ADMIN TITLE LIST
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手 by FC2
今回はコルトのローマンMkⅢを。
lo/01


[概要]
コルト社は、リボルバー(手動回転式拳銃)のシェアを奪いつつあるS&W社に対抗する為、1960年代後半(1970年代?)に工場を新設し、ダン・ウェッソン社のM15シリーズを手がけたカール・R・ルイスの設計によるMkⅢシリーズの生産を始めた。
MkⅢには、固定サイト,テーパードバレル(先が細い銃身)で38スペシャル弾仕様のオフィシャルポリス、357マグナムのローマン、ヘビーバレルで、38スペシャルのメトロポリタン、357マグナムと22口径のトルーパーなどが作られた(前に可動サイトがメトロポリタンだと書いていましたが、ご指摘頂き訂正しました)。
トルーパーは、1953年にパイソンと同じ機構でパイソンに先んじて発売されていたが、MkⅢでオフィシャルポリスと共にリニューアルされた。

ローマンMkⅢ 4インチバレル付き。
これはコクサイのモデルガン。
lo/12

MGCのモデルガンで、オフィシャルポリス(MkⅢ以前の旧タイプ 左)と、ローマンMkⅢ。
これも両方4インチ。
lo/22

スミス&ウエッソン(S&W)のM10とローマンMkⅢ。
これらはどちらも2インチバレル、コクサイのモデルガン。
lo/23

[MkⅢの新機構]
コルトのそれまでのメカは、松葉状のリーフスプリング(板ばね)を用い、ハンマー,トリガー(引き金),シリンダーハンド(シリンダーを回すパーツ)、そしてハンマーを少し戻すリバウンド機構もこのスプリングで行うものだった。
これは一見シンプルで合理的に見えるが、ひとつのスプリングで多くのパーツを動かそうとすると、強さのバランスが難しいと思う。
更に板ばねは熱処理の均一性という点では疑問があり、折れると完全に機能しなくなる。車両で使うリーフスプリングは、減衰効果を期待していることもあるが、複数を重ねて使用している。
そして、発火が確実でかつ軽いポイントを探る為に調整するのが難しい。
この方式だと、バネを曲げなおす,焼きなます,削る、といった事が必要で、どれも元に戻すことは困難な方法だ。
また、松葉状のばねを両側から圧縮するので、トリガーを引いていくとプログレッシブ(漸次的,比例ではなく二次,三次曲線的に急激)に重くなっていく。
また、トリガーとハンマーの接触も、同じ部分が(スライドはするが)接触しているので、これも重いトリガーの原因になっている。

コルトパイソンとS&W M10の内部メカ。
lo/13

そこで、まずトリガーはキックばね、ハンマーはコイルばねとし(コイルは製造も調整も楽だ)、リバウンド機構は廃し、代わりに、撃発時だけ上がってくるレバーを介してハンマーの打撃力が伝わるセフティ・コネクターを採用、このレバーとシリンダーハンドは板ばねだが、ともかく機構はかなり進歩した。
外観で特徴的な、前方が大きいトリガーガードは、トリガー支点が比較的前方にあり、トリガーが斜め上に向かって回転するようにデザインされている為だが、これは指の自然な動きに沿った、エルゴノミクスを考えたもの。
ただ、トリガーが少し遠く、日本人には大きすぎるように感じる。これは模型では若干修正されているようだが、比較的大型のフレームは、後述する模型化に際しての様々なメカを納めやすい、という点でもメリットがあったと思う。
コルトはこの新機構を高く評価していたらしく、これ以後従来型の生産は続けるものの、素材の変更など小改良するに留めたのに対し、後年MkⅢは小改良されMkⅤシリーズとして発展、また44マグナムのアナコンダなどの大型フレーム製作時も基本構造はMkⅢ,MkⅤシリーズを踏襲している。

MkⅢ,MkⅤのモデルガン3種の内部メカ。
左からKSC製 キングコブラMkⅤ,コクサイ製 ローマンMkⅢ,MGC製ローマンMkⅢ。
各モデルガンの説明は下で。
lo/14

[モデルアップの選択]
プラスチック製モデルガンのパイオニアで、当時業界最大の製造元でもあったMGCは、大好評のABS製モデルガン、ハイウェイパトロールマン41マグナム(以下ハイパト、この銃は架空設定ともいえる)に続き、同じABS製モデルガンの新機種としてコルトのMkⅢローマン,トルーパーを発売した。

