ADMIN TITLE LIST
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2
今回は、コルトM1911A1。
M1911/01

[採用の流れ]
 米国陸軍は1873年発表されたコルトの金属薬莢式シングルアクションリボルバー(ハンマーを指で起こし発射する回転式弾倉拳銃)を1875年から採用した。
0.45インチの口径を持つこの拳銃を、コルトはシングルアクション・アーミー(以下SAA)と呼んだ。
SAAの市販タイプは45口径より、ウインチェスター社のライフルと互換性のある44-40弾使用のものが多かったという。
だが、45口径は制式という大きなネームバリューもあり、その後の「西部を制服する」有名拳銃となる。
この時代、スミス&ウェッソン(S&W)はカートリッジ式の弾で先を走っていたし、レミントンも使用されていた。
SAAの当時の生産数は、後のM1911A1などとは一桁違うくらい少ない。
なぜ後にコルトが代名詞になったのかというと、その前後が違ったからではないかと思う。コルトはその前からつい最近まで、ずっと米軍制式拳銃の座にあったからである。

M1911A1とSAA。
向かって左がM1911A1、マルイのガスブローバック。
右はSAA、ハドソンのモデルガンで、これは初期の型をモデルアップしたもの。
M1911/03

 その後、リボルバーは進化して、ダブルアクション(引き金を引くだけで発射できる),スイングアウト式シリンダー(弾倉がフレームから振り出される形式)を備えた38口径ロングコルト弾使用のリボルバー(M1892,M1894,M1896)が採用され、SAAはお役御免となる。
これらのモデルも、コルトが作ったものだった。更に言うと、その後20世紀に入ってもコルト38口径リボルバーはアーミースペシャルというモデルが存在する。
しかし、米国がフィリピン統治の際、現地のモロ族の抵抗にあい、この拳銃では威力不足だと判断される。
このとき、フィリピンには米海軍が派遣されていたが、実は海軍は以前から38口径を採用している。この傾向は昔からだったのか、M1851ネービー(実際使ったのは海軍だけではない)が36口径だ。

M1911A1とオフィシャルポリス,M1851。
アーミースペシャルの後継がこのオフィシャルポリス。
オフィシャルポリスはコルトの代表的な38口径サービスリボルバー(公用の回転式拳銃)だと思うので、代用として登場させた。
これはMGCモデルガン。
M1851はクラフトアップルのモデルガン。
M1911/14

米国は45口径を復活する事を決め、その後採用する自動拳銃にも45口径を求めた。
この要請には以前書いたようにドイツのDWMも応え、ルガー(過去の記事)を大型化したが不採用となった。更にライバルはサベージ社がいたが、結局コルトが採用を勝ち取る。これで再びコルト45が制式の座を得、そしてこれが70年以上続いた。
 ともかく、M1911(A1)は米国人にとっては最もなじみの深い拳銃であり、ベレッタM92FS(過去の記事)に制式を譲った今(一部ではまだ正式に使われている)も、米国民はこれを支持し続けている。

向かって左から、M1911,M1911A1,MEUピストル。
M1911とMEUはウエスタンアームズ ガスブローバックガン。
M1911A1はマルイ ガスブローバックガン。
MEUピストルは、老朽化したM1911A1のうちから程度の良い物を選び、スプリングフィールド製のスライドなどに交換して(どうやら最近は本体まるまま購入しているようだが)特殊部隊用としたもの。
M1911/02

[A1の改良点]
1911年から1926年まではM1911だが、これもハンマースパー(指かけ部分)が延長されたりはあったようだ。1926年(実際の供給は1927年とも)、改良型A1が制式になる。改良点はサイトの大型化,アーチ型メインスプリングハウジング,チェッカー入りショートトリガー(短い引き金),グリップセフティ後部の延長,トリガー後方の指の逃がしのためのリリーフカット(削り込み)などが盛り込まれた。
また、M1911ではブルーイングだった表面は、パーカーライズド(リン酸処理)とされた。
ガンブルーより防錆性が高いとのことだが、今日ではこれは塗装の下地に使われている。方法によって大きく違うのかも知れないが、充分錆びやすく、現在これをそのまま使うことは無いように思う。
もっともクロメートなどのもっと優れた防錆めっき処理技術が出てきたから、という面もある。当時これがあったら、M1911A1はオリーブドラブのクロメートになっていたように思う。
今回入手したマルイ製はサンドブラスト(砂を高速で吹き付ける)も施し、実に綺麗な表面仕上げになっている。
刻印も、深めではあるが、実銃同様、成形後打刻している。

A1に改良後は変更も無く、戦後(WWⅡ)も生産されなかったらしいが、軍用ナショナルマッチは1964年型などがあるので、少数の競技用などは生産,納入されたのかも知れない。

M1911(左)とM1911A1。
このM1911はMGCモデルガン。 
M1911/07

「市販モデル」
市販モデルは幅広いバリエーションが作られた。
まず短いコマンダーが作られた。これはアルミフレームも採用され、短い銃身,スライドそしてリングハンマーを持っている。軽量,小型を目指したものだ。この後、スチールフレームでコンバットコマンダーが作られた。
MkⅣシリーズ70は、M1911A1に近いガバメントモデル、そしてターゲット(標的射撃)向けのナショナルマッチゴールドカップが作られた。ナショナルマッチは軍納入のものもあるが、市販品はゴールドカップと称され、カップをあしらった刻印も打たれている。
少し話が戻るが、コルトガバメント(政府所有,官給品)の呼称は、以前から一般にそう呼ばれていたとか。
コルトでも販売促進の効果を狙ってか、政府所有物と紛らわしいこれを採用して、戦後は民間向けモデルのスライドに刻印するようになった。
これは結果として絶大なネームバリューを持つことになった。
アルミフレームだったコマンダーも、スチールフレームに戻してコンバット・コマンダー(これはMkⅣになっていなかった)として再登場、MkⅣはその後、オートマチックセフティを備えた80シリーズになる。
更にコマンダーより小型化を進めたオフィサーズモデルも登場、ちなみにいきなりMkⅣなのは当時新世代リボルバーがMkⅢシリーズとされていた為ではないかと思われる。(これもなぜMkⅡでないかは知らないが)リボルバーシリーズは改良されたときもMkⅣにはならずにMkⅤシリーズとされている。
10mmモデルはデルタエリート、オフィサーズより小さなディフェンダー、艶消し仕上げのM1991(これにはオフィサーズもあり)など、ともかくバリエーションが増大し、更に他メーカーの作もあって現在米国(トイガンでは日本でも)市場には夥しい数のM1911系拳銃が並んでいる。

左からM1911A1,MkⅣシリーズ70コンバットコマンダー,シリーズ80をベースにしたカスタムモデルのデティクティブスペシャル,シリーズ80オフィサーズACP。
コマンダーはMGCモデルガン。
デティクティブカスタムはウエスタンアームズのガスブローバックガン。
オフィサーズACPもMGCモデルガン。
M1911/04

