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今回はSIGの大きな転機となった作品、P220を。

p220/01

概要
P220はDA(ダブルアクション=トリガーがハンマーを起す機能も持つ),
デコッキング(ハンマーをDA位置まで落とす)レバーを持つ単列弾倉の
大型軍用自動装填式拳銃だ。

一般的な手動式かつ独立した機能を持つ安全装置を廃し、操作がシンプル
な事が特徴である。

また9×19(パラベラム,ルガー),45ACP,38スーパー,.30ルガーの
4つのカートリッジ仕様を持つ世界戦略機種であり、チャンバー(薬室)
部をスライドに噛み合わせてロックするという、以後世界中で模倣された
画期的な機構と、プレス鋼板,アルミ鍛造+切削フレームなどの製法,
素材の斬新(当時)さをも持つ、正にエポックメイキングな製品だった。

派生モデルとしてスタガードカーラムマガジン(複列弾倉)を採用した
P226、コンパクトモデルのP225など、多くのモデルが作られ、また
P220自体も改良されながら現在も生産されている人気モデルである。

ここでも過去、P226,P228などを取り上げており、ロッキングシステム,
SIGのP210からGSRまでのラインナップなどは、P226の記事を、
スライドのプレス鋼板+ブロック蝋付け製法とSIG各モデルの
エキストラクターの変遷などは228の記事を参照されたい。

1/1
P220はMGCからモデルガン、コクサイからガス,エアコッキングガン、
タナカからガスBLKとモデルガンが発売され、LSからもエア
コッキングガンが出ていたようだ。

p220/06
左から、タナカ 航空自衛隊モデル(ガスガン)、タナカ コマーシャル(モデルガン)、
MGC(モデルガン)のP220。
MGCはフレームがグレイに塗り分けられ、素材の違いを演出している。


タナカはプレス鋼板スライドのコマーシャルモデルのほか、日本の
ミネベアでライセンス生産された自衛隊仕様も作っており、この
スライド形状は、削り出したもの(模型は全てキャストだが)の
ようである。

コクサイとMGCは、タナカの2種類とは違う形で、プレス製と削り出し
の中間のようである。
モデルアップしたのが1社ではないので、このような形状のスライドが
実在したのか、それとも以前のハイパトなどのように、コクサイがMGC
オリジナルの形をコピーしたか、だと思われる。

1/6
今回の1/6は、ドラゴンが作りプラッツが販売(企画もここかもしれない)
した陸上自衛隊員フィギュアの付属品だ。可動部分は無い(もしくは固着)
が、マズル(銃口)だけでなく、リコイルスクリング(複座ばね)ガイド
の中空穴まで再現されており、非常にリアルだ。

p220/12

この形は、タナカ製のリアルサイズと同じく削り出しのミネベア製
スライドを模している(比較はタナカ製コマーシャルタイプ)。

開発の契機
今回は、開発の経緯を追って、P220の各要素を考えたい。
スイスは国民皆兵の自軍が国内で武器を調達できるよう、SIGにライフル,
拳銃の開発をさせて採用していた。
ちなみにSIGはもともと鉄道関係の会社だったらしく、2000年には武器
部門を売却、現在は包装機械メーカーとなっているという。武器部門は
スイスアームズとなり、米国シグアームズもシグザウエルとなっている
が、銃器製造,販売を継続している。

スイス軍制式で、SIGの量産拳銃第一号となったP210(制式名SP47/8)
は、高い工作精度で名銃と呼ばれたが、その生産コストは高く、1970
年代に入ってスイス軍は単価の安いものを要求、そこでSIGはP210の
スライドをプレス加工で作る試みを行ったが、コストダウン効果は
少なく、精度に問題も出たため、全く新しい次世代の拳銃を新規開発
することにしたという。

p220/09
P210(左 MGCモデルガン)とP220(タナカ モデルガン)。

機構の刷新
まず製法だが、P210改良で断念したプレス鋼板の利用は、ロッキング
システムの改良も含めてP220で実現、アルミフレームも、一次工程で
鍛造して成形し、切削工程を減らすなど、生産コストの低減を図る。

p220/11
P220(タナカ モデルガン)とH&K HK4(頑住吉 モデルガン)で、スライド形状の比較。
どちらも実銃はプレス鋼板とマズル付近のブロックを持つが、スライド溝を削っているSIG
に対し、H&Kは打ち出し(2か所下部が凹んでいるのがそれ)で成形している。


前身となるP210は戦後すぐの設計だが、当時の世界標準を考えると、
スペックでも決して見劣りするものではない。
ドイツはP1(P38の改良型)でDAを備えていたが、米国はM1911A1でSA
(シングルアクション=引き金はハンマーを落とす操作しかできない)、
装弾数も7+1発である。
イタリアのベレッタもまだM1951でSA,装弾数8+1発、ベルギーの
ブローニングハイパワー,フランスのMAB P15は複列弾倉で装弾数こそ
多いものの、SAだった。

よってスイス軍からの要望はまずコスト、だったが、SIGは以下に述べる
開発費回収の問題から、新型ピストルは世界戦略機種で、次世代の
スタンドードとなる機構を考えた。

この当時、DAを備えた自動装填式はワルサーP38(P1)、S&WM39
あった。また、これらは共にアルミフレームを当時既に採用していた。

p220/10
アルミフレーム,DA機構を持つS&W M39(左 MGCモデルガン)とP220(タナカ モデルガン)。

他に、H&KはP9,P9Sを開発してきており、未来の軍用拳銃はDAが
スタンダードになる、という読みもあったと思う。
新型となるP220は、アルミフレーム,DAを搭載し、更に口径を45ACP
まで含むものとして登場する。

ライセンス生産の検討
しかし、開発コストを新型軍用拳銃に転嫁させた場合、需要は決して
多くないため、大幅に製造コストを低減させても結局高価になって
しまう。

スイスは国内企業の武器輸出も禁じているため、製品を輸出して大量に
販売し、開発コストを回収することも出来ない。

そこでSIGは新型拳銃の製法を見直し、容易に他国,他社でも作れる
ものとし、更に製造技術もふくめた技術供与を行い、ライセンス料で
開発費を回収するという方法を考えた。

これには後に(1982年)日本が応じ、自衛隊向けにミネベアが生産,
供給している。

p220/07
P220コマーシャル(タナカ モデルガン)と航空自衛隊仕様(タナカ ガスガン)で、
スライド形状,刻印の違いを。


余談だが、この製造の容易さからか、各国で無断コピーまで作られる、
という状況もある。

日本も自国の消費量が少なく、輸出もできない事情は同じだ。
P220採用前に開発した試作では、M1911を9ミリ化しただけのようなM57、
SAだがSIGのロッキングシステムを模倣したM57A1などを作っていた。

開発協力と米国市場
更に開発時点から国外の提携先を探し、提携先で生産したものをその国で
売るだけでなく、輸出して販売数を増す、という計画を立てた。

輸出のターゲットは最大のハンドガン市場、米国だ。DAの採用は、
これからの軍用スタンダード、というだけでなく、大口径の市場でまだ
少数派の最新スペックを持たせ、販売にも貢献する事が期待されたのでは
ないかと思う。
特に45ACP仕様は、米国で競争力を持たせるために選ばれたのだと思う。

p220/04

P220は外観がゴツくみえるが、これは最初から45ACP仕様と共通の
フレームで開発されたためで、画像のようにM1911
(CAW 戦前ナショナルマッチ)のマガジンが途中までP220に入り、
P220のマガジンもM1911に入るサイズになっている
(画像横のカートリッジは、左が9×19、右が45ACP)。