これらはハイパト、その後マイナーチェンジした44マグナム4,6.5インチバレル(銃身)のカバーできていない部分、もう少し小型で、38口径のポリス用としての需要を満たすよう、固定サイトのローマン2,4インチ、可動サイトでエジェクター(排莢器)にシュラウド(覆い)の付いたトルーパー4,6インチと、一挙4機種の大バリエーションを用意、中でもローマン2インチは、刑事用のTVドラマ撮影小道具として最も多く使われ、高い人気を獲得したと思う。

MGCのローマン。
左がヘビーウエイト(HW)樹脂の初期型2インチ、右がスーパーリアルヘビーウエイト(SRHW)樹脂の4インチ。
lo/15

米国ではマグナムは大型グリップに可動サイトの付いたものが多く使われ、ローマンはマイナーな銃だったが、日本では高い人気と知名度を持った。
もともと、モデルガンメーカーは業界活性化と生き残りも考え、競合モデルアップは避ける、という紳士協定がその頃存在し、またMGC社内でも既存製品の販売を妨げないよう、今まで無かった機種をモデルアップする、という戦略を採っていた。
そういう点では、有名ブランド コルトの新戦略機種は、うってつけのモデルだったかもしれない。

ローマン2インチは、最初オールドタイプ(初期型)をモデルアップしたが、後にエジェクターロッドシュラウドを付け、少しバレルが長くなったニュータイプに変更、それからしばらくしてオールドタイプが復活した。

新旧の2インチバレル。
左がシュラウド付きのニュータイプ、右が初期型。ニュータイプは若干長いが、これはエジェクター+シュラウドの長さ分を確保したためで、実物も2インチといっても長めだとか。
lo/09


このオールドタイプ、実物は販売期間も短く、数もたいへん少ない、レアモデルだとか。
素材もABSからヘビーウエイト(HW)樹脂、スーパーリアルヘビーウエイト(SRHW)と変遷し、今流通しているものはHWのようだ。
トリガーはセミワイドがついているが、削り込んで細くしたものをニュータイプには付けている。
グリップは最初薄めのウォールナットを思わせるスチロール樹脂、次に紫檀調の濃い紫のプラスチック、その後HW樹脂にプリント木目を経て、濃い茶色の塗装をしたものになったようだ。

[MGCの改良]
MGCのMkⅢシリーズは、小林太三氏(現タニオ・コバ)独自の設計で、多数の改良が計られていた。
それは、登場時のカタログにも、カッタウェイ写真も挿入して説明が加えられていたが、大きなポイントは、重量の増加と耐久性の向上だと思う。
フレームに別体の鉄板シャ-シを内臓して、磨耗や衝撃によるABSフレームの割れ,欠けなどが起こりにくいようにしている。
また、この改良は重量も増したが、更にグリップ内部形状を大きく変更して、ここに錘効果のあるダイキャストパーツをネジ留めした。
HW(ヘビーウエイト)樹脂の発明,実用化がされていない当時、軽さはABSモデルガンの大きな弱点だった。
これ以外の改良で、クレーン(ヨーク シリンダーを支えるアーム)に簡易ロックを備え、シリンダー固定度を上げていた。
これは、カール・R・ルイスがダン・ウェッソンM15シリーズで採っていたロック構造がヒントになったのではないかと思う。
しかしM15ではここを手動ラッチとしていたが、MGCでは後方のラッチがあるため、ここを半固定式とした。
すなわち、クリック機構のように、大きな力をかければ開くものだ。
コルトのスイングアウト方式は、後方のラッチ+後部センターピンでシリンダーを保持する。これだと前方がフリーなので、ラッチを引くとシリンダーがそのままスイングアウトする(ヨークをバネで押して抵抗は作っているが)。
このヨークの固定方法は、後に実銃でS&Wのリボルバー改造時に用いられる(ボールを使っている)など、ここも進んだ機構だった。

MGCの半固定式ヨーク。
lo/08


また、ローマン2インチはラウンドバット(端が丸まっている)、4インチをスクエアバットのサービスサイズ(フレームと同寸のグリップ、公用などで使う、という意味かもしれない)とし、トルーパーはオーバーサイズとして、しかも実物ではバックストラップ(フレーム後部)が下まであるのをカットし、ラウンドでもスクエアでも、オーバーサイズでも、全てのモデルが別モデルのグリップと交換できるシステムを開発した。
これは画期的な事で、後に実物が小さなグリップフレームとしてグリップデザインの自由度を上げたのを先取りしていたように思う。

