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今回はスタームルガー社を代表するモデルのひとつ、
スーパーブラックホークを。
sbh/01

[1/1トイガン]
まず今回はトイガンの説明から。
スーパーブラックホークは、モデルガン化の歴史が古いモデルである。
古くは海外製のSAA(シングルアクションアーミー)トイガンを改造して
ブラックホークとし販売した、という話も聞く。

本格的なモデルガンとしては、ウエスタンアームズが真鍮製の高価な
モデルを出し、その後ハドソン,マルシン,ウエスタンアームズから金属
(ウエスタンアームズはニューモデル)モデルガンが、コクサイから金属,
ABS製でモデルガンが、スズキからはABSだけで、またマルイからは
ABSの作るモデルガンとして、ニューモデルスーパーブラックホークが
作られた、という。

そしてガスガンでマルシンからHW樹脂製のニューモデルタイプが発売
され、これが現行(在庫は無くてもディスコンしていない)としては唯一
のモデルとなっている。

手元には、コクサイで10,7.5インチ、マルイ7.5インチ、マルシンの7.5
インチがある。

sbh/03
スーパーブラックホーク7.5インチのトイガン3種。
左から、マルシン(ガスガン)、マルイ(モデルガン)、コクサイ。


[1/6]
今回の1/6モデルは、ニトロプラスの「続・殺戮のジャンゴ」という成人
向けゲームのキャラクター「黒のフランコ」のフィギュアに付属して
いたもの。

フィギュアの手に接着されており、グリップ右側には取り付け用の突起が
あったが、それを削り落としている。

物語はSFで使用銃はスーパーブラックホークのレプリカ、という設定で、
表面に象嵌かエングレーブが施されているものがモデルアップされている。

フレームのピンが2本なのでニューモデルを模しており、ハンマーが起きた
状態で固定されているが、カートリッジの頭がシリンダーからのぞくのも
再現されるなど、実に細かく作りこまれている。

スケールは実物のメーカー公表値と比べると1/6.4といった感じで少し
小さいが、1/7よりは大きい。

sbh/05
1/6(左)と、各種ダミーカートリッジ、マルイ製スーパーブラックホーク(後方)。
カートリッジは、左から30カービン,357マグナム,45ロングコルト,44マグナム。
左の3種がブラックホーク用、右の44マグナムがブラックホーク,
スーパーブラックホーク用。


[開発の経緯]
スタームルガーは第一作である22口径の自動装填式拳銃(22スタンダード
ピストル)が成功し、同じく22口径でコルトのSAAを模した
シングルシックスを1953年に発売する。

シングルシックスは回転式弾倉を持つソリッドフレーム(フレームが一体
で、弾倉取出しの為に分かれない)を持つシングアクション(発射には、
ハンマーを起してから引き金を引く必要がある)のクラシックな
リボルバー(回転式拳銃)だ。

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スタームルガーの22口径2種。
ハドソン モデルガンのベアキャット(左 このモデルについては後述)と
マルシン ガスガンの22スタンダードピストル。
左端のカートが、使用弾である22ロングライフル。


シングルシックスは、西部劇のブームによる懐古趣味、シンプルで堅牢な
銃を好む層の存在などから支持を受ける。

1955年、スタームルガーはシングルシックスの口径を拡大、パワーを大幅
に増した357マグナム仕様のブラックホークを発売、これも好調で、
スタームルガーは22口径のプリンキング(競技や狩猟ではなく、単に射撃
を楽しむ行為)ガンのメーカーから、本格的なハンドガンメーカーへと
成長する。

ブラックホークは357マグナムのほか、45コルトや30カービン、そして自動
装填用の45ACP,9ミリまでコンバーション(他の弾薬と弾倉を替えて使用
できる)口径バリエーションを増やすが、最も強力なカートリッジ、
44マグナム版も1956年に登場する。

しかし、このブラックホーク44マグナムがオーバーロード(装薬の増量)
で破壊した、とかいう雑誌記事が出たらしい。

このことが原因で、とは限らないと思うが、スタームルガーは短期間で
357ブラックホーク改44マグナムの生産を中止、大型で頑丈な専用フレーム
の44マグナムブラックホークを作る。

