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今回は、コンパクトながら大きな威力を持つ、M72LAWを。

M72/02

[概要]
M72LAWは米国陸軍で採用されたロケットランチャーだ。
型式の後にあるLAWは、ライト-アンチタンク(アンチアーマー)
-ウェポンの略である。

66mmHEAT弾(後述)のロケットを発射するが、本体は単なるロケットの
保持,点火機能しかなく、ロケットの再装填もできない。
テレスコピック(引き出し)式のいわば弾薬ケースを兼ねた、使い捨て
式の発射器であり、米国ならではユニークな発想である。

この兵器は他国にも影響を与え、使い捨て式の個人装備の対物(戦車とは
限らない)兵器(これもロケットとは限らない)はロシア(RPG-18~)
など他国の追随を生んだ。

[1/1と1/6]
今回の1/1はアリイ(現マイクロエース)の手動式で発泡スチロール弾
を撃ちだすもの。
エルエスが以前は製造していたが、金型を譲り受け再生産している。
しかし、現在は生産が止まっているようだ。

M72はA1~E10までの改良型があるらしいが、これは推進薬を改良したA2を
モデルアップしている。

いっとき完成品も販売していたらしいが、これはキットを組み立てている。
キットの組み立てについては、ミリタリーブログ内のGun1+1/6 OTHER SIDE
で書いているので興味のある方はこちらを参照されたい。

1/6は、ザッカ・ピー・エイ・ピーのバズーカ名鑑のもの(下の画像 中央左)。
これはチューブが開いた状態を再現している。
今回は、バズーカ名鑑から、パンツァーファースト、パンツァー
シュレック、AT-4なども登場願った。

もう一つの1/6は、いつものように単品入手で出処はわからないのだが、
ホットトイズ製ではないかと思われる。
これには可変の翼を持つ弾頭(下の画像 1/6の本体の間)が付属していた。

M72/16

[ロケット弾]
ここでロケットについても。
ロケットとは自噴式の弾(弾が自ら燃焼ガスを噴出し飛行,加速する)だ。
第二次世界大戦(WWⅡ)期に独軍が開発したV2などが有名だが、自ら推進
する弾は、1000年くらいに中国で既に利用されていたらしい。

個人携帯式ロケットランチャーの弾頭は成形炸薬弾(ホローチャージ弾/
対戦車榴弾/HEAT弾)が一般的である。
爆発する弾は全て榴弾で、その中にHEAT弾も含まれるのだが、分類の為
今回ここでは弾体の破片と爆風による対象の破壊に用いられるものを
榴弾とし、モンロー/ノイマン効果(後述)で高圧のガスや金属のメタル
ジェットを噴出し、これで装甲を貫通するものを別にHEAT弾と記載した。

M72/15
1/6を前方から。
中央の弾体の黒い部分は、先端が空気抵抗低減のためにテーパーがつき、
その後部が逆テーパーになった、中央部が太い形になっている。


[モンロー/ノイマン効果]
成形炸薬弾とは、命中時に炸裂する火薬の貫通効果を高めるための装置を
持つ弾で、爆発で発生するガスは、炸薬の前方部を円錐状に成形すること
によって(この空間にガスが殺到し)中央部に集中され、前方に強力な
トーチが発生する。これはモンロー(成形炸薬)効果という。

更にこの円錐を形づくる内張りに金属のライナーを使うと、金属が超高圧
下で液状化(高温になるには時間的に無理なので、融解,気化する訳では
ないという)したメタルジェットとなり噴きつけられ、更に貫通力を
高める。
これはノイマン効果と呼ばれている。

M72/21


[M72の弾頭]
HEAT弾のモンロー/ノイマン効果は弾体が回転していると遠心力が働き
(ガス,内張金属を中央に集める)効果が落ちるという。
M72は本体に弾体を回転させるライフリングなどを持たず、弾体は回転
することなく発射される。
弾体は発射後も推進薬によって加速し進むが、弾頭の安定のため、6
(5?模型では5本になっている)本の翼があり、発射後にこれが開く。

M72/09
これも1/6で、本体と翼が開いた状態の弾体。

[対物兵器]
ここで各種の個人携行対物兵器の紹介と、リストによる各兵器の特徴を。

通常のライフルでは貫通できない装甲を持つ戦車の登場により、まず単純
にライフルを大型化した対戦車ライフル、パンツァーブクセなどが登場
した。

初期の対戦車兵器は、硬い徹甲弾を高速で撃ちだすことで貫通力を
持たせていた。
その後戦車の装甲強化で、個人携行できる規模では対抗することが難しく
なったが、今度はモンロー/ノイマン効果を利用したHEAT弾の採用で、
再び個人携行型の対戦車兵器、ロケットや無反動砲がWWⅡ期に登場する。

ロケットランチャーではM72の先代に当たるM1が米国で開発,採用される。
このM1系ロケットランチャーはM20まで改良型が作られた。
これがドイツに影響を与え、同様のロケットランチャーであるパンツァー
シュレックが開発された。

パンツァーファーストも同じHEAT弾を用いるが、筒(本体)内に弾頭推進
用の火薬を持つ無反動砲である。

M79などのグレネードランチャーも、弾体に推進装置を持たず、また
無反動砲のような反動低減装置は無いが、高低圧理論による着火機構に
よって、反動を個人が処理できるレベルに抑えている。

RPGはロシアで開発されたハイブリッド(複合)型で、まず発射は弾体
外の火薬、そして発射後に弾体内の推進薬に着火して加速する。

更に現代では長射程のライフルも有用であるとして、対戦車、ではない
らしいが、大型ライフルが復活、12.7mmや14.5mmの機関銃弾を使う
アンチ-マテリアル-ライフルが開現在多くの国で使用されている。

