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今回は、H&K(ヘッケラー・アンド・コック)のUSPを。
USP/01

[世界標準]
USPはユニバーサル・セルフローディング・ピストルの略だという。
その名の通り世界,とりわけ米国を狙った戦略機種である。
開発中から米軍特殊部隊を総括するSOCOMに向けたMk23も同時に試作される。92年にMk23が、93年にUSPが発表されている。

45口径のMk23ソコム(手前)とUSP(後ろ)。
両者ともKSCのガスブローバックガン。
Mk23はプロトタイプをモデルアップしたほう。KSCでは量産型も作っている。
USP/10

USPは最初から40S&W弾の使用が前提とされており、当然9mm口径モデルもある。バリエーションは各種ターゲットモデル,45ACPモデル,Mk23,コンパクト,ドイツ軍用のP8,そしてコンパクトの発展型P2000など。

USP45ACPモデル,USP40S&Wモデル,P8。
全てガスブローバックガン。
45口径は上記と同じKSC製。
40S&Wはタニオコバ製。
P8(9mm)はタナカ製。
USP/02

USP45モデルとコンパクト。
これも両者KSC製。
USP/03


ガスブローバックのトイガンとしては、まずタニオコバからガスブローバックのUSP40S&W仕様が出た。そしてタナカが9mm仕様でUSP,P8を出し、タナカはモデルガンのUSPも出した。バリエーションでタナカはコンパクトも出したが、これはグリップ部がそのままだったような。
KSCはまずMk23を、そしてUSPコンパクト,45ACPのフルサイズと3つを出した。更に最近、フレームの色違いも出している。
マルイは固定ガスのMk23,コッキングのUSPを作っていて、電動でもUSPを作った。
他にもコッキングガンでモデルアップしているところもあるようで、ともかくUSPはトイガン業界ではグロック以上の人気機種である。
そしてさすがに人気モデル、通常はひとつの仕様(この場合40S&W)に集中するのだが、これだけバリエーションが出てきている。

USPはフレームをポリマーで作っているが、これも口径やサイズ毎に変えてきている。
そういう点では一機種で幅広いニーズをカバーするのではなく、閉鎖機構などの共通部分を除いて、極力パーツを変えて対応しようとしているようだ。

USP45ACPモデルとMk23、コンパクトのグリップ部分の比較。
3モデル共KSCの作だが、これだけフレームサイズが違う。
USP/11


USP各口径のチェンバー。
奥から9×19mm,40S&W,45ACP。
USP/04


KSCのUSP45には、マガジンにレーザーによる刻印も施されている。
USP/05


[超大型]
USPシリーズは大柄である。
上記のように細かくフレームサイズを変えたりしているが、スライドの幅があり、同クラスの他の拳銃と比べても、ごつい印象を受ける。
特にMk23は群を抜いて大きいが、これは特殊型なので(後にこれだけを取り上げるつもりでもあるので)、45口径で各種揃えてみた。広角で手前が大きく見えるのもあるが、比較してみて欲しい。

45オートの各種拳銃と。
左上から、AMTハードボーラー,S&WのM945,M4505,ベレッタはM8045,手前がUSP45。
ハードボーラーはタイトーか新日本模型時代のガスブローバック。
M945はKSCのガスブローバック。
M4505はタナカのガスブローバック。
M8045はWAのガスブローバック。
USP/14


USP45とM945のスライド。
45オートの中でも、特に贅肉を落とされたM945のスライドと比べると、USPのスライドのごつさがわかると思う。
USP/09


[ポリマー]
H&Kは拳銃のフレーム素材にポリマーを持ち込んだ先駆者である。
ポリマーとは多数の分子が重合してできた分子で、分子量1000以上の有機化合物。ナイロン,ポリエチレンなどもこのジャンルに入る。
H&KではP9でグリップパネルと別体のポリマーのトリガーガード+グリップフロントストラップを、VP70(過去の記事)でグリップ部も一体のポリマーフレームを作った。
P9は`65年発表だが、製造は`69年からだとか。これにダブルアクション機構を加えたP9Sは’70年に出ている。
VP70も`70年発表らしいが、’72年との記事もみられる。
ともかくこれらは’80年代末には生産を終了し、H&Kは削り出し鉄フレームのP7(過去の記事)に主力を移行させていた。
しかしここでH&Kの思惑は外れ、市場でのP7の評価は限定的だった。このころグロック(過去の記事)が大旋風を巻き起こし、ポリマーの本家H&Kを食っていた。また、SIGはアルミフレームだが、P226(過去の記事)などが高い評価を受けている。P220で始まったこのシリーズはチャンバーをスライドのエジェクションポート(排莢口)にかみ合わせた画期的なロック機構を持っていた。但しこれがパテントでも’90年には切れていただろうから、H&Kはこれを使ってオーソドックスなショートリコイルのUSPシリーズを開発、巻き返しを図っている。

左後方からポリマーDAオートの始祖、VP70M,G17とこれを追ったSIGMA,USP,SP2340,P99。
全てガスブローバックガン。
VP70はタニオコバ製。
ダブルアクションオンリー,ストレートブローバックというシンプルな機構のモデル。
G17はKSC製。グロック特有の半分ダブルというべきセーフアクションを持つ。
SIGMAは大手S&Wがグロックの真似をやったモデル。発射機構はダブルアクションオンリーとなっている。これはウエスタンアームズのマグナガスブローバックモデル。
SP2340はSIGのポリマーオートで、これはバレルにガスポートを持ったKSCのXM13トライアルカスタムにノーマルのサイトを載せたもの。
P99はトライアクショントリガー(3通りの引き方)を持つワルサー起死回生の作。マルゼン製。

USP/15


[ユニバーサル]
オーソドックスな機構に人気のポリマーフレーム(これはH&Kが元祖ともいえる)で無難にまとめた作品を狙ったのだが、ドイツ人の几帳面な性格からか、人間の操作にも正確さを前提としているらしく、セフティ操作でデコックしてしまうという欠点?がある。
セフティアレンジは多いが、基本は上げてセフティオン、下げてデコックする。P8は一段下げてオン、更に下げるとデコックで、これは従来使用していたP1(P38)などと統一する為だったとのことだが、実際の使用でも、セフティオフ時に誤ってデコックしないのでこちらが良いと思う。
基本の仕様は、M1911など、フレームにセフティを持つモデルの標準的操作方法(スライドに持つものはこれと逆が普通)にしたため、この問題が生じることになった。