MGCの各種グリップ。
左はABS2インチのスチロール樹脂(ラッカーを塗った)。
中央はSRHW 4インチのHW樹脂+プリント木目。
右がHW 2インチのHW+濃い茶色の塗装。
4インチの後端部が尖ったスクエアバットなのに対し、2インチは丸まったラウンドバット。
lo/19
ニュータイプローマン、MGCとコクサイで、フレームの比較。
矢印部分にフレームがあるのがコクサイ。
lo/24

また、4インチはSRHWだが、トリガーとハンマーもケースハードウィン(表面焼入れ?)の濃淡のある模様が再現されている。

ケースハードウィン風のハンマー。
lo/16

MGC MkⅢシリーズは、TVの宣伝効果だけでなく、製品の品質向上,改良という点でも進化させたことが、今に至るまで愛される製品になった要因ではないかと思う。

[コクサイの独自性]
コクサイは、大流行したハイパトの恩恵に預かろうと、同じ機種をタブーを破って発売、しかもそれはMGCのデッドコピーだった。
モデルガン自体が実物をコピーした模型なのだから、似た物が出来ることはある。
しかし、実物とは違うアレンジや、実物が無い架空機種、というところまで一緒だとなるとこれは真似、だと思われる。
さすがにこれでは気が咎めたのか、はたまたユーザーもデッドコピーにはそっぽを向き、販売が思わしく無かったのか、(間にM29もあったかも知れないが)続くMkⅢシリーズでは少し路線転換を図る。
ここでコクサイはデッドコピーから脱却し、MGCのアレンジしたところをより実物に近く改良したのである。

コクサイのモデルガンで、MkⅢラインナップ。
左から、トルーパー6インチ,ローマン4インチ,ローマン2インチ。
lo/04


まず外観の向上だ。MkⅢシリーズは、サイドプレートを止めるスクリューに、他では見られない変わった構成をとっている。
これはスクリューの頭をプレートの端に当てて止める方式で、他の銃では見られないだけでなく、工業製品一般でも珍しい方式である。
MGCではこれを一般的な穴あけ方式とし、スクリューも皿ビスで、しかもプラス頭を使った。そこでコクサイはオリジナルの方式を再現、差別化を計った。
余談だが、MGCの方式、皿穴なので強く締めると穴が開く方向に力がかかり、サイドプレートにヒビが入ることがあった。

サイドプレート固定スクリューの比較。
左がコクサイ,右がMGC。
このMGC製は、古いものなので、プラス頭。
これはトリガー幅を薄く削ったのが、このカットだと良くわかるだろうか。
lo/17

更に、大幅に形を変えていた内部パーツも実物に近づけ、フレーム内のシャーシをMGCの鉄板からダイカストフレームとした。
これは設備や外注問題などでプレス加工を避けた可能性もあるが、結果的によりリアルな形状をもたらした。
以前Gun誌上でコクサイの工場が紹介されていたが、自社でインジェクション成形を行っていたようだ。
コクサイMkⅢは、主なパーツをダイキャストとし、またその品質を上げて強度を確保するだけでなく、処理にも工夫を加えていた。
MGCが亜鉛パーツはガンブルー仕上げとしたのに対し、コクサイは銅下をかけて(まず銅メッキ)ニッケルメッキ、そしてその上から黒色塗装とした。数倍の行程がかかるが、20年経った今も金属部品は良好な状態を保っている。

これらが販売面で成功したとは限らないが、コクサイの独自性の追求に火をつけたことは確かだと思う。
余談になるが、コクサイはMkⅢシリーズを金属モデルでも基本的に同じ設計で製作し、ハドソンも金属モデルでローマン,オフィシャルポリスを作っていた。
コクサイはMkⅢシリーズ以降のS&W Kフレーム,Nフレームシリーズやパイソンでもプラ,金属両方モデルアップという体制を採っており、この点でも同社の製作スタイルを方向づけた一作といえると思う。