M72/10
1/6で、各種対物兵器。
左から、バレットM82A2、M79、M72、パンツァーファースト、RPG-7。
バレットとM79は出処不明、パンツァーファーストはバズーカ名鑑、
RPG-7は空挺仕様の分割型Dで、RMC(中国)製のもの。


個人携行型ミサイルの模型は未入手だが、リストに発射構造、弾体の違い
をまとめてみた。

M72/17

[M72の操作と構造]
本体側面には、操作説明が、イラスト付きで貼り付けられている。
アリイ製も、1/6もこのステッカーを再現している。

M72/13

使用にあたっては、後部のピンを抜き、後部カバーをヒンジによって
開くと、金具で連結されている前部のカバーも外れる。

M72/04

前後カバーを付けた状態では、防水性もあるという。
そのあと、本体後部を引き出すと、発射可能(縮んだ状態ではセット
されていない)となる。
引き出すと、前後サイトも起き上がり、照準をこれで行う。サイトは
後方がピープ(小さな穴)式で、前部は透明な板に照尺が赤で描かれて
いる。

M72/05

後部(内部)の筒はアルミ合金、前部(表面)の筒はFRP(ガラス強化
樹脂)で出来ており、軽量化を図っている。
発射時には、安全装置を引いて解除し、本体上部のトリガーを押す。

M72/12
画像中央部がセフティ。
右上のゴム部品がトリガー。アリイはダミーだが
セフティも動き、トリガーも別部品のゴム製としている。


すると、ストライカー式のファイアリングピン(撃針)がプライマーを
叩き、衝撃で発火する。
発火機構は、拳銃,ライフルと同じだ。しかし、M72は、弾体が直接飛行
する推力を出すので、発火した炎(高温ガス)をチューブでロケット弾体
の後部に導き、弾体内に着火させている。
弾体は、ガスを噴射し、後方の空気を壁として(高速だと抵抗になる)
推進していく。

M72/20

本体は、このとき発射の方向を決めるのみで、前後が開いた単なる筒
なので、ガスは後方に抜ける。
このために、大きな弾体を発射するにも関わらず、反動は少なくなり、
66mmもの大型弾を撃てるショルダーウェポンが可能になった。

また、発射後も一定時間(噴射が続く間)加速するため、初速が低い
ことも、反動を低減している要素ではないかと思われる。

この初速の低さ、は、射手の顔面などを保護するシールドを不要として
いることにも関係していると思われる。

余りにも大きなガスの噴射の場合、それが射手を襲うので、M72の前に
採用されていたM1(通称バズーカ)は漏斗状の発射口(これがバズーカ
と呼ばれるもと)としているし、独のパンツァーシュレックでは、
照準用の覗き窓が付いた大きなシールドを付け、射手の顔面を保護
している。

M72/07
再び1/6で、M72とパンツァーシュレック。

しかし、射手の後方は、発射ガスが吹き付ける(バックブラスト)ために
空間(約30度、40mまでガスが及ぶという)が必要だ。

M72/08
M72本体上部に貼られた注意書き。後方に爆風が噴き出す領域があること
を書いている。


無反動砲では、この後方へのガス噴射を低減させる装置が(反動低減が
第一目的かもしれないが)追加されている。

このような構造を、小銃などでとらないのは、効率が悪いこと、近距離
では初速が低いと小さな弾頭のエネルギーが低く、実用性に乏しいから
ではないだろうか。

実は以前、ロケットピストルは実用化された(後方が開いてはいない)
が、結局普及しなかった。

[対物兵器として現用]
現在の戦車は装甲を複合化するなど強化しており、M72などではダメージ
を与えられないケースも多い。
また、M72に替わって採用されたAT-4は、84mmの炸薬弾を撃ちだす
無反動砲だが、これでも最新式の戦車には既に対抗できない、とか。

M72/11
1/6で、M72(下)とAT-4。AT-4もバズーカ名鑑のもの。

しかし、施設の破壊や、戦車以外の車両など、M72でも充分威力を発揮
できる対象があること、戦車に関しても、必ずしも戦車を破壊しなくても、
戦車の行動を抑制することも可能なこと、小型軽量で他の高性能個人装備
対物兵器より安価、など今だにM72の有用性はあり、現在も使用されて
いるという。

ライフルに着けて撃つグレネードは現在あまり使われなくなったが、
グレネードランチャーなども使われており、手で投げるグレネードも含め、
対物兵器まだまだ多種多様なものが現用である。

コンパクトで大きな威力を求められる状況は、これからも続くだろうし、
個人携行,使用の大口径対物兵器は、発展しながら、今後も使い続け
られるのかも知れない。

[バズーカ?]
M72はM1~M20(通称バズーカ)の後継機種として使われたため、これも
「バズーカ」と呼ばれることがある。
アリイのパッケージにも大きく「バズーカ」と書かれており、1/6の
シリーズ名も「バズーカ名鑑」だ。

しかし、語源のもととなったコメディアン ボブ・バーンズの劇
「バズーカ」で使用されたラッパの形状とは異なっており、M72は漏斗状
の端部を持っていない。

個人携帯,使用の対戦車用大型弾(HEAT弾)発射器の名として、形に
関係なく「バズーカ」と表現しているならそれも構わないのだが、
「バズーカ名鑑」など無反動砲はおろかミサイルをもラインナップ
しており、いくら通称とはいえ、非常に概念があいまいなものに
なっているように感じる。

この「バズーカ」という呼称、いかにM1系が注目され、大きなインパクト
をもたらし、またこの愛称が広く親しまれ浸透したか、を感じずには
いられないが、何でもバズーカ、では逆にわかりにくいのではない
だろうか。

では今回はここらへんで。
M72/03

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まとめ

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