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今回は、数奇な運命を辿る米制式ライフル、M14を。
m14/01


[概要]
M14は、米国スプリングフィールド造兵廠で開発された軍用自動小銃。第二次
世界大戦後に米軍の主力ライフル(小銃)として採用され、生産数は138万丁
にも及ぶという。
しかし、主力ライフルだった期間は1957年から1967年?('68年との情報もある
)と比較的短く、その後一部が後方支援,狙撃用として特殊部隊などで使用
し続けられるという、変わった経歴を持っている。
形はM1ガーランドを踏襲しているものの、大きな変更点はフルオート
(全自動=引き金を一度引くと弾がある限り連続発射される)射撃が可能に
なったことで、このためマガジン(弾倉)は8連クリップタイプからボックス
タイプの20連に、またマズル(銃口)にはフラッシュハイダー(消炎器)が
付けられている。
またバットプレート(肩当て)が上に上がり、上からも肩に当たるように
出来るなどの変更点が見られる。ストック(銃床)は、当初木製だったが、
後に民間で作られ、シンサティック(合成樹脂)のものを付けているものも
現れた。

M14は、フルオート機能を廃した競技(民間)用M1A1、直銃床タイプの
ストック,独立グリップをもつM14A1、特別工程を経て高精度にくみ上げ
られたM21狙撃銃などを生み、M16採用後も後方支援,狙撃用として使い
続けられている。

m14/02
今回の1/1は、東京マルイの電動ガン、
シンサティックストックバージョン。


[背景と開発]
米軍がWWⅡ(第二次世界大戦)期に使用したM1ガーランドは、WWⅡ期の
ライフルとしては先進的なセミオート(自動装填)式だった。
ドイツも日本も、主力ライフルはボルトアクションの手動式であり、
連射速度ではM1ガーランドは有利だったと思われる。
M1ガーランドも戦時中にショートバージョンやスナイパーバージョン、
作動方式の異なるものなど、数多く試作,生産されていたが、早くも戦争
終結前の1944年から、新ライフルの開発が始められた。
当時ドイツもヒトラーガーランドと呼ばれるGew43や、MP44(Stg44)を
開発しており、米国も生産性や装填弾数、フルオート化などの要求に対し、
むしろ戦時中だけに急ピッチで開発していたのかもしれない。

m14/07
WWⅡ期のセミオートライフルとM14,
MP44。これらは1/6で、左からGew43,SVT-40 M14、MP44。


開発はレバーアクション式ライフルで有名なウインチェスター、ライフル,
ショットガンで活躍していたレミントン社とスプリングフィールドの競作
という形で始められ、好評だったM1ガーランドの基本機能は崩さず、主に
全自動射撃機能の追加といった小変更が計画されていたようだ。
計画段階ではM1ガーランドより軽量化する予定だったというが、けっきょく
全自動機能も持つ事から、M14では重量増になっている。
国営と民営の会社が競作するというのは奇妙に感じるが、実際スプリング
フィールドのJ・ガーランドが設計したT20が有望とされていたようだ。
しかしその後、同じくスプリングフィールドのアール・ハーヴェイが試作
したT25で、M1ガーランドの30-06弾薬を短くしたT65というカートリッジ
を開発(これが後に.308となる)、これをロイド・コルベットがT20に
組み込み、試作はT47までいったという。
T25では直銃床(後のM16の形式)に近く、T37からM14のスタイルになって
きているという。
このあと、コンペ形式のトライアルが行われたらしく、このときFNの
FALも参考テスト用として買い入れられ、更に米国内のハーリントン&
リチャードソン社でこれを500丁作り、これらもT48というトライアル
モデル名を得たという。
結局T44の木製ハンドガードをプラスチックにしたものがM14として
制定され、開発開始から13年、朝鮮戦争が停戦してからでも4年、M14は
ようやく制式採用,配備が始まる。

