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今回はマルシンの新作(ちょっと遅いですけど)、マテバM-M2007を。
M07/01
マテバはイタリアのメーカーで、マキナ・テルモ・バレスティック社というのが、正式な社名のようだ。
同社は非常に変わった構成のリボルバー(回転式拳銃)を数々作り続けており、ともかく出るモデル出るモデル、常に意表を突くことに全精力を傾けたような、変わったメーカーである。

[特異なレイアウト]
そう、2006M(M-M2007)は珍銃である。単に欧州の変わったリボルバーというなら、コルスもマニューリンも存在する。
しかしマテバは、その上を行く(褒めていない)奇怪な構成を実現してしまった。
すなわち、バレル(銃身)を従来とは逆、シリンダー(円形の弾倉)下側に配置したのである。
M07/16
開発陣の主張はこう云う事のようである。反動の起点であるライン・オブ・ボア(銃腔の中心)と、銃を保持するグリップとの距離を小さく出来るため、マズル・ジャンプ(反動による跳ね上がり)を抑えられる。
しかし、Gun誌のリポートなどでは、反動の違いは判らず、逆に照準が狂いやすいという。
これは何故か。
今回模型を入手したので、このM-M2007で2006Mのレイアウトについて検討してみようと思う。
趣旨上、マテバはこき下ろされるのだが、書いている本人も、発売と同時に入手しており、実はこれ、面白いし、好きなのである。
どうかマテバファン,攻殻ファンの方も、広い心でこれを見て、機構についての考察を楽しんでいただければ、と思う。

[キャラクター商品?]
今回、マルシンは、同社のモデル2006Mをベースに、士郎正宗氏原作の映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」のオフィシャルライセンス商品として、トグサの銃 マテバM-M2007を発売した。

M-M2007。マルシン製の8mmBB弾仕様のガスガン。これは6インチバレル仕様を再現しているようだ。
M07/03

実銃2006Mでは、バレルが2インチから6インチまで、何と7種類用意され、ダン・ウェッソンのように、バレル交換も可能だという。
M-M2007は架空設定とのことだが、2006Mの357マグナム仕様がオート用の9×19mmになっているくらいである。
しかし、パッケージも説明書にもキャラクター、トグサが描かれ、強く映画を意識させる。
これは、当然、少なからぬライセンス料を払っているはずであるが、2006Mをそのまま出しても売れない、という危惧があったのではないかと思われる。

M-M2007とセブロM-5(右)。
M-5は以前紹介(過去の記事)した、大日本技研のレジン一体キャスト製モデル。
これは「攻殻機動隊」のS.A.C.シリーズで描かれたものを模型化したもので、セブロ社自体が架空のもの。
M07/12

[ハイグリップ]
マテバ設計陣の主張の通りなら、2006Mはいわゆるハイグリップの状態である。
ここでS&WのM19と比較してみよう。
M19は愛称コンバットマグナム、S&Wのベストセラーで、357マグナムリボルバーの中では比較的軽量,小型のKフレームと呼ばれるフレームのモデルである。
これはHWSのモデルガンに、同社のスマイソン用(元はCMC製)ワイドトリガー(引き金),ハンマー(撃鉄=カートリッジ底を叩き、発火させる部品)を取り付けたもの(画像上)。
M07/05

M-M2007とライン・オブ・ボア-グリップポジションの比較を(左がM19)。
M07/10
見て判る通り、ほぼ同じである。
S&WではJフレームでも357マグナムを撃てるモデルが存在する(装弾数は5発)が、これは更にシリンダーが小径であり、こうなるともう2006Mのメリットは完全に無い。
当たり前の事だが、撃発する為の機構がシリンダー後方に必要である。何かトリックを講じなければ、バレルが下に移動すれば、このメカも下に移動する。2006Mを見れば、グリップの高さはこのメカの露出型ハンマーが決めている。
つまり、シリンダーがライン・オブ・ボアを軸に上下移動しただけで、狙いを実現できていない構成なのだ。

M-M2007のハンマーコック状態。ハンマー位置がハイグリップの限界を決めているのがわかる。
M07/14

そして、バレル上にエジェクターロッドシュラウド(排莢器覆い)を伸ばしているが、コルトのパイソンなどのように、ウエイト(パイソンの場合はバレル下に位置する)にはなっていない。
更にM2006(M-M2007)では、全長が少し短くなった代わり、全高が増しており、携帯時にはグリップが張り出し、大型化してしまっているような印象を受ける。
また、全長が縮み、グリップのかなり上にシリンダーが配置された為、銃の重心は上でかつグリップに近いところにきており、この点ではマズル・ジャンプは大きくなるはずだ。