4インチでコクサイ(左)とMGC(右)の比較。
lo/02


[1/6]
さて、それでは1/6を。
今回のものは、アオシマが製作したガールズミッションに付属のもので、これは恐らくその前に製作された、西部警察シリーズの巽刑事に付属していたものと同じでは無いだろうか。
アップサイドダウンのホルスターも付いてきたので、トップのカットはこれに収めてみた。
これも少し脱線だが、リアルサイズ用のアップサイドダウンホルスターも持っており、昔、金属ローマンを入れたところ重さで抜けて落下、ボディを大きく凹ませ壊した苦い思い出がある。
しかし、このスタイル、絵になるといえば余りに絵になるホルスターである。

今回の本体は銀色に塗られているが、これは何とMGCのモデルガンを元に作られている。
MGCの特徴である、途中までしかないバックストラップ,サイドプレート固定用スクリューの形式がそのままコピーされている。
西部警察の小道具もMGC製だったので、これはこれで”よりリアル”だとも言えるが。
ともかく、以前のP7シューマッハもそうだが、MGC製品の影響力は、ミニチュアの世界にも浸透している。
もっとも、これは実物の採寸がままならない、という事情かもしれない。

lo/20

MkⅢシリーズは実物がMkⅤに進化したこともあって、後にMGCの流れをくむKSCがMkⅤシリーズをモデルアップした。
このMkⅤやMkⅢのトルーパーなどは、出来たら別の機会に一つの記事としてまとめたいと思っており、今回は少し出しただけに留めた。

ローマンは、実物は決して成功したとは言えないが、日本のモデルガンの世界では、その人気でも、技術でも、大きな転機をもたらした、マイルストーンとなったモデルではないかと思う。

このところ、隔週更新となっていますが、別ブログ(Other Side)も展開しているので、宜しければそちらも覗いてやってください。
それではここらへんで失礼。

lo/11

スポンサーサイト
web拍手 by FC2
今回はエンフィールド リボルバーNo2を。
enf/01


[概要]
ロイヤル・スモールアームズ・ファクトリー(RSAF:王立子火器製造廠,エンフィールド造兵廠)は、ロンドンの北、エンフィールドの地に19世紀に創設された。
それまで小銃の品質に問題のあった英国は、1851年に自国で開いた万国博覧会で展示されたコルトの品質、とりわけ高い相互誤差(それぞれの部品の精度のばらつきが少ない)に注目した。
多くの専用機械を使って製作し、部品に共通性をもたせ、組み立て調整の手間がかからず大量生産できるこの進んだシステムを、国立(王国なので)の工場を作って取り入れることにしたのである。
こうして生産されたエンフィールド小銃は、英国制式として配備され、RSAFは英国陸軍の装備を支える重要な存在となる。
英国軍は、小銃だけでなく拳銃もRSAFで生産することにしたが、このときどういうわけか、それまで制式としていた.455インチ口径のリボルバー(手動回転式拳銃)を作っていたウェブリー&スコット社に口径を38口径に変更したものを試作させ、それをRSAFで勝手に製造してしまったらしい。
こうして生まれたいわくつきの拳銃が、エンフィールドNo2MkⅠのようである。
型式は、ウェブリー&スコットのNo1MkⅣリボルバーの型式を引き継いで、No2MkⅠとしているが、後にウェブリー&スコットから訴えられ、いくらか払って決着したような。

ウェブリー&スコットは、その前に自動式も手がけており、.455口径の自動装填式と、これを小型化したものを作っている。

今回は、ウェブリーのM1905自動装填式拳銃の文鎮(つまり一体成形の無可動キャスト)モデルも。
左がNo2MkⅠ、右がM1905。
enf/14


さて、エンフィールドNo2MkⅠだが、ノーマルのものは5インチバレル(銃身)だ。
38口径のカートリッジは、実は38S&Wそのもの、だったらしいが、これをNo2用英国制式拳銃弾とし、長いので通称は380エンフィールドと呼ばれるようだ。
このバリエーションとして、戦車兵が携帯しやすいよう、デボーンド(指掛けを切った)ハンマーでダブルアクション(引き金を引くとハンマー7が起き、更に引き続けるとハンマーが落ちる)専用とされたNo2MkⅠ☆があり、これが今回マルシンから再販されたモデルである。
日本軍もダブルアクションオンリーのトップブレイクリボルバー、二六式を採用していたが、米国では、現在も警察用にDAO(ダブルアクションオンリー)モデルが指定されるなど、軽いトリガーを危険視しているところはある。
もちろん暴発の原因はトリガーの軽さだけに原因があるのではない。
しかし、命中精度を落とし,ある機能を殺すという、この方法も現実的な解決策ではあり、また間違いなく事故は減る。
一説には、戦車兵は着ていたオーバーオールの中に拳銃を突っ込んでおり、抜くときにハンマースパーが引っかかって暴発するから、というのもあったが、後述するようにリバウンドメカ+ハンマーブロックの2重の安全機構が備えられており、ハンマーがひっかかっての暴発は考えにくい。
やはり軽いトリガーを、誤って引いてしまっての暴発事故への対処ではないだろうか。

バリエーションとしては更に、短いものが試作され、これは警察(憲兵?)用だったのではないかと推測からか、ポリスモデルと呼ばれたりしている。
マルシンはこれもモデルアップ,少し前に再販しているが、英国では結局試作止まりとなり、イスラエルで戦後作られたとか。

[モデルガン]
マルシンのモデルガン、エンフィールド 3種。
左から、ポリス,No2MkⅠ,No2MkⅠ☆
いずれもヘビーウエイト(HW)樹脂製。
ポリスと☆が表面を磨いたエクセレント仕様で、グリップは木製でプレーンなもの。
No2MkⅠのグリップはスチロール?樹脂。
enf/02


ハンマーの比較。
左後方がMkⅠ、右がMkⅠ☆。
☆はスパーが切り取られた形だ。
実物では、☆はシングルアクションが出来ないだけでなく、ダブルアクションも重いという。
enf/08


No2MkⅠ☆でサイトピクチャーを。
フロントサイトは薄いが、リアはスクエアな溝で、大型かつプレーンな見やすいもの。
enf/09


グリップ右面の比較。
左がNo2MkⅠ。これはABSモデルで、グリップもプラだが、ラッカーを自分で塗ったもの。
ABSは真っ黒だが、レフ板に青い板を使って撮るとこのようなガンブルーっぽい反射が得られる。
右がNo2MkⅠ☆。グリップ右側には大きなナット(カラー)が付く。
グリップ上部もフレーム上まで伸ばされ、そこがフィンガーレスト(指掛け)状に成形(えぐられて)されている。
enf/12


両者はフレーム刻印も違う。
MkⅠ☆は1940年、MkⅠ(ポリス)には1933年の刻印が入る。王冠マークも少し違う。
これは両者HW樹脂。
enf/13


[中折れ式]
エンフィールドリボルバーは、ラッチを押してバレルを下方向に押すと、銃の中央部付近のヒンジを支点として折れ曲がり、カートリッジが排出されるトップブレイク(中折れ)タイプのリボルバーである。
トップブレイクの先例としてはS&WのNo3あたりが参考ではないだろうか。S&Wno3はブレイクオープンするとエジェクター(排出子)が作動してカートリッジを排出する。
これは内部にギア機構を仕込んであり、マルイの電動ガンがピストンを圧縮するようにエジェクターを押していく。

マルシンのNo3エングレーヴモデル(左)とNo2MkⅠ☆。
enf/06


エンフィールドではこれをもっと簡略化して、エジェクターをアームが押すだけのシンプルなものとした。
解除もいっぱいまでバレルを下げるとヒンジ部の突起(矢印)が押し込まれアームが戻る。
これでバレルを押して(ブレイク,開く)いくとカートリッジは引き出され、エジェクターはその後自動で戻る。
enf/11


これらのトップブレイク・リボルバーは、スイングアウト式リボルバーより簡単な操作である。
このためか、S&Wのスイングアウト式リボルバーの名称が、ハンド・エジェクターとなったのではないだろうか。
つまり自動(連動)式エジェクターとの比較(敢えて皮肉、とはいわない)である。
もちろん歴史を見ればわかるように、スイングアウト式がその後強度という利点を生かして主流になっていったのであるが。
エンフィールドがスイングアウト式を採らなかったのは、ウェブリ-のトップブレイクを使っていて、反動が大きいなどの点を除けば特に不満が無かった、というのが最も有力だが、弾の威力が低く変更の必要を感じなかった、操作がこのほうがシンプルに思えた(実際はあまり差はないと思う)などが理由ではないだろうか。

エンフィールドの不足を補う為、米国から供給(貸し出し?)されたS&Wのスイングアウト式、ヴィクトリーモデル(中央)と、同じく米国で生産されていたスイングアウト式、オフィシャルポリス(右)。
ヴィクトリーモデルはHWS(ハートフォード)のモデルガン、オフィシャルポリスは新日本模型か、タイトー時代の(旧MGC系)モデルガン。
enf/03