提携先
その開発提携先だが、ドイツの老舗、ザウエル&ゾーン(以下ザウエル)
社を選んだ。

SIGは資金を出してザウエルを傘下に収め、グループ企業として共同開発
を進める。

ザウエルは1751年創業の、現存する最も旧い銃器メーカーとも言われる
ところで、自動装填式拳銃も独自のポケットオートM1913を作り、戦前
(WWⅡ=第二次世界大戦)にはワルサーPPに対抗してM38Hというモデル
を開発し、ドイツ軍にも採用されている。

だが、戦後はPPシリーズに加えP38も開発したワルサーの後塵を拝し、
自動装填式は諦め、回転式の拳銃や猟銃のOEM生産(米ウエザビーの
マークⅤライフルもザウエル製らしい)でしのいでいた。

もっとも、戦前DAを実現していたメーカーは、チェコなど当時の共産圏
を除くとワルサー,モーゼル,ザウエルくらいしかなく、モーゼルと
そこから独立したH&K、ワルサーは既に拳銃製造を始めていたので、
残るパートナー候補、ということでザウエルが選ばれた、という面もある
かもしれない。

またザウエルが戦前M38Hで実現していたデコッキングレバーは、他に例を
見ないシステムで、もしかするとSIGはこれを評価していたからザウエルと
手を組んだのかもしれない。

画期的な安全装置
SIG/ザウエルは、P220で画期的な操作系を考案、提唱した。
M38Hで実現していたデコッキングレバーを採用し、手動式のセフティ
レバーは廃するのである。

p220/05
MGCモデルガンで、デコッキングレバーと、スライドストップを図示してみた。
P210ではセフティレバーがあったところにデコッキングレバーが配されている。


手動式で独立した安全装置の代わりに、ファイアリングピン(撃針)は
トリガーを引ききるまでブロックされ、暴発しない機構になっている。

しかしハンマーコッキング状態では、軽くトリガーを引けば落ちるため、
デコッキングレバーを使ってハンマーダウン状態に戻し、更に安全性を
高めることとした。

もちろん、DAなので、その状態からでもトリガーを引けば(装弾されて
いれば)弾は出る。
これはコスト削減の効果もあっただろうが、むしろ操作性の向上
(セフティ操作を不要とした)を狙ったものだと思われる。

特に実戦では極度の緊張を強いられ、通常時は忘れるはずの無い操作、
セフティ解除さえ忘れる場合がある。
一般的には安全性を優先し、手動安全装置を設けているが、それこそ
映画やTVの1シーンのように、“安全装置を解除できず、撃てない”
といった事態は、P220では起こらないのだ。

手動セフティの省略は、公用では一部改修を迫られることもあったが、
安全装置についてはうるさい我が国の自衛隊も、P220はこのまま採用
している。

評価
P220の米国での評価は当初低かったという。
これは、M1911系に馴れたユーザーが操作の違いに戸惑った(実際
マガジンキャッチは後にボタン式に変更された)、アルミの素材に対する
信頼性に疑問符が付いた、など様々な要素があったと思う。もともと
米国市場は当時まだリボルバーが幅をきかせるなど、保守的な傾向が
強かった。

P220は、最初ザウエルで作ったものが米ブローニング社からBDAとして
発売され、1985年にSIG/ザウエルが米国進出してシグアームズを作り、
SIG SAUERブランドで売るようになった。

P220はP210に比べると廉価版という位置づけだが、生産方式による
コストダウンであり、仕上げも非常に良かったという。

またスライドとフレームの結合部を前後に広くとるなど、構造上も優れた
もので、アルミの疲労対策に鉄製ブロックを埋め込むなど配慮され、
工作精度も高かったため、命中精度の悪化も少なかった。

p220/02
P210(MGC モデルガン)とP220(タナカ モデルガン)で、スライド分解の状態。
スライドとフレームの噛み合わせは逆(P210ではスライドにフレームが被さる形)
だが、共にフレーム上部の全長に渡って溝がある。


後に米国制式拳銃トライアルで複列式に改めたP226が健闘し、この評判
から警察関係や一般市場でも受け入れられ、ようやく軌道に乗ったよう
である。

また、このトライアルを機に、欧州製オートが米国でも広く受け入れられ、
40SWなど口径の変化はあるが、とうとうリボルバーをマイナーな立場へ
と追いやった、という情勢も味方した。

p220/14
ベレッタM92F(マルシン モデルガン)とP220(タナカ ガスガン)。
ベレッタはM92Fで米軍制式を得、SIG/ザウエルと共に米国進出を成功させた。


1970年代からのSIGの壮大な長期戦略は、途中変更もありながら結果と
してはP226などシリーズが大成功を納めた。

SIGは、ポリマーフレームのハンマー式SIGPROシリーズ、P250シリーズ
など、新しいラインナップも持つが、P210同様、クラシックとなった
P220シリーズがまだ現役である。

SIGとしては現在事業を売却しているが、米国進出を果たし、一大トップ
メーカーに成長した。

p220/08
P220(左)と、そのコンパクト複列弾倉モデルP228(中央)、P229(右)。
これらは全てタナカ ガスガン。
スライド製法がP229では削り出しになり、形状も大きく変わっている。


対して、日本では独自開発も成功しておらず、そのSIG/ザウエルの
ライセンス生産に甘んじた。

一方自衛隊は海外でも展開するようになり、中立というより米国同盟と
なり、とうとうイスラム原理主義者のテロ目標にまでされている。

煮え切らない、というより(外から見て、だが)欺瞞的な非軍備体制は、
これから外国での邦人救出など、多くの問題を抱えている。

自衛隊の呼称を変えないことが平和につながる、などと思うのは、自分達
の“独りよがり”かも知れないことを、少し考えてもらいたいものである。

本当に武装を放棄するなら、以前もここで書いたが、国ごと全て失う覚悟
と、それを全ての国民に納得させることが必要である。

護るなら護る、自決(しないと占領され、他への攻撃に駒として利用
されるので、他国にまで危害が及ぶ)して果てるなら果てる、を
そろそろはっきりさせないと、被害は拡大する一途なのではないだろうか。

話が逸れた。今年はできるだけ次回の予定も書いていこうと思う。
次はアサルトライフルの始祖ともいわれる、stg44を予定している。

p220/13

それでは今回はここらへんで。

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今回は、SIG/SAUERのP228を。
P228/21


[概要]
スイスのSIG(カテゴリ有り)が、ドイツのSAUER(ザウエル)と提携して開発した、P220シリーズ。
当初開発されたP220は、ダブルアクション(DA)で手動セフティを廃した画期的なモデルだったが、シングルコラムマガジン(単列弾倉)で、9mm弾で9発の容量だった。
そのマガジンを、ダブルコラムマガジン(複列弾倉)として米軍制式トライアルでベレッタM92FS(過去の記事)と争ったのが、P226(過去の記事)である。
P228は、1989年に、P226の前後,上下寸法を詰めたショートバージョンとして誕生した。
P226は米軍制式を逃したが、P228は、M11として米国に採用される。
これだけでなく、ドイツの国境警備隊GSG9、フランスのGIGN、日本のSSTにも採用されているとか。

[1/1]
今回の1/1トイガンは、タナカのガスブローバックガン。
フレーム右側には、US.M11の刻印があり、米軍納入モデルを再現しているようだ。
P228/02


