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今回は、モーゼルKar98kを。
kar98/01

[概要]
Kar98kはモーゼル(Mauser)社が開発、第二次世界大戦までドイツが主力ライフルとして使ったモデル。
そのルーツは1898年のGew98で、この仕様になったのは1935年だという。
名称はkarabiner98kurzの略で、騎兵銃の短縮型ということになる。
ちなみに騎兵銃というのも短縮型だったらしく、2重に短縮されたモデル、ということだが、下に記すように更に短いものまである。
Kar98k自体はこの時代の標準的な長さだと思う。
Kar98kの生産はモーゼル社のほか、後にSIGと組むあのザウエルもこれを作っていたようだ。
更にチェコやオーストリーなど、戦時占領下の各国でも生産されたという。

Kar98kはボルトアクション(手動)で5連発のクリップ装填式。
使用するカートリッは、7.92×57mm(約8mmなので8mmモーゼルともいわれる)弾。これは米国が当時採用していた30-06弾よりも少し強力だが、反動も大きいらしい。
シンプルかつ堅牢な構造で、現在使用される公用,民間用ボルトアクションライフルも、これに大きな影響を受けている。
更に、このライフル(スポーツ用に改造されていたりするが)及びカ-トリッジ、一部でいまだ現役である。

まずリアルサイズのKar98kは、マルシンのエアーコッキングガン。
これは6mmBB弾使用のカートリッジ式。
Kar98kは人気商品のようで、現在タナカのガスガンもあり、モデルガン形式でも過去にCMC、そのあとCAWが手掛けている。
マルシンも現在8mmBB弾仕様のガス式でこれを作っているようだ。

Kar98/13


操作はボルトにつけられたハンドルレバー(下の写真の中央付近、引き金の上の球形の部分)を持ち、これを上方に動かし、ボルトを回転させてロックを解いてから後退させ(撃った後なら後退時にカートリッジを排出)、前進時にマガジン(弾倉)のカートリッジをチャンバー(薬室)に送り込む。
Kar98/07


[特長]
Kar98kには多くの特長がある。
2つのロックキングラグ(ボルトが後退しないよう止める突起)をボルト先端に持つこと、
ボルトを回転,後退させるときに撃発装置がコック(発射準備)されること、
ストック(銃床)に強度が安定して出て、かつ反り難い合板を使っていること、
などである。

今回の1/1と1/6。
いつものように単品購入なので、出所ははっきりしないが、この1/6はドラゴン製ではないかと思う。
しかし、ものが大きいと1/6はあるのかどうかもわからないような状態になってしまう。
が、以下1/6も交えて進める。
Kar98/14


Kar98kの構造は当時既に新しいものでは無かったが、相手によっては戦車の装甲でも撃ち抜くほどの強装弾を使い、これを各個人の兵器として数多く安く作る、という点では自動式に拘らなくて良かったと思う。信頼性も自動式より上で、過酷な環境にも強い。
それに、ドイツはサブマシンガン装備に力を注いでいたので、ライフルは住み分ける意味でも威力重視だったと思う。
後にソビエトの自動装填式式狙撃銃に対抗してワルサーのGew43を使ったが、これは全員に行きわたらせるのではなく、狙撃支援用として使ったらしい。米軍でいうとBARの方が近い扱いである。
そしてこの頃には、カートリッジを短縮,小型化して銃も小型化、装弾数も30発と増やして全自動も可能なMP43(後にstg44 過去のAK47の記事)も開発,一部装備されている。
全自動とは、マシンガンと同様、トリガーを引き続けると弾がある限り連発する機構、自動装填=半自動は、一回のトリガー操作につき、1発の弾が出るもの。

1/6で各種ライフルを。
上からM1ガーランド,Gew43,Kar98k,二式小銃。
M1ガーランドは米軍の第二次世界大戦期の制式ライフル。
カートリッジはKar98kに近い性能だが、半自動(自動装填式)8連発である。
Gew43も半自動ライフルだが、カートリッジはKar98kと同じ8mmモーゼル弾を使う。
二式は日本の制式ライフル。日本の制式ライフル、三八式,九九式と同じく手動式ライフルだが、これは機関部と銃身が分かれる2分割式の変り種。
Kar98/09


更に1/6でKar98kのバリエーションを。
上から、G33/40,Kar98kを2つ,そしてスコープ装着モデル。
G33/40は、Kar98の中でも珍しいバリエーション。1940年チェコで作られたものでバレル,全長が短く、バレル上部の覆いがリアサイト後部まで延長されており、ストックの後部、バットプレート横(写真の裏側)にも補強の鉄板が付けらるなどの改造点がある。
これを日本ではマウンテントルーパーモデルと呼んでいる。
これはG33/40が山岳猟兵(Gebirgsjager)と呼ばれる部隊向けの仕様だったと推定されている、というところから来ているらしい。
が、この訳も直訳で、元のイェーガー(jager=ハンター)の意味で使われているのではないようだ。
もともと帝政時代からの伝統で、正規軍に対し武装を強化した(昔は通常兵と異なりライフルが与えられた)エリート部隊にjagerが使われていた。
ここから一種の名誉呼称となったらしいのである。
ちなみにパラシュート部隊も降下猟兵になるのだが、ここで米国のパラ・トルーパー(米国はここにkarabinerと同じ騎兵という意の語をつけたようだ)と符合し、マウンテン・トルーパーになったのではないだろうか。

次の2つのKar98kは、標準モデルをモデルアップしているが、製造元が違うと思われるもの。
そして一番下が、スコープ(恐らくZF39)装着モデル。
このスコープは銃に対して90度回して着脱するターレット・マウントというマウントベースがついている。
このスコープは1939年に採用されたZF39を再現しているようだ。
ZF39は、カール・ツアイスの4倍スコープだという。
Kar98k用には、この他にも銃の機関部側面に装着するZF41(倍率1.5倍)、1943年にZF39の後継モデルZF4(これはGew43用に開発されたもの)もごく少数(試作の可能性もあるらしい)使われ、これ以外に市販スコープを使用したこともあったという。
Kar98/08


1/6スコープ付きライフル。
上からKar98k,M700,M40A3
M700は以前(過去の記事)取り上げたが、今回はブラックタイプを。
M40A3もM700をベースにしている。
ちなみにM700は、ボルト先端部にロッキングラグを持つ,ボルトを引く時にコッキングできる撃発機構などKar98kの強い影響が伺えるモデル。
Kar98kのスコープは比較的(特にM40A3と比べると)高い位置にある。
これはスコープ故障時に通常サイトを使えるよう、マウントに穴(溝)が開けられていたせいらしい。
しかしこれでも(実物は)クリップを使って上から装填できなかったのかも知れない。
比較的小型で、リアサイト上あたりの位置に付くZF41が採用されたのは、このせいかもしれないが、今度は目とスコープ間に距離があり、前線では評判が良くなかったとか。
Kar98/10


[サイト]
サイトはオープンサイトで、現在でも拳銃やAK47系が使っている形式だ。
フロントサイトは山形で、後ろから見るとカマボコ型のカバーがつけられている。
これは傷み防止と光が当たらないよう配慮したもの。
フロントサイトはドブテイル(あり溝)とされ、専用工具などを使えば左右への調整が可能だ。
Kar98/04

リアサイトはタンジェントタイプ。
これは数学で使うタンジェントと同義で、ロックボタンを押しながらスライダーを前後させ、上に刻まれた距離を合わせると、高さが調整できるようになっている。
モーゼルの拳銃、モーゼルミリタリーC96(この一種M712は過去に取り上げた)にも同じ構造のものが付けられている。
サイトの横には、ZF41使用時に使うマウントベースがある。
Kar98/05


今回登場させたマルシン製のKar98kは手動でポンプ作用するピストンを圧縮して撃つ、エアーコッキングガンだが、リアル志向でカートリッジにBB弾を詰め、これを5発クリップで保持、機関部上から装填、そしてボルト操作でコッキングとカートリッジ交換を行う。
ピストン,シリンダーをボルトの中に納めたせいもあって操作は軽くなく、またコッキング自体もボルトを戻す時(オリジナルは引く時)になっているが、機構上の制約を思えば、良く出来ている。
Kar98/03


Kar98kのセフティはボルト後方にある。
下の写真の状態でオン、180度回転させてオフとなる。
セフティオン時には、ボルトも固定され、シンプルながら安全にも気を配っている。
戦後Kar98kをスポーツ,狩猟用として改造して使用することが流行ったが、信頼性だけでなく、安全性もその評価に含まれていると思う。
Kar98/06


[ブナ材]
ストックは今まで取り上げたAK47,M700LTRと同じくブナ材ではないかと思う。
着色は少し薄く、紅色がかっている。また、合板にはなっていないが、木製ストックの質感は充分である。
ブナ=ビーチ(Beech)は、曲げ,積層細工に最適の材料とされ、この特性を見出し、製法を発明したドイツの椅子作り職人、トーネットは代表作No14などで世界を代表する家具メーカー、トーネット社を興している。
樫などは同じブナ科でももっとワイルドな木目で、堅く農具の柄などに使われるが、ブナは斑も控えめで木目細かく、柔軟性に優れている。
但し反り易く、そこで積層構造でその得失を上手く相殺させて成功したようだ。
ブナは腐りやすい木でもあるのだが、これは近年、保護,防腐剤の進歩により抑えられているようだ。ゴムの木なども、腐らない対策(防腐剤)が出来てようやく実用になった材種である。
ストックは本来、ウォールナット(くるみ)材なのだが、実物と違って強力な反動に耐える強度も、反動を吸収する必要も無いので、加工しやすく入手しやすいブナになったのではないだろうか。
また実物でも高級品は美しい複雑な杢のものを選んで使ったりするが、それでも黒檀などの木材は使わず、ウォールナットで作られているようだ。これは実用面から、堅過ぎてもいけないということらしい。
このモデルも10年以上放ってある割に状態は変わらず、以前取り上げたAK47も表面の退色はあるが、傷みや反りはない。
この様子だと、亜鉛や合成樹脂の方が、傷みが激しそうだ。

亜鉛合金は不純物が多い場合、時間が経つと自然崩壊するらしく、輸入品などでこれが見られる(早いと数年で崩壊する)ことがある。国産では余り聞かないが。
コクサイなどは、以前亜鉛部品にメッキをかけて、更に上から黒色半艶塗装で着色するなど、非常に手間をかけた加工を施していた。
合成樹脂、例えばABSでも応力のかかる部分がひび割れ、更にスチロール樹脂のグリップパネルなどはある日気が付いたら粉々になっていたりする。

木材の中でも比較的入手しやすかったブナは、(世界遺産、白神山地の原生林のように貴重なところでなくとも)日本国内で採れなくなってきているのか、価格も上がり、輸入ものが多くなっているように感じる。
くしくも最近の輸入小物に使われているブナ材は、メイド・イン・ジャーマニーのものをよく見かける。
ドイツではブナ林の再生などが進み、資源が枯渇しないように配慮して生産できているのだろうか。北米のメイプルなどはこのサイクルができているように聞くのだが。

現在、木材より合成樹脂系の素材がストックでも幅を利かせているが、これも重量という点では木材に敵わない。
破壊する応力度自体や寸法精度の維持の点では劣るが、木材は重量比強度という点では結構優秀な構造材だ。加えて、インジェクション成形などのキャストでなければ、加工しやすさという点でも優れている。
何だかんだ木材を擁護するようなことを言ってきたが、実は見飽きることの無い、美しいその杢目に惹かれるゆえこんな事まで書いているのかも知れない。

それでは、また。
Kar98/02

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今回はガバメント系のサブコンパクト型の元祖、デトニクスを。
det/18

[概要]
デトニクスは、コルト・ガバメントをベースに大きく短縮させたモデル。
発売当初「ちょん切りガバメント」「(英語ならChoppedだろうか)などという有り難くない呼び名で呼ばれたりしたが、ともかくガバメントを切って削ってすると大体デトニクスが出来上がる。
但し開発したデトニクス社は本家コルトと関係は無い。
こういった小型短縮型は、従来ガンスミス(銃の修理,改造屋)が一品もので製作していたことはあったが、コルトの真似、という評価を恐れてか、それまで量産されることは無かった。
デトニクスはそれを定番として商品化、作動性,操作性など時間をかけ改良して完成度を高め、独自性を持たせて発表したことが成功の要因ではないだろうか。

1/1のデトニクス2種。
向かって左が東京マルイ製ガスブローバックガン。右はMGCモデルガン。
モデルガンのグリップスクリューは、六角穴付きに交換している。
det/01


[カスタマイズポイント]
デトニクス登場前に、コルトがガバメントの短縮型として製品化したのは、コマンダー,コンバットコマンダー(過去の記事)で、これらは1インチ(25.4mm)弱しか短縮されていない。
それ以上短縮するなら小手先の?パーツ形状変更では対応しきれないからだ。根本的に構造を変えると製造設備の問題から部品の共通性、従来品への慣れや信頼性の継承まで含めた共用,乗り換えの利便性、バリエーションモデルの意味が失われる。
デトニクスは元の構成をできるだけそのままに、従来以上の小型化という問題を上手く解決している。
もともと開発がガバメント改造から始まったせいもあるが、トリガー(引き金)やマガジンキャッチ(弾倉止め)、スライドストップやセフティレバーなどは共通で、社外の市販部品も合うと思う。
但しこれらを除いて大半の部品を独自のものとしている。
まず後に広く使われるようになったコーンバレルを発明し、リコイルスプリングは複数の巻き方向が逆のバネを組み合わせた。これで前後長の大幅短縮を可能にしている。
ハンマーもスパー(指かけ)を短くし、グリップセフティはタング(後部の張り出し)を削除、機能も殺して単なる後部カバーとした。これも前後長と、高さの短縮が可能になった。
スライド,フレーム自体は社外でキャスティング(鋳造、後期にはキャスピアン製だとか)により作られていたという。
細かいところでは、スライドのエジェクション(排莢)ポート,マガジン挿入口の角を削るフレア加工を行い、メイン(ハンマー)スプリングハウジングにはゴムを貼り、マガジンもフルロード(満装填)を確認できるよう、フォロアー(弾を上部に押す金具)を下から少し突き出させてインジケータ(表示器)とした。

デトニクス(左)とコルトオフィサーズのマガジン底部。
デトニクスは底面後部が開いており、ここからフォロアーが突き出てフルロードされていることを知らせる(このカットで見えているのはスプリング)。
ちなみにMGCのグリップはプリントで、デトニクスはウォールナット、オフィサーズはバール(根)風。マルイのデトニクスは濃い目の、ウォールナットでもオイル仕上げ風の艶消しである。
det/04

また外観上も大きな特長であるスライド後部のスロープ(なだらかに下る)状のカット(開発者はステップド、つまり段付きと表現しているらしい)はいくつかの利点を生み出し、排除したグリップセフティとも絡む発射プロセスの見直しとも関係がある要素だ。

[ステップドスライド]
これは、まず小型,軽量化の効果がある。全長,全高は同じでも、角の、特にサイトがある部分を削れば(サイトは前に移動)、隠し持つにも目立ち難く、取り回しやすい。
更にハンマー操作性の向上だ。この加工で、短くしたスパーでも簡単に起こせる。
もちろんデメリットもある。それは照準線長(前後サイト間の距離)の短縮だ。
照準線長の短縮は、近距離でサイトが合いやすいから、メリットであるという意見もあるが、これは少し疑問だ。
至近距離ならサイトには頼らないし、前後距離の短縮は素早いサイティングに余り寄与しないと思われるからだ。確かに銃を向けるとき、大きくずれていてもフロントサイトを見つけやすいが、むしろ、サイトを大きくしたほうが、前後を詰めるより有効だと思う。現にこれを踏襲するメーカーは現れなかった。
もちろんデトニクスはこれにも気づいていたと思われ、当時のコルトより大型の前後サイトを装備している。

マルイとMGCのデトニクスを逆サイドから。
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[ハーフコック]
さて、上で少し触れたが、デトニクスは安全策としてセフティ一つに頼るのではなく、どうやらハンマーをハーフコックもしくはダウン状態で携帯、射撃前にこれを親指で起こして使用させようとしていたようなのだ。
コック&ロック(ハンマーを起こしてセフティでロック)では、張り出したハンマーがせっかく削ったグリップセフティのタングより後方に張り出す。
タング削除はハンマーとの間に手が挟まる(ハンマーバイトという)ことを防止するため、という意味もあったが、ハンマー形状からもコックしていない状態を考えたと見るほうが自然である。
撃つ前にハンマーを親指で起こすのは、前世紀の回転式並みの状態だが、ハーフコックならハンマーがひっかかっても元のポジションで止まる。つまりハンマー後退後トリガーも後退するか、ノッチ(引っ掛かり)が欠けるほどの衝撃を受けないと暴発は無い。
もちろんコック&ロックの方が更に安全だと思うかもしれない。しかし、このような小型?拳銃だと携帯中セフティレバーが体やベルト、ポケットに引っかかり、解除されてしまう恐れもあり、そうなるとハーフコックより危険だ。
そのため複数の安全装置、グリップセフティが有効になるのだが、デトニクスはこれも廃止している。
デトニクスがグリップセフティを廃したのは、当時インデックス(盛り上がり)付きのグリップセフティなどが開発されておらず、素早い射撃向きではなかった、という事情もあるかもしれない。

デトニクス(左)とキンバーエリートキャリーのハンマーコック状態を後ろから。
デトニクスはハンマーが張り出すのに対し、キンバーはグリップセフティのタングがハンマーの下を覆う(どちらもMGC、新日本模型のモデルガン)。
det/11

[モデルガン]
デトニクスのモデルガンは、MGCから発売されていた。これはヘビーウエイト樹脂だが、ABS製もあり、発売当初はサイドファイア(後期型はセンターファイア)だったようである。
カートリッジも複数の形式があったようで、バレルもABS樹脂とヘビーウエイトらしき(今回の)ものがある。
MGCのM1911系とは共通のパーツが多く、またスライドを変えることも可能だ。

MGCのオフィサーズとデトニクスのスライドアッセンブリーを交換してみた。
発火(作動実験)させていないが、問題無いと思われる。
このカットでは、デトニクスのフレームにはオフィサーズのマガジンを入れている。
オフィサーズの方が5mmくらい長く、またガバメントは更に長い。
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[ガスブローバックガン]
今回マルイとしては4つめのM1911系だが、この選択は良く考えられていると思う。
まず、最小サイズである、ということだ。
マルイは過去にG26を先に出して、しばらくしてからG17を出したように、小さい(短い)ものは人気が高い。これは拳銃自体が小型化の要求で作られていることもあると思うし、より小さなサイズを好むユーザーが少なくないのだと思う。
最近では同じサブコンパクトサイズのV10ウルトラコンパクトもウエスタン・アームズ(WA)から売り出され人気だったようだ。
そして、競技用,軍用ときているのでこの選択は今までと違うファン層を得ることができる。
次に、これはどこもブローバックガン化できなかったものである。競合もすぐには対応できないし、D型ピストン,シリンダーが特許(実用新案)ならなおさらである。
そして、コルト等の商標が使えないという前提で他の人気のあるモデル、しかも最近復活(ポシャッたらしいが)しているので話題性もある、と磐石の選択なのである。
もちろん、技術的にはリスクが高かった。しかし、現在、大きなトラブルは報告されていないと思う。ハイキャパを作ったときには、ピストンのシールが破損することがあり、今回のものはそこがD型の特殊構造、かなり技術的に難しかっただろうと思うのだが。

マルイのガスブローバック M1911系3種。
左からデトニクス,M1911A1(過去の記事),Hi-CAPA5.1。
det/07


M1911A1のフレームにHi-CAPAのスライドアッセンブリーを乗せてみたものとデトニクス。
マルイも無加工で乗るが、これも作動するかは未確認。
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スライドストップは同社のハイキャパやWAのハードボーラーと同じくグルーブ(溝)入りで、平面になるよう表面部を削った端(グルーブ部分の盛り上がりとの境)がアール形状だ。
但し比べてみると内側の形状が違う。細かい改良が加えられているのだろうか。
左がデトニクス、右はハイキャパのスライドストップ。
det/19

[成功と衰退]
米国では、コルト45オート(ガバメントを含むM1911系、過去の記事)は定番中の定番であり、これを特別視する”信者”も多い。この定番をベースにしたカスタムなら、新興メーカーでも顧客の受けはよく、結果デトニクスはサブコンパクトという市場を開拓、本家コルトにもサブコンパクトを作らせる原動力となるほどの話題性があった。しかし、価格的には高価だったので、生産量も2万丁程度ではないかと推察されているようだ。
デトニクス自体は成功かもしれないが、素材をステンレスとしたり、小さく改良する程度に止まり、次の作品を生み出せず、会社は休止,経営譲渡を繰り返し、現在は生産されていない。
本家コルトは多品種展開で、オフィサーズ、ディフェンダーを出し、後発のスプリングフィールド(SF)はガスポートを装備したV10ウルトラコンパクトなどを作った。パラ・オーディエンスはサブ・コンパクトにも同社得意のDAトリガー,複列式弾倉を盛り込んでいる。競技用で有名なSTI,ストレイヤー&ヴォイド(SV)は樹脂フレーム+複列式弾倉の構成を持ち込んだ。デトニクスは、自ら切り開いた市場が活性化し、参入者が改良を加えていくにつれ取り残されてしまったようである。

マルイ デトニクスとWAのサブコンパクト45オート。
左から、デトニクス,TSGC,SVの3.9が2種。
TSGCはウィルソンのタクティカル・スーパー・グレイド・コンパクトモデルの略。
SVは左がオールブラック、右はチタンコーティング風バレル,ステンレス風スライドにピンクのアルマイト風マグウェル(挿入部案内?),トリガーがついたもの。
これらと比べても、デトニクスが最も小さい。
det/16


次はMGC系でサブコンパクト。
左から、デトニクス,V10,エリートキャリー,タカカスタム。
V10ウルトラコンパクトは上で触れたSFの10穴ガスポート付きのもの。ガスブローバックガン。
キンバー エリートキャリーはボブ・チャウのように角を丸めたメルトダウンタイプのメーカー製カスタム。これはモデルガン。
タカカスタムはMGCがTVドラマ,映画「あぶない刑事」の館ひろしが扮する鷹山刑事仕様のイメージでコンパクトを作ったもの。外箱にも写真が入っていたが、劇中では使用していないはず。
これはガスブローバックガン。
これらのMGCガスブローバックガンは、WAのマグナ方式だ。
det/10

1/1と1/6の模型。
今回の1/6も、以前のコマンダーと同じく改造もの。ドラゴン製M1911A1(写真右上)を切って、サイト,セフティ,スプリングガイドはプラ板、マズル(銃口)はアルミパイプである。
ハンマーは削った後シルバーに塗装、他の改造箇所はガンメタ塗装。
今回は前回の反省を踏まえ、油性(アクリル)塗料を塗ったら塗膜は薄く仕上がった。
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次回は、またボルトアクションライフルをやりたい。ではまた。
det/15

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今回は、急遽、拳銃のセフティ(safety)=安全装置をテーマに、従来と少し趣向を変えて。
safe/01

[自動化と安全装置]
初期の自動装填式拳銃では、従来の拳銃と異なり、独立した手動安全装置を備えていることが特色だったように思われる。
モーゼルC96(M712過去の記事)系やルガーP08(過去の記事)系では、機関部後部にセフティレバーを装備し、従来のダブルアクションリボルバー(回転式)より軽く、短い動作で撃発するトリガー(引き金)による事故を防止している。
この少し前、手動式ライフルなどにも独立したセフティがつけられてきていたので、独立したセフティは時代の要請ではなかったかと思う。
1900年代になって登場した小型の自動装填式拳銃では、隠し持つ用途ゆえに衣服などにひっかかる恐れも多く、セフティレバーがもしひっかかると危険である。
このため更に安全を高めようと、各種の機構の開発に各社しのぎを削り、この成果は大型にも取り入れられるようになったと思う。
例えばファブリックナショナル(FN)のM1910は同社のベストセラー小型拳銃M1900の後継機だが、親指で操作するサムセフティに加え、グリップ後方にグリップセフティ、そしてマガジン(弾倉)を抜くと安全装置が働くマガジンセフティまで備えた3重の安全機構をもっていた。
これが100万丁を売る大ベストセラーとなり、小型拳銃のスタンダードとしての地位を築いた。
これと前後して設計者J・ブローニングが手がけた一連のモデルにも、各種安全装置がつけられ、米国制式となったM1911(M1911A1過去の記事)では、グリップセフティとサムセフティが採用されている。

このあと、ドイツのワルサー社が、PP,PPKモデル(過去の記事)でデコッキング機能を備えたセフティレバー、トリガーを引ききるまで撃針をロックするオートマチックセフティ、そして撃発用ハンマーを安全状態に置き、そこからトリガーを引くだけでハンマーをコック(引き起こす)しリリース(おとす)するダブルアクショントリガー方式で安全性の面で最高のオートピストルを作り上げる。
更にこれらは、後述する独立したローディング・インジケータも備えていた。
PP,PPKとそのあとに続くP38(過去の記事)も、大型拳銃としては初めてこれらの機構を備え、安全性の向上に大きく貢献していた。

左から、PPK/S(マルゼン ガスブローバックガン)、M1910(マルシン モデルガン)、ベレッタM1934(WA ガスブローバックガン)。
M1934はこの中では一番後の作だが、安全装置は手動式ひとつだけである。ただ、このあと半世紀経っても、この構成に拘るメーカーもある。更に言うと、トカレフTT-33(過去の記事)のようにハンマーのハーフコック(途中で止める)しかないものも、軍用制式として使われた過去があり、安全装置に対する認識は実に様々である。
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[リボルバーの改良]
ヨーロッパでは自動装填式がもてはやされたが、米国では回転式が1980年代まで公用でも広く使われ、今も護身用として人気がある。
これらは普通、独立したセフティを付けていないが、内部にはセフティ機構が組み込まれている。
下の写真、向かって右のポリスポジティブは、ポジティブロックをコルト社として初めて採用したことからその名を付けられたモデル。
従来は発射後、トリガーを戻すとハンマーが撃発位置から少し後退して止まる(リバウンド)が、これが故障しても、トリガーを引ききらないとハンマーが前進できないよう、ブロックするのがポジティブ・ロックである。
この後、大手のリボルバーは同様のインターナルセフティ(内部安全装置)を備えるようになった。
左のローマンMkⅢは、同じコルトだが、第二次世界大戦後の作でセフティ・コネクター(他社ではトランスファー・バーと呼ぶこともある)形式のインターナルセフティとしている。
これは、ハンマーとファイアリングピンの間に隙間があり、ここにセフティ・コネクターが挟まるとハンマーの衝撃が伝達(トランスファー)される仕組み。
セフティ・コネクターはトリガーと連動しており、トリガーを引いたときでないと間に挟まらない。
この方式では、リバウンド機構は廃している。

ローマン4インチバレル付きとポリスポジティブ(これも4インチ)。
ローマンはMGCのスーパーリアルヘビーウエイト製モデルガン。
ポリスポジティブはタナカのヘビーウエイト樹脂製ガスガン。
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ローマンのセフティ・コネクター。
ハンマーの前に内側からせり上がってきているのがそれ。
トリガーを引くと更にピンに覆い被さる形になるところまで上がり、撃発が可能になる。
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スミス・アンド・ウェッソン(S&W)社は、ポジティブ・ロックと同様ハンマーの前進を妨げる安全装置だが、名称はハンマー・ブロックとしている。
コクサイのM19で、上のローマンと同じように覗いたところ。
ちょっと見ずらいが、フレーム内に、棒状のパーツがあるのが、ハンマー・ブロック。
safe/04

[セフティの種類]
ここらで、セフティの種類別分類や装備のセオリーについて考えたい。
まず、手動式の独立したセフティと、自動もしくは他の操作に連動するものがある。
独立したセフティも、単に撃発装置をブロックするだけのものから、ハンマーのデコック、スライド,ハンマーコック(起こす)等の操作も出来ないようにロックするものまである。
他の操作で連動するものには、上記のように引き金に連動するもの、グリップについていて握ると解除されるもの(グリップ・セフティ)、マガジンを抜くとロックされるもの(マガジン・セフティ)がある。
これらとは別に、ハンマーを安全位置まで戻して、長く重いトリガーを引かないと撃発しないようにすること(ダブルアクション)も安全性を考えた機構だ。
現在では撃発はダブルアクション・オンリー(DAO)とし、手動安全装置を廃したモデルが、簡単な操作で安全性も高いとして警察等で流行している。
また、撃発装置をブロックするものではないが、カートリッジの装填を知らせるローディング・インジケータ、内蔵ハンマーやストライカー式でそれがコックされていることを示すコッキング・インジケータなども、安全の為の装備である。

[質と量とヒューマンファクター]
これらの安全装置を備えれば備えるほど安全性が上がるか、というと、これはそうでもないように思う。
むやみにたくさんあれば良い、とは言い切れない部分がある。
数が多いと、時にどれかが機能しているはず、という気持ち、慢心を生むし、余り多いと操作が煩雑に過ぎ、使い方も覚えにくく、逆に使われないようになることもある。
安全装置で重要なのは確実性で、フェイルセーフというのは、失敗(の可能性)があるから数が有用である、という逆説的考察も、成り立たないだろうか。
複数の自動装置で安全な状態に保つ、というのは良いのだが、人間に多くの安全操作を要求するのは、必ずしも良い結果を生まないと思う。
ヒューマンエラーの低減には、シンプルな方法に絞るというのも有効な方法だ。

更に銃は必要なときには速やかに撃てるものが望ましく、操作が複雑で弾がなかなか出ないと、本来の「撃つ」という機能に問題があることになる。
そこで、個人装備の火器では、後述する工具や本体とは別の機器を使う追加ロックを除くと、どんなに安全性が高いと言われるモデルでも、手動の独立した安全装置はまず一つだけだ。
あとは自動,もしくは連動式のセフティが組み合わされて万一の事態に備えている。
つまり装填してあれば、セフティ一つ解除してトリガーを引けば、通常は弾が出るようになっている。
これは安全を重視しすぎだと言われる日本の制式銃でもそうだ(安全装置が180度以上も回転させる、引いて回す必要があるなど、他では見られないくらい扱い難いことになっていたりするが)。


[追加ロック機構]
近年では、メーカーが対策に消極的だと訴えられるまでにエスカレートしたアメリカの訴訟事情もあり、たとえ装填されていても撃てないように、施錠できるモデルが増えている。
H&KのUSP(過去の記事)では、マガジン(弾倉)を抜いた穴から鍵を差込み、ロックがかけられるようになっている。(これはKSCのガスガン)
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S&WのM500でも、鍵を差し込んでロックできる構造を採用している。
こちらはフレーム側面の、シリンダー・ラッチ(シリンダーを出すボタン)の上に鍵穴がある。
これはタナカのガスガン。
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そして本体に施錠機能が無くても、トリガーを引けないようにロックをかけるもの、ガンケースに施錠するものなどをメーカーは添付しており、安全対策品は必須の装備となってきている。
更にこれらのロックも各種のものが市販されてきているし、専用の鍵でなくても、下の写真のようにフレームに施錠してシリンダーを入らなくしたり、トリガー後方につけて引けなくするなど、様々な対策が可能だ。
また、ライフル等でも、機関部を開いた状態で挿入する器具が販売されていて(チャンバー・セフティ・フラッグ)、これも大抵の銃で使える。

タナカのガスガン、M29クラシック(過去の記事但し今回のシリンダーはノンフルートタイプ)にクリプトナイトのロックをつけたところ。
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[暴発]
日本でも最近、幼い子供が自分の兄弟を撃ってしまうという痛ましい事件が起こっている。
まず犠牲者の方に哀悼の意を表したい。
さて、実はこのような事故で出てくる「暴発」という言葉に、少し違和感がある。いかにも銃の故障に起因するかのような、無責任な表現ではないかと思うからだ。
過去にAK47(過去の記事)のところで触れたように、人間の責任を道具に転嫁すべきではないと思っている。
今回の場合でも、銃に弾を装填し、安全装置の解除(最初からかけていない場合もある)、そして引き金を引く、という一連の動作が間違い無く行われて弾が出たはずである。
暴走、というのも本来はコントロールを失った状態だと思うが、車,バイクの暴走に限って言えば、「故意に」無謀運転をすることだと認識されているように思う。
これと同じく、大抵の「暴発」もルールを無視した危険行為の結果である。

今回の事故の原因は、銃の事故で最も多い、「弾が入っていないと思った」という誤認だったと思われるという。
思い違いなどが生じないよう、複数の機会で抜弾を確認するのだが、これを全て怠ったということなら、やはり数より質が検討されるべきではないだろうか。
上記のチャンバー・セフティ・フラッグを入れないと射撃場の出入りが出来ないなど、確実に抜弾を確認させる方策も、考えてもらいたい。

子供は、ときに全く予想しない行動に出ることがある。
特に今回は、父親が目を離した短時間のうちに事故が起こっており、引き金をたまたま触ってしまった、というより、興味を持っていて銃に触れるチャンスを伺っていたのではないかと思う。
このぐらいは好奇心旺盛な時期であり、またもともと、人間はタブーには逆に強い好奇心を喚起されるものだ。

銃を持っている方には、確実性の高い安全策で自分に可能な数に絞って、それを徹底することで事故防止を計ってもらいたいと思う。
そして、これは銃に限らず、乗用車や暖房器具など、日常使用する道具にも言えると思う。
今回の問題を銃特有の、特別な事故例として片付ける傾向があり、もしかするとそっちが多数派かも知れない。
銃が無くなれば、ということについては、上にも示したAK47の記事の際に少し考えを述べさせてもらった。
ただ、今回のような事例を踏まえて、個人の実銃所持,保管について規制を強化しようという声が挙がること自体は否定できないし、実銃を持つ権利を主張するなら、その義務である安全管理について、更に進めなければ反論も出来ないと思う。
実銃所持の是非は、また機会があれば問うことにして、安全の確保について今回の事例から教訓を得ることについては、どちらの立場でも否定されるものではないと思う。
どうか子供が重大な事故を引き起こす悲劇の無いよう、安全に気を配っていただきたいし、自らも注意したいと思うものである。

次回は通常の形に戻して、前回予告した?ネタをやるつもりなので、またよろしく。
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今回はSIG SP2340を。
SP2340/13

[概要]
SP2340は名門SIGのポリマーフレームオート(高分子樹脂を下部構造体に使った自動装填式拳銃)。
機構は同社のP226シリーズと共通のハンマー式で、ダブルアクション(DA)トリガー、スタガードコラム(カァラム)マガジン(複列弾倉)、デコッキングレバーを持つ(過去の記事)
素材,加工もP226系と同様、スライドはステンレスに高耐食性を誇るニトロン(Nitron これは商標で、ニトリル基,又はそれを含む化合物の一般名称はNitrone)コーティングを施し、バレルはコールドフォージド(冷間鍛造)だという。
1998年にまず40S&W弾と357SIG弾を使うSP2340が、続いて1999年に9×19mm(ルガー,パラベラム)弾のSP2009が発表された。
その後、ショートモデルのSPCシリーズや、改良型のSP2022を発表し、現在はSP2340,SP2009は終了しているとか。
SPシリーズは競合の多いこのカテゴリーで、後発かつ価格でも苦戦していたようだが、最近米国,フランスでSP2022が一部採用されるなど、一定の評価を得つつある。

1/1はKSCのガスブローバックガン。
SP2340/02


[名前の由来]
SPシリーズは単なる廉価版とのイメージを避けるために、SIG Proという名称(ここから型式もSP)というつけた。つまり玄人ご用達という、ポジティブキャンペーン?だ。
そして数字のうち、3と40が357SIGと40S&Wの両用(バレル=銃身を交換するだけで2種の弾が撃てるという)を意味するらしい。それで9mm版はSP2009である。
2000番台の説明は聞かないが、当時2000年を前にしたミレニアムブームだったこと、もともと200番台を拳銃の型式に用いていたこと、それから説明のように3と40が口径を指すなら拳銃を指す2が4桁目になったのではないかと思われる。
しかし、それなら今までのP232(過去の記事)なんかは32口径になってしまうような。

1/1でSIGのハンドガンバリエーションを。
左からSP2340,GSR,P226,P232,P210のガスブローバック式エアーソフトガン。
GSRはウエスタンアームズ、P226はタナカ、P232はKSC、P210はマルシン。
SP2340/14


[ポリマーのメリット]
ポリマーフレームというと軽量化のイメージもあるのだが、SP2340はそれまでのアルミフレームP226系に比べても余り軽くない。P228より重く、P229よりわずかに軽いという。
また、インジェクション(射出成形)で加工コストが安く、廉価版のようなイメージがあると思うが、これも同社の中では安価でも、ライバルと比べると決して安くないそうだ。
SIGが低価格を追求しなかったのは、ブランドイメージの低下を恐れたという側面もあると思う。
安価で大量に売るのは、技術力で勝負している自分達の仕事ではないし、逆にいえば、その付加価値をつけることがSIGのオリジナリティでもあると判断したのではないだろうか。

各社のポリマーオートと。これらも全部ガスブロ-バックガン。
左からSP2340、ワルサーP99、H&K USPコンパクト、グロック G19。
P99はマルゼン製、USPコンパクトとG19はKSC製。
USP(過去の記事)とグロック(過去の記事)は過去にも取り上げたもの。
SP2340/10


[交換式グリップ]
ポリマーフレームでは、VP70やG17は一体のグリップフレームとしているが、現在ではグリップの一部または全部を別体として、射手の手の大きさに合わせて交換出来るシステムを採用するものが出てきて、それが増えつつあるようだ。
SP2340のようにグリップ全体を交換出来るものは、H&KがP3000シリーズなどで追随している。

SP2340のグリップ着脱状態。
グリップはマガジン挿入口内側のツメを押して下に引き抜くと外れる。
KSCではガスガンでも、実物の機構を再現することに拘り、写真のようにメカは実物と見まがうほどリアルだと思う。
これにはプレスの外板をもつマガジンも装備させており、ここにも細かい刻印が入っていたりする。
上は後で解説する2340XM13カスタム。
SP2340/05


[アクセサリーレール]
最近はレーザーサイト、フラッシュライトなどのアクセサリーを用途に合わせて簡単に装着できるよう、アクセサリー取り付けレールがフレーム前方に設けられるようになった。
SPシリーズ開発当時、各社の規格が乱立し、SIGもこのSPシリーズでは独自規格のレールをフレーム前方に設けている。
その後、ピカティニーレールが業界の標準となったので、P226レール,GSRなどはこれをつけ(加工法としては削り)、SPシリーズも2022でピカティニーレールに変えた。
2340のレールは張り出しが無くスマートな反面、バレルに対し斜めにアクセサリーがつく。
このため一般化させるのはもちろん、同社のP220シリーズにも適応できなかったのではないかと思う。

SIG 3種のアクセサリーレール。
左からGSR、P226レール、SP2340。
SP2340だけが独自規格で、外はピカティニー規格。
SP2340/03


ピカティニーレールにライトをつけたGSRとSP2340。
両者は全く違うものだが、トリガーガード付け根(グリップ側)のアールが小さいところなど、各部に共通点がある。

SP2340/04


[改良?]
SPシリーズはポリマーを使ったが、軽量化,小型化はなされていない。これは最初から40S&Wの複列弾倉を使う事を前提とした事が理由とされている。しかし、握ってみれば判るが、その差は単に弾が大きくなった以上に大きい。
SIGは米軍M9トライアル用として複列弾倉版P226を出すときにP220と同じ周長の細身の握りやすいグリップで納め、成功することができた。
但し、左側グリップ上方にデコッキングメカの為の張り出しを作ってしまった。
この措置はユーザーには好評でも、設計者としては、これは余り格好良いものと思わなかったのではないだろうか。これが成功だとするなら、SP2340でも張り出させているはずだが、側面はフラットにしたものの全体が太めになった。
反動処理は太い方が有利だが、ライバル達は皆けっこうスリムである。この傾向は、女性の使用者増加が影響しているとか。
ただ、米国XM9トライアルに出てきたファットな仲間たち、M459(過去の記事)やP7M13(過去の記事)よりは、ずっと握りやすいと思う(これらも好きなのだが)。
また、SP2340では、分解方式を米国では最もメジャーなコルトM1911(過去の記事)などと同じ、スライドを少し後退させてスライドストップを引き抜く、という形にした。
米国の民間市場の為に、わざわざこの方式としたという側面もあるかもしれないが、これもP226系の独立した分解レバー式に比べるとややこしい。

SP2340とP226のグリップを後方から。
左側のグリップパネル上部にデコッキングレバーがあるが、P226ではこの部分が盛り上がり(下部分を絞り込んでいるともいう)がある。
SP2340/09


名機P226を存続させ、別のラインを作ることが目的だったにせよ、SPシリーズはユーザーの喜ぶ部分、メリットを向上させられただろうか。
上記のように一定の評価は受けつつあるが、SIGは次の一手をもう打っている。全く異なるP250シリーズを2004年に開発、しばらくこれは鳴りを潜めていたが、今年大々的に前に出してきている。
この型番構成(SPでなくP、その後も4桁でなく3桁の数字)に戻っていることも、SP2340系だけがSIGの中でも”違うもの”、という扱いにもみえる。
但し本当に別物、といえるGSRはまた違う型番構成なので、SPシリーズもSIGのバリエーション拡大に伴う戦略上の一里塚、なのかも。
いきなりP250では、S&Wがシグマで客層の反発を招いたようにグロックのデッドコピーとして敬遠されかねなかったし、既に上記で紹介したP99,USPのように独自色を打ち出してきた競合がいる中で、後発のSPシリーズにも個性が求められたと思う。
社内でもグロックに最初から白旗を上げるような真似はできなかっただろうし、P226系の機構は好評だったのだからこれを活かして独自性を打ち出すという戦略は無難ともいえる。
何よりSIGはデコッキングレバーを装備しマニュアルセフティを廃した、リーディングカンパニー(牽引役)である。

[トイガン]
KSCがガスブローバック方式で作っているが、マルイほか数社からエアーコッキングガン,電動ガンが出ているようだ。
例によってエアーコッキングの持ち合わせが無いので、KSCのバリエーションについて話を進めると、SP2340がABS樹脂、SP2009がHW(ヘビーウエイト)樹脂で出ている。他に限定として、GSG9カスタムとXM13カスタムが出た。これらは、ドイツの特殊部隊GSG9と米国に、もしSP2340が、、、というKSCの架空の設定だが、GSG9がスライドにマグナポートを持ち、XM13はSTIのハイブリッドコンプなどに代表されるコンペンセイター(制退器,略してコンプ)付きのバレルとして、リアサイトを調整式としている。今回入登場させた中古のXM13では、ここが固定サイトに戻されていた。

SP2340XM13カスタム(左)とSP2340。
SP2340/07


XM13カスタムのコンプ付きバレル。スライド上部を削り取ってガスポート部分を盛り上げた形状のバレルをつけるスタイルは、タクティカルシューティング競技向けのカスタムの手法。
SP2340/08


[1/6]
今回の1/6は金属製だ。単品購入だが、DIDのものではないだろうか。
SP2340の特徴でもあった専用レールを活かすためか、着脱可能なレーザーサイトユニットがついてきた。これ以外にもマガジンが着脱出来る。金属製なのではめあい公差が難しいと思うのだが、レーザーサイトもしっかり付いて、かつ嵌め込みがきつ過ぎないという、絶妙のところに仕上がっている。外観も全体のシルエットが良く、細部も金属製では最もいいレベルだと思う。
SP2340/11

いつものように次回は未定だが、またボルトアクションライフルか、M1911系の変り種なんかを考えている。と期待させつつ、では、また。
SP2340/12

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まとめ

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