 開発期間が長くなったのは、ライフルをほぼそのままフルオート化する、
という技術的な難しさもあったかも知れないが、WWⅡ終結後、ライフル
を大量に生産するどころか、多くの兵士が退役し、ダブついた在庫を
抱える状態になり、新ライフルの出番は無かったためかもしれない。
同時に採用されたカートリッジ、.308は30-06より短いが、パワーの低下
は少なく、命中精度も高い、優れたカートリッジだという。
このため、民間でも狩猟用だけでなく大口径射撃競技にまで使われ、広く
普及した。

m14/16
同じく1/6で、M14,FG42,AK47。
FG42はWWⅡ期に独で開発された、これもアサルトライフルの始祖ともいえるもの。


[アサルトライフル]
アサルトライフルとは、短く威力も少し小さい弾薬を用い、セミ/フルオート
切替え式としたライフルだ。
それまでのサブマシンガン(拳銃弾を用いた機関銃)とライフルを合体させた
ようなもので、当時のサブマシンガンが命中精度という点では必ずしも良く
無かった点を、セミオートでライフルに近い性能を得、それまでのライフルが
フルオートでは撃てなかった点をローパワーな弾で可能にしたものだ。
対戦末期にドイツが開発したMP44(Stg44)が、この新たなジャンルを築き、
続いてソ連がAK47を開発してそのコンセプトを受け継ぎ、その後アメリカも
M16を採用、現在では世界的に歩兵の標準装備となっている。
M14、いや.308を採用したNATO諸国のライフル達は、この概念からは
少し大きく、重く、そして反動がきつく、現在では別のジャンルに数え
られている。

[迷走の原因]
しかし開発開始時点の1944年、アサルトライフルという概念を持ち、それを
次期制式ライフルとする、というビジョンを米国は持っていなかった。
いや、ドイツですら、MP44を全軍に配備できなかった。
当時ドイツでも少数の配備に止まったアサルトライフルをどう評価するか、
戦争中はもちろん、戦後すぐでも難しい問題だったはずである。
特に米国はソ連と違い、このMP44で大きな被害を出すなどの戦闘を経験
しなかったらしい。

ドイツはMP44の開発にあたり、新カートリッジを使った。当時制式の8mm
モーゼル弾は膨大な在庫があり、また物資の不足している戦時下、これが
採用のネックなったことは皮肉だが、この選択はやはり正しく、小銃を
そのままフルオート化するのは、無理があったようである。
この適切な判断が、アサルトライフルに限らず、サブマシンガンMP40や
多目的機関銃MG42など、多くの名作を生み出したのかも知れない。
 その点、米国はライフルの自動装填化で先鞭を付けた自信が生んだ
慢心からか、M14の開発でつまづいたようである。
この計画では、そもそも全自動化にあたって弾薬を見直す必要があった。
開発側もそれに気づき、恐らく途中から、ではあるが新カートリッジを
平行して開発している。
このとき、ライフル,機関銃の弾薬統一(共用化)を取ってライフルの
フルオート化を諦めるか、それとも別のもっとパワーを落とした弾薬と
して、既に使用中のカービンを昇格させるような、全面的な構想の見直し
が計れなかったことが、個別の製品、この場合M14に無理を生じさせた
のではないだろうか。
米国はM2カービンという、いわばアサルトライフルを既に補助的な位置
付けで採用していた。
もし好評だったM1,M2カービンを廃し新ライフルに統一する、ならば、
カービンよりに開発することも検討できたはずだ。
そしてM2のフルオート化の経験だけでなく、ライトマシンガンと位置づけ
られるBARも採用し使っていた経験がある。つまり、パワーと重量、
扱いやすさの妥協点も、米軍の現場サイドは知っていたのではないだろうか。

m14/19
各種カートリッジ。左から、M1ガーランドの30-06、M14の.308、
M16の.223、AK47の7.62×39mm。


また結果論だが、M14の後を継いだM16の採用後も、M3カービンから
長い間採用されていなかったカービンを復活し、M4の名を与えて現在
使用していること知る側から見れば、やはりカービン強化が適当だった
のである。
開発陣は、当初の高すぎる要求性能に付き合った結果、実際に撃つ射手
側から見れば扱いずらく実用性を損ねてしまったのではないだろうか。
結局開発開始から10年以上、プロジェクトはこの”パワーを余り
下げない”新カートリッジの開発もあったが、大きな方向転換をする
ことなく続いていたようなのだ。
この間にAK47が普及していたことを考えると、当初の計画を途中から
でも見直すチャンスはあったと思う。
そしてこれは、その後M16への短期での置き換え、しかも戦争中に
それを行う、という次の失敗、西側諸国のアサルトライフル化への
紆余曲折、という更に大きな無駄につながったのではないだろうか。
また、両者距離をとって向き合い、歩兵が小銃を撃ちあう、というもの
ではなくなったことは、フルオートの個人装備を考えていた時点で
認識していたと思うが、ならばもっと新しい戦闘の形態を考え、それに
合致した装備を考えるべきだったのではないだろうか。