[P228とP229]
P228は9×19mm弾仕様だが、更に強力な40SW弾を主に考えた?P229が登場する。
P228は、それまでのP220シリーズの製法を踏襲し、生産性向上のため厚板鋼板プレスでスライド外側を成形、内部にはブロックを入れ、二重のロールピンで止めていた(もちろんこれだけでなく鋼板にブロックを当てて荷重を受けている)。
P229では、NC(数値制御)フライスマシンの普及などもあり、切削で一体のスライドを作っている。
しかし、P220シリーズは基本的にアルミフレームで、P228は小型化されているせいもあり軽量だが、P229はこのスライドにより重量増になってしまった。
但し現在、一般向けにはP228の供給は止めてP229に切り替わっているようだ。

P228(左)とP229(右)。
P229もタナカのガスブローバックガン。
横に置いたのは、9mmと40SWのダミーカート。
今回のP228はABS、P229hヘビーウエイト樹脂だが、最近タナカはこの2種でメタルフィニッシュのものをリリースしている。
P228/03


P228の兄弟機種でまとめてみた。
左からP229、P226、P220。
これらもタナカのガスブローバックガン。
P228/06


[エキストラクター]
SIGはP220シリーズを始める前のP210(SP47/8)では、発射済みカートリッジをチャンバー(薬室)から排出するエキストラクターを外装式としていた。
P220(P228)は、プレスのカバー内側のブロックに溝を設け、エキストラクターを内蔵しているが、これは内部まで一体でないプレス鋼板のエジェクション(排莢)ポートにつながる(エキストラクター用の)切り欠きが無いほうが構造的にも強い、という要因もあったと思う。
P229は、ブロック部も一体なので外部に露出したエキストラクターを装備したのではないだろうか。
P228/04


タナカのP228はガスブローバックなので、スライドにはピストン,シリンダーが入り、またカートリッジを使わないので、エキストラクターは無い。
そこで同じくタナカ製のモデルガン、P220で内蔵式エキストラクターを。
ちなみにスライドの矢印のかかっているところ、少し色が薄い部分が別体のブロック。
この写真の右端近くのところに見えているのが(実物では)ブロック固定ピン。
P228/05


再びP220で、カートリッジがバレル(銃身)後方のチャンバーから引き出されるところを。
P228/12


コルトのM1911(過去の記事)は、エキストラクター自体が板バネになっている内蔵式のものだったが、M1911クローン(他社製のM1911系製品)ではスプリングを別にし、移動(カートとのかみ合わせ)量の増大,折損に対する耐性を向上させた外装式が最近多くみられるようになった。
もっとも、エキストラクターの折損は、これと(毎回ハンマーで叩かれる)ファイアリングピンを止めているプレートの変形に由来する、という説もあるようだ。
どちらにしても、スプリングが別体でファイアリングピンプレート以外で止める方式なら、エキストラクターの耐久性,信頼性は上がると思う。
そして、現在はコストも安く安定した品質のコイルスプリング(らせん状に巻いたバネ)、抜け防止のバネ作用を持つロールピンなどが発明され容易に入手できるから変更されている、という面もあるのではないか。
M1911の擁護になるが、この前に同じブローニングのデザインで外装式エキストラクターは使われており、M1911は敢えてこの方式を選んでいるのだと思う。
当時一体方式の板バネ機能付きパーツが拳銃内に広く使われており、またM1911には、ストッパが無いピンが使われていないように、分解,交換が容易で、固定が確実な方式を優先していたのではないか。
更にM1911自体がタフで、5000発撃ったら寿命なので廃棄、というものではなかったから、比較的弱かった点が問題となった、という面もあると思う。

SIGもGSRというM1911クローンを作っているが、これも外装式エキストラクターとしている。
WAのガスブローバックGSRでは、機能は無いものの、スライドに別部品のエキストラクターをはめ込んでいる。
P228/23


SIGのエキストラクターでは、コイルスプリング使用は共通だが、しかしまだ外装式と内蔵式が混在している。
P226は、モデルナンバーはそのままにスライドをプレスから切削に変更(これはレイル付きフレームも採用した通称RF)、このとき外装式エキストラクターにしている。
SP2340は内蔵式だが、この後継機種2022ではローディングインジケータ(装填表示器)を追加している。
外装式のP230シリーズでは、エキストラクターにインジケータ機能がついていたので、製造,強度の上で問題が無いなら、全て外装式にしておけば良かったのかも知れない。
しかし、SIGはP220シリーズを各国でライセンス生産できるものとし、実際日本でも作られている。
’70~’80年代にNCマシンを購入して使用できる技術と資金力があるところは限られた先進国のみで、そういうところなら自国設計のもの(出来の良し悪しはともかく)もあり、また製品を購入することも出来る。
このような環境が無くても作れるスライド製法は、広くライセンス生産する為でもあると思う。
そして、以前P226のところで述べたように、プレス製スライドゆえ画期的な閉鎖機構を考えたのであれば、エキストラクター位置に拘らなかったのも止むを得ないのではないだろうか。
あちらを立てればこちらが立たず、機構の構成にはジレンマがつきまとう。
市場が機構の選択、という視点でみているかどうかはともかく、P228(P220シリーズ)は公用,民間用として広く支持されている。
結果論からいくとSIGの発展に大いに貢献したこれらの製品の設計は的を射て(このことわざ、「得て」の方が本来の意味からいくとあっているように思うが)いたのではないだろうか。

KSCのSP2340(左 過去の記事)とタナカP226RF。
P228/07


P228とP232(過去の記事)。
P232はKSCのガスブローバックガン。写真は左側なので写っていないが、P230,P232も外装式エキストラクターだ。
P228/08


[他の相違点]
タナカのP228ではスライド以外に、リアサイトを2つのホワイト・ドットが入ったものに(P229はSIG伝統の?1ドットでもいうべき仕様)、またグリップもP228とP229にはそれぞれの型式を入れている。
トリガーはどちらも薄型だ(追記;P228の別バージョン、スイス警察向けモデルでは、厚いトリガ、P229と同じサイトのようだ)。P226では前期型でグルーブ(縦溝)有りの、後期のRFモデルではグルーブ無しの厚いトリガーをつけている。
フレームのグリップ前方の溝も、P228,P229は横溝で共通(P226は縦溝から横溝に替わる)だ。

内部では、手元にあるP228とP229では、リコイル(スライド前進用)スプリングが違う。
P228が普通のコイルスプリングなのに対し、P229には複数の線を撚り合わせた上でコイル状に巻き、一気に破断せず減衰性も考えた?実物を模した凝ったものが装備されている。
右がP228、左がP229のリコイルスプリング。
P228/15

そういえばKSCのSP2340シリーズでも、通常の丸断面ではなく、板状の平らな特殊コイルスプリングを装備していた。

[P229S]
更にタナカは、P229の各部を大幅に変え、ターゲット(標的競技用)モデルのP229Sをリリースした。
まず、トリガーはP226で使われる厚いもの、テイクダウン(分解)レバーもP226RF用の傾斜のついたものである。
そして調整式のリアサイトを持ち、ノーマルではスライドに付けられているフロントサイトはバレルウエイトに移動、空いたドブテイル(アリ溝)部には、ここを塞ぐパーツが埋め込まれている。
また専用の延長バレルとそこに付けられたウエイト、そしてこれも専用のマガジン下部のフィンガーレストはどちらもニッケルメッキだ。
更に良く見ないと判らない、細かいところにもP220シリーズ唯一のパーツがある。
マガジンキャッチは大きくボタンが張り出しているもの、デコッキング(ハンマーを安全位置まで下げる)レバーも斜めに少し上げられ、スライドストップに至っては斜めに上げた上に後部を更に曲げた立体的な形としている。
また、チャンバーの刻印は、357SIGになっており、40S&W弾の弾頭を9mmにして、ボトルネック(上が絞られている)のケースにしたSIG独自のカートリッジ仕様となっている。

このシリーズ、根強い人気はあると思うが、これだけのバリエーションを作ったところはタナカしか無い。
これからも、コレクター魂(収集癖?)に火をつける展開を、出来たらゆっくりと続けてもらいたい。
P239とか、P225,現行のP220など、可能性は高くないと思うが、それだけに実現すると嬉しさ倍増なのだが。
P228/10


[ライバル]
P228は多くの採用を勝ち取り、SIGの躍進に大きく貢献したが、ライバル達も黙って見ていなかった。
まず同じヨーロッパ系のH&KはUSP(過去の記事)シリーズでコンパクトを開発、ベレッタはM92の小型化を諦め、M8000(クーガー、下のM8045もこの一種)シリーズを作った。
またポリマー(フレームに高分子の合成樹脂を使った)オートの雄、グロック(過去の記事)はもともと小さめだが、G19,G26とどんどん小さいものを追加していっている。
SIGもポリマーオートを作っているが、アルミフレームのP220シリーズには根強い支持があり、どうやら今も主力として製造,販売が続けられているようだ。
P228/09


[1/6]
それでは1/6を。
今回のものは、コトブキヤ メイン&サイドアームズシリーズで、XM177と同梱されていたもの。
P228/13

シルバーとブラックが手に入った。
マガジンは少し短いが着脱式、ハンマーが起き(この写真のブラックモデルがその状態)、トリガーを引くと落ちる!
P228/14


それでは今回は、ここらへんで失礼。
P228/11

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今回は、KSCの限定カスタム、GSG9を。
GSG9/05


[限定生産]
SIG SP2340は以前(過去の記事)取り上げているが、今回は、いきなり?限定生産されたGSG9を入手したので取り上げてみた。
GSG9カスタムはKSCがSP2009をベースに、ドイツの特殊部隊GSG9結成30周年記念モデルがあったら、という架空の設定で5年前に一度限定で作られた。
しかし、あっという間に予約完売、問い合わせ(抗議?)が殺到したため、すぐにSP2340をベースにXM13トライアルカスタム(デルタフォース?)を作った経緯がある。
今回は再びGSG9の記念モデルという設定だが、刻印を変え、新たに35周年記念モデルとしている。
生産数が以前より少なく、300丁とのことだが、ともかく今回も、また予約で売り切れたようだ。今回はSP2340でもGSG9を作り、こちらはまだあるようだが。
幸い、入荷直前に情報を入手、一応予約を試みたところ、あっさり入手でき、前回のGSG9入手に失敗した欝憤を晴らす?ことができた。
ソードカトラスも増産したし、転売、投機目的の購入対象にはならないようにKSCが配慮しているなら、いいことだと思う。
反面、もともと限定モデルは少数しか売れないような設定のもので、購入者も希少価値から購入するのではないかと思うと少し複雑な心境だ。

さて、カスタム内容はスライドのフロントセレーション,マグナポート,たくさんの記念刻印,そして予備マガジンで、これと本体に装着されたマグバンパーが違う(2種類ある)、といった豪華なもの。
SP2009はHW(ヘビーウエイト樹脂)、SP2340はABS製である。
HW樹脂は重さはあるのだが、艶の無い表面になる。実物ポリマーフレームにはABSの方が似ていると思う。
但し、HW化による重量増加の効果は顕著で、SP2009のずっしり感じる重さはSP2340と大きく違う。
また、グリップは左右一体でワンタッチで交換可能なものだが、これもSP2009ではHWのようである(HW樹脂は折れやすいので、外していないが)。
再現度に拘るKSCは、ここに無加工で実物グリップがつく、と取説にも謳っている。
GSG9/02


[刻印,セレーション,フィンガーレスト]
XM13と共通の、スライド前部のセレーション(指掛け溝)と、GSG9固有のカスタムポイント、
結成35周年刻印。
スライド,フレームの左右と、スライド上部,チャンバー(薬室)側面に刻印があり、更にマガジンにも刻印が施されている。
このカット(右側面)では、フレーム刻印に35Jahre 1972-2007と彫られている。
KSCでは、レーザー刻印機を導入し、前回の打刻以上に細かい模様も鮮明に描かれている、とアナウンスしている。
確かに葉の葉脈まできっちり刻印が入っている。
GSG9/07


XM13トライアル(奥)とGSG9。
どちらもスライド上部,側面に刻印がある。
ちなみにGSG9のシリアル(製造番号)は、ノーマルと同じフレーム下のアルミプレート部のもの、スライド,フレーム右側面,バレルの今回の限定仕様の為と思われるもの、フレーム左側面のKSCの本当のシリアル(メーカー製造品全体の通し番号)、と3つ違う番号が並ぶ。
GSG9/08


今回、マガジンは予備1本もつき、合計2本が付属してきた。
2つとも鉄製の外側板を持つタイプだが、一本はレーンレス(BB弾のガイドが露出しない)、もう一本は、写真でみえるようにレーン露出タイプである。
それぞれ、異なる限定仕様のGSG9記念刻印が入っている。
GSG9/13


2つのマガジンには異なるマガジンバンパー(フィンガーレスト、指掛けを兼ねる)がついている。
GSG9/14


[マグナ・ポート]
最大の特徴、マグナ・ポートの話に移ろう。
これは、スライドに2つの長穴を開け、バレルに設けた左右5個ずつの小穴から噴き出す発射ガスを逃がすもの。
発射の反動で銃が上に跳ね上がるとき、ここから噴き出す高圧ガスが抵抗となってそれを低減する。
ポート付きが多いのは、競技用と小型化モデルだ。
あと大型でも、強力弾で反動がきついものにも使われる。
競技では、パワーが要求されない場合もしくは必要十分なパワーが確保できる場合で、ポートから吹くガスの作用で反動を低減できる場合(高速弾のほうが効くらしい)に使われるようだ。

SIG SPシリーズ3種のスライド上部。
ポートの無いノーマルのSP2340(左)と、XM13トライアルカスタム、GSG9。
GSG9/03


通常のものにポート付きが少ないのは、デメリットもあるからだ。
ポートから高圧のガスが出る(時には弾の破片も)ので、銃を必ず顔より前に突き出して撃たなければならない。
またガスを逃がすぶん、初速は低下し、更にポート部分が弾に傷を作ってしまって弾道が乱れる恐れもある。
H&KやSIGは競技用に銃身を延長したものにコンペンセイターをつけているが、銃身に小さな穴を多数開ける、というのは無かったのではないかと思う。
SF(スプリングフィールド)は、コンパクトだけでなくフルサイズでも多数のポートを付けている。
グロックはポートの有無を選択して注文できるようにしている。

3種のスライド後退時の図。
GSG9/06


[アジャスタブル・サイト]
サイトはアジャスタブル(調整可能)だが、これは全くグロック(過去の記事)G34のものである。手元のXM13には固定サイトが付けられていたが、G34用サイトは持ち合わせがあるので付けようかとも思う。
アジャスタブル(調整式)サイトも、弾の変更などにもすぐに対応できるので便利、競技用では一般的な装備だ。
これを実戦用であまり使わないのは、どうしても可動式のものは強度が劣り、落としたりすると壊れやすいからだと思う。
このためSIGを含め多くのメーカーは前後サイトの高さを変えたものを多数用意して交換することによって調整できるようにしている。