[ショック死]
45口径神話についてはShootingTipsに寄稿されたSatoshiMaoka氏の記事が詳しいが、ショック死について少し疑問があったので調べてみた。
実は、モロ族の兵士もショックで死んだものだと思われるのだ。
ショックというと、アレルギ-のイメージなどが浮かぶが、実は出血多量での死亡の場合、正しくは出血多量による循環血液減少性ショック死であるようだ。
ショックについては医学的に以下のように説明されている。
「ショックとは「急激」に発生する多臓器の「循環不全」で、「有効」血液量が減少し、脳などの全身の諸臓器で末梢循環が著しく障害されるため、低酸素血症に起因した種々の病態を呈し、速やかに適切な処置が要請される病態である。原因としては、出血などによる循環血液量減少性ショック(hypovolemic shock)、薬剤によるアナフィラキシーショック、感染症に由来する敗血症性ショック(septic shock)などとともに心原性ショック(cardiogenic shock)がある。」 薬安第80 号,平成4 年6 月29 日(医薬品等の副作用の重篤度分類基準について) [VOLS00827 ]
ここにいう心原性ショックというのも、心臓に起因するショックで、心筋こうそく等によって起きる。
つまり、心理的な原因、よく裁判などで使われる「精神的ショック」は医学的なショック症状には含まれていないのだ。
医学的な「ショック」と、一般にショックという語とは異なる意味合いだという事である。

「心理的に」死ぬということがあるか、についてだが、1883年にオランダでブアメードという死刑囚に自分の血液が致死量以上に出血したと思わせたら死んだ、という事例が語られることがあるが、これが確かな資料に当たらず医学的に証明されたものか疑問がある。もっとも死刑囚を実験台にした残酷な実験なので封印されたという可能性もあるが。
一般的には心理的ストレスによって直接ショック死に至るのではなく、心臓疾患や他の症状で死亡するようだ。
もちろん、「病は気から」を否定するものでもないし、心理的な要素で重篤な状態でも持ちこたえる、ということはあると思う。
実は個人的なことだが、自身の出血を見て倒れそうになったことがある。
動脈が切れると、勢い良く出血するのだが、もちろん循環血液量減少性ショックに至るほどの出血では無かった。
自分でもそのくらいの判断は出来たし、これだけでショック状態も起こらないとわかっていても、気分が悪く、顔面が本当に蒼白になった。
意外に自分が小心者だと気付かされたのだが、これは不安感のなせる技だと思う。
閑話休題。
しかし胸を撃たれた場合、それが心臓を傷つけているか、は大抵当人にもわからないのではないか。
そして心臓が傷つけられている場合は、心筋こうそく,心室細動の場合と同じ(それ以上)で、痛みで動けず、場合によっては意識を失っているのではないないだろうか。
状況証拠に過ぎないはずだが、薬物等で痛みが緩和されていれば、助かるかどうかは別にして、心臓の損傷は即行動不能,死亡にはならないとしても不思議はないのだ。
ちなみにモロ族は今も独立を求めて紛争しているイスラム教を信じる集団で、宗教が最大の相違点で民族的には違いはないそうだ。それもそのはずで、もともと占領していたスペインがイスラム教信者集団を指して南米などでこう呼び始めたのが、ここで適用されたらしいのである。ややこしいのは、戦後になってこの集団が自らをモロ族と名乗り出したことである。
そして、発展途上国の異教徒原住民というと、前近代的な妄想や迷信にとらわれているイメージが出来てしまうが、これも進化論を否定して学校で教えない(これは最近のことだが)『先進国』の色眼鏡,バイアスがかかっていることも考慮すべきでは。
逆にいえば、言語や信じるものが違う,理解し合えない未知なるものに対する恐怖、これがより大きな弾を求める心理を生んでいるのかも知れない。
相手の抵抗力を即座に奪う45ACPのマンストッピングパワーは、結果的に死亡に至るエネルギーを大きく超えている。
米国での銃による死者は、ダントツで22口径によるものだそうだ。
これは最も普及し、消費されているという要素もあるが、小口径だからといって助かるわけでもない、ということではないだろうか。

ともかく、米国人が例え過剰な装備でもコルト45を持ちたがるのは、19世紀から制式として歩んできた伝統,そのもたらす多大な安心感を求めているという側面もあるのではないだろうか。

医学的な話にも首を突っ込んだところで、奈良県でまた、救急患者のたらい回しがあったというニュースを聞いた。
新たな体制を整える前だとのことだが、慢性的な産科医不足が原因とのこと。これなど、アジア,アフリカなどから医学生をつのり、その学ぶ期間と同じだけ日本で働いてもらうようなシステムを作れば、とか思うのだが。
もちろんその間の給料は払う必要があるだろうが、彼らはそれで自国で開業することも出来るし、研修中使い慣れた日本の医療機器も買って帰ったりしてくれるのではないだろうか。更に老後を外国で暮らそうという時に医療問題は少なからぬ障害になるが、日本で学んだ医師がいれば何かと心強いと思う。
世界の医療水準の向上にも当然大きく寄与する。
恐らく大きな政治力を持つ某団体が喜ばないだろうが、彼らが避けている仕事をしてもらい、結果的に彼らの責任追及をかわせるのだから、損にはならないと思うのだが。
舛添大臣、一度考えてみて下さい(このブログを見てないか)。

1/1と1/6の比較。
1/6の左は単品で購入したもの。スライド可動,弾倉着脱可能。
薄めのメタリックグレイ塗装も、いい感じである。
2番目はドラゴン製。
弾倉のみ着脱可能。
右はコトブキヤ ワンコインフィギュアシリーズ メインウェポン&サイドアームズのひとつだったと思う。
形状がややデフォルメされているが、トリガー,ハンマー可動である。
M1911/11

機会をみて、他社製ガバメント クローンや45口径DAオートも取り上げていきたい。
それでは、また来週(毎週更新が自分の課題になってきた)。
M1911/12

スポンサーサイト
web拍手 by FC2
今回は米軍制式のM16A1(AR15)。
M16/01

[採用,改良]
ユージン・ストーナー設計で、軍用機なども作るフェアチャイルド社のアーマライト(事業部というか一部門だったらしい)が作ったAR-10の小口径化版AR-15。
ベトナム戦争中に最初は航空機のよしみか、これが空軍の部隊でだけ使われていたが、AK47を敵に回して、重く反動もきついM14をジャングルで振り回すよりこっち、とばかりに全軍に配備される。
ところがここで閉鎖不良が大問題になってしまう。
そこで主にその閉鎖不良を対策したM16A1が登場する。
[リュングマンシステム]
リュングマン設計で1942年にスウェーデン制式に採用されたAG42。
AG42はガスピストンを持たず、チューブで導いた発射ガスを直接機関部に吹き付ける方式をに採用していたので、この方式をリュングマンシステムと呼んでいる。
リュングマンはこのシステムが新発明だと思って、パテント申請したらしいが、既に先例があったので却下されたようだ。
ストーナーはこれを採用して、彼はアーマライトでAR-10を設計、その後、AR-10に小口径高速の.223レミントン弾を使用するバリエーション(進化形?)AR-15が開発される。
この直吹き付け式ともいえる方式は、機関部がカーボンで汚れやすいという欠点が指摘されているが、はたしてどうなのだろうか。

