヘビーバレルで、38スペシャルのメトロポリタン、357マグナムと22口径のトルーパーなどが作られた(前に可動サイトがメトロポリタンだと書いていましたが、ご指摘頂き訂正しました)。
トルーパーは、1953年にパイソンと同じ機構でパイソンに先んじて発売されていたが、MkⅢでオフィシャルポリスと共にリニューアルされた。

ローマンMkⅢ 4インチバレル付き。
これはコクサイのモデルガン。
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MGCのモデルガンで、オフィシャルポリス(MkⅢ以前の旧タイプ 左)と、ローマンMkⅢ。
これも両方4インチ。
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スミス&ウエッソン(S&W)のM10とローマンMkⅢ。
これらはどちらも2インチバレル、コクサイのモデルガン。
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[MkⅢの新機構]
コルトのそれまでのメカは、松葉状のリーフスプリング(板ばね)を用い、ハンマー,トリガー(引き金),シリンダーハンド(シリンダーを回すパーツ)、そしてハンマーを少し戻すリバウンド機構もこのスプリングで行うものだった。
これは一見シンプルで合理的に見えるが、ひとつのスプリングで多くのパーツを動かそうとすると、強さのバランスが難しいと思う。
更に板ばねは熱処理の均一性という点では疑問があり、折れると完全に機能しなくなる。車両で使うリーフスプリングは、減衰効果を期待していることもあるが、複数を重ねて使用している。
そして、発火が確実でかつ軽いポイントを探る為に調整するのが難しい。
この方式だと、バネを曲げなおす,焼きなます,削る、といった事が必要で、どれも元に戻すことは困難な方法だ。
また、松葉状のばねを両側から圧縮するので、トリガーを引いていくとプログレッシブ(漸次的,比例ではなく二次,三次曲線的に急激)に重くなっていく。
また、トリガーとハンマーの接触も、同じ部分が(スライドはするが)接触しているので、これも重いトリガーの原因になっている。

コルトパイソンとS&W M10の内部メカ。
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そこで、まずトリガーはキックばね、ハンマーはコイルばねとし(コイルは製造も調整も楽だ)、リバウンド機構は廃し、代わりに、撃発時だけ上がってくるレバーを介してハンマーの打撃力が伝わるセフティ・コネクターを採用、このレバーとシリンダーハンドは板ばねだが、ともかく機構はかなり進歩した。
外観で特徴的な、前方が大きいトリガーガードは、トリガー支点が比較的前方にあり、トリガーが斜め上に向かって回転するようにデザインされている為だが、これは指の自然な動きに沿った、エルゴノミクスを考えたもの。
ただ、トリガーが少し遠く、日本人には大きすぎるように感じる。これは模型では若干修正されているようだが、比較的大型のフレームは、後述する模型化に際しての様々なメカを納めやすい、という点でもメリットがあったと思う。
コルトはこの新機構を高く評価していたらしく、これ以後従来型の生産は続けるものの、素材の変更など小改良するに留めたのに対し、後年MkⅢは小改良されMkⅤシリーズとして発展、また44マグナムのアナコンダなどの大型フレーム製作時も基本構造はMkⅢ,MkⅤシリーズを踏襲している。

MkⅢ,MkⅤのモデルガン3種の内部メカ。
左からKSC製 キングコブラMkⅤ,コクサイ製 ローマンMkⅢ,MGC製ローマンMkⅢ。
各モデルガンの説明は下で。
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[モデルアップの選択]
プラスチック製モデルガンのパイオニアで、当時業界最大の製造元でもあったMGCは、大好評のABS製モデルガン、ハイウェイパトロールマン41マグナム(以下ハイパト、この銃は架空設定ともいえる)に続き、同じABS製モデルガンの新機種としてコルトのMkⅢローマン,トルーパーを発売した。

これらはハイパト、その後マイナーチェンジした44マグナム4,6.5インチバレル(銃身)のカバーできていない部分、もう少し小型で、38口径のポリス用としての需要を満たすよう、固定サイトのローマン2,4インチ、可動サイトでエジェクター(排莢器)にシュラウド(覆い)の付いたトルーパー4,6インチと、一挙4機種の大バリエーションを用意、中でもローマン2インチは、刑事用のTVドラマ撮影小道具として最も多く使われ、高い人気を獲得したと思う。

MGCのローマン。
左がヘビーウエイト(HW)樹脂の初期型2インチ、右がスーパーリアルヘビーウエイト(SRHW)樹脂の4インチ。
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米国ではマグナムは大型グリップに可動サイトの付いたものが多く使われ、ローマンはマイナーな銃だったが、日本では高い人気と知名度を持った。
もともと、モデルガンメーカーは業界活性化と生き残りも考え、競合モデルアップは避ける、という紳士協定がその頃存在し、またMGC社内でも既存製品の販売を妨げないよう、今まで無かった機種をモデルアップする、という戦略を採っていた。
そういう点では、有名ブランド コルトの新戦略機種は、うってつけのモデルだったかもしれない。