G34(左)とGSG9。
GSG9/10


[他のポートカスタムと]
KSCはGSG9以外にもマグナ・ポート付きのモデルがある。また、他社でもポート付きは各種作られている。
下のカット左は、KSCの限定仕様、STIの16ポート!
右端は、MGC(新日本模型?)のSF(スプリングフィールド)の10ポート付き、V10ウルトラコンパクト。
GSG9/11


今度はWA(ウエスタン・アームズ)のデティクティブスペシャル(右)と。
これはマズル(銃口)にコンペンセイター(制退器)をつけている。
コンペンセイターも反動低減を目的とするが、穴が大きく、噴き出すガスの圧力は低いはず。
これは、少し原理が違い、穴の側面の壁にガスを当てる(銃口方向に向かってガスが進行してくるので、穴の前方により強く圧力がかかる)ことで前方へ力をかける、というもの。

デティクティブスペシャルは、このブログでも何度か比較用に登場させているが、TVドラマ「刑事ナッシュ・ブリッジス」の銃を再現している。
ということで一応、刑事の使う設定なのだが、これはボーマーサイトにエクステンション(延長)レバー類など、もう全く競技用のカスタムである。
GSG9/12


[お買い得カスタム]
GSG9も、どちらかというと競技向けカスタムの色合いが強いカスタム内容だ。
そして、人質救出作戦などに従事する、ドイツ国境警備隊の特殊部隊GSG9は、過去にS&Wのリボルバー、グロックG17を使い、現在も特に制式拳銃として一機種を指名して使ってはいないらしい。
GSG9の装備は公開されていないようなので、例えSP2009が制式になっていても、何かの作戦の映像が報道されるなどしないとわからないと思うが。
このモデル、有名特殊部隊の名で人気を獲得している面もあるが、各種カスタムに刻印、予備マガジンまで付き、この価格で販売されたのは、やはりバーゲンであったと思う。
2月は一般的にモノが売れないシーズン。拡販の為に、結構各社企画を考えたものを出してきている。購入者側にとっては、嬉しい反面、選択の悩みが増えるところ。

今回1/6ミニチュアは、前回の金属製のものをそのまま流用している。
ポート加工も難しそうだが、更に刻印は無理なのと、一個しか持ち合わせが無いので改造は避けた。悪しからず。
それでは、今回はここらへんで。
GSG9/04





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今回はSIG SP2340を。
SP2340/13

[概要]
SP2340は名門SIGのポリマーフレームオート(高分子樹脂を下部構造体に使った自動装填式拳銃)。
機構は同社のP226シリーズと共通のハンマー式で、ダブルアクション(DA)トリガー、スタガードコラム(カァラム)マガジン(複列弾倉)、デコッキングレバーを持つ(過去の記事)
素材,加工もP226系と同様、スライドはステンレスに高耐食性を誇るニトロン(Nitron これは商標で、ニトリル基,又はそれを含む化合物の一般名称はNitrone)コーティングを施し、バレルはコールドフォージド(冷間鍛造)だという。
1998年にまず40S&W弾と357SIG弾を使うSP2340が、続いて1999年に9×19mm(ルガー,パラベラム)弾のSP2009が発表された。
その後、ショートモデルのSPCシリーズや、改良型のSP2022を発表し、現在はSP2340,SP2009は終了しているとか。
SPシリーズは競合の多いこのカテゴリーで、後発かつ価格でも苦戦していたようだが、最近米国,フランスでSP2022が一部採用されるなど、一定の評価を得つつある。

1/1はKSCのガスブローバックガン。
SP2340/02


[名前の由来]
SPシリーズは単なる廉価版とのイメージを避けるために、SIG Proという名称(ここから型式もSP)というつけた。つまり玄人ご用達という、ポジティブキャンペーン?だ。
そして数字のうち、3と40が357SIGと40S&Wの両用(バレル=銃身を交換するだけで2種の弾が撃てるという)を意味するらしい。それで9mm版はSP2009である。
2000番台の説明は聞かないが、当時2000年を前にしたミレニアムブームだったこと、もともと200番台を拳銃の型式に用いていたこと、それから説明のように3と40が口径を指すなら拳銃を指す2が4桁目になったのではないかと思われる。
しかし、それなら今までのP232(過去の記事)なんかは32口径になってしまうような。

1/1でSIGのハンドガンバリエーションを。
左からSP2340,GSR,P226,P232,P210のガスブローバック式エアーソフトガン。
GSRはウエスタンアームズ、P226はタナカ、P232はKSC、P210はマルシン。
SP2340/14


[ポリマーのメリット]
ポリマーフレームというと軽量化のイメージもあるのだが、SP2340はそれまでのアルミフレームP226系に比べても余り軽くない。P228より重く、P229よりわずかに軽いという。
また、インジェクション(射出成形)で加工コストが安く、廉価版のようなイメージがあると思うが、これも同社の中では安価でも、ライバルと比べると決して安くないそうだ。
SIGが低価格を追求しなかったのは、ブランドイメージの低下を恐れたという側面もあると思う。
安価で大量に売るのは、技術力で勝負している自分達の仕事ではないし、逆にいえば、その付加価値をつけることがSIGのオリジナリティでもあると判断したのではないだろうか。

各社のポリマーオートと。これらも全部ガスブロ-バックガン。
左からSP2340、ワルサーP99、H&K USPコンパクト、グロック G19。
P99はマルゼン製、USPコンパクトとG19はKSC製。
USP(過去の記事)とグロック(過去の記事)は過去にも取り上げたもの。
SP2340/10


[交換式グリップ]
ポリマーフレームでは、VP70やG17は一体のグリップフレームとしているが、現在ではグリップの一部または全部を別体として、射手の手の大きさに合わせて交換出来るシステムを採用するものが出てきて、それが増えつつあるようだ。
SP2340のようにグリップ全体を交換出来るものは、H&KがP3000シリーズなどで追随している。

SP2340のグリップ着脱状態。
グリップはマガジン挿入口内側のツメを押して下に引き抜くと外れる。
KSCではガスガンでも、実物の機構を再現することに拘り、写真のようにメカは実物と見まがうほどリアルだと思う。
これにはプレスの外板をもつマガジンも装備させており、ここにも細かい刻印が入っていたりする。
上は後で解説する2340XM13カスタム。
SP2340/05


[アクセサリーレール]
最近はレーザーサイト、フラッシュライトなどのアクセサリーを用途に合わせて簡単に装着できるよう、アクセサリー取り付けレールがフレーム前方に設けられるようになった。
SPシリーズ開発当時、各社の規格が乱立し、SIGもこのSPシリーズでは独自規格のレールをフレーム前方に設けている。
その後、ピカティニーレールが業界の標準となったので、P226レール,GSRなどはこれをつけ(加工法としては削り)、SPシリーズも2022でピカティニーレールに変えた。
2340のレールは張り出しが無くスマートな反面、バレルに対し斜めにアクセサリーがつく。
このため一般化させるのはもちろん、同社のP220シリーズにも適応できなかったのではないかと思う。

SIG 3種のアクセサリーレール。
左からGSR、P226レール、SP2340。
SP2340だけが独自規格で、外はピカティニー規格。
SP2340/03


ピカティニーレールにライトをつけたGSRとSP2340。
両者は全く違うものだが、トリガーガード付け根(グリップ側)のアールが小さいところなど、各部に共通点がある。