今回はまず1/6で米国制式ライフルを。
1/6はライフルの数を揃えても置き場所もとらず、価格も安い(当たり前か)ので集めやすい。
上からM1ガーランド、M14、M1カービン、M16A1。
M1ガーランドは、第二次世界大戦中の米国の制式半自動ライフル。
この年代では敵国ドイツ,日本も含め、他国は手動式を制式にしていた。
M1ガーランドには、金属板プレス(実物と同じ!)のカートクリップが付いてきた。
恐るべし1/6。
M14はM1の後継機種。フルオート可能になり、ボックス型のマガジンも採用されている。
ベトナム戦争参戦当時の米国制式ライフルがこのM14。
M1カービンはM1ガーランドの補助的役割で、ライフルとサブマシンガンの中間を狙って採用され、第二次世界大戦を戦った。
カービンとは騎兵銃のことで、軽量,小型のライフルの意味。
指揮官や歩兵以外の兵士の間で使われ、そのコンセプトから、好評だったという。
M16/17


1/1はマルシン製モデルガン。これは10年以上前のものだと思う。
M16/02

アーマライトは自社生産は行わず、権利をコルトが買い取って生産した。
これにもコルトのトレードマークと製品の名称AR-15が刻まれている。
M16/03

[マルファンクション]
M16はベトナムで全面配備されてから、閉鎖不良が問題になった。
これは機構上の問題と弾薬、そしてメンテナンスの問題があったとされる。
しかし一番の問題は、ケネディのいう「国家が何をしてくれるか、ではなく、自分が何ができるか考えて」いなかったこと、何でも他人のせいにする無責任主義だったのではないだろうか。
[機構]
まず、機構は閉鎖不良という事態を全く考慮していなかった。
もし閉鎖不良なら弾を抜き、掃除をしろという事だったのだろう。
ただ、自動機械にはこの手の(供給,排出)トラブルは起こりがちなものであり、実は"予定通り"動かない機器の方が多い。そして機器の信頼性はこういったトラブルが少なく、また早い復旧が可能かというところで決まると思う。
その点M16は配慮が足りなかった。
ともかく、対策としてA1ではボルトフォアードアシスト(ボルト前進補助装置とでもいおうか)がエジェクションポート後方につけられた。これは閉鎖不良時にボルトを押すため専用の部品で、ボルトに横並びにつけられた階段状のリセスにこれが当たり、一回数ミリずつボルトを前進させていくというもの。

M16A1の左側面。閉鎖不良のボルトを押し込むボルトフォアードアシストがストック(銃床)の前にある。
M16/04

[弾薬]
弾薬は当初トライアルでテストして指定したものが使われておらず、コストの安いカートリッジが使われてカーボンが溜まり、閉鎖不良につながったという。
しかし、当たり前すぎる要素として、M16が軽量であり、弾も軽量、多くの弾薬が携帯でき、また反動が少なくフルオートでも撃ちやすいこともあり、大量に弾薬を消費していたためではないか。
当初M16には20発マガジン(弾倉)が支給されていたが、30発マガジンが供給されるようになると、兵士は皆、先を争ってそっちを求めたとか。
ともかく、兵士がM14のときより撃ちまくっていたのは間違いなさそうである。
[メンテナンス]
メンテナンスを怠った理由に至っては、あきれてものも言えない。
M16が先進的なデザインだから、メンテ不要だと思ったなどといったことが、報告で挙げられている。
先進的な姿とメンテナンスフリーには関連がない。確かにM16はアルミフレームにプラスチック銃床で、今でも知らない人ならSFに登場させても違和感を感じないだろう。しかし、これは勝手なイメージである。
そんな安易な思い込みで銃のせいにされたらたまったものではない。
これは閉鎖不良が命にかかわると騒いだ割に、分解掃除していなかったという、第一の故障原因を作った自らの過失を正当化しようとした程度の低い言い訳である。
そして、こんな言い訳をしている者は、恐らく本当は「命がかかっている」のでは無いのでは。
但し当時の米兵は徴兵でいやいや連れて来られ(もちろん志願兵もいたが)士気も低く、高温多湿のベトナムの気候にも参ってしまって何もする気が起こらなくなったのかも知れない。
[供給,教育]
また、前線にはM16本体や弾は送られてくるが、クリーニングキットが来なかった、という事項も理由に挙げられているようだ。
これも、一時的に物資の輸送問題などで行き違いがあったかも知れないが、全部隊的にそうならもともと作戦上の大問題である。
大体、軍隊は組織であり、故障が起こるまでクリーニングを怠らせることがおかしいと思う。
と、そこでようやくこの供給問題の原因らしい事項に行き着く。
M16は戦争途中で実線投入されている。兵士の多くはM14で分解,組み立ての教育を受けており、その分解法は全く異なる。
更に、米国だから皆英語に堪能,銃の基本的知識があるとは限らない。
道具と説明書だけ渡されても、全員は対処できなかったのではないか。
クリーニングキットが無かったというのも、実は送られてきて目の前にあっても、膨大な物資の判別,管理ができなければそこには「無い」のである。
おまけに米国の小銃はクリーニングキットが本体に収納されるようになっていなかった。上のM1カービンなどでオイル注しはつけていたが、日本やドイツのようにクリーニングロッドを銃身の下につけていない。
クリーニング法の教育を行わず、更にキットを別にしたのがまず問題だろう。
そこでM16A1では説明書を文だけのものから、イラストを多用し、セクシーなお姉ちゃんのイラスト付き(このブログのようだ)の親しみやすいものに変え、更にストック内にクリーニングキットを収納できるようにした。
この問題は、M16系で教育を受けている現在の兵士では、起こらなかった問題かもしれない。

ストック後方、バットプレート(肩づけする部分)のクリーニングキット収納スペース(マルシン モデルガン)。
カートリッジの先などでロックを外し、ストック内にクリーニングキットを収納する。
M16/06