m14/17
米軍正式ライフルたち。上からM1ガーランド、M14、M1カービン、M16。

米軍の判断の誤りは、NATO諸国にも.308を制定させたことで、欧州にも
影響を及ぼした。
セトメの改良型で、西独軍の制式となったG3は、当初ここまで
ハイパワーの弾薬を使うつもりではなかったため、一定期間後レシーバー
を工場で矯正する、という苦しい方法で.308に対応した。
英軍などが使うFALは、切削レシーバーの強度もあって耐久性に問題は
無かったようだが、反動はいかんともしがたく、フルオート機能を
殺したL1A1を作った。
ここでは.308のフルオートライフル、という設定をはっきり否定した
訳である。

m14/18
各国の.308制式銃。左から、M14,FAL,G3,64式小銃。

この迷走の原因を推察するに、一つはライフルの自動装填化,WWⅡの
戦勝という成功体験から離れられなかったこと、
もう一つは「ナンバーワン」が好きで、パワフルなものを喜ぶ国民性
があり、小さく小回りが効いて扱いやすい、というコンセプトを肯首
できなかった、米国自体も戦後の高度成長期であり、そのような気風
を見つめなおす雰囲気に無かった、ということかもしれない。

[M14の存命]
しかし現在、M14はまだ一部ではあるが、軍の武器として使われている。
もちろん礼装用の磨き上げられた飾りとしてではなく、実戦の場で、だ。
ここへきて、.308などの強力なカートリッジを使うライフルが、
バトルライフルという呼び方で存続するようになった。
米軍は.ボルトアクション(手動)式のスナイパー(狙撃手)ライフルも
採用しており、用途としてはこれだけ多品種の装備を持つ必要性に
疑問もあるが、ライフルは上述のようにM16から、M1~M3カービン以来
の米軍制式カービンM4に移ってきているので、空いた隙間を埋める意味で
使われているのかも知れない。
M14も、単なる回顧趣味だけで生き残ったのではなく、命中率の高さ、
大口径のパワーとガスオペレーション(発射ガスの一部をシリンダーに
導き、ピストンを押してその作用で閉鎖機構を解く方式)の信頼性の高さ、
などがあったから、ではないだろうか。
m14/03
M14の機関部。機関部後方、トリガー上方にあるのがセミ/フル切り替えのセレクター。

[1/1]
今回のリアルサイズモデルは、東京マルイの電動式エアガン。
バレル,レシーバーからチャージングハンドル,ダミーボルトまで
金属製で、非常にがっしりとした造り、重量は実物には及ばないが、
電動ガンでは重いほうだと思う。
今回入手したのはシンサティックストック風のODタイプだ。
ボルトは発射に連動しないが、手動で動き、しかもフルストロークの
直線移動だけでなく回転もする。バットプレートは実銃通り上がり、
内部にはクリーニングロッドの代わりにバッテリーが入る。また、サイトも
実銃同様に微調整が可能で、ピープ型のリアサイトが円弧状に上昇する。

m14/20

[1/6]
今回、1/6のM14はドラゴン,21センチュリーのものが揃った。
これら以外にも最近のレイル付きモデルなどが作られている。
21センチュリーのモデルは、シリーズで当てモノとして売られ、両者とも
バイポッド(二脚)が付けられている。バリエーションはストックが
ODカラーと木製風の違いだけでなく、スコープも装備されている。
3種とも、チャージングハンドルが稼働する。

m14/15
左がドラゴン、右の2つが21センチュリー。

1/1のマルイと大きさの比較も。

m14/13

それでは今回はここらへんで。
m14/14

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まとめ

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