SP2340/04


[改良?]
SPシリーズはポリマーを使ったが、軽量化,小型化はなされていない。これは最初から40S&Wの複列弾倉を使う事を前提とした事が理由とされている。しかし、握ってみれば判るが、その差は単に弾が大きくなった以上に大きい。
SIGは米軍M9トライアル用として複列弾倉版P226を出すときにP220と同じ周長の細身の握りやすいグリップで納め、成功することができた。
但し、左側グリップ上方にデコッキングメカの為の張り出しを作ってしまった。
この措置はユーザーには好評でも、設計者としては、これは余り格好良いものと思わなかったのではないだろうか。これが成功だとするなら、SP2340でも張り出させているはずだが、側面はフラットにしたものの全体が太めになった。
反動処理は太い方が有利だが、ライバル達は皆けっこうスリムである。この傾向は、女性の使用者増加が影響しているとか。
ただ、米国XM9トライアルに出てきたファットな仲間たち、M459(過去の記事)やP7M13(過去の記事)よりは、ずっと握りやすいと思う(これらも好きなのだが)。
また、SP2340では、分解方式を米国では最もメジャーなコルトM1911(過去の記事)などと同じ、スライドを少し後退させてスライドストップを引き抜く、という形にした。
米国の民間市場の為に、わざわざこの方式としたという側面もあるかもしれないが、これもP226系の独立した分解レバー式に比べるとややこしい。

SP2340とP226のグリップを後方から。
左側のグリップパネル上部にデコッキングレバーがあるが、P226ではこの部分が盛り上がり(下部分を絞り込んでいるともいう)がある。
SP2340/09


名機P226を存続させ、別のラインを作ることが目的だったにせよ、SPシリーズはユーザーの喜ぶ部分、メリットを向上させられただろうか。
上記のように一定の評価は受けつつあるが、SIGは次の一手をもう打っている。全く異なるP250シリーズを2004年に開発、しばらくこれは鳴りを潜めていたが、今年大々的に前に出してきている。
この型番構成(SPでなくP、その後も4桁でなく3桁の数字)に戻っていることも、SP2340系だけがSIGの中でも”違うもの”、という扱いにもみえる。
但し本当に別物、といえるGSRはまた違う型番構成なので、SPシリーズもSIGのバリエーション拡大に伴う戦略上の一里塚、なのかも。
いきなりP250では、S&Wがシグマで客層の反発を招いたようにグロックのデッドコピーとして敬遠されかねなかったし、既に上記で紹介したP99,USPのように独自色を打ち出してきた競合がいる中で、後発のSPシリーズにも個性が求められたと思う。
社内でもグロックに最初から白旗を上げるような真似はできなかっただろうし、P226系の機構は好評だったのだからこれを活かして独自性を打ち出すという戦略は無難ともいえる。
何よりSIGはデコッキングレバーを装備しマニュアルセフティを廃した、リーディングカンパニー(牽引役)である。

[トイガン]
KSCがガスブローバック方式で作っているが、マルイほか数社からエアーコッキングガン,電動ガンが出ているようだ。
例によってエアーコッキングの持ち合わせが無いので、KSCのバリエーションについて話を進めると、SP2340がABS樹脂、SP2009がHW(ヘビーウエイト)樹脂で出ている。他に限定として、GSG9カスタムとXM13カスタムが出た。これらは、ドイツの特殊部隊GSG9と米国に、もしSP2340が、、、というKSCの架空の設定だが、GSG9がスライドにマグナポートを持ち、XM13はSTIのハイブリッドコンプなどに代表されるコンペンセイター(制退器,略してコンプ)付きのバレルとして、リアサイトを調整式としている。今回入登場させた中古のXM13では、ここが固定サイトに戻されていた。

SP2340XM13カスタム(左)とSP2340。
SP2340/07


XM13カスタムのコンプ付きバレル。スライド上部を削り取ってガスポート部分を盛り上げた形状のバレルをつけるスタイルは、タクティカルシューティング競技向けのカスタムの手法。
SP2340/08


[1/6]
今回の1/6は金属製だ。単品購入だが、DIDのものではないだろうか。
SP2340の特徴でもあった専用レールを活かすためか、着脱可能なレーザーサイトユニットがついてきた。これ以外にもマガジンが着脱出来る。金属製なのではめあい公差が難しいと思うのだが、レーザーサイトもしっかり付いて、かつ嵌め込みがきつ過ぎないという、絶妙のところに仕上がっている。外観も全体のシルエットが良く、細部も金属製では最もいいレベルだと思う。
SP2340/11

いつものように次回は未定だが、またボルトアクションライフルか、M1911系の変り種なんかを考えている。と期待させつつ、では、また。
SP2340/12

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今回は、SIG P232。
P232/13

[経緯のミステリー]
SIGがザウエルと提携して始めたDA(ダブルアクション)オートは、軍用のP220シリーズと警察用,民間護身用のP230シリーズの2本立てだった。
P232はそのP230の改良型である。
P230はスイス警察の要望で開発されたという。
しかし、発表前後からドイツ警察のトライアルも受けていたようだ。
使用できる弾薬に9×18mm(9mmポリス,9mmウルトラという名がついたが、結局特殊なので普及しなかった)があるが、これはSIGがオーストリアの弾薬メーカーと’60年代から開発していたとか。
但しこの弾薬については、戦前からワルサーPPがテストした経緯があるという記述が今回のガスガンを作ったKSCの取説には記載されている。
P230は1977年完成との記事があり(床井雅美「オールカラー軍用銃辞典改訂版」P61)、これまたKSCも取説で1977年の作としているが、他では1976年との記述もみられる。しかし、どうやらそれ以前にP230は世に出ていたらしいのだ。
1973年からドイツ警察用拳銃の選定が行われており、これにワルサーもPPスーパーで共に参加していた(これも`73年にP230が提出されたのか、話が`73年からで、モノはもっと後だったかは不明)。
但し結局9×18mm弾を採用しなかったから、これを使う両者は却下されている。
また、面白いのは昭和51年5月に刊行された小橋良夫氏の「ピストル」で、初期型P230がイラストだが紹介され、民間にも販売されている旨記載されていることだ。
これに従うなら、P230は1975年ということになるのではないだろうか(原稿執筆から本の刊行までの期間もあるので)。
そしてP220が1975年に発表されているとの記事があるので、モデルナンバーの順番からいってやはりこの後か同時発表ではないかと思われる。すると、試作品の段階でトライアルに参加(採用されなかったのだが)、後に一般に向け発売、ということのようである。
1998年、上記のようにP230はP232にバトンタッチしたが、この間、そう、P231というモデルもどうやら存在するらしい。
P231はP230,P232両者と(この2つは同じ)グリップスクリュー寸法が異なるところまではホーグ(社外品のグリップメーカー)の適合表で確認できたが、年代的にはP230の製造終了とP232の開始が同年、しかも仕様としてP232と同じくスライド後退量を増したもの、とされているので、果たして外観がどのように違うのか、興味あるところだ。

更にP230は初期に細かいスライド側面セレーション(溝)と広めの2種があったという。
そしてどうやら、9×18mm弾の方が広いセレーションだったようなのだ。
これは基本的に1982年まで(一部1983年頃まで)続いていたという。
そしてP232で更に広い幅のものに変わっている。
P230,P232は口径9mmがメインで、9×17mmと9×18mmのものがあり(P232に9×18があったかは不明)、あとは7.65mmと22口径が生産されている。

日本の警察用、P230JPとニューナンブ。
P230JPはKSCのガスブローバックガン。日本の警察用の特注安全装置も再現している。
ニューナンブの名称は商標の関係か使われていないが、これはマルシンのガスガン。
P232/09