[ピープサイト]
さて、米軍とM16の問題についての勝手な考察は以上として、米軍の歴代ライフルのサイトについても。
米国は代々小銃,サブマシンガンなどにピープサイトという、標的射撃用の銃でも使われるサイトを採用している。
これは穴(リアサイト)から覗いてその中心にフロントサイトの上端をもってくるサイト。
リアサイトに焦点が合わなくてもいいので、目の直前にもってくることが出来、前後サイトの距離=照準線長が長くとれ、その分命中精度が高く(もしくは銃を短く出来るように)なる。
たとえば旧ドイツ軍のKar98kより、M16は全長が短いが、照準線長は長い。
Kar98kと同じオープン型サイトのMP43やAK47(後半に模型写真有り)などは極端に照準線長が短い。
もちろん命中精度はこれだけでは決まらないが。

M16A1でサイティングの様子。リアサイトのピープ(穴)は大小2種類の切り替え式で、左右調整もリアサイトで行う。
M16/05

M16系でも、M16,M16A1はフロントサイトで高さ、リアサイトで左右方向を調整する。M16A2からは、リアサイトで上下左右の調整が可能になり、更にM16A4ではリアサイトとハンドルを一体化させている部品ごと外してスコープなどが取り付けられる。

[更なる改良]
M16の1/6バリエーション。
左端はザッカエイエムピー 1/6スケールガンコレクション(食玩)のM16。
なぜかフロントサイトがカットされているが、M16に採用されていたチューリップ型のフラッシュハイダー(銃口に付けて発射時の炎を低減する装置)と20連マガジンがついている。
フレームはA1だが。
次が同じメーカーのM16A1。
可動部はマガジンくらいしか無いが、造形はわりとしっかりしている。
その次はコトブキヤ メインウェポン&サイドアームズのM16A1。
こちらはエジェクションポートのカバーやチャージングハンドル,トリガーが可動。
次はM16A2(A3 ちなみに3発点射式がA2、フル・オートがA3)。
これはグレネードランチャー(榴弾発射器)付き。
これは単品購入のため、出所不明だがミリタリーフィギア用のもの。
グレネードランチャーがスライドして、グレネードが入り、これ用の照尺が起きる。
最後がM16A4。
これも単品購入のフィギア用だが、ずっしり重い。金属ではないのだが。
M16/07

1/6でM16系機関部の比較。
手前がM16A1。
次がM16A2。
エジェクションポ-ト(排莢口)後方に、ケース排出を助けるリフレクターが追加されている。
一番後ろがM16A4。
手締めのネジで着脱式のサイト+ハンドルを再現している。
M16/08

[アサルトライフル]
M16はアサルトライフルというジャンルに入る。
アサルトライフル(突撃銃)とは、マシンガンのようにフル・オートでも撃てるライフル。拳銃弾使用のサブマシンガンよりは命中率もよく、遠射も効く。そしてマシンガンより軽く、しかし装弾数は少なめ。
この欲張りなコンセプトは、サブマシンガンの採用や機甲師団化が早かったドイツでもなかなか認めらえず、第二次世界大戦終盤でようやく採用される。

左から(たぶん)MP43,AK47,M16A1。
アサルトライフルの始祖、MP43,MP44,stg44(この一連のシリーズはほぼ同じ、との事だが、ストライカー式からハンマー式に変わっていたり、変遷はあるようだ。AK47を取り上げるときに、ついでに調べて書きたいと思っている)。
これは赤外線照射式の暗視システムを装備したもの。
その後いち早くアサルトライフルの有用性に気づき、いち早く採用したソビエト連邦(当時)のAK47。
AK47はその後全世界で最も普及し、紛争のあるところには必ず顔を出す銃とまで言われた。
M16/09

[NATO制式]
M16で使われた5.56×45mm弾を若干改良したSS109をNATO軍でも採用した。
但し銃は各国独自のものが開発された。
各国の5.56mmライフルを1/6で。
左から順に米国のM16A1,日本の89式,ドイツのG36K(HK50K),スイスのSG552,オーストリーのAUG(Stg77),フランスのFAMAS F1,英国のL85A1。
M16A1,89式は固定ストック(どちらもバリエーションはある)。
G36KやSG552はフォールディング(折りたたみ)タイプ。
そしてAUG,FAMAS,L85などはブル・パップ式。
これは機関部をストック部分に配置して全長を短くする形式。
光学照準器で照準線長の短さをカバー出来るようになって一時期流行したが、折りたたみ式の方が短いのと、その可動部もしっかりしたものが出来たのか、現在では新たなものは折りたたみ式で開発されている。
M16/18

[バヨネット]
L85A1には面白いバヨネットがついてきた。
左がM16用M7?
右のL85A1用は、フラッシュハイダー(消炎器)に直接取り付けるタイプ。
そして刃の横を弾が通るように、取り付け部分には穴が開けられ、刃はえぐられている。
コンペンセイイターの原理でいくと、発射時のガスで右側に銃が動きそうな気もするが。
M16/12

[カービン]
最近米軍は、短い銃を重用しているようだ。
M16A1は固定ストック(銃床)だが、カービンタイプのM4では伸縮型を採用している。
左から、M16A1,XM177,そしてM4カービン2種。
XM177はベトナム戦争当時に仮採用(XMというのは試作につける型式で、現在ステンレス製ボルトで一般に広く使われているXM7という鋼種もそう)されたもの。
M4は第二次世界大戦時のM1カービン系以来のカービン銃となる。
ちなみにM1はセミオート、M2がフルオートで、M3は上記のMP43のような暗視装置付きのカービン制式名だ。
M16/13

長物は1/6を中心に(?)、Kar98やM700系スナイパーライフルなどを予定してるが、やはりサブマシンガンが手っ取り早そう。しばらくハンドガンをやったら、またやるつもりなので宜しく。
M16/15



web拍手 by FC2
今回はルガーP08を紹介。実物は(トイガンで、という趣旨上写真もトイガンのみだが)かなりの年代物なので歴史を中心に。
P08/14

[前史]
自動式拳銃の始祖とされるボーチャードを改良し、1908年初のドイツ陸軍制式P08となったこの拳銃は、1938年にワルサーP38に制式の座を明け渡すが、その後も不足を補う為に生産され、結局終戦まで使用された。
1908年といえば、何と99年(2007年現在)前である。

M66,M73など、"西部を制服した"レバーアクションライフルを作る米国のウインチェスター社。
そこにいたドイツ系のボーチャードが開発したのが自動拳銃の始祖でP08のもと、ボーチャードピストル。
ボーチャードピストルは、トグル・リンク式のショートリコイル機構を持ち、後部にストックをつけてカービン銃(騎兵などのために軽量,小型化された銃)として使える。
しかし米国では生産に応じるところがなく、ドイツのルドウィック・ローベ社が生産することになり、ボーチャード自身もコンサルタントとしてルドウィック・ローベに入る。
ボーチャードピストルを800丁ほど作ったところで、ルドウィック・ローベはドイツ金属弾薬製造会社と合併、DWM社となった。
DWMでも、結局2000丁ほどこれを作ったという。
ちなみにルドウィック(Ludwig)とは英語でルイス、仏語でルイ、伊語ではルイージと呼ばれるポピュラーな名前で、Ludwig van Beethoven(ベートーベン)もそうだし、米国のドラムメーカーとして有名なラディックもLudwigである。
ラディックのスネア・ドラムL400は世界で最も売れた、としてギネスブックにも載っているらしいが、このドラムのスイッチ機構も、くしくもトグル・リンク形式である。