ローマン2インチは、最初オールドタイプ(初期型)をモデルアップしたが、後にエジェクターロッドシュラウドを付け、少しバレルが長くなったニュータイプに変更、それからしばらくしてオールドタイプが復活した。

新旧の2インチバレル。
左がシュラウド付きのニュータイプ、右が初期型。ニュータイプは若干長いが、これはエジェクター+シュラウドの長さ分を確保したためで、実物も2インチといっても長めだとか。
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このオールドタイプ、実物は販売期間も短く、数もたいへん少ない、レアモデルだとか。
素材もABSからヘビーウエイト(HW)樹脂、スーパーリアルヘビーウエイト(SRHW)と変遷し、今流通しているものはHWのようだ。
トリガーはセミワイドがついているが、削り込んで細くしたものをニュータイプには付けている。
グリップは最初薄めのウォールナットを思わせるスチロール樹脂、次に紫檀調の濃い紫のプラスチック、その後HW樹脂にプリント木目を経て、濃い茶色の塗装をしたものになったようだ。

[MGCの改良]
MGCのMkⅢシリーズは、小林太三氏(現タニオ・コバ)独自の設計で、多数の改良が計られていた。
それは、登場時のカタログにも、カッタウェイ写真も挿入して説明が加えられていたが、大きなポイントは、重量の増加と耐久性の向上だと思う。
フレームに別体の鉄板シャ-シを内臓して、磨耗や衝撃によるABSフレームの割れ,欠けなどが起こりにくいようにしている。
また、この改良は重量も増したが、更にグリップ内部形状を大きく変更して、ここに錘効果のあるダイキャストパーツをネジ留めした。
HW(ヘビーウエイト)樹脂の発明,実用化がされていない当時、軽さはABSモデルガンの大きな弱点だった。
これ以外の改良で、クレーン(ヨーク シリンダーを支えるアーム)に簡易ロックを備え、シリンダー固定度を上げていた。
これは、カール・R・ルイスがダン・ウェッソンM15シリーズで採っていたロック構造がヒントになったのではないかと思う。
しかしM15ではここを手動ラッチとしていたが、MGCでは後方のラッチがあるため、ここを半固定式とした。
すなわち、クリック機構のように、大きな力をかければ開くものだ。
コルトのスイングアウト方式は、後方のラッチ+後部センターピンでシリンダーを保持する。これだと前方がフリーなので、ラッチを引くとシリンダーがそのままスイングアウトする(ヨークをバネで押して抵抗は作っているが)。
このヨークの固定方法は、後に実銃でS&Wのリボルバー改造時に用いられる(ボールを使っている)など、ここも進んだ機構だった。

MGCの半固定式ヨーク。
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また、ローマン2インチはラウンドバット(端が丸まっている)、4インチをスクエアバットのサービスサイズ(フレームと同寸のグリップ、公用などで使う、という意味かもしれない)とし、トルーパーはオーバーサイズとして、しかも実物ではバックストラップ(フレーム後部)が下まであるのをカットし、ラウンドでもスクエアでも、オーバーサイズでも、全てのモデルが別モデルのグリップと交換できるシステムを開発した。
これは画期的な事で、後に実物が小さなグリップフレームとしてグリップデザインの自由度を上げたのを先取りしていたように思う。

MGCの各種グリップ。
左はABS2インチのスチロール樹脂(ラッカーを塗った)。
中央はSRHW 4インチのHW樹脂+プリント木目。
右がHW 2インチのHW+濃い茶色の塗装。
4インチの後端部が尖ったスクエアバットなのに対し、2インチは丸まったラウンドバット。
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ニュータイプローマン、MGCとコクサイで、フレームの比較。
矢印部分にフレームがあるのがコクサイ。
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また、4インチはSRHWだが、トリガーとハンマーもケースハードウィン(表面焼入れ?)の濃淡のある模様が再現されている。

ケースハードウィン風のハンマー。
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MGC MkⅢシリーズは、TVの宣伝効果だけでなく、製品の品質向上,改良という点でも進化させたことが、今に至るまで愛される製品になった要因ではないかと思う。