[ハイグリップの功罪]
根本的な問題に戻るが、ハイグリップは必ずしも良い事ばかりではないのだ。
ほとんどの要素には、メリットとデメリットがあるように、ハイグリップは反動によるマズルジャンプを少なくする一方、衝撃はより強く射手の手を襲うのである。
マズルに発生する反力を、ストレートに受けると、力はそのまま同じだ。
これを、手首を支点にして上に向かって上がる力と、手首を後方に押す力に分けた場合、当然だが、手首を後方に押す力はマズルに発生する反力より小さくなる。これは上に向かう力が増えるほど減る。
つまり、(実際は実現していないが)ハイグリップ化すれば、手,特にウェブ部分に大きな衝撃がかかり、決して撃ちやすい,受けやすい反動とはならなかったのだと思われる。
ちなみに反力が例え伸ばした腕にストレートにかかっても跳ね上がりは少ないというだけで無くならない。
なぜなら反動を受ける射手の身体が最終的にはボアラインよりずっと下の地面に接地しており、これが剛体でない以上、体の各部が支点になる形で動くので、この分上がる(これを抑える為に前傾姿勢をとり、発射時に力を入れて踏ん張るのだが)。
だいたいストレートが有利なら、あらゆるものがそうなるはずだ。

他のメーカーの357マグナムリボルバーとも。
コルト・パイソン(左、タナカ ガスガン),M-M2007,ルガー・セキュリティシックス(右、WA モデルガン)
M07/04

現実問題としては、回転を抑える手の力などと、後方に押される力のバランスが上手くとれている銃が撃ち易い、ということになると思う。
更にスターム・ルガーのスーパーレッドホーク アラスカンモデルなどは、グリップが少し回転するようになっており、これでリコイル低減を図っている。
ショックアブソーバのように、この回転機構が持つフリクション(抵抗)がエネルギーを吸収(熱に変換)する効果も少しあるだろうが、それよりこれは動くことで衝撃のピークを下げ、伝達時間を延ばし、エネルギーは同じでも負担を下げている(マイルドなリコイルになる)のだと思う。
マテバの主張するハイグリップ化が有効なのは、せいぜい9mmオート止まりで、マグナムリボルバーに対しては適切では無い気がする。
そうすると、もともとの企画意図から、間違っていたのではないだろうか。

M-M2007で仮定されている使用弾、9×19mm(ルガー,パラベラム)弾を使う名銃で、ハイグリップを狙っていないSIG P226(左)と。
画像の右上にあるのは、9×19mmのダミーカートと、今回のマテバに初回生産限定で付いてきた9mmマーカー弾(これも勿論フィクションのもの)。
M07/11

[サイトのパララックス]
この構成は、反動処理上良くならなかった、というだけでなく、弊害も生んでいる。
その最たるものは、ライン・オブ・ボアと照準線が大きく離れてしまったことだ。
この結果、距離,照準の狂いによる着弾のズレは大きくなり、競技用ならこのような構成は無しである。
直銃床を持つアサルトライフルでは、これが難点だったが、射程が短く、弾道がフラットな軽量高速弾を使ったこと、光学サイトなど各種照準器が使われるようになったことがこれを補っている。
マテバの場合、調整式アイアンサイトが装備されており、また、光学機器の取り付けオプションレールなども装備されていない。つまり狙いはズレ易く、当たらない構成ではないだろうか。
もちろん当時、ピカティニーレールが普及していなかったという事情もあり、今ならこの点は改善するかもしれない。
M07/09

[装填,排莢]
更にM2006(M-M2007)では、バレルとクレーン(ヨーク=シリンダーを支える腕状の部品)が干渉するのを避ける為、シリンダーのスイングアウト(振り出し?)支点も上に持ってきてしまった。
そしてシリンダーのスイングアウト角度を、通常の90度程度から倍以上、180度を超える大きなものとしている。
M07/13
これはシリンダーが自重で下がらない(閉じない)よう、支点を越えて反対側に位置するように、ということらしい。
実際に操作するまでは、これはこれで良いのではないか、と思っていたが、これもやはりバツであった。
シリンダーを上に押し上げるのはやはり抵抗があるが、これは銃を横にして操作すればシリンダーが勝手に戻ることはない。しかし左手でエジェクターを押してケースを飛ばそうとすると、シリンダーは右側に出ているので、手を交差させる形、しかも空ケースを落とすには先端を上げた形でこれを行うことになり、非常に使いにくい。
更に、パッケージのイラストにあるように、右手でシリンダーを保持するとなると、まずシリンダーが熱いときはやりたくないし、左手でグリップを握って右手でオープンラッチを押す、という左効きの使い方か、一度左手でこれまた熱くなるバレルあたりを掴む必要があり、実用的では無い。
マテバも、新しいモデルである6ウニカではヨークの動きが逆、普通のリボルバーと同じに戻している。

[チャレンジングスピリット]
バレルが下にあるものが、過去作られたかというと、それは見つけられなかった。しかし、独創的チャレンジだから優れているか、というとそれは違う。
M2006は謳っているメリットを感じさせず、デメリットが目立つ結果となったようである。
厳しい評価かもしれないが、このレイアウトは失敗である。
回転式拳銃は既に150年に渡って製造,使用されてきており、その中で淘汰され生き残った姿を今我々は見ている。
マテバはどうやら、それまでのリボルバーの歴史を学んでから作り始めたのではなさそうである。
M2006の前身のモデル、スポーツ&ディフェンスは、リボルバーの後ろにオートピストルが付いた、といったような形で、3インチ銃身にもかかわらず全長が6インチクラスのサイズ(床井雅美「最新ピストル図鑑Vol2」参照)である。これでディフェンスとはどういう事かと思いたくなる長さだ。
更に2006Mのあと作ったのは、昔英国のウェブリーがやったオートローディング(ロテイティング=回転)+コッキング式のリボルバーである。
これは2006Mの反動の問題を、先ほどの回転式グリップやオートピストルと同じくスライド動作機構で時間的に幅を持たせて衝撃のピークを下げる事で解決しようと考えたフシがあり、それなら一歩ずつ前進はしているのだが、今度はリボルバーの利点である使用カートリッジの自由度を下げてしまっている(これも手動なら使えるが、それなら半自動式機構の必要性は?)。
そして機構,構成は違うが、この逡巡は約100年前に既に行われ、結果ウェブリーの半自動式は一代で消えたのである。

更に現代、回転式が既に主流の形式では無くなっているのだから、これを支持し続ける層は、実利があるか保守的か、であり、もともと保守的傾向が強い拳銃の世界でも革新的なものが受け入れられ難い側面がある。
それにしても成功するかは、設計段階で充分予測できたことではないかと思うのだが。
何もメジャーなS&Wが一番であると盲目的に信じる必要は無いし、それを更にデッドコピーしただけのものが普及するのも面白みは無いが、単に変わった構成でメリットが無いなら、支持を広げることは出来ないと思う。

合理的な観点から見れば、マテバは全くの、ということになるのだが、やはりたまにはこんな変り種が出てこなければ面白くない。
もちろんトイガンなら今までモデルアップされていないものが出るのは、それだけで嬉しいが、ここまで思い切り変わった機種で無ければ注目度も上がらず、製品化できなかったかも知れない。
更にいうなら、こういう「変わった」ものを楽しむ購買,使用層も、豊かで精神的に遊び,余裕があるのかも。
そしてこのような商品を開発するという決断を行った、マルシンの(キャラクター商品という保険は打っているが)チャレンジングスピリットも称賛したい。

M07/07

[数字を操る悪魔]
昔、このような話を読んだ事がある。
「この模型はここが何ミリ短い、ここは何ミリ長い。」というような記事を書く模型(スケールモデルだが)ライターを、読者が数字を操る悪魔と呼んでいた、というものだ。
この読者の主張はこのようなものだったと思う。
「自分はその模型を気に入っている。それを、些細な寸法を捉えて非難するのが気に食わない。彼は数字を操る悪魔だ。」
まず、自分の主観を尊重するなら、相手の意見も、同じように尊重すべきだ。
おまけにこのライターの手法は一応科学的手順に則っている。
非難はこの読者の独善であり、一顧だにされるべきものではない。
しかも悪魔だ。以前AK47のところでこれについては論じたが、もう何をか云わんや、である。
そして、もし記事が批判を無くし、製品を皆賞賛するだけだったら(商業主義によって雑誌がこうなってしまった感もしないでもないが)、それはカタログで良いのではないか。
ジャーナリズムを理解せず、他の客観的考察を聞きたくない、というなら、雑誌や文献を見なければいいのである(逆に、調べようにも、情報が遮断されている社会は、幸福だろうか)。
写真分析や実物測定と模型の比較は、何も非難だけでなく、設計者に一層の向上を促し、粗悪な商品を消費者が掴まされることを防ぐ、社会的意義もある。
そして消費者は情報を知った上で、その再現性と価格などの要素をバランスして勘案し、購入を決めることが出来る。
更に、ユーザーにとっても、より実物に近づける為のカスタムの助けになるだろう。
そして、このライターは、目の前の模型への愛に溢れていたのではないかも知れないが、きっと実物のフォルムや、その再現に、並々ならぬ情熱を持って資料を調べ、検討を重ねてその成果を披露していたのだと思う。

この話には更に続きがある。
トイガンの評論が、以前は海外の文献に頼っており、1インチ=25.4ミリという基準で、模型のバレルが短い、とか雑誌で(別の)ライターが書いていたのだが、実物を計ってみると5~10パーセントくらい短かった、写真から計測して寸法を割り出した模型の方が近かった、という事実が出てきたのである。
いいかげん(インチだったら誤差の範囲内ではある)なデータより、模型設計者の考察の方が正しく、多分彼は自分を信じ、これを通す為に非常な決断力,信念が必要だったと思うと、これを雑誌とはいえ公の場で批判(数字を操ったというより操られた感じだが)してしまった過失責任が、雑誌を書く側にはあったと思う。
さきほどの批判が当たっていた、という訳ではないが、いかにももっともらしく見える、数字を安易に振りかざすのは危険があることも、教訓にしなければならないのではないかと思う。

話を戻そう。くだんの読者は、似顔絵が写真と違って味があるように、模型作家の表現を見たいのだ、という主張もしており、個人的には模型はやはり写実主義であるべきだと今でも思うが、こういう主張自体はいっこう構わないし、自身の考えには無いこの主張にも、耳を傾けるべきものがあると思う。
更に模型は、完全にオリジナルと同じには出来ない。
コスト,素材,法規など様々な制約があるからだ。
その中で全体としての雰囲気を出来るだけ出す為に、逆にデフォルメすること、足りないところを想像で補うことも(最低限に止める努力も要ると思うが)必要なのではないだろうか。

さて、その読者だが、彼は今なんと雑誌のライター、しかも多くの読者に愛される、人気ライターになって活躍している。
上の話は、彼が一読者(子供?)時代を語ったものだ。
確かにその態度には問題もあったが、彼はいまでも読者の視点を持ち、批判的な態度をとらずに常に親しみやすさを信条に、また対象に愛を忘れずに書いているように思う。
ジャーナリズムを否定するのは認められないが、雑誌記事は情報だけではない。
対象(その違いによって上のような相克が起こることもあるが)に情熱,愛情を示し、それを伝えることで読者に共感を呼び、同じように熱い思いを育む事も、大切な責務かも知れない。

最後になったが、今回の1/6模型は2006Mではなく、おそらくタカラ 攻殻機動隊フィギュアに付属のマテバで、6ウニカベースのカスタムらしきものを使っている。

長い話にお付き合いいただいて感謝。それでは、今回はここらへんで。

M07/02

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今回は、新しいカテゴリーPDW(パーソナルディフェンスウェポン)のMP7A1を。
MP7/01

[概要]
PDWは、ベルギーのFN(ファブリック・ナショナル)社が提唱し、SMG(サブマシンガン)とプルバップ式アサルトライフルの中間的な性格を持たせたP90と5.7×28mm弾を開発、これを使用する拳銃、Five-seveNも追加してコンビを組ませている。
H&K(ヘッケラー&コッホ)社は、これに対し、G36の試作時にテストしていた4.6mmという、更に小さな口径を選択、英国ロイヤル・オーディナンスと開発した4.6×30mm弾を使うPDW(H&Kはこのカテゴリー名をそのままモデル名とした)を作った。これがMP7の前身となる。
ドイツ連邦軍特殊部隊KSK、NATO軍事委員会の警護官などによってMP7は使用され、’04年7月にマイナーチェンジされMP7A1となる。
このあたりは、今回の1/1モデルを作ったマルイの取扱説明書に詳しい。
これには1999年頃のPDW、2003年頃のMP7のイラストも掲載されている。

MP7A1。これはマルイの電動ガン。
MP7/02

[PDWの必要性]
PDWは、ボディ・アーマー(防弾チョッキ)が普及,一般化したので、これに対抗するために出てきたものだ。
アサルト・ライフル(突撃銃=フル・オートでも撃てるライフル。小口径高速弾を使うのが一般的)はこれに対応して貫通力を上げるようにパワーを増し、スチールで補強した弾を使うなどして対応しているが、従来正式の軍用拳銃弾ではボディ・アーマーを貫通できないため、小口径の弾薬が考えられた。
ライフル以外の武器を扱う隊員や、後方の輸送任務など、全ての兵がライフルを持つことは合理的でなく、また、戦車やヘリコプターの中など、大きなライフルの置き場や取り回しに困る状況では装備したくても困難だ。
そこで従来、拳銃とその弾を使うSMGが使用されてきた、いわばディフェンシブウェポン(護身用火器)の用途で、高い貫通力を持つPDWが考えられたのである。
しかし、軍の中でも、PDWに着目した別の勢力がいた。それは人質救出や偵察などの特殊作戦を主に行う部隊である。
彼らは、小型で室内など狭い状況での取り回しに優れ、また命中精度も拳銃より高いこの兵器を使い、高い評価を与えたようだ。
ドイツでも、特殊作戦部隊KSKが、MP7を使い、改良にも寄与しているらしい。