1/1でまずタナカのガスブローバックガン。
左が6インチ海軍モデル(マリーネ)にタナカ製木製グリップ付き、右は4インチ銃身の陸軍制式モデル ヘビーウエイト(HW)樹脂製。
P08/02

[開発の経緯]
ボーチャードピストルの生産を受け継いだDWMで、これを米国などに売り込みに行き、デモを行ったのがゲオルク・ルガーだ。
技師でもある彼が改良を具申し、より小型,軽量のP1900が出来た。これがほぼP08の形状になっている。
ルガーはボーチャードピストルを大幅に小型化、マガジンの入ったグリップも傾き(角度)をつけることで銃のバランスを良くした。これはルガーの新たなパテントとか。
このときボーチャードは大きな変更に反対、会社を去ってモーゼル社に移ったという。
当時小銃の販売では協力関係にあったモーゼル社だが、モーゼルミリタリーC96を開発しており、拳銃分野では強力なライバルになっていた。
C96も大きめだが、ボーチャードよりは小型。そしてマガジン(弾倉)収納部とグリップを分け、後方に独立したグリップをつけたので、ストックをつけずに片手で使用するときもバランスはいい。これではボーチャードでは競争にならない。
P1900は、C96に対する対抗機種でもあったわけだ。
今日ルガーピストルとして知られるこの一連のモデルだが、DWMでは当初ボーチャード・ルガーピストル、後にパラベラム・ピストルと呼称していた。
パラベラムピストルはセフティレバー(手動安全器)のアレンジが変わったりするが、安全状態にしたときはドイツ語で「GESICHERT」の表示が出てこれを示す。
またカートリッジをくわえて薬室から引き抜くエキストラクターがカートリッジの装填の有無を示すインジケータも兼ねていて、ここも装填されると「GELADEN」(招く、という意らしい)の文字が現れる。

ルガーらはこれを米国にも売り込み、要求に合わせて9mmを45口径(11m強)に拡大したモデルを持ち込んだらしいが、さすがにこれは無理があったと見え、米国はいくらか買い込んでみたものの採用を見送り、結局ブローニングが設計、コルトが作るM1911が米国制式に選ばれる。
しかしパラベラム・ピストルはスイスを始めとして各国の採用を得る事に成功する。
話は前後するが、P1900で板バネを使っていたトグル・リンク機構の閉鎖バネをコイル式に変更、グリップ・セフティをつけたのがP1906。
これもドイツ海軍などが導入したが、グリップ・セフティ無しに戻してとうとうドイツ陸軍制式となる。
DWMとルガーが悲願?を達成したモデルはP08という制式名を得る。
ちなみにルガーの名は米国で輸入元のストーガー社が勝手に商標登録して呼んだことから広まったそうだ。
米国人は何かとペットネーム、愛称が好きなのだろうか。欧州は逆にアルファベットと数字のモデル名が多い。

P08とライバル達を。
左からルガーP08(タナカガスガン)、モーゼルM712(過去の記事)C96の一種、マルシンモデルガン)、コルトM1911(MGCモデルガン)。
P08/05

パラベラムとは、ラテン語の格言”Si vis pecem,para bellum"(汝平和を欲するならば戦に備えよ)からきている。
DWMはこの格言をよく引用し、ピストルの売り込みを図っていたとのこと。
このフレーズ、日本では受け入れられそうにない。
ドイツは結局二回も戦争して負け、周辺諸国も含め多くの被害者を出しており、歴史は「備えは平和に結びつかなかった」ことを証明したともいえるが、懲りずに現在も軍備しており、一応今は平和を保っている。
ともかくDWMは第一次大戦後、1930年にモーゼル社にこの拳銃の製造を任せて同業?のBKIWと合併してしまう。
既にボーチャードもルガーもいなかったのだろうか。

ワルサーP38とP08。
P38はマルゼン製ガスブローバックガン。
P08は上と同じタナカ製。
P08/10


DWMを造兵廠とする記述もあるが、これは第一次世界大戦時にDWM以外にP08を作ったエルフルト,スパンダウの両造兵廠と混同したのではないかと思われる。
その後ドイツは再軍備禁止条約を反故にして密かにこの拳銃の再生産を1934年からモーゼルで始める。
エルフルトの製造設備はズールのジムソン社を経てあのゲーリングが株主だったクルーグホフ社に移り、1935年からそこでP08が作られたとのこと(以上はほとんど全てネット上の情報)。

P08 6インチモデル。
タナカガスガンとマルシン製金属モデルガン。
タナカ,マルシン共に1917年製の海軍納入モデル、通称マリーネモデルをモデルアップしている。
トグルの上面にはDWMの刻印があるのも共通だ。
マルシン製は以前キットで販売されたもので、スムーズな木製グリップがつく。現在販売されているモデルは、完成品もキットもチェッカー(格子状のカット)入りである。
P08/06

[自動式の位置づけ]
ルガーは大口径化を選び、この拳銃の為に9mmルガー弾(パラベラム弾,略して9mmパラ)を開発した。
これはボーチャードの弾が比較的遠距離に主眼をおいていた、という側面がある。
ボーチャードの弾は7.62mmで、モーゼルC96もこれを用いている。
メカ方式は違うが、大きさも大き目であり、武器としてのコンセプト,位置づけはC96の方がボーチャードピストルに近い。
ボーチャードが考えたのは、単なる拳銃ではなく、比較的長距離射撃に向く銃だった。
ただ組み立て式で確かに軽量,コンパクトであるが、離れて撃ち合う場合、用兵を考える層は当時の手動連発式ライフルでも十分だと考えており、それを覆すには至らなかったのでないか。

[トグル・リンク]
ボーチャードのパテントであるトグル・リンクによる機関部の閉鎖機構は、関節が上部に持ち上がり、機関部が開放されるシステム。
これはストック装着を重視して考えた機構だと思う。
ストックをつけて構えると、片手もしくは両手保持の場合と違い、機関部の後方、かなり近いところに射手の顔面が来る。
C96のように後方に下がるメカでは顔面に当たる恐れもある。
しかしパテント侵害になるのでボーチャードと同じトグル・リンク方式は使えなかった。
そこでC96ではストック形状が前に頬づけ出来ないようになっている。
もちろんストックはグリップ後方につけるので手への干渉を避けた、銃の形に合わせて収納できるように成形したらこうなった、という側面もあるが、ただP08用ストックはストレートに近い(内部に銃を入れる形ではないが)。
恐らくC96のストックはこれらの要素を考え抜かれた形ではないかと思う。