[ダブルアクション機構]
エンフィールドの撃発機構は、コルトオフィシャルポリスなどに酷似している。オフィシャルポリスそのままのメカを再現した模型は持ち合わせが無いので、ハンマーの形式は違うが、パイソン(タナカ)で比較を。
松葉状のメインスプリングを使い、その上側がリンクを介してハンマーを押しているところ、下側がアームを介してハンマーがいっぱい前進した位置から少し戻すところ(リバウンド機構)、アームがトリガーを戻すところ、またアームがシリンダーハンドを前方に押し付けるところの4つの機能が全くそのまま同じである。

コルトパイソン(上)とエンフィールド(下)の機構部。
グリップ部に入っているのがメインスプリング。
enf/04


違いは、セフティ機構で、コルトのそれはシーソー型のレバーを介しており、エンフィールドのものはトリガーから円弧状のパーツが伸びている。
ここはエンフィールドの方がパーツ数も少なく済ませている。

エンフィールドの安全装置。トリガーを引かない限り、矢印部分がハンマーとフレームの間に入ってブロック、撃発しない。
enf/05


さて、どっちが真似したのか。
RSAF設立にあたっては、スプリングフィールド造兵廠やコルト社を視察したという経緯があるらしく、するとエンフィールドが、とも思われる。
だが、エンフィールドの原型となったウェブリーは、1887年からこのタイプ(内部機構はわからない)、対してコルトのスイングアウトリボルバーはM1889が最初で、しかもこれはシリンダーの回転方向,サイドプレート取り付け面が今の構成と逆、すると内部構造も違う可能性が高い。
それではコルトが真似したのか、というとどっこい、他に先例があったのである。
ドイツの「Faustfeuerwaffen」(ハンドガンという意味らしい)をガレージキットメーカーの頑住吉氏が訳された記事によると、
1851にアダムス氏がダブルアクション機構を開発(これはソリッドフレーム,ダブルアクショントリガーを持ち、イギリスで採用されたようだ)、1856年にMarietteによってエンフィールド,コルトの機構の基本となる構造が考えられ、1859年にはリバウンドを除いてhubert Joseph Canbainが同じ形を考案、1875年になるとJean Warnantがこれらにリバウンドメカを加えている。
既にこれらのパテントが、金属カートリッジ普及(この話の途中からS&Wのものはあったが、パテントで他社は作れなかった)前に出ていたのである。
コルトがM1877などでダブルアクションについてパテントを取得していないのは、それが既に新しい機構で無かったからだ、という記事も見られたが、そうではなく、当時他のパテントがまだ生きており、これらのパテントを回避したため、結果的に後のモデルに機構を引き継げないような苦しい(失敗とまではいかないが)機構とした為ではないだろうか。
そして、パテント切れを待って、今日のスイングアウトダブルアクションリボルバーにまでつながる、この方式を採ったのではないだろうか。
そういう点では、エンフィールドもコルトも、既にイノベイターでは無かったようである。
これらの伝統的形式は、コルトではデティクティブ,パイソンなどで1990年代まで(注文制作をいう形では今も)残った。
これに対し、S&Wはトリガー,リバウンド機構をコイルスプリングとし、シリンダーハンドはトリガー内に納めたキックスプリングで行う形に進化していく。これはまた、S&Wを取り上げるときに。

[1/6]
さて今回の1/6は、ドラゴン製で英国戦車兵のモデルに付属していたもの。正に戦車兵用のMkⅠ☆だが、これにはホルスターがついていた。
それではオーバーオールの中に突っ込んでいた、というのは?
軍では普通このようにホルスターは支給されるはずで、やはり引っかかって云々は怪しいところではないだろうか。
enf/07


エンフィールドの名を冠されたモーターバイクも生産され、これも当初この軍需工場で作られたようだが、戦後バイク部門はインドに売却され、今もエンフィールドの名は残っている。
しかし、RSAFは1980年にあの英軍制式L85を開発するが、1984年に民営化,買収を経て1988年にごく一部の工場を除いて閉鎖されたようである。


今回の衣装は、LINK先のmomocloさん提供。いつも有難うございます。
では、また。
enf/10


web拍手 by FC2

| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2008 Gun1+1/6, All rights reserved.
まとめ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。