MP7A1(左)とMP5K(右)。
それぞれの弾薬(ダミー)も。4.6mm弾は下のUCPに付属していたもの。
MP5(マルゼン ガスブローバックガン)は、9×19mm拳銃弾を使うH&Kの名作SMG。
MP7/12

H&KがFNに対抗して新カテゴリーに参入してきたのは、NATO(北大西洋条約機構)軍がPDWを採用すべく製作を依頼していたものに応えるためだが、このような用途の拡大もその要素ではないだろうか。
それまでFNが独占的だったこのジャンルに後から追撃するため、H&KはMP7にいくつかのアドバンテージ(利点)を与えた。
まず小型,軽量化をすすめたことだ。P90の500mm、2.8kgに対しMP7は380(ストックを伸ばすと580)mm、1.7kgとした。
またマガジンが機関部上に横置きになり、排莢が下から、光学サイトを基本とするなど、使用,操作感がやや特殊なP90に対し、もともとシステム・ウェポンとして各種銃器の共通化をすすめてきたH&K、操作系は同社の拳銃USPなどに近く、またドイツで採用されていたサブマシンガン、UZIと同じグリップ内にマガジンを納めるレイアウトを採るなど、徹底してオーソドックスにまとめている。

[相棒]
H&Kでは、拳銃もFNのFive-seveNに対してUCPを開発、これも後にP46というモデル名を得ている。
P46は、まだ制式採用,量産に至っていないらしく、またその機構も独自特許で公開されておらず、一般にとっては謎のままだという。
ライバルFNはストレートブローバックらしいのだが、スライドも表面部分は合成樹脂を使っており、前方は薄くかなり軽量化されている。
これに対し、P46のスライドは側面に削りが入った同社のUSP(過去の記事)などと比べても軽そうにない。
また、エジェクションポート(排莢口)がUSPなどと違ってロッキングラグ(固定用の突起)を兼ねておらず、スライド側面に円形の凹みがある。更に、後述するトリガーのセフティなどMP7A1とも共通の機構を持っており、もしかするとファイアリングピン(撃針)ロックする機構も持たないのかも知れない(これがあれば、手動安全装置と合わせ三重の安全装置になる)。

MP7AとUCP(右)
UCPは頑住吉氏のガレージキットでエアコッキングガン。
MP7/03

UCPとFNのFive-seveN(右)の比較。
Five-seveNはマルシン製ガスブローバックガン。
MP7/15

[装備]
MP7A1は、小さいにもかかわらず、非常に多くの機能が詰め込まれている。
ここでは画像に従って、MP7A1の各部をみていきたい。

スライドストック。
ストックリリースレバー(銃床固定解除装置とでも訳すべきか)を押すとストックはバットプレートに内蔵されたバネの力で少し後方に出てくる。これを手でさらに引き出すとロックがかかる。この状態では全長590mmとなる。
位置的には、ライン・オブ・ボア(銃腔の中心軸)の後方にあり、典型的な直銃床で反動による跳ね上がりが少ないタイプになっている。
ストックは取り外すことも可能だ。
MP7/09

フォアアーム/フォアグリップ
フォアアーム(先台)は、回転させてフォアグリップになる。
この状態で後方の部品をスライドさせると、動かないようにロックする事が出来る。
MP7/11

サイト
前後サイトは両方とも引き起こして遠近切り替えが出来る。画像は起こした状態。
このサイトシステムは、ドイツ特殊部隊KSKにちなんで通称KSKサイトと呼ばれるとか。
上下は前で、左右は後ろで調整可能。
またサイトは前後ともピカティニーレール取り付けなので、外して光学サイトと交換することも可能。
MP7/10

セフティ(安全装置)付きトリガー(引き金)
トリガーには小さなレバーが付いており、トリガーが慣性力などで後退しないようになっている。
トリガー引く時には、指でこれが先に押し込まれ、解除される仕組み。
これはグロックの拳銃が採用しているのが有名だ。
グロックG17(右 KSCガスブローバックガン)とMP7A1で形状の比較。
MP7/13

トリガーガード
トリガーガードはマガジンキャッチ(弾倉止め)のガードも兼ねている。
H&Kのマガジンキャッチはアンビ(左右両用)の押し下げて解除する形式だが、ホルスターへの挿入時などの誤動作を防ぐ為、トリガーガードの幅を広げてガードにしている。
この形状はH&Kでは各種拳銃に共通で、MP7A1もこれを踏襲している。
同社の拳銃、USP(下 KSCガスブローバックガン)との比較。
MP7/14