更に1959年末、スタームルガーはスーパーブラックホークを開発,
併売する。

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スーパーブラックホーク(コクサイ)10インチと、357ブラックホーク
(中央=コクサイ,下=スズキ)。


スーパーブラックホークは、強度不足とされた初期のブラックホーク
44マグナムに対して、徹底的に強度向上を目指して改良を重ねたような
スタイル,仕様だ。

それまでアルミ合金製だったグリップフレームを本体と同じクローム
モリブデン鋼とし、トリガーガードをドラグーン(後端が直角)タイプ
に、シリンダー(回転式の弾倉)もフルート(軽量化の為の溝)を
持たないアンフルーテッドタイプ、フレームもリアサイト付近を高く
盛り上げた形としてサイトを保護すると共に、フレームの強度アップも
図っていた。
またハンマーも指掛けの部分が分厚いワイドハンマーとし、トリガー
(引き金)にも滑り止めのグルーブ(縦溝)が刻まれた。

sbh/08
マルイとコクサイのモデルガンで、ブラックホークとの仕様の違いを。
青い矢印がブラックホークの特徴で、左下からトリガーガード,フルート加工、
ナロー(幅が同じ)ハンマー。
スーパーブラックホークは赤の矢印で、左からドラグーンタイプ
トリガーガード,ワイドハンマー。


シリンダーのフルート加工は、パーカッション式からカートリッジ式に
進化するときに一般化したものだが、スタームルガーは1958年に
ベアキャット(上の画像)でアンフルーテッドシリンダーを採用
している。

ベアキャットはシリンダー側面に熊とピューマの模様をロール・マーク
(スタンプ)しており、この模様を付けてパーカッション式の
クラシックなイメージを取り入れたかったのだと思うが、
スーパーブラックホークも、通常版とは差別化を図る上で、
よりクラシックなスタイルを目指したのかも知れない。それはトリガー
ガードもクラシックなドラグーンタイプとしていることにも表れている。

sbh/11
コルトの19世紀のパーカッション(非カートリッジ)式、M1848ドラグーン
(右 HWSモデルガン)とスーパーブラックホーク(左 マルシンガスガン)。
ドラグーンタイプのトリガーガード、そして形式が違うが、アンフルーテッドの
シリンダー側面が同じだ。


結果的にはスーパーブラックホークが“ミソの付いた”ブラックホーク
44マグナムにとって代わり、後にフラットトップと呼ばれるスタンダード
モデルの44マグナムは1962年に製造が打ち切られる。

また、フレーム上部のサイト保護を兼ねた肉盛り形状は、同年
ブラックホークでも採用されているようだ(今回のブラックホーク
モデルガンもこの形状)。

[スーパーブラックホークのバリエーション]
357ブラックホーク改44マグナムは短期間で製造中止したが、専用
フレームのフラットトップブラックホーク44マグナムは6.5インチバレル
(銃身)が標準で、少数7.5インチ,10インチ版も作られたという。

スーパーブラックホークでは7.5インチが標準で、1960年、
スーパーブラックホークは鉄製のサイト,エジェクターロッド
ハウジング(バレルの横のパーツ)がアルミ化された。

またブラックホークシリーズは、1973年(Gun誌1978年7月号では1968年)
にトランスファーバーシステムを搭載したニュータイプにモデルチェンジ、
スーパーブラックホークもこの仕様になる。

トランスファーバーシステムはトリガーに連動したトランスファーバー
を介してハンマーの衝撃をファイアリングピンに伝えるもので、同時に
ハンマー操作無しにシリンダーゲートを開くだけでシリンダーをロック
しているボルトが解除され、シリンダーを回転(して順次カートリッジ
交換)できる機構も採用されている。

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コクサイのオールドモデルとマルシンのニューモデルで、外観の比較。
オールドモデルはSAAと同じく、フレームに3本のスクリューがある(青い矢印)。
ニューモデルは、フレームのピンがマイナス用ヘッド無しの2本(赤い矢印)と
なっている。