[コクサイの独自性]
コクサイは、大流行したハイパトの恩恵に預かろうと、同じ機種をタブーを破って発売、しかもそれはMGCのデッドコピーだった。
モデルガン自体が実物をコピーした模型なのだから、似た物が出来ることはある。
しかし、実物とは違うアレンジや、実物が無い架空機種、というところまで一緒だとなるとこれは真似、だと思われる。
さすがにこれでは気が咎めたのか、はたまたユーザーもデッドコピーにはそっぽを向き、販売が思わしく無かったのか、(間にM29もあったかも知れないが)続くMkⅢシリーズでは少し路線転換を図る。
ここでコクサイはデッドコピーから脱却し、MGCのアレンジしたところをより実物に近く改良したのである。

コクサイのモデルガンで、MkⅢラインナップ。
左から、トルーパー6インチ,ローマン4インチ,ローマン2インチ。
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まず外観の向上だ。MkⅢシリーズは、サイドプレートを止めるスクリューに、他では見られない変わった構成をとっている。
これはスクリューの頭をプレートの端に当てて止める方式で、他の銃では見られないだけでなく、工業製品一般でも珍しい方式である。
MGCではこれを一般的な穴あけ方式とし、スクリューも皿ビスで、しかもプラス頭を使った。そこでコクサイはオリジナルの方式を再現、差別化を計った。
余談だが、MGCの方式、皿穴なので強く締めると穴が開く方向に力がかかり、サイドプレートにヒビが入ることがあった。

サイドプレート固定スクリューの比較。
左がコクサイ,右がMGC。
このMGC製は、古いものなので、プラス頭。
これはトリガー幅を薄く削ったのが、このカットだと良くわかるだろうか。
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更に、大幅に形を変えていた内部パーツも実物に近づけ、フレーム内のシャーシをMGCの鉄板からダイカストフレームとした。
これは設備や外注問題などでプレス加工を避けた可能性もあるが、結果的によりリアルな形状をもたらした。
以前Gun誌上でコクサイの工場が紹介されていたが、自社でインジェクション成形を行っていたようだ。
コクサイMkⅢは、主なパーツをダイキャストとし、またその品質を上げて強度を確保するだけでなく、処理にも工夫を加えていた。
MGCが亜鉛パーツはガンブルー仕上げとしたのに対し、コクサイは銅下をかけて(まず銅メッキ)ニッケルメッキ、そしてその上から黒色塗装とした。数倍の行程がかかるが、20年経った今も金属部品は良好な状態を保っている。

これらが販売面で成功したとは限らないが、コクサイの独自性の追求に火をつけたことは確かだと思う。
余談になるが、コクサイはMkⅢシリーズを金属モデルでも基本的に同じ設計で製作し、ハドソンも金属モデルでローマン,オフィシャルポリスを作っていた。
コクサイはMkⅢシリーズ以降のS&W Kフレーム,Nフレームシリーズやパイソンでもプラ,金属両方モデルアップという体制を採っており、この点でも同社の製作スタイルを方向づけた一作といえると思う。

4インチでコクサイ(左)とMGC(右)の比較。
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[1/6]
さて、それでは1/6を。
今回のものは、アオシマが製作したガールズミッションに付属のもので、これは恐らくその前に製作された、西部警察シリーズの巽刑事に付属していたものと同じでは無いだろうか。
アップサイドダウンのホルスターも付いてきたので、トップのカットはこれに収めてみた。
これも少し脱線だが、リアルサイズ用のアップサイドダウンホルスターも持っており、昔、金属ローマンを入れたところ重さで抜けて落下、ボディを大きく凹ませ壊した苦い思い出がある。
しかし、このスタイル、絵になるといえば余りに絵になるホルスターである。

今回の本体は銀色に塗られているが、これは何とMGCのモデルガンを元に作られている。
MGCの特徴である、途中までしかないバックストラップ,サイドプレート固定用スクリューの形式がそのままコピーされている。
西部警察の小道具もMGC製だったので、これはこれで”よりリアル”だとも言えるが。
ともかく、以前のP7シューマッハもそうだが、MGC製品の影響力は、ミニチュアの世界にも浸透している。
もっとも、これは実物の採寸がままならない、という事情かもしれない。

lo/20

MkⅢシリーズは実物がMkⅤに進化したこともあって、後にMGCの流れをくむKSCがMkⅤシリーズをモデルアップした。
このMkⅤやMkⅢのトルーパーなどは、出来たら別の機会に一つの記事としてまとめたいと思っており、今回は少し出しただけに留めた。

ローマンは、実物は決して成功したとは言えないが、日本のモデルガンの世界では、その人気でも、技術でも、大きな転機をもたらした、マイルストーンとなったモデルではないかと思う。

このところ、隔週更新となっていますが、別ブログ(Other Side)も展開しているので、宜しければそちらも覗いてやってください。
それではここらへんで失礼。

lo/11

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まとめ

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