オプションレール,ボルトキャッチ
フラッシュライトなどのオプション取り付け用レールも左右についている。
これは取り外し可能。
全弾発射後ボルトを後退位置で止めるボルトキャッチもアンビタイプがつけられており、マルイ製は電動でダミーだが、これも再現されて可動だ。
またM16などと同じ会式のボルトのコッキングレバー(これもアンビだ)もダミーだが可動する。これを引いてエジェクションポートを開けると、ホップ(BB弾に回転を与え、上に浮き上がらせる事で弾道を改善する機構)調整ダイヤルが覗く。
エジェクションポート後方には、これもM16系の改良事項だったリフレクターが付く。
MP7/15

マガジン
マルイ製MP7A1は、バッテリーや充電器まで入ったフルセット販売だが、マガジンは20連タイプ(BB弾は50発入る)が付属。
マガジンはボトルネック(ワイン瓶のような先が細い形)弾のためか、給弾性向上のためか湾曲しており、グリップ部のマガジン挿入口に少し前方から入る。
グリップも下がやや前に傾斜しているが、違和感はない。
MP7/08

[1/6]
では1/6を。
今回の1/6も単品の中古購入なので出所は不明だが、オプションも豊富で非常に精巧にできている。
MP7/04

本体にサイトは付いていなかったが、ヘンゾルト社RSAらしきものが付属し、またサプレッサー,フラッシュライト,ロングマガジン,ホルスターとマグポーチも付いてきた。
MP7/05

ベルトにホルスター,マグポーチを装着、本体とロングマガジンを入れてみたところ。
MP7/06

[PDW弾]
この4.6×30mm弾は、小口径なので貫通力は得やすいが、軽く殺傷力に欠ける恐れがある。
そこで、比較的軟らかい目標に当たった場合は、積極的に弾を横転させ、破壊力を増すようにデザインされているという。
そして各種の用途に対応する為、標準の鉄製弾頭に加え、ホローポイント(先端に凹みがある),トレイサー(曳光弾),フランジブル(容易に砕ける弾),ブランク(空砲)などがある。
更に、スプーンノーズという弾頭に斜めの抉りが付けられた弾頭も用意されている。
これはホローポイントより、横転もしやすいうよう考えられたものだと思われる。
但し、これは既に’70年代にハーグ陸戦協定に違反するダムダム弾の一種だと見なされて軍用としては使用が禁じられており、警察などに向けた仕様だという。

4.6×30mm弾は、200m先のマンシルエットが狙えるくらい命中率が高く、拳銃弾に比べて、遠距離では空気抵抗によるエネルギー損失も少ないので、ある程度離れた目標を狙う用途ではアドバンテージが大きいかもしれない。
反動は、9×19mm弾の1/4という軽量の弾頭でもあり、非常に小さいらしい。
但し、発射時のエネルギー自体はこれとあまり変わらないレベルである。
また、近距離で重視され、40S&W弾や45ACPの復権に影響していた、マンストッピングパワーという観点からみると、PDW弾の効果には疑問が生じる。
但し、9mmでも弾数で勝負させていたなら、PDW弾は拳銃型でも20連発と更に上をいく。
もっとも、223Rem(M16の弾)でも、当初殺傷能力が疑問視されていたが、数十年後には(パワーアップもしているが)一般化してしまった。
但し、これはもともと狩猟用で効果が認められて広がったものなので、PDW用カートリッジとは少し事情が違う。
4.6×30mm弾も5.7×28mm弾も、貫通力が高い特殊な弾薬だということで、一部を除いて市販はされず、銃も一般市場には出回っていない。
しかし、小口径高速のライフル弾薬は、昔から数多くあり、拳銃用でも、過去S&Wが自社のリボルバー(回転式拳銃)用に22センターファイアマグナムを作ったこともあった。今更PDW用弾薬を禁じても、あまり効果は無いと思うのだが。
軍用としても、今後の普及は、実際の効力が認められるか、だと思う。
万能の道具というものは無いと思うが、45ACPを廃して9mmに乗り換えたものの、特殊部隊では45ACPを存続、一般でも40S&Wが普及したように、小口径の有効性は限定的(中距離に)ではないかと思う。
かといって、MP7A1とM1911を装備するなら、UMP(45ACPのサブマシンガン)の方が現実的ではないだろうか。
全くの外野の側からすると、新しいデザインのモデルが登場するのは楽しいのだが。

それでは今回はここらへんで。
MP7/07

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今回はモスバーグM500を。
m500/01

M500はモスバーグ&サンズ社が作るポンプアクションショットガン。
ショットガン(散弾銃)は主に多数の(スラッグという一発弾もある)球状の小さな弾を一度に撃ち出す銃。
同社は1919年設立、最初の作品は22口径のポケットピストルだったとか。
日本ではレミントン,ウィンチェスターやイサカ(ベネリやスパスも?)の影に隠れている気もするが、米国ではメジャーな存在で、モスバーグのショットガンは公用でも多く用いられているという。
日本の海上保安庁でも、レミントンM870と共に使用されているとか。
M500/02

[ポンプアクション]
ポンプアクションとは、バレル(銃身)の下にあるフォアアーム(先台)をスライド(前後動)させて、カートリッジ式弾薬を装填,排莢する仕組みのこと。
チャンバー(薬室)の後ろを塞ぐボルト(遊底)は、何らかのロック(閉鎖)機構(ティルト式,ロータリー式などで開放する)を持っており、これをフォアアームのスライド操作でロック解除、後退させる。

シンサティック(樹脂製)のものに変えてフォアアームを。
M500/15

フォアアームの中心部のパイプが、カートリッジを納めるマガジンになっており、この形式をチューブマガジンという。
チューブマガジンから出たカートリッジは、マガジンの後方にあるエレベーターに乗る。そして、フォアアームの前進に伴ってエレベーターが上がり、ボルトに押されてチャンバーに入る。

レシーバー(機関)下側のアップ。
チューブマガジンの後方にあるパーツがエレベーター。
トリガーガードよりのところにある突起はガス注入用のノズル(これはガスガンなので)。
M500/05

レシーバー右面(構えた場合の、後方から見て右)も。
こちらにエジェクション・ポート(排莢口)がある。
M500/03

[チューブマガジン]
チューブマガジンは、ウィンチェスターM73などのレバーアクションライフルにも用いられるが、カートリッジの底と頭が当たる形式なので、ライフル用の先の尖った弾頭では弾頭とプライマーが接しており、暴発の危険がある。
このため、使用カートリッジは弾頭がケース内に収まっているショットガンや、弾頭が丸まったラウンドノーズと呼ばれる拳銃などに良く使われるような弾に限定される。

チューブマガジン。バレルから出ている固定部にレバーがあるが、ここはガスガンの場合装填用のギミックになっている。詳しくは下で。
M500/04

[アンビデクストラウス]
ポンプアクションショットガンのメーカーは多く、モスバーグ以外にもレミントン,イサカ,ベネリなどは日本でもトイガンがモデルアップされている。
M500の特徴は、機関部後方の上部にスライド式のセフティがついていることだ。
中央部に位置しているので、左右どちらの手でグリップを握っていても操作性は同じで、シンメトリー(左右対称)なのでアンビデクストラウス(左右両用)だ。
但し、上で述べたように空薬莢は右に飛ぶので、左効きだと目の前を横切る。

レシーバー後部のアップ。
上部後方にあるのがセフティ。赤い印が見えている、この状態はセフティオフ。
M500/07

[ライアットガン]
ポンプアクションのショットガンは、堅牢で信頼性が高く、また、威力も大変大きい。またその威力も、距離をおくと急激に威力は衰えるが、逆に流れ弾の危険性が低くなることから、米国では車載用に銃身を短くしたショットガンを警察車両に常備するなど広く用いられている。
刑務所では、暴徒と化した囚人を鎮圧する為の装備、という意味でライアット・ガンと呼ばれたとか。
散弾を足元に発射すれば、致命傷に至らないのと、兆弾も利用でき、また一度に多人数を制圧できる、など目的に合っていたのだろう。
また軍では従来憲兵(ミリタリーポリス=軍内部の警察)の装備や、塹壕戦など特殊な状況下の兵器だったが、最近では海兵隊が採用し、軍用としてもショットガンが利用されるようになってきた。
欧州では、狩猟用のイメージが強く、第一次世界大戦などで塹壕戦に用いられた(よってトレンチ・コートと同じくトレンチ・ガンと呼ばれるようになった)が、狩猟用の道具で人と対峙することを嫌がったのか、その後サブマシンガンが開発されたせいか、米国とは対照的にショットガンを対人用の兵器として使うことは避けられていた。
ドイツはショットガンの使用がハーグ陸戦条約に反すると米国に抗議したが、これは反論され結局黙認したようだ。
しかし、近年、欧米でもショットガンの導入が進み、小火器装備は多様化している。