日本の警察がサムセフティを追加したP230JP(これが制式名称なのか、通称なのかは不明)モデルを導入したのは、正式には1995年以降とされているが、導入した製品にはW.Germanyと入っていて、1990年(東西ドイツ統一)以前ということから、これもちょっとしたミステリーである。
P230JPを1990年以前に作っておいた可能性はあるし、また以前に生産,もしくは部品の状態で在庫したP230を後に改造した可能性もある。このときわざわざWの文字を消すのもおかしいのでそのまま出荷していても、虚偽の表示にはあたらないと思う。
ちなみにP220は日本で生産しているが、P230JPはドイツ製で、日本特注仕様の余った分は米国で売られたそうだ。
更に噂だが、現在日本のミネベアで、P230JPが生産されているという話もあるが、これは大いに疑問だ。
警察関係の注文では小数にもかかわらず製造設備を整備すると莫大なコストがかかる、自衛戦力でもないのに(しかも他国の多くの機種で代替がきくし、事実S&W製のものも使っている)国産化する必要がどこにあるのか、更にドイツで余っていたということもあり、するとわざわざ作る必要がないからだ。
P230JPとP220。
P220はタナカのガスブローバックガン。
これは航空自衛隊向けに日本のミネベアで生産されたモデルをモデルアップしている。
P232/04

ついでにP220の刻印。
左がコマーシャルモデル、右が航空自衛隊モデル。
9mm拳銃の刻印がわかるだろうか。
P232/05

ともかく得られた情報が少なく、それが今回の記事のように謎が謎を呼ぶ状態を生んでいる。
ここ30年ほどのことで、しかもまだ現役のモデルなのだが。
何度も取り上げているKSCの取説に、お詫びとして「以下で刻印のバリエーションをご紹介しますが、P230という銃は日本国内において極めて情報量の少ないモデルなため、必ずしもすべてのバリエーションを網羅できたとは思えません。モレ等がある可能性がありますのでご了承ください。」とわざわざ書いている。

[機構,意匠デザイン]
P230シリーズはシンプルなストレートブローバックの作動機構を持つ。
素材についても記述を見つけられなかったが、重量が500gを切る軽量さ(エアガンが数十グラム軽いだけ)であり、ほぼ同じ構成で(全長は短い)鋼(ステンレス)製のPPK/S(過去の記事)の重量からいって、これはアルミフレームでないと達成できないと思う。同時期のP220もアルミフレームだ。
意匠デザインはワルサーPPの影響が感じられるが、ザウエルが戦前作っていたM38Hの直系ともいえる機種で、オートマチックセフティとデコッキングレバーを備える。
全弾撃ち尽くすとスライドが後方でストップするが、ストップリリース(解除)レバーは無いので、前進させるにはスライドを少し引く必要がある。これはワルサーPPなどと同じ。モーゼルのHscやH&KのHk4は、弾の入ったマガジン(弾倉)を挿入すると自動で前進するらしいが。
ハンマーは外装式だが、丸まった短いスパー(突起)で、トリガーガード前方もなだらかな傾斜にするなどモーゼルHscに似た要素を持ち、引っかかり難いよう配慮されている。
全長は169mmが公表データで、PPKなどよりは長いが、幅方向にセフティなどの突起物が無い(デコッキングレバーはある)為隠し持ち易い。また流線型が多用され、体に当たっても痛い部分が少ない。
マガジンキャッチ(弾倉止め)はグリップ底部につく、いわゆるコンチネンタルタイプ。
ワルサーPPも初期の頃このコンチネンタルタイプで、後にコルトM1911ガバメント(M1911A1の過去の記事)などと同じ押しボタン式に改めている。

P230とライバル達。
左上から、G26,M84。
下段左から、P232,P230JP,PPK/S。
G26はマルイのガスブローバックガン。実銃は9×19mm弾10発の複列弾倉をこのサイズまで小型化したもの。
M84はマルシンのモデルガン。
M84実銃は9×17mm弾だが、これも13発入る複列弾倉を持つ。
P232もKSCのガスブローバックガン。これはヘビーウエイト樹脂製。
PPK/Sはマルゼンのガスブローバックガン。
実銃は7,65mmか9×17mm弾で、単列弾倉。
P232/07

各銃を下側から。
P232,P230JPはグリップ底部に弾倉止めを持つ。
P232/08

押しボタン式の方が交換は早い。銃を握った右手親指でボタンを押しながらマガジンを落下させ、左手で次のマガジンを握って挿入できるからだ。但しこれはマガジンを傷める原因であるから、マガジンを捨てる覚悟で行わなければならないこと、誤ってマガジンが脱落する危険は押しボタン式の方が高いことがデメリットである。もっともPPはスライドとグリップによって誤って押されにくい場所にボタンを配置しているので、この危険も低くなっている。
M1911などがそうしなかったのは、スライドストップを外装式とし、レバー操作できるようにしたため、この場所が使えない(もっともこっちがPPより先なので、それぞれの機能から配置を決めた)からだろう。
SIG/ザウエルはP220でもコンチネンタルタイプなので、護身用でより早い交換より確実性が重要なP230ならこっちを採用しているのは当然かも知れない。
また、H&Kが左右両用のレバー式マガジンキャッチを発明するまで、コンチネンタル式の方が左利きにも有利だった。P230はデコッキングレバーを除けば左右兼用である。
押しボタン式でも、左右を変更出来る機種もあるが、予め変更しておく必要があり、やはり両用のタイプの方が便利といえる。右利きでも、左手で操作しなければならない状況も考えられるからだ。

SIGの拳銃 各機種。
左からP232、P228、P210。
P228もタナカのガスブローバックガン。グリップはシボタイプだが、P232のそれとは少し形状が違う。
P210は今回MGCのモデルガンで、SFモデルという透明プラスチック製のものを。
これは昔に通常版より安価で発売し、当時は不人気だったのだが、今では珍しい存在になってしまった。
最近ではタナカがP08でクリアモデルを作っていたが、これも結構長い間売れ残っていたような。
P232/06



[1/1トイガン]
P230JPとP232。
P232/01


ダイカストパーツの表面も綺麗に面が出ており、黒染め(ブルー)は少し落ちやすいが、非常に品質が高い印象を受ける。
今回のP232は、ヘビーウエイト(HW)樹脂製だが、持った感じ重量はP230JPと変わらない。
P230とP232ではパーツはスライドとグリップパネル,サイトが異なっている。フレームは刻印だけが違う。
上記のように実物はスライドの後退距離が増えているらしい。
JPはランヤードリンク(肩掛け紐を止める為の輪、これでは長穴),サムセフティも装備されている。口径の表示も7.65mmとされているが、さすがにマズルまで新作とはいかなかったようで、ここは共通だ。