トグル・リンクによる閉鎖システムを使い、自動装填化したのはボーチャードの発明だが、トグル・リンクの手動閉鎖システムは、彼が在籍したウィンチェスターのM66やM73の構造であり、ボーチャードの前にマキシムがトグル・ロックをマシンガンに応用していた。
ミソは閉鎖を手動レバーで開くか、銃身をつけたレシーバーごと発射の反動で後退させ、これを利用して開くかというところである。
反動利用に関しては、彼より後にウインチェスターに関わるブローニングもこの方式で自動装填の銃を作り、散弾銃から拳銃,マシンガンまで開発して天才ぶりを発揮する。

マルシン製モデルガンで分解写真。
P08/07

[機構の難点]
P08は各部品に製造番号の下2桁を刻印するなど、管理が行き届いている印象があるが、逆に個体差が大きく、手作業で一台ずつ調整して組み立てた、もしくは寸法を計っていくつかに分類、マッチングさせて組んだと見え、そのために番号を打ったようなのだ。
P08の修理をしようにも適合するパーツが無く、いくつもパーツを取り寄せてもなかなか合わない、という。
もちろん壊れなければそれでもいいが、世の中全く壊れないものなどそうそう存在しない。
P08のウイークポイントは、ストライカー後部のロック部分だという。
プライマー(衝撃により着火させる装置、雷管)が破れて発射ガスが吹き戻し、ストライカーを後部にぶつけて後方のロックを破壊してしまうという故障が起こることがある。
当時からこの問題は起こっていたようで、P08でも途中からストライカーの一部を削ってガスの逃がしを設けたりしているが、これも有効な対策とはならなかったようだ。
ガスが逃がされても、ストライカー前面の面積が無くなるわけではないので、多少衝撃力が下がった程度で、ストライカーはぶつかってくるからではないか。
他の機種で同等の事態が起こらないのは、プライマーを叩くパーツ(多くはニードル=撃針)の径が小さく、かつそのパーツの可動範囲も小さく、更に衝撃を受けても壊れない強度があるストッパが設けられているからだと思う。
P08は前後長も短いパーツの中に発火装置を組み込んでコンパクト化した結果、大径のストライカーが直接プライマーを叩く形になった。
しかし、P38の不足を補うためとはいえ再生産されているし、兵士もこちらの方が信頼していた(戦争末期のP38の製造がまずかったのもあるが)という話もあるくらいである。
複雑な構造から、製作の精度が悪いと完成しなかったのが幸いしたのか、連合軍の兵士もP08のほうを戦利品として持ち帰るべく血眼になっていたそうだ。

ウイークポイントになったストライカー部分。
このモデルガンは非発火モデルなので撃針が突き出していないが、発射ガスが入って後方のロック(このモデルガンでは銀のパーツの後ろにある黒いパーツ、実物と違ってスクリュー式)が壊れる。
P08/08

[バリエーション]
P08はその前のP06などグリップセフティの有無、銃身長などバリエーションがあり、更に製造の時代,工場によって刻印が違うなど細かいところは実に多岐にわたり、コレクターが多い。
日本ではタナカが現在ガスブローバックエアガンを作っている。
これはP06,P08があり、それぞれ4,6,8インチ銃身、そしてP08ではクリアモデルからヘビーウエイト、ミッドナイトゴールドというメッキ仕上げまで実に多くの種類が作られている。
マルシンも金属モデルガンで4,6,8インチ銃身付きを作っている。更に彫刻入りのゲーリングルガーも作られた。
現在無くなったメーカーだが、MGCは4インチ銃身の金属モデルを以前作り、その後ABSモデルでこれも4インチを作っていた。
入手しているタナカの4インチモデルはヘビーウエイト樹脂(略してHW)製。
トグルリンク上にはS/42と刻印されており、1934年から製造しているモーゼル社製のものをモデルアップしたことになる。
42は製造年ではなく、モーゼル製を指すという。
後のワルサーP38ではbyfという記号になっていたが、再軍備を隠す為の暗号と、戦争中製造場所を知られない為のコードとで変えたということだろうか。
レシーバー上面にKの刻印があるが、これが製造年を示し、Kは1934年を指す。1935年製はG、1936年になると堂々と製造できるのでここに1936と刻印したが、クルーグホフ(今も高級銃メーカーとして生き残っており、最近150万円くらいで少数P08を再生産するとかのニュースがあった)で作ったものはMの刻印が入っているという。
1939年からはS/42の記号が単に42となる。
ちなみにタナカの以前の4インチは、トグルにエルフルト造兵廠のマーク,レシーバー上に1918と刻印があり、第一次世界大戦末期のモデルとしていた。
テイクダウン(分解)レバー,セフティレバー,トリガーもシルバーで、レシーバー横のシリアルは手持ちのマリーネモデルと同じ(マリーネはフレームについているが)7415になっている。
これは今回のHWモデルについてきた説明書の表紙に載っているものである。
ちなみに箱の表紙はシリアル6015で今回のモデルと同じ。但し表紙のそれは木製グリップ付きで、シアーバーのセフティでブロックされるあたりの2桁シリアル打刻も再現されている。
タナカのこの一連のモデルはシアーバーが1934年以降のショートタイプと呼ばれるものなので、HWモデルの方が考証的には合っているが、バリエーションとして旧い方もコレクションしたいところである。

6インチと4インチではリアサイトも違う。
タナカのガスガンで比較。
6インチは距離に合わせて100m,200mの2段階切り替え式。
P08/03

2種のP08を後方から。
どちらもリアサイトはVノッチ(切り欠き)だが、4インチの方が大きい。
P08/04

ABSのときからついていたのか記憶が無い(!)が、HWを中古で入手したときには、ローディングパーツを模したパーツがついてきた。(下の写真)
実銃,モデルガンではこれを弾倉横のチェッカー部分に引っ掛けてフォロアーを下げて装弾を行いやすくするのだが、少し小さい。穴も小さくて引っかからない。
これはどうしたものかと思うと、説明書にフォロアーの上に入れて撃つと、空撃ちモードで使えるという。
P08は全弾撃ち尽くすとホールドオープン(後退したまま止まる)するが、手動で解除が出来ないので、弾を入れないと毎回ホールドオープンしてしまう。
そこでこれを差し込んで、ホールドオープンさせずに動作させることが出来るように配慮している。
P08/09