[ヒートシールド]
このM500には、バレル上部にヒートシールドと呼ばれるガード板がついたトレンチ仕様である。
このガードは、鋼板をプレスで穴開け,成形したもので、フォアアームを握る手を、銃身部に持ってきても手を火傷しないように配慮したものらしい。

ヒートシールド。ちなみに木製フォアアームストックに戻して(正確に言うとフォアアームのアップと1/6のときだけ樹脂製に戻した)いる。
M500/11

モスバーグでは、1970年代にM500をもとにM590という米軍向けモデルを開発したが、これがヒートシールドを装備しており、そこからM500にもヒートシールドをつけたモデルが生まれた。
M590は、強化されたレシーバー(機関部)とこのヒートシールド、バヨネットラグ(着剣装置)を装備するという。

[一般化?]
M500は、工具無しにバレル交換できるのが特長とのことだが、現在これは他社でも実現しているのではないかと思う。
レミントンのM870でも、マガジン前方のカバーを回転させて外せばバレル交換が可能のようである。
また、M500はレシーバー(機関部)がアルミ(合金?)で作られているが、これもベネリ スーパー90シリーズが追随しているようだ。

[マルシン ガスガン]
実銃同様、チューブマガジンだが、マルシンはカートリッジ式ではなく、BB弾が直接込められる。
しかもマガジンは3列あり、大容量を実現している。

上でチュ-ブマガジンの付け根にあるレバーに少し触れたが、装填時にこれを回し、チューブマガジンの先端を引くと、このように装填口が開く。
M500/09

現在では、8mm仕様が出ているが、これは6mmのもの。
また、現在のものには、M1029のときに紹介したゴーストリングサイトが付けられている。
マルシンは昔からの製品を現在も作り続けているものが多く存在し、M16A1やUZI,MP40などはもう30年ほどにもなるのではないか。

このM500も、仕様を変えながら現在も続いており、またメタルボディのケースレスショットガンという業界の人気カテゴリー?の一翼を担う存在である。

購入時は樹脂製の黒いストックが付いてきたが、メーカーの別売りウッドストックを入手して付けている(今回は樹脂製に戻してみたりしているが)。
これは南洋材(たぶんラミンとかの類ではないかと思う)のようで、木目は大人しい。
しかし暖かい濃い目の塗色で仕上げられており、質感は良い。
M500

レシーバー(機関部)は亜鉛で、アウターバレルもそのようだ。
このためか、重量はある。
質感は、マット(つや消し)仕上げのため、HW(ヘビーウエイト)樹脂と差は無いが、艶ありのブルー仕上げというのもコストがかかり難しいのかもしれない。
同社の樹脂製ハンドガンでも、HW樹脂を磨いたエクセレント仕上げか、以前やっていたメタルフィニッシュというメッキで、ブルー仕上げはされていない。

[1/6]
今回の1/6も単品購入で、製造元はわからない。
ストック,フォアアームが黒色で、かつフォアアームにフラッシュライトを装備したもの。
レシ-バー上部のセフティも、上部が球形のフロントサイトまで再現されている。
1/1もこれに揃えて樹脂製フォアアーム,ストックで。
M500/16

ポンプ式ショットガンの数々も。
左から、SPAS12,ベネリM3,モスバーグM500,イサカM37,ウィンチェスターM12。
M500/14

[威圧効果]
近年、世界的にショットガンの公用での利用が拡大しているように思われる。
軍用では、正規軍どうしの正面戦争から、突発的で散発する、対テロ戦へ戦闘の形が変わってきていることが要因ではないかと思うが、それは同時に警察組織の重武装化の要因でもあると思う。
洞爺湖サミットの期間中、主要な各駅では武装警官が警備していたが、このとき特殊警棒を伸ばして手に持ち、威圧効果を演出していた。
この警棒、小さめのヒルト(鍔)が付いており、またその先に、刃物などを止める為か突起があった。
このようなヒルトを持ったサバイバルナイフもあるが、どちらかというと「長十手」という感じであった。
サミット妨害を企てる輩は、世界規模のテロリストも含まれ、対する警備側にも国際水準が求められるはずである。
それらを考えると、「長十手」では非常に心許ないが、これでも違和感を覚えるのが日本人(自分も日本人だが)なのだろうか。
威圧、という意味ではショットガンは実際の破壊力は勿論、その大きな口径のバレルで、個人装備の火器でも高い効果があるはずだ。
そして、大形のカートリッジなので、殺傷能力を下げたゴム弾などの多彩な弾を使う事もできる。
個人的には、警備の警官へのショットガンの配備を進めてもらいたいと思うのだが。
果たして、モスバーグM500を持った警官が、街角に立つ姿が日本で見られる日は来るだろうか。

それでは今回はこのへんで失礼。
M500/12

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まとめ

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