P232/02

どちらも中古を格安で入手しているのだが、P232はオプションパーツの先端ネジ切り付きバレルが付いてきた。サイレンサーやコンペンセイターも豊富に用意されていたのだが、現在も入手できるのだろうか。
KSCの得意とするパーティングライン(型の合わせ目)を消す為のNC(自動制御フライス)加工はこの機種から導入されているという。
P232では加工痕が残っていないので、HW樹脂では表面の凹凸の方が目立つのかもしれない。
また、このトリガープルが非常に気持ちいい。引ききる手前で、すっと軽くなって落ちていく。最後で急に重くなったり、粘ったような感触があるものとは大違いだ。
ただ、ストロークは多く、精密射撃に向くかは疑問だが、護身用なのでこれは実物でもそうなのかも知れない。
そして、手元のP232の方がP230JPより軽く,スムーズに感じる。
グリップはP230がチェッカーの配置も含め直線的なデザインで、端正な印象になるのに対し、P232のそれはシボ(凹凸)タイプで大柄で丸みがあり、ややファットな印象だ。
しかしさすがに改良しただけあって、グリップの角が感じられず、また反動も受けやすく(エアガンなのでもともと全くきつくは無いが)撃ちやすく感じる。ルックスのP230、フィット感のP232という感じである。
サイトはP230の2ドットからP232で3ドットに変更されている。現代では3ドットが一般的になった。上下方向は合わせ難い気もするが、個人的には2ドットも好きだ。
P232のサイトはフロントも少し大きめになっているが、サイト間の隙間(狙ったときリアサイトのノッチの幅とフロントサイトの幅がどの程度余裕があるか)が少し大きい。
ここはP230の方がタイトで好みだ。

P232/03

スライドの加工は、側面のセレーション以外にトップのセレーションもP232が大きめ、マズル(銃口)付近、スライド前方下側はP232が丸められている。
P232/10

1/6はP232で、コトブキヤ ワンコインフィギュアシリーズ メインウェポン&サイドアームズから。
色は少し緑がかったもので、グリップの黒と対比させている。
マガジン脱着、スライド前後動が可能、と小さいながら機能は充実している。
SIGも以前取り上げたP226以外に、いくつか予定している。ではまた。
P232/12


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今回SIGのドル箱、P226を取り上げる。
P226/01

SIG P226は米軍の次期制式拳銃XM9を決めるJSSAPトライアルのため、自社のP220に複列弾倉,押しボタン式弾倉キャッチを装備したモデル。
このとき、軍が要求していたにもかかわらず、SIGは手動式セフティをつけなかった。
SIGはP220で手動セフティを廃し、自動安全器とハンマーを安全に落とすデコッキングレバーで安全を確保、かつシンプルな操作とした。
デコッキングレバーを手動セフティとすれば、要求に沿うものになる(P220の前モデルP210はその形式)にもかかわらず、あくまでデコッキングレバーに拘ったのである。
結局このトライアルではベレッタM92Fが採用されるのだが、P226は高い評価を受け、他の公用、民間用として販路を拡大、グロックG17と向こうを張って、SIGの悲願、米国進出をとうとう成功させるに至った大ヒットになる。
目先の利益に走らず、理念を貫く事が成功につながるということだろうか。
P220(左)とP226(右、初期型)。
どちらもタナカ ガスガン。
P226/07

P226の左面グリップにはデコッキングレバーを収めるため盛り上げているが、逆にレバー下はギリギリまで薄くし、結果単列弾倉のP220と変わらないほどの太さに抑えている。
XM9トライアルに出てきたライバルは、M92F以外にS&W M59やH&K P7M13など、まるで人間の握れる限界に挑戦したような?太さになっている(個人的には好きだが)。
P226の好評の一因は、この握りやすさも大きいと思う。
P226のバリエーション。
左から初期型、中央と右はオプション取り付けレールを追加した後期型(レイルドフレーム=RFとか、レール、又は単にRとか呼ばれているようだ)。
左,中央はタナカ ガスガン。右はマルイ製ガスガン。
P226/02

SIGはP226に細かなマイナーチェンジを繰り返しながら改良を続けていくが、この2つ(タナカの後期型とマルイはほぼ同型)はサイトも違う。
左が初期型。右はマルイ。
初期型はP220でも使われているシンプルな1ドット。
後期型はタナカもマルイも後方2ドット(全部で3ドットなので通常3ドットと呼ばれる)。
マルイは3ドットが好きなのか、ガスガンでも多くが3ドットになっている。
P226/03

他に主な初期型と後期型の相違点。
まずフレーム前方、銃身(バレル),スライド下にオプション取り付け用のピカティニーレールがついている。
このスペースを確保するためか、若干トリガーガードは後期型の方が小さい。
トリガーも初期型にはグルーブ(溝)が入っているが、後期型はスムーズ。
分解用レバー(トリガー上)の形状も少し変わっている。
グリップも初期型はチェッカー(綾目の溝)入りだが、後期型はエンボス(シボ)タイプ。
P226/04

スライドのロック部。
銃身の基部、薬室(チェンバー)の上部がスライドとかみ合ってロックするのがP220シリーズの特長。このシンプルな形はSIGの発明ではないかと思う。
これはP220登場後、以後各社の新型機種はほとんどがこの形式を踏襲するほど浸透したシンプルで優れたシステムである。
実はこれを開発したのは、先に「スライドをプレス鋼板で作る」という命題があったのではないかと思っている。
従来のラグとリセス(溝)を設けるシステムでは、プレス鋼板のスライドに多くの穴を開けリセスの代わりにするくらいしか方法がなく、もしそうすれば、3列の角穴が開いたスライドでは異物の噛み込みにも弱く、強度も不足してしまう。
そこで最低限必要なカートリッジ排出用の穴を利用した一点ロックを編み出したのではないだろうか。
WWⅡ末期に企画されたVP(=フォルクス・ピストル)も、戦後H&K社が作ったVP70もプレススライドだが、ショートリコイル方式はとっていない。これは逆に、この発明が無かった故ではないだろうか。
SIGはスライドも厚板プレス成形で作っていたが、後期型など最近のものは工作機械の進化もあって切削で作っているようだ。
初期型のスライドは銃身とかみ合う後ろ側に別パーツがついているが、これは補強、構造としてスライドの中に入っているブロックを上部までもってきているため。後期型は一体の塊から削る(あくまで本物の話、ガスガンにはブロックが入っています)ため、ここに段差は無い。
P226/05

グリップ前方の比較。
左の初期型は縦グルーブ(溝)。右の後期型は横グルーブになっている。
P226/09

SIGはいろいろな映画に登場しているようだが、意外にP228のほうが良く見かける。
「HEAT」では、ロバート・デ・ニーロがP226を使用しているとのこと。
更に、「ダイ・ハード4.0」ではとうとうブルース・ウイルス扮するJ・マクレーンがP226Rを使用するらしい。
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SIGの歴代ラインナップ。
左からP210,P226,P2340。
P210はマルシン、P226はタナカ、P2340はKSCのガスブローバックガン。
P226/10

SIGは最近M1911のクローンも手がけている。
それがGSRで、当初一種類だったが、現在レールの有無などバリエーションを拡げている。
GSRは当初パーツメーカーに発注した部品を米国のSIGアームズで組み立てたらしいが、それも自社製作になったとか。
但し、クラシックになってもP226は現役で、もっといえば、P210シリーズも復活しており、SIGとしては実に多機種展開になっている。
M1911クローンのGSRとP226。
GSRはWAのガスブローバックガン。
P226/11

1/1と1/6。
1/1は初期型と後期型をタナカ ガスガンで。
1/6は2つの製作元が違うと思われ、左はプラスティック=合成樹脂だが、右は金属製。
写真の通り、1/6の初期型と1/1はほぼ同じ。1/6のもうひとつはレール付きではない。
これは米軍に採用されたMk24をモデルアップしたのではないかと思う。
グリップが同じタイプなので一応出品。
これは弾倉もロングタイプか、装填中か、長い。
P226/06

SIGはこれより新しいSPシリーズ、小型のP230シリーズも入手しているので
ほとぼりが冷めた?ころにまたやる予定。
P226/08


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まとめ

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