ニューモデルになってから、バレル長は7.5インチ以外に10インチが作られ、
更に時代が下ると5.5インチなどのバリエーションが増え、現在光学照準器
の取り付け用リブをバレルに持つハンター,より湾曲したグリップを持つ
ビズリーもラインナップ、バレル長は限定モデルも含めると3.75~10.5
インチが存在する。

スーパーブラックホークの特徴だったアンフルーテッドシリンダーと
ドラグーンタイプのトリガーガードを廃したモデルも現在は作られており、
また、ブラックホーク44マグナムも、オールドモデルの外観でニューモデル
の機構を備えたアップデート版として50周年記念モデルが作られるなど、
幅広いバリエーションが出ている。

また、スーパーブラックホークのトリガーガードは、やはり両手保持では
角が指に当たり、射撃時の衝撃で指を傷めることがあり、社外品の
オーバーサイズグリップではここを覆う形になっている。

sbh/07
左がノーマル、中央はヘレット形(取付寸法が合わず、隙間があるが)、
右はパックマイヤー(これもそのままでは合わないが、フレームを削っている)のグリップ。



[コルトの誤算]
スタームルガーのソリッドフレームシングルアクションリボルバー群の
成功は、コルト社には少なからぬ驚きだったと思う。

コルトは戦後(第二次世界大戦後)SAAの製造を停止、製造設備も廃棄
してしまっていたという。

新興メーカーが旧い自社製品の“焼き直し”で儲けているのを、指を
咥えて見ていることはない、とばかりに、コルト社は対抗馬として
ニューフロンティアを作り、また元のSAAを再生産している。

sbh/09
357ブラックホーク(左 コクサイ)と、コルトニューフロンティア357(ハドソン)、
SAA(ハドソン)。
3種共にモデルガン。


結果的にコルトは需要予測を見誤っていたのだが、ここには“今まで
起こったことがない”現象があったので、コルトには無理なからぬこと
だったかもしれない。

ブラックホーク登場の頃、コルトは最高級リボルバーとしてパイソンを
開発,発売している。
もちろん、パイソンはその後コルトを代表するモデルのひとつとなり、
また復活したSAAは、これも何度も再生産されているが、現在コルトに
過去の栄光は無い。

sbh/10
スーパーブラックホーク(右 コクサイ)とコルトパイソン
(左 タナカガスガン)。
共にカートリッジ交換時の状態だが、スーパーブラックホークは一発ずつ
排出,装填する必要がある。


コルトは高度成長期から後、価格を下げることが出来ず、高級品市場は
ともかく、多くの顧客をスタームルガーなど新興のメーカーに奪われて
しまった。
本家のネームバリューはともかく、ブラックホークの価格を実現すること
はできなかったのである。

[スタームルガーの戦略]
実はスタームルガーの創業者であり、デザイナーでもあったビル・ルガー
は、かなりスマートであると思う。

まず第一作の22オートピストルの開発時から、ルガーは出資者であり、
共同経営者であったスタームの意見を入れて、たぶん普通はやりたくない
であろう、名前の類似性を利用し独ルガーP08に似せる、といった変更を
受け入れた。

ビル・ルガーは南部式小型がお気に入りだったとも言われ、また実際の
機構はコルトウッズマンなどを大いに参考にした跡が伺え、P08の影響は
外観のみに留まっている。

そして、この需要予測、戦後大量の銃器がダブついて放出されているなか、
生活が豊かになり、今度は趣味として手軽に撃てるピストルが売れる、
つまりプリンキング用途に着目したことも、先見の明があったと思う。

更に、22オートピストルの成功後、プレス構造の生産技術を活かすには、
大口径オートが次の作品になったほうが良かった(実際、後にSIGが
軍用オートピストルのスライドを厚板プレスで作る)かもしれないが、
敢えて全く違うスタイル,生産方法の、オールドスタイルのリボルバーを
作った。

グリップフレームとトリガーガードを一体化させてアルミのキャスト
(ブラックホーク)とする方法や、ロストワックス工法の導入など、
スタームルガーは本家コルトが再生産しても価格で勝負できるだけの技術
をもって、勝負を挑んだのである。