P8とUSPのセフティ。
左がP8、右がUSP。共にセフティはオン(かかっている状態)の位置。
USP/12


USPではP7M13に続きアンビ(左右両用)のマガジンキャッチとして、トリガーガード両側にレバーがつく。特にUSPでは、この誤動作対策として、トリガーガードを広げている。
USP/16

結局H&KはM1911式の押しボタン型マガジンキャッチを一度も採用していないように思う。ここらへん、SIGとは対照的だ。

USPにはライトなどのオプションを付けられるようにレールが設けられているが、これが独自規格で専用のアダプターが必要だ。
しかし、登場当時はレール規格がまだ統一されておらず、上で紹介したSIG SP2340もワルサーP99も独自のレールである。
実はユニバーサル化には、こういった規格の統一の方が重要なのではないかと思う。そして、このためには、自社の独自規格に拘らない、また、早くからパテントを普及のために破棄するなど、思い切った方策をとらないとなかなか統一できず、結果これだけの規格が乱立することになる。
現在はようやく統一化が進んでいるが、このレールのパテント、開発費といっても、たかが知れていると思う(間違っていたら、それはそれでメーカーの方が大きな問題を抱えていることになると思う)。
それでもこれだけ混乱するのだから、世界標準機種の難しさを感じる。


[1/6]
さて、1/6はコトブキヤ メインウエポン&サイドアームズ No3についてきたもの。
このシリーズは可動部を増やすことに拘っていて、これもマガジン脱着、スライドがバネ入りで可動する。
そして動くものが多い割りに外観の再現もいいと思う。
1/1はタニオコバのUSP40S&Wモデル。
USP/06

実はこのブログで最も多く紹介されているメーカー、H&Kでも、最もコレクションが多いのがこのUSPである。とりあえず口径が違う、コンパクトモデルがある、などのことでついつい集めてしまった。
なんだかんだいっても、この造形、そしてあくまでも主張を通す頑固さ、好きなのである。
次回は米海兵隊も採用した最近話題?のコンバットショットガンを予定。
それでは。
USP/07


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今回は、SIG P232。
P232/13

[経緯のミステリー]
SIGがザウエルと提携して始めたDA(ダブルアクション)オートは、軍用のP220シリーズと警察用,民間護身用のP230シリーズの2本立てだった。
P232はそのP230の改良型である。
P230はスイス警察の要望で開発されたという。
しかし、発表前後からドイツ警察のトライアルも受けていたようだ。
使用できる弾薬に9×18mm(9mmポリス,9mmウルトラという名がついたが、結局特殊なので普及しなかった)があるが、これはSIGがオーストリアの弾薬メーカーと’60年代から開発していたとか。
但しこの弾薬については、戦前からワルサーPPがテストした経緯があるという記述が今回のガスガンを作ったKSCの取説には記載されている。
P230は1977年完成との記事があり(床井雅美「オールカラー軍用銃辞典改訂版」P61)、これまたKSCも取説で1977年の作としているが、他では1976年との記述もみられる。しかし、どうやらそれ以前にP230は世に出ていたらしいのだ。
1973年からドイツ警察用拳銃の選定が行われており、これにワルサーもPPスーパーで共に参加していた(これも`73年にP230が提出されたのか、話が`73年からで、モノはもっと後だったかは不明)。
但し結局9×18mm弾を採用しなかったから、これを使う両者は却下されている。
また、面白いのは昭和51年5月に刊行された小橋良夫氏の「ピストル」で、初期型P230がイラストだが紹介され、民間にも販売されている旨記載されていることだ。
これに従うなら、P230は1975年ということになるのではないだろうか(原稿執筆から本の刊行までの期間もあるので)。
そしてP220が1975年に発表されているとの記事があるので、モデルナンバーの順番からいってやはりこの後か同時発表ではないかと思われる。すると、試作品の段階でトライアルに参加(採用されなかったのだが)、後に一般に向け発売、ということのようである。
1998年、上記のようにP230はP232にバトンタッチしたが、この間、そう、P231というモデルもどうやら存在するらしい。
P231はP230,P232両者と(この2つは同じ)グリップスクリュー寸法が異なるところまではホーグ(社外品のグリップメーカー)の適合表で確認できたが、年代的にはP230の製造終了とP232の開始が同年、しかも仕様としてP232と同じくスライド後退量を増したもの、とされているので、果たして外観がどのように違うのか、興味あるところだ。

更にP230は初期に細かいスライド側面セレーション(溝)と広めの2種があったという。
そしてどうやら、9×18mm弾の方が広いセレーションだったようなのだ。
これは基本的に1982年まで(一部1983年頃まで)続いていたという。
そしてP232で更に広い幅のものに変わっている。
P230,P232は口径9mmがメインで、9×17mmと9×18mmのものがあり(P232に9×18があったかは不明)、あとは7.65mmと22口径が生産されている。

日本の警察用、P230JPとニューナンブ。
P230JPはKSCのガスブローバックガン。日本の警察用の特注安全装置も再現している。
ニューナンブの名称は商標の関係か使われていないが、これはマルシンのガスガン。
P232/09

日本の警察がサムセフティを追加したP230JP(これが制式名称なのか、通称なのかは不明)モデルを導入したのは、正式には1995年以降とされているが、導入した製品にはW.Germanyと入っていて、1990年(東西ドイツ統一)以前ということから、これもちょっとしたミステリーである。
P230JPを1990年以前に作っておいた可能性はあるし、また以前に生産,もしくは部品の状態で在庫したP230を後に改造した可能性もある。このときわざわざWの文字を消すのもおかしいのでそのまま出荷していても、虚偽の表示にはあたらないと思う。
ちなみにP220は日本で生産しているが、P230JPはドイツ製で、日本特注仕様の余った分は米国で売られたそうだ。
更に噂だが、現在日本のミネベアで、P230JPが生産されているという話もあるが、これは大いに疑問だ。
警察関係の注文では小数にもかかわらず製造設備を整備すると莫大なコストがかかる、自衛戦力でもないのに(しかも他国の多くの機種で代替がきくし、事実S&W製のものも使っている)国産化する必要がどこにあるのか、更にドイツで余っていたということもあり、するとわざわざ作る必要がないからだ。
P230JPとP220。
P220はタナカのガスブローバックガン。
これは航空自衛隊向けに日本のミネベアで生産されたモデルをモデルアップしている。
P232/04

ついでにP220の刻印。
左がコマーシャルモデル、右が航空自衛隊モデル。
9mm拳銃の刻印がわかるだろうか。
P232/05

ともかく得られた情報が少なく、それが今回の記事のように謎が謎を呼ぶ状態を生んでいる。
ここ30年ほどのことで、しかもまだ現役のモデルなのだが。
何度も取り上げているKSCの取説に、お詫びとして「以下で刻印のバリエーションをご紹介しますが、P230という銃は日本国内において極めて情報量の少ないモデルなため、必ずしもすべてのバリエーションを網羅できたとは思えません。モレ等がある可能性がありますのでご了承ください。」とわざわざ書いている。

[機構,意匠デザイン]
P230シリーズはシンプルなストレートブローバックの作動機構を持つ。
素材についても記述を見つけられなかったが、重量が500gを切る軽量さ(エアガンが数十グラム軽いだけ)であり、ほぼ同じ構成で(全長は短い)鋼(ステンレス)製のPPK/S(過去の記事)の重量からいって、これはアルミフレームでないと達成できないと思う。同時期のP220もアルミフレームだ。
意匠デザインはワルサーPPの影響が感じられるが、ザウエルが戦前作っていたM38Hの直系ともいえる機種で、オートマチックセフティとデコッキングレバーを備える。
全弾撃ち尽くすとスライドが後方でストップするが、ストップリリース(解除)レバーは無いので、前進させるにはスライドを少し引く必要がある。これはワルサーPPなどと同じ。モーゼルのHscやH&KのHk4は、弾の入ったマガジン(弾倉)を挿入すると自動で前進するらしいが。
ハンマーは外装式だが、丸まった短いスパー(突起)で、トリガーガード前方もなだらかな傾斜にするなどモーゼルHscに似た要素を持ち、引っかかり難いよう配慮されている。
全長は169mmが公表データで、PPKなどよりは長いが、幅方向にセフティなどの突起物が無い(デコッキングレバーはある)為隠し持ち易い。また流線型が多用され、体に当たっても痛い部分が少ない。
マガジンキャッチ(弾倉止め)はグリップ底部につく、いわゆるコンチネンタルタイプ。
ワルサーPPも初期の頃このコンチネンタルタイプで、後にコルトM1911ガバメント(M1911A1の過去の記事)などと同じ押しボタン式に改めている。

P230とライバル達。
左上から、G26,M84。
下段左から、P232,P230JP,PPK/S。
G26はマルイのガスブローバックガン。実銃は9×19mm弾10発の複列弾倉をこのサイズまで小型化したもの。
M84はマルシンのモデルガン。
M84実銃は9×17mm弾だが、これも13発入る複列弾倉を持つ。
P232もKSCのガスブローバックガン。これはヘビーウエイト樹脂製。
PPK/Sはマルゼンのガスブローバックガン。
実銃は7,65mmか9×17mm弾で、単列弾倉。
P232/07

各銃を下側から。
P232,P230JPはグリップ底部に弾倉止めを持つ。
P232/08

押しボタン式の方が交換は早い。銃を握った右手親指でボタンを押しながらマガジンを落下させ、左手で次のマガジンを握って挿入できるからだ。但しこれはマガジンを傷める原因であるから、マガジンを捨てる覚悟で行わなければならないこと、誤ってマガジンが脱落する危険は押しボタン式の方が高いことがデメリットである。もっともPPはスライドとグリップによって誤って押されにくい場所にボタンを配置しているので、この危険も低くなっている。
M1911などがそうしなかったのは、スライドストップを外装式とし、レバー操作できるようにしたため、この場所が使えない(もっともこっちがPPより先なので、それぞれの機能から配置を決めた)からだろう。
SIG/ザウエルはP220でもコンチネンタルタイプなので、護身用でより早い交換より確実性が重要なP230ならこっちを採用しているのは当然かも知れない。
また、H&Kが左右両用のレバー式マガジンキャッチを発明するまで、コンチネンタル式の方が左利きにも有利だった。P230はデコッキングレバーを除けば左右兼用である。
押しボタン式でも、左右を変更出来る機種もあるが、予め変更しておく必要があり、やはり両用のタイプの方が便利といえる。右利きでも、左手で操作しなければならない状況も考えられるからだ。

SIGの拳銃 各機種。
左からP232、P228、P210。
P228もタナカのガスブローバックガン。グリップはシボタイプだが、P232のそれとは少し形状が違う。
P210は今回MGCのモデルガンで、SFモデルという透明プラスチック製のものを。
これは昔に通常版より安価で発売し、当時は不人気だったのだが、今では珍しい存在になってしまった。
最近ではタナカがP08でクリアモデルを作っていたが、これも結構長い間売れ残っていたような。
P232/06



[1/1トイガン]
P230JPとP232。
P232/01


ダイカストパーツの表面も綺麗に面が出ており、黒染め(ブルー)は少し落ちやすいが、非常に品質が高い印象を受ける。
今回のP232は、ヘビーウエイト(HW)樹脂製だが、持った感じ重量はP230JPと変わらない。
P230とP232ではパーツはスライドとグリップパネル,サイトが異なっている。フレームは刻印だけが違う。
上記のように実物はスライドの後退距離が増えているらしい。
JPはランヤードリンク(肩掛け紐を止める為の輪、これでは長穴),サムセフティも装備されている。口径の表示も7.65mmとされているが、さすがにマズルまで新作とはいかなかったようで、ここは共通だ。

P232/02

どちらも中古を格安で入手しているのだが、P232はオプションパーツの先端ネジ切り付きバレルが付いてきた。サイレンサーやコンペンセイターも豊富に用意されていたのだが、現在も入手できるのだろうか。
KSCの得意とするパーティングライン(型の合わせ目)を消す為のNC(自動制御フライス)加工はこの機種から導入されているという。
P232では加工痕が残っていないので、HW樹脂では表面の凹凸の方が目立つのかもしれない。
また、このトリガープルが非常に気持ちいい。引ききる手前で、すっと軽くなって落ちていく。最後で急に重くなったり、粘ったような感触があるものとは大違いだ。
ただ、ストロークは多く、精密射撃に向くかは疑問だが、護身用なのでこれは実物でもそうなのかも知れない。
そして、手元のP232の方がP230JPより軽く,スムーズに感じる。
グリップはP230がチェッカーの配置も含め直線的なデザインで、端正な印象になるのに対し、P232のそれはシボ(凹凸)タイプで大柄で丸みがあり、ややファットな印象だ。
しかしさすがに改良しただけあって、グリップの角が感じられず、また反動も受けやすく(エアガンなのでもともと全くきつくは無いが)撃ちやすく感じる。ルックスのP230、フィット感のP232という感じである。
サイトはP230の2ドットからP232で3ドットに変更されている。現代では3ドットが一般的になった。上下方向は合わせ難い気もするが、個人的には2ドットも好きだ。
P232のサイトはフロントも少し大きめになっているが、サイト間の隙間(狙ったときリアサイトのノッチの幅とフロントサイトの幅がどの程度余裕があるか)が少し大きい。
ここはP230の方がタイトで好みだ。

P232/03

スライドの加工は、側面のセレーション以外にトップのセレーションもP232が大きめ、マズル(銃口)付近、スライド前方下側はP232が丸められている。
P232/10

1/6はP232で、コトブキヤ ワンコインフィギュアシリーズ メインウェポン&サイドアームズから。
色は少し緑がかったもので、グリップの黒と対比させている。
マガジン脱着、スライド前後動が可能、と小さいながら機能は充実している。
SIGも以前取り上げたP226以外に、いくつか予定している。ではまた。
P232/12


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今回は、ソビエト連邦(現ロシア)制式のAK47を取り上げる。
AK47/01

[概要,経緯]
AK-47は、ソビエト連邦の制式ライフルで、第二次大戦後すぐの1947年に採用されている。
外観は洗練や優美さからは程遠いが、簡単な操作,機構で丈夫が取柄、この後継機種も含めると世界でもっとも普及しているといえる。
ソビエト連邦は終戦間際に登場したドイツのMP43(MP44,stg44)に苦しめられた経験からその有用性を認識し、これを手本にして全軍の主力小銃として採用することを決めたのである。
これは大変な決断力か、もしくはどうにもならない事情があったかだが、どうやら両方でかつ、後者の要素が強かったように見える。
当時ソビエトは体制の違いから諸外国の武器を調達するのも問題があり、早急に自前で自国,連邦加盟国の主力ライフルを整える必要があった。AK47制式のわずか2年前、1945年にとりあえずSKSを採用するなど、ともかく整備を急いでいたようなのだ。
開発に携わったのは後にAK(カラシニコフ自動銃の略)の名称にもなったカラシニコフで、彼は当初メインの開発者ではなかったが、担当者スダエフ急死のため指揮をとることになったという。
また、開発自体も部内でのコンペ方式がとられ、拳銃TT-33(過去の記事)で有名なトカレフもコンペイターとして名を連ねていた。

1/1と1/6のAK47。
1/1はハドソン製モデルガン。初期のもので、発火方式がオープンデトネータの物。
1/6は単品購入で出所は不明だが、いくつか入手したAKの中では最も良く出来ているように思う。
AK47/11

[アサルトライフル]
AK-47はアサルトライフルという現代では兵士の一般的装備となったジャンルの銃である。
assaultは猛攻撃,接近戦,といった意味になる。
MP43は製造が承認されなかったので、マシーネンピストルつまりサブマシンガンの型式で誤魔化して製造していた。
MP43は撃発方式をハンマー式に変え、MP44となっていたようだ。
これ(密造?)がヒトラーに知れて彼は激怒するが、知った経緯が戦場で功績のあった兵士に欲しい物は何か尋ねたらMP44だった、ということだ。
このため無下に中止させる訳にもいかない、というより、ようやくその射程も短く,パワーも低い(そのへんがヒトラーは気に入らなかったらしいとも言われるが、実は既にKar98k用の8mm弾が、億単位の在庫があったので変更できなかったとも)この銃の実力に気づいたようで、名前も戦意高揚を狙ってstg(スキュルムゲーベル=突撃銃)と変え、生産させたらしい。
そして通常のライフル弾より短く低いパワーの弾を使い、全,半自動切換え式の小銃をアサルトライフルと呼ぶようになった。

アサルトライフルの始祖、stg44とAk47(1/6サイズ)。
暗視装置付きのstg44(だと思う)、ドラゴン製。
AK47はザッカ・ピーエイピー 1/6スケールガンコレクション。
AK47/06

米国はM1カービンに全自動機能を追加したM2カービンを採用していたが、これはアサルトライフルとは呼ばれていない。米国は主力ライフルM1ガーランドも半自動であり、これに対抗してかドイツもヒトラーガーランドと呼ばれるライフルを作った。
隣の芝生は青く見えるからか、それとも同じ状況で対峙しているから似たコンセプトが生まれるのか、ともかく当時両者はそれぞれ試行錯誤の中、現代戦により適したライフルを模索してゆく。
米国はしかしM2をあくまで補助兵器として将校や車両部隊に使わせるに留め、M1ガーランドの強力な30-06弾を少しパワーダウンさせただけの308(7,62×51mm)弾を採用、しかもこれをNATO制式にして諸外国にも押し付けてしまった。
308弾のフルオート射撃は反動が強すぎ、米国はM14を採用したものの、結局M16に移行、困ったことに308NATO弾を使う諸外国と使用弾薬が違うという事態が起こった。
ソビエトは台所事情が厳しかったとはいえ、結果的にはAKでワルシャワ条約機構を統一して成功させる。

AK47と米国がベトナムで使ったライフル達(これらも1/6)。
上からAK47,M1カービン,M14,M16A1(過去の記事)。
AK47/08

[バリエーション]
Ak-47はその後AKM,Ak-74と基本を同じくしながら進化していき、現在もその進化型がロシアを筆頭に多くの国で使われている。
AK-47自体は3つの型に分類され、Ⅰ型は最も初期に少数生産されたプレス鋼板製のレシーバー(機関収納,銃身固定部、外板で構成された構造体)を持つもの。Ⅱ型はこれを鋼ブロック(塊)からの削り出しとしたもの。Ⅲ型は更にこれを少し改良したもので、外観上の最大の違いはストック付け根の金属部品が廃され、ストックがレシーバーと直接接触するタイプである。このⅢ型が最も多く作られ、ハドソンもこれをモデルアップしている。
プレス製のレシーバーは無理があったらしく、耐久性の問題から急遽削り出しに変更されたらしい。その後、AKMになって再びこれが実現する。
しかしこれでソビエト(ロシア)の技術が低いと決め付けてしまっては早計だ。
ドイツの制式になったG3はプレス製だが、無理に308弾を使ったためか歪みが生じるらしく、一定数を撃ったら工場に送って矯正するよう指示されている。
英国はプレスで耐久性が確保できないと踏んでAK同様切削レシーバーのFALを採用した。しかも308弾のフルオートは実用的でないとして、セミオート(半自動)のみのL1A1を作った。
米国もM1ガーランドの基本を踏襲したので、M14は削り出し(加工の過程で鍛造も行ったかも知れないが)レシーバーである。
そして、プレス薄板製やアルミ製のレシーバーに対し、これらは総じて長い寿命を持っている。
米国の拳銃、M1911A1も約半世紀現役で、しかも最近までこれのパーツを替えて使っていたというから、丈夫さという点では、切削への変更は正解だったのではないか。

AKのバリエーションを1/6で。
上からドラグノフ,AK74,AKS74,AK47,Ak47S,AK47。
ドラグノフはホットトイズ モダンファイアーアームズ 第2弾から。
AK74はフルタ メタルガンマニアシリーズ。
ストック形状,マガジンから、中国の88式と言った方がいいかも。
AKS74は21センチュリートイズで、サイレンサーとフォールディング(折り畳み)ストック付き。
最も下のAK47S,AK47は共に1/6スケールガンコレクション。
Ak47/07

[機構]
M16は閉鎖開放機構を簡略化したが、閉鎖不良が起こり対策するなどミソがついた。
AK-47はガスピストンによってボルトを回転させ、閉鎖を解く一般的かつオーソドックスな機構で、撃発機構もセミオートではハンマーを2つの突起で順に引っ掛けて、トリガーを戻したときに一方が外れるという形式までM1~M16までの米国自動装填式ライフル達と同じである。
Ak-47はワンタッチで上部カバーが外れ、分解も容易なのだが、カバーを空けると驚かされるのはその密度の低さだ。
レシーバーの中が大きく空いている。別にモデルガンだから、ではない。
これならもう少し小さくしたり出来なかったか、と考えるところだが、これで異物が入っても問題なく動くからいいのだそうである。
しかし、これをゆとり設計と呼ぶか、大雑把と呼ぶか微妙である。
上部のボルト,キャリアーが作動幅も含めると前後は一杯まで使っているようなので、最初から大きく空けることを狙ったとも思えない。
しかし、いいかげんでもたまたまでも上手くいっていることは間違いない(ほめてないか)。

AK47/03

この大きな隙間以外にも作動の確実性を上げるポイントがあり、それは重いスライド(ボルトキャリアー),少ない部品,そして短い薬莢(カートリッジ式弾薬のケース)だという。
他にも例えば、AKのハンマーはねじりバネをダブルにして使っている。
ねじりバネは最近では多くの銃が使い、信頼性も確保されているが、昔はコイル式を圧縮して使うのがもっとも安全性が高い、とされていた。
バネは十分安全なたわみ量に抑えていないと折れるし、折れると機能を全く失うより、いくらかでも力が残った方がいい。
コイルなら密着するところが限界なのでたわみ量が過度に大きくならない、折れても完全に機能を失わない、などがあるからだ。
しかしスペースを食う。S&WのM39などはそれをものともせず、そこらじゅうにコイルスプリングを配置して使っている。
カラシニコフはねじってある部分が2つあるバネを使った。これだと一方が折れても、一方は効く。更に3本の鋼線を撚り合わせたうえでねじりバネにしたものがどこかのAKコピー銃には使われていた。
こういう安全策は、実はオートバイのスタンド用バネなどにも応用され使われている。
安全装置はボルトキャリアー部のカバーを兼ね、更にセミフル切り替えのセレクターも兼ねている。これを動かすと中のハンマーまで見える。

ak47/04

AKの欠点として、機関部前方でバレルを覆うフォアアームがストック(銃床)と同じく木製だが、連射するとここが加熱し、触れないくらい熱くなるとか。
M14などは上部が合成樹脂になり、M16に至っては内側に金属の板を貼ったプラスチックで、大きな穴がたくさん開いている。
AKには全弾撃ち尽くしてもボルトストップは無い。親切さは無いが、逆にとことんシンプルである。
サイトはオープンタイプ。元のMP43もドイツ制式銃の通例にのっとってオープンタイプだった。照準線長は短くなるが、この銃の目的からこれで充分とされたのだろう。リアサイトには上下の調整機能がついている。

AK47/05

木製ストックは色が経年変化の為か濃くなってきている。ハドソンのストックはブナ材だと思う。
実物のそれはどこかにカバ=バーチ材とか書いてあった。ロシアではカバが入手しやすかったのだろう。
1ピ-スでなく、薄い板を張り合わせたプライウッドだという記述も見られる。
バーチならそうそう太い木に育たないと思うので、これは有り得る話だ。
ベニアレースという機械で、桂剥きのように薄く円周状にカットしてこれを伸ばし、重ねて接着する。ベニアというのは本来この薄くカットされた板である。
ストックの赤い着色は特徴的だ。国旗の色と合わせたという要素もあるかも知れないが、腐食対策とウォールナット=クルミ材などと違って白っぽく木目も目立たないので濃い着色としたようだ。

米国サイドの立場で作られた映画ばかりを見、またテロや紛争で使われるAKを見てきたせいか、はたまたイデオロギーに対する反感からか、加えてMP43より前近代化したような外観からか、正直AKにいいイメージは持っていなかった。
購入するのも10年以上見送り続けていたが、これはたまたま中古で激安のものが転がっていたので見てみたところ、買い物だと思ったので入手したものだ。
以前にトカレフTT-33を入手したとき、意外に良いと思ったこともある。
AK47もそうで、実際に模型を手にしてみると、結構好感が持てるのだ。
「悪魔」に魅入られたのではないと思うが。
作り方に垢抜けないところもあるが、ガスチューブ周りなどはデザインが考えられたように思う。

AK47/12

米国のM1,M14,M1カービンなどがピストンを銃身下に配置しているのに対し、AKはガスピストンを銃身上に配置している。
このため機関部は背が高くなっているが、しかし、ストックは直銃床に近くなり、意外に重量バランスも良く、構えれば自然にサイトが合うような具合の良さがある。
照準線長が短いサイトだが、この割り切りの為サイトピクチャーはクリアで見やすい。
上が大きなテーパーになっているグリップも違和感が無い。
カバー兼用のセフティ,セレクターレバーは他の銃では考えられない大きさだが、判り易さ、という点では確かにこれに勝るものは無い。
しっかりしたレシーバーに取り回しやすいサイズもいい。
これらは元となったMP43(MP44)の功績によるところも大きいが、それを正しく評価し、自分達に出来る範囲で良い所を継承し発展させたAKの製作陣も評価されるべきだろう。
他のメーカーがMP43の正当な後継者としてアサルトライフルを育てたかというと、どこも少なからず回り道を(これは政治的要因もあり、開発者のせいだけではないと思うが)強いられているように思うのだ。
本家ドイツのG3にしても、今から言うならバトルライフルである。

AK47/09

[悪魔か天使か、の意味]
Ak47とその後継機種AKMは世界中に拡散し、紛争のあるところには必ず顔を出す銃となった。
発展途上国で猛威を奮うウイルスのような存在として、テロリストご用達の銃として、カラシニコフは悪名をはせる。
しかしAKだから、という要素も無くは無いが、代わりが存在しないわけでは無い。
更にアフガニスタンあたりでは、手作りに近い形で各種の銃を作っている村もあるとか。
そういう規模でも銃は作れるし、何を使っても戦う、という側面があるのは今日のテロの態様を見ればわかると思う。
もちろん多くの銃を作り、これをばらまけば犯罪は増えるし、それをやったソ連や東欧諸国の責任は決して小さくないと思う。
そして、その軍備拡張の甘言に乗り、収拾がつかない事態を引き起こした国の指導者たちもまた然りである。
やはり過剰な武器はコントロールし、縮小させていく必要はあると思う。
だが、「悪魔の銃」、AK47にも国家の威厳と秩序に寄与した、プラスの要素はあると思う。
物に対する見方、イメージ,潜在的な感情の影響はあると思うし、また、真に客観的な視点などというのは、禅問答である。
そしてこの銃による被害を受けた方が、特別な感情を禁じえないということも理解できる。
しかし例え、この銃が「悪魔」でも、魔力で人を倒すのではなく、人が引き金を引き、火薬で鉛弾を発射するものだというところまでは、認識しているのではないだろうか。
これを作り,手に入れ、そして人に向ける、その全ての過程に、抗い難い魔力を維持して、関わった全ての人の理性を麻痺させ、狂わせたのだろうか。
そして、今も億単位の人間がこれによって狂っているのだろうか。
どこかに確信的な「悪意」は、無いだろうか。
言い古された言葉だが、そこには人が、これを装備させ、引き金を引かせた人,引き金を引いた人がいるのではないか。
そしてこれを物のせいにすれば、その分「責任のあった」人の非難が削がれ、薄まってはいないだろうか。
もしこれから積極的に世界で紛争を治めていく手伝いをしようとするなら、我々は、この20世紀の「悪魔」の正体を厳しく見極める必要があるのではないか。
銃が天使か、悪魔かなどと「色づけ」を行うことは、決定"意思"を持つ人間の責任転嫁に手を貸す行為になるのではないか。
AK47/13

[銃が無くなれば、の危険性]
銃が、自分が強くなったように感じる、というようなところに悪魔性があると考えるなら、それは車や金(マネー),権力にも言えないだろうか。
パワーのあるものは、武器として使用すると大きな効果,被害をもたらす。
しかし現代社会では、皆がこの大きなエネルギーの恩恵を受けている。
日本は、既に原子力なしに暮らせなくしてしまった。
核物質には、平和も軍事利用も関係なく、放射能と大きなエネルギーを放出する性質があるだけ、という考え方をしてみて欲しい。
日本には非常に多くの核施設があり、テロや他国の侵略によって奪われたら、いやここを攻撃されるだけでも、自分達だけでなく世界中に深刻な被害をもたらすのである。
自衛隊は違法、軍隊は要らない、それが平和維持のための良策だと主張するものは、“平和”と冠された核物質を持つ責任を、どう考えているのだろうか。
もしこのようなものは持たなくていい、というなら、悪用の危険性から、順序として軍隊より核の方を先に完全に処理するべきではないだろうか(でないと守るものが無い”危険”物質が生まれる)。
潜在意識かも知れないが、イメージ操作によって人々を安心させ、危険認識を誤らせてはいないだろうか。
もちろん日本が持っていて、悪用されると世界に害悪が及ぶもの(技術)は他にも大量にあるし、この経済力自体、大変な脅威を及ぼす。
人員も軍事的な能力はともかく、もしどこかに支配され「駒として使われ」たら、世界第10位の人口の影響は決して少なくない。
決して資源には恵まれていないが、地勢上、この土地の軍事的価値は低くないし、気候も含めて「住むのに適さない土地」ではないはずだ。
たくさんの大切なものを持っている以上、それに見合う措置は必要である。
また、我々は理性的に考えるべき責任があるだけの“力”を有しているのだ。
この責任を、嫌だから、というだけの理由で放棄するわけにはいかないと思う。
もし、“信じていた”他国,自国民に襲われたら、自ら一族全てを手にかけ、火を放って何もかも焼き払うというのだろうか。
もっといえば、現代の技術やエネルギーを拒否し、原始的な生活に戻るなら、それは生きるか死ぬか、食うや食わずの状態である。そこには現代の文化も、自由や平等の保障も成立できないと思う。
そして現代の文明から、銃に関係するものだけを都合よく選択して封印,廃棄するようなこともまた、不可能ではないかと思う。

松本仁一氏が新聞で連載した記事をもとにまとめた単行本「カラシニコフ」(朝日新聞社)ではAK47,AKMをダシ(失礼!)に使い、アフリカで統制のとれなくなった国家がテロの温床となり、他国へ危害が及ぶ例が描かれている。
もし日本が(米国の庇護も含めて)武力を放棄した場合、これよりたちの悪い事態が引き起こされる恐れがあるのだ。
氏はいみじくもあとがきでこう述べている。
「第二次世界大戦後、私たちはともすれば「武力」から目をそらそうとしてきたように思います。
そのために「国家とは何か」が分かりにくくなっているのではないでしょうか。
国家の力の根源にあるのはどう考えても武力です。
たとえば警官のピストルです。警察がピストル、つまり武力を持っていなかったら国家の権威は成立しないでしょう。」
AK47/10



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今回はスミス・アンド・ウエッソン(S&W)のM10 2インチを。
M102/13

[スナブノーズ]
短銃身のリボルバー(回転式拳銃)は、スナブノーズと呼ばれる。
現在コンシールド(隠し持つ)性を高めるために極端に短いバレル(銃身)を装備したモデル全般がこう呼ばれ、特定のメーカーや製品を指すものではない。
スナブノーズとは、ししの鼻という意味で、短い銃身の上にフロントサイトが乗った姿から連想されたそうだ。
リボルバーが出来る前から短い銃身の拳銃は存在したようだ。
ただ、極端に短くすると、弾の装填や命中精度などに問題が生じる。
これは現代のスナブノーズモデルでも、程度の差はあるが抱える問題である。
2インチクラスの短銃身リボルバーは、コルトのディティクティブスペシャルやバンカーズスペシャルなどが比較的早くから作られていたようである。
S&Wもこの対抗機種としてミリタリー&ポリス(M10 過去の記事)の2インチを作っている。
今回のモデルは、その現代(少し前?)版だ。
S&Wが製品に通し番号をつけるようになったのは'57年で、2桁から始まり、M10はその一番最初に当たる番号を割り振られている。
M10は.38スペシャル 6連発でシリンダー(弾倉)をスイングアウトさせて弾の装填,排莢を行う中型(K)フレームを使う回転式拳銃、ということになる。
2インチモデル自体は、いつから作られているのか調べきれなかった。
2インチ(約5センチの銃身)モデルはラウンドバット(丸まっている)の細め,薄めのグリップとそのフレームになっている。
1インチ=25.4mmだからこれは50.8mmかといえばそうでもなく、それぞれのモデルで実際には長さが違い、更に個体差も大きいという。
アメリカ人は大雑把だ、という声もあるが、しかしこれは誤差論からいっても間違いではない。
2インチ、とするなら1.5インチ以上2.4インチ未満ならO.K.だ。
単位がミリ,センチ以上に大きいから、許容誤差もそれに応じて大きくなる。

[S&Wとコルト]
さて今回はずらずら各スナブノーズを。
S&W M10とコルト ディティクティブスペシャル。
M10はコクサイのHW(ヘビーウエイト=重い合成樹脂)製モデルガン。
ディティクティブは、タナカのガスガン。これもHW製。
M102/02

S&Wはディティクティブに対抗してチーフスペシャル(M36)を出す。
これは5連発としてデティクティブより小さくし、M10とタッグを組んでラインナップを構成する。
コルトもちょっとした改良を行う。
バレルの下にエジェクターロッド(カートリッジ排出用の棒)をカバーするシュラウドを装備したのである。
S&Wはロッド前方にロック機構を設けているので、2インチだとロッドが短くなって排出しにくい。
このためFBIでは、3インチモデルのM10(M65)を使っていたという。
S&Wとコルトのスナブノーズを更に。
左からM10,M36,ディティクティブスペシャル後期型,ローマン後期型。
M36はタナカのガスガン。これはHW(ヘビーウエイト)樹脂製のもの。
ディティクティブもタナカだが、これはペガサスシステムでなく、カート式でガスタンクがグリップに内臓されているもの。
ローマンは強装弾.357マグナムを使う、スナブノーズとしてはヘビーデューティなモデル。MGC製モデルガン。コクサイのM10にもオールドモデルがあるが、MGCも新旧モデルを作っている。
大きさはだいたいローマン,M10,ディティクティブ,M36という順になっている。
M102/03

[ステンレスモデル]
ステンレスタイプのシルバーのモデルも。
M64,M60PC,スタームルガー スピードシックス。
M64はM10のステンレス版。これもコクサイのモデルガン。
他のコクサイ製品からの流用で、グリップアダプター(グリップ前方についている銀色のパーツ)。
M60はM36のステンレス版。
M60はS&Wのステンレスモデルとしては初めてのモデルで、その後他のモデルがなかなか出てこなかったのはステンレスのライフリング加工が難しく、長いバレルが作れなかったためだという。
これはそのM60をS&W社内のパフォーマンスセンターがカスタムしたモデルを再現している。コルトのようなシュラウドが設けられている。
これもタナカのガスガン。
グリップはホーグの実物用木製。
スタームルガーは販売量では現在米国を代表するメーカーのひとつになっている。
これはウエスタンアームズのモデルガン。
グリップがラウンド(丸まっている)タイプとスクエア(角ばっている)タイプの中間的形状だが、この写真のように実物グリップもつく。
これはステンレスハンマー,トリガーが奢られた豪華版。
純正はオーバーサイズグリップと、これと同じサービスサイズがあるが、今やサービスサイズは実物グリップの方が入手しやすい。
M102/04

[更にスナブノーズバリエーション]
少し変わった短銃身リボルバーも。
左から、チャーターアームズ ブルドック,M10,M36カスタム,M49ボディガード。
ブルドックは、44スペシャルの大口径リボルバー。
連続殺人犯”サムの息子”が使用していたような。
これはカナマルのガスガン。
M36カスタムは、タナカ製 M36の3インチ パフォーマンスセンターモデルをベースとして、フレームに溝を掘ってアジャスタブルのKサイトを搭載、バレル下のウエイトも少し削りこんだ自作もの。
アルタモントのグリップも奢っている。
M49もタナカのガスガン。
これはハンマーの形に添ってフレーム,サイドプレートを盛り上げ、銃を抜く時に引っかかりにくいようにしたモデル。
内臓式ハンマーではないので、一応ハンマーコック(起こす)もできる。
もちろんやりにくいが、ダブルアクションで使うことを主眼にしており、これはスナブノーズのコンシールド性を高めるという目的からいうと正常進化ではないかと思う。
M102/05

M10,M36 3インチ,ニューナンブ。
このM36,ニューナンブはマルシン製で、8mmBB弾を使用するガスガン。
ニューナンブは商標の問題か、ポリスリボルバーとされている。
M36を参考に、38スペシャル5連発だが、日本では更に弱装弾を使用している。
日本で作られた警察用拳銃だが、手本としたM36より少し大きくなっている。
M102/10

[スナブノーズは当たらない?]
M10を前方から。
銃身は上部リブ付きで、短いが一応ヘビーバレル。
スナブノーズは当たらない、と昔は言われていたそうだ。
これは、銃身が短いから、というわけでもないらしい。
現在では、2インチでもレーザーサイトによって良好な集弾を得られるという。
どうやら、細いグリップ、短い照準線長、小さく見易いとは言い難いサイト、しかも、それが固定で、調整できないこと(弾や射手によっても着弾が異なる)などがあり、当たらないということになっていたようだ。
照準線長とは、前後サイト間の距離で、これが短いと、サイティングの誤差が大きくなる。
レーザーなどの充分精度を上げられるサイトシステムを持てば、当たらないことはなかったわけだ。
レーザー機器の小型化,コストの大幅ダウンによって、スナブノーズリボルバー(+レーザーサイトの組み合わせ)は現在、護身用拳銃として再び高い人気を得ているという。
M102/08

[1/1と1/6]
1/6は、単品購入だが、ドラゴン製らしい。
形はちょっとM36にも似るが、6連発なので、S&WならM10ということになる。
実はリアサイトが別体で高い位置にあるような形をしている。
以前MGC系のタイトーがノバックサイトをコルトローマンにつけたカスタムを作っていたが、これはそれよりオーソドックスなオート用ドブテイル リアサイトにも見えるが。これだとフロントももっと上げないといけないようにも思うが。
シリンダーはスイングアウトでき、カートリッジもモールドで再現されている。
M102/09


[番外編;海の中道事件の弁護]
最近、弁護士の無茶苦茶な主張ぶりが目立つ。福岡、海の中道での追突事件の公判でも、逆効果としかいえないような弁論が展開されているようだ。
追突されたときの被害車両の速度を、急ブレーキをかけたと主張したかと思うと、次は時速30キロ(km/h)だという。
そして、被害者は追突されても居眠りをしていて、ブレーキをかけられなかったのだとも主張しているそうだ。
時速30キロという主張の根拠はなんだろう。加害車両の速度100キロは争いが無いらしいので速度差70キロとなり、それにしては加害車両の損傷度合いが少なすぎるように思う。報道記事からすると、加害車両は事故後逃走を計って約200m走ってからようやく走行不能になり止まったようで、少なくとも事故後すぐは走れる状態だったと考えられる。
そして、追突後、被害車両は橋の欄干を突き破って歩道に乗り上げてからもう一つの柵を破って(これが弱かったとはいえ)転落しており、異常な低速で走行していたというにはエネルギーが大きすぎると思う。
そしてもし被害車両が30キロ、加害車両が100キロ、両者が同じ車重で、衝突によるエネルギー吸収が無く、ブレーキも無かったら追突によって速度が35キロ増しの65キロで欄干に当たる。この抵抗もとりあえず無視して、仮にブレーキをかけるのが0.7秒後だとすると空走距離(ブレーキが間に合わなかった距離)は
65÷(60×60)×1000×0.7=12.6m
追突から転落まで40メートルの走行距離なら残りは27.4メートル。
制動距離の式L=v×v/(254×μ)
L=制動距離(m), v=速度(km/h),μ=摩擦係数(乾いた路面で0.7)
を使い計算するとL=100×100/(254×0.7)=23.8m
どうやらここから逆算して速度は30キロ、と言い出したのではないかと疑ってしまう。
さきほど無視した欄干等の抵抗があるので、これなら“充分停止できた“速度だからだ。
上記のように加害者側の主張には疑問があるので、被害車両の速度が仮に40キロとすると衝突後70キロとなり、同じく0.7秒で空走距離14.6メートル、残り25.4メートルである。
制動距離Lは27.6mとなり、つまりブレーキをかけても“転落は防げなかった”可能性が出てくることになるのだ。
速度について争うなら、証拠を示すべきだし、無いならこれは思ったこと、考えられる可能性はなんでも「それが事実だった」と強弁できる、というとんでもない誤りを犯していることになる。
また、被害車両の運転者が居眠りをしており、転落するまで回避行動をとらなかったという主張に至ってはもう笑うしかない。
「寝ていた」根拠(敢えて証拠まで、とは言わない)がどこにあるのか。
速度30キロも(証拠がないなら)加害者側の勝手な想像である。
走行中の突然の追突ですぐにブレーキがかけられないことは「珍しい」現象ではなく、むしろぶつけられてのけぞっている、もしくは欄干にぶつかって前につんのめっているときに制動しろというほうが無理な注文ではないか。
そしてこんな状態で制動がない=寝ていたとは「普通」考えられない。
その前に被害車両が蛇行を繰り返していたとか、第三者が証言しているのだろうか。
そして追突され、この事故で転落時を除いて最大の衝撃を受けても、転落するまで「寝ていた」というなら、その後脱出している点が不自然(当然起きていたものと考えられる)である。
そもそも自分の居眠りに気づいて急ブレーキを踏んだなら、その後は起きているはずだし、ブレーキは追突後も踏みっぱなしの方が自然だと思う。
また、居眠り運転イコール低速走行ではないことは、多くの重大事故事例(高速度のまま追突)が物語っている。
これは弁護側の2重の想像,つまり連想で、下衆の勘ぐりだが自分達に都合の良い話を組み合わせて述べているに過ぎないのではないか。
むしろその高速度で突っ込んだ加害車両のほうが、「普通」居眠り状態ではなかったかと疑われないだろうか。

この裁判のポイントは飲酒による危険運転か否かで、これはもう加害者=被告に圧倒的に不利だと思う。
なまじ被害車両の速度を30キロにしたせいで、加害車両100キロという(恐らく速度超過になる)ところを受け入れてしまい、危険運転を認める墓穴を掘っているような。
話が長くなった。


さて、S&Wリボルバーは他にも予定しているものがあるが、これも2丁手に入れたのでひとつは1/1と同じくKサイトでものせようかと思っている。
ではまた。
M102/14


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まとめ

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