1/1と1/6
1/6はホルスターと予備マガジンが付いたものを入手できた。
いつものように単品で、出処はわからないが。
P08/11

色もガンメタル、グリップは濃い目の紫がかった茶色で、塗装だけに1/1より実物っぽく見える。
外観も細かく再現されているが、更にマガジンが抜け、何とトグルが作動する。
P08/12

web拍手 by FC2
今回はH&KのP7シューマッハカスタム。
P7SM/01

[シューマッハ]
P7(過去の記事)は既に取り上げたが、これはMGCがP7バリエーションとして発売、何故か1/6でもこれが作られている。
シューマッハカスタムは「ドイツの新進気鋭のカスタムガンスミス、アンドレアス・シューマッハがHK社より純正ロングバレルを特別に入手して製作。似たデザインで、サイズ別にコンペンセイターが2種、バレルウエイトが1種ある」(MGC カタログより)だそうだ。
MGCカタログにある実物写真ではサイトがノーマルなのだが、MGC製のガスガンでは更にミレットのアジャスタブル(調整可能)サイトも装備しており、標的射撃向けを狙ったのではないかと思われるモデルになっている。
有名なF1ドライバーとの関連は不明。
よくある名前だとも思えないのだが。
MGCではアウターバレルも金属製とし、豪華なカスタムになっている。
P7SM/02

[1/1モデル]
今回も登場するのはMGCガスブローバック式エアガンである。
但しこれは自分の物ではなく、友人U氏所有のコレクションを取材させてもらった。
U氏はケースも付属物も一式、かなり良い状態で保存されていた。
このMGC純正ケースはプラスチック製で、その色,入手時期からしてもこれはハイパーブローバック仕様だったと思われる。
P7SM/04

豪華といえば、ケース内には、当時の付属スプレー、弾、マニュアルそれにH&Kのロゴ入り栓抜き!(先端はドライバを兼ねているようだ)が入っている。
この栓抜きにそっくりなものが、MGCカタログでは実物の横にも置かれている。
MGCもこれを参考に作ったのだろうか。
しかし、大成功のグロックの後だとはいえ、MGCの豪華付属品攻勢は、その後は見られないくらいのもの。
P7SM/03

P7でシューマッハカスタム(左)とオリジナルP7M13。
どちらもMGCガスブローバックガン。
P7SM/05

[カスタム部分]
ミレットのリアサイト。
調整はフィリップスリセス(プラスの溝)に見えるが、マイナス用の浅いリセスが交差している形のようだ。
P7SM/07

ミレットサイトのサイトピクチャー。
水平,垂直も合わせやすいようにするためか、縦横にラインが走る。
フロントサイトは丸ドット。
P7SM/08

コンペンセイター。略するとコンプ。
反動による跳ね上がりを低減する重しとして、バレル(銃身)前方につけられているバレルウエイトに、更に発射ガスの一部を上に噴出させて跳ね上がりを抑えるコンペンセイター機能を持たせている。
左右4つずつの長穴が斜めに切られている。
古くは米国のトンプソンM1928サブマシンガンなどがコンプ付きで有名。
当時コンバットシューティングという競技が米国で流行していたが、そこでもコンプ付きカスタムが多く使われた。
またマズル(銃口)の外側が大きく面取りされているが、これはあまり見かけない形式だ。
弾道への影響という点では、内径側とクラウン(断面)が重要で、このため少し内径側に傾きを持たせた断面とする11ディグリー(11度の緩い逆テーパー)などのクラウンがある。
もしかすると分解の為にこのバレルウエイト+コンプを着脱する必要があるので(左横の2本のソケットスクリューはこの分解,固定用)、ウエイトにマズルを差込みやすいように実銃では考えられていたのではないか。
しかし、この仮説では、ガスガンと違い、バレルがコンプを貫通していることになる。するとバレルにもポートを開け、コンプのポートと位置を合わせていていたのだろうか。
P7SM/09

[1/6]
1/1と1/6。
今回のミニチュアは、以前のコルトパイソンと同じくコトブキヤ ワンコインフィギュアシリーズ 
メインウェポン&サイドアームズのNo.5 タイプP551(SIG)&タイプP7というものから。
P7SM/11

1/6だが、スライドは可動のうえスプリングが入っていて自動的に戻る(おかげで撮影時はホールドオープンさせるのに苦労した)。
また、マガジン(弾倉)も着脱可能で、もともと外装式ハンマーを持たないP7としては文句ない可動機能となっている。
外見も、前述のミレットサイト、バレルウエイト固定スクリュー、加えてスライド上の元のフロントサイトを埋めた(1/1ではスライドと面を合わせたものをアリ溝=ドブテイルに挿入)跡まで再現しており、実に細かい。
ただ、実銃を見たことがないくらいマイナーなカスタムで、しかも同じ仕様。
これはMGC製を参考にモデルアップしたのではないかとも思うのだが。
そういえば、MGCのエジェクションポート(排莢口)は実物と違ってスライド後退時に内部メカが見えるのだが、1/6もポート内側に中身がある。
もっともこれはスプリング内臓メカのためで、MGCの発射メカとは違うのだけれど。
今回の企画に協力してくれた、U氏に感謝します。
毎回そうなのだが、この時点でまだ次回分は完成できておらず未定(書きかけがいくつかたまっている)。
ネタとしてはミリガバ(何回も言っているが),P08などのクラシックなものも作成中。
P7SM/10

web拍手 by FC2
今回はベレッタM92FS。
M92/01

[米軍制式]
70年以上米国制式の座にあった、M1911(A1)の後継拳銃M9として米国に採用されたのが、ベレッタM92F。
これを改良したのが、M92FS。但しこれもまとめてM9,M92Fと呼んでいるような。

M92FSとM1911A1。
左がマルシン製M92FSモデルガン。
右はマルイ製M1911A1ガスブローバックガン。
M92/05

M92FSが登場する映画としては、ダイハードシリーズがまず浮かぶが、散々取り上げてきたので、今回は「リーサル・ウエポン」を。
実は4まで出ているのは知らなかった(汗!)
リーサル・ウエポン4【字幕版】 リーサル・ウエポン4【字幕版】
ダニー・グローバー、メル・ギブソン 他 (1999/07/23)
ワーナー・ホーム・ビデオ

この商品の詳細を見る

[新旧ベレッタ]
ベレッタは老舗の銃メーカーで、現在も拳銃だけでなく高級ショットガンなどが有名。
ベレッタは、第二次世界大戦時にイタリア制式だったM1934も作っていた。

上がM92FS。下がM1934。
M1934はウエスタンアームズ(WA)製ガスブローバックガン。
どちらもリングハンマー,スライド上が大きく削り取られたデザインで、これがベレッタのトレードマーク,アイデンティティでもあった。
逆にこれらを止めようとしたM90やM8000シリーズは、やはり人気が出なかったようだ。
M92/02

[ワルサーの影響]
M92FSは、M92からはじまったシリーズを幾度も改良したものだが、このシリーズ、ドイツのワルサーP38を研究して開発されており、大きく影響を受けている。
M92シリーズの前世代、M1951もイタリア制式9×19mm弾使用の大型オートだが、これもM92シリーズも銃身がスライドと一緒にストレートに下がり、ロッキングブロックというパーツがティルト(傾く)動作してロック解除されるプロップアップシステムという形式だけでなく、そのパーツ形状までP38に似ている。
ただ、スライドはバレルから約8mmのところまで延長されている。
ワルサーP38は後のオート拳銃に多大な影響を与えた名作だが、重心(銃身ではない)が後ろよりにある。
このため、発射の反動で跳ね上がる角度が大きい。
M92はスライド上が開いているが、この長さと、更にアルミ製のフレームでブローニング式(M1911やブローニングハイパワー)と同様のバランスを得ている。
トリガー(引き金)メカはM92で初めてダブルアクション(引き金を引くとハンマーが起き、更に引くと倒れて撃発する)を採用しているが、これはP38を参考にするものの、トリガーバーで直接ハンマーを引くなど合理化を進めている。
但しフレーム左側にトリガーバー(引き金によって引かれる部品)を露出させているのは同じだ。

M92FS(左)とP38(右)。
両者ともトリガーの上、スライドの下にトリガーバーが露出している。
P38はマルシン製モデルガンで、戦後タイプのチェッカー入りグリップ付き。
M92FSもチェッカータイプだが、これはトライアルの要求事項だったらしく、市販品でも一時期チェッカーが流行した。
だが、H&K社はトライアルに参加したもののシボ(細かい凹凸)タイプを好み、SIGは以前からチェッカーだったが、最近のものはシボタイプに変えてきている。M9トライアルの後世代のグロックもシボとステップ(段付き)加工である。
M92/03

[シリーズ展開]
ベレッタはもともと中型拳銃を得意とし、上のM1934も弾薬は9×18mm、9mmショートという中型オート向けの弾。サイズも150mmほどで正に中型拳銃である。
M92シリーズ開発時も同時に中型オートも考えられ、M92と同様にダブルアクションと複列弾倉を採用したM84シリーズ(M81~)が同時発表された。
M92もM84も口径や弾倉を単列にしたものなど、多くのバリエーションを生む。

M92FSとM84F、M84。
M84FはM84の改良版。これもWA製ガスブローバック。これはサイレンサー付き。
M84はM92FSと同じくマルシン製モデルガン。
M92/04

[M92の限界]
M92は登場当時、最新鋭の拳銃である。15+1発の装弾数とダブルアクション機構、アルミフレームというスペックは当時S&WのM59(後にこれは14+1発に減らされる)くらいしかなく、また鉄フレームでもCZ75くらいで、しかもこれは東側の製品、供給に問題もあった。
M92は上記のように、看板であるM1934のイメージを崩すことなくワルサーP38の機構を取り入れ、またブローニングの重心バランスなども考えて設計されたと思うが、やはり失ったものもある。
その部品配置から全長が短いバージョン(センチュリオンとかやってはいるが)を作りにくくなったのである。
また大口径(これも40S&Wはある)化の限界もあったため、銃身自体が回転してロックを解くM8000=クーガーシリーズを別に立ち上げる。
全長は217mm、センチュリオンは197mm、そしてM8000は180mmとなっているが、クーガーも全長はともかく、全体的に厚みがあり、余りコンパクトさは感じない。

長さの異なるベレッタ。
左からソードカトラス,M92FS,M92FSセンチュリオン,M8045。
ソードカトラスはコミック,アニメーション「ブラック・ラグーン」の架空銃をKSCがガスブローバックガンで再現したもの。
6,5インチバレルと延長スライド,グリップなどを新作、全長は255mm!になっている。
ソーコムMk23(これは実在)でもそうだが、拳銃も黄金比というか、長めはやはり格好いい。
短い方の限界の話だった。
M92FSは上記のマルシン モデルガン。
M92FSセンチュリオンはWA製ガスブローバックガン。
M8045はM8000シリーズの45ACP弾仕様。
これもWA製ガスブローバックガン。
ソードカトラスとM8045はステンレス仕上げアイノックスを再現している。
M92/13

M92FSとM8045の上面。
M92FSはベレッタの伝統、スライド上面の大きな開口に加え、上記のロッキングブロック用リセス(溝)がある。
バレル両横の銀色のパーツがロッキングブロック,それが見える部分がリセス。
M92Fではここが強装弾により破断する事故が起こった。
このため熱処理を徹底し、また切れてもスライドが後方に飛ばないよう、ハンマーピンの縁を大径化してストッパとしたのがM92FS。
M92/07

M8045(左奥)とM92FSの左側面。
M8045の排莢口に見えるのが、ロータリーバレル(銃身回転)ロッキングラグ。
M92/08

M92FSとSIG P220を後方から。
M92FSはWA ガスブローバック、P220はコマーシャルモデルで、タナカ モデルガン。
どちらもサイトはフロントに白ドット、リアには中央下に白ラインの構成だ。
(マルシン モデルガンM92FSは3ドットらしき凹みがあり、時代により、サイトアレンジは違うものと思われるが、M92登場時、またP220登場時は、このフロントにドット、リアはノッチ=切欠きの下に角型白ペイントという形のようである。)
M92に限らず、ベレッタはリアサイトが小さめで、どちらかというと精密射撃向け。
また曲線でスライド上を構成,セフティがそこに付くなどリアビューは賑やかだ。
M92FSは分解レバーにもロックボタンがつくなど操作部品も多く、更に動かさないものでもオートマチックセフティなど「レバー?ボタン?」と間違いそうなものもあり、拳銃の扱い、基本が分かっていればいいのだが、全くの素人には戸惑いが大きいのではないかとも思う。
もっとも米軍制式に選ばれてから、他でも大きくシェアを伸ばしたろうから、これがスタンダードになれば、気にならないことかも。
米軍装備ではM16も対策の為、ボルトフォアードアシストをつけたり、と足し算式の追加対策が好きな傾向があると思うが、それまでの機構を全く変更しても、信頼性は一からのものとなるので、やはり既に検証されたものを少しづつ改良するのも無難な方法かもしれない。
M92/11

[1/6]
1/1と1/6。
1/6は2つ入手しているが、どちらも単品購入。
ひとつは無可動だが、もうひとつはスライドが後退、マガジンも抜ける。
店頭で装備パックを確認したところ、これはドラゴン製ではないかと思う。
可動だけでなく、これはグリップに非常に細かいベレッタロゴが再現されている。
いままでここまで精密なものにはお目にかかったことが無い。
どっちだったかホルスターも付属していた(多分写真のこれ)。
M92/09

ベレッタは1/6でも中型がいくつか出ているようだが、運悪く?これまで出会えていない。手に入ったらまた取り上げたい。
M92/10

web拍手 by FC2

| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2007 Gun1+1/6, All rights reserved.
まとめ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。