仕上げは当時のコルト,S&Wより劣ったかもしれないが、後のAMTが
ハードボーラーでやったように梨地の表面ではなく、ちゃんと研磨工程を
踏み、外観も含めてリーズナブルと思える設定は、やはり商売上手だった
のではないだろうか。

また当時はテレビジョンの普及期で、西部劇が劇場だけでなくテレビでも
放映され、人気を得ていたが、敢えて旧式のシングルアクションで挑んだ
のは、もちろん22口径から、という作戦はあっても、大変な決断である。

というのは、過去に旧式銃が復活流行したことは無く、コルトもS&Wも
当時新型リボルバーを模索していたのだ。

19世紀に建築においてゴシックリバイバルが起きていたが、旧式で装填に
手間がかかるソリッドフレームのシングルアクションの方が売れる、
などという現象は、利便性や操作性の向上を設計主眼においていた者に
とっては、信じられない事だったかもしれない。

スタームルガーが市場調査をやったにせよ、未だ起こっていない現象を
高い確率で予測できたとは思えない。

ただ、ビル・ルガーは公務員としてスプリングフィールドに務めた経験が
あり、そのときに給与面の将来性から見切りをつけて起業したようなので、
コルトのように官需で経営の安定を得た企業とは逆に、民間市場の動向に
まさに”命運をかけて”、このチャンスに乗ったのではないだろうか。

また、シングルシックスの時から調整式サイトを付けるなど、若干形は
ターゲット向きに変えていたものの、スタイルをコルトから”頂いて”
おり、更に44マグナム版ではカートリッジをS&W(レミントン)から
採って(訴えられ、差し止められない範囲で、だが)おり、大手2社を
正面から敵に回すのは相当覚悟がいったはずだ。

スミス&ウエッソン(以下S&W)社とレミントン社が44マグナムとこれを
使うM29を開発したのは1955年、発表したのは1956年で、同年さっそく
スタームルガーがブラックホーク44マグナムを開発できたのは、
スクラップのテストカートリッジを見つけて両者の製品発表前から開発を
始めていた、とかいう話もある。

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スーパーブラックホーク(右 コクサイ)とS&W M29(左 タナカガスガン)。

現在の、メーカーの宣伝記事だけの米国の銃器雑誌からはちょっと想像
できないが、市販弾薬で、とはなっていないこと、おそらく長いつきあい
の大口顧客(雑誌は広告収入も少なくないはずだ)でもあるS&Wと
レミントンとの関係から、もしかするとブラックホーク44マグナムが
オーバーロードで破壊したという記事は、ネガティブキャンペーンだった
のではないかとも思う。

もともとファクトリー(工場、市販という意味)ロードでOKなら、問題は
無いことである。

逆にS&Wは、そのファクトリーロードでも(そして最近でも)破損が起こる
ことがあり、M19でバレルの裂けがレポートされたこともあったし、日本の
警察用に納入されたM37ではフレームにクラックが入り、回収されたとも
聞く。

発表前から密かに得た(不正な手段だったか、というとそれはたぶんもう
どこも証明できないと思うが)情報によって素早く対抗商品を出してきた
スタームルガーに対して、特にS&Wなどは快く思わなかったのではない
だろうか。

ともかく、短期間に仕様を変え、更に上級版まで用意して過剰なまでに
強度をアピールし、信頼性回復に努めるだけでなく、強度,耐久性では
大手に引けをとらないモノにする、という姿勢は、いわゆる二流品
メーカーではあり得ないと思う。

後に、ブラックホークシリーズは安全性に配慮した新機構のニューモデル
にモデルチェンジするが、この“信頼性,価格,安全性”の追及により、
スタームルガーは“安価だが丈夫で性能も良い”という信頼を得て、
その後総合銃器メーカーに発展し躍進を続ける。

このトランファーバーシステムへの変更は暴発事故があって多額の賠償を
請求された経験から、とするところもあるが、コルトのSAAがオールド
モデルと同様の仕様であり、他にもシリンダー軸を押し込んでハンマーを
ロックするなど、落下させてハンマー部を強打しても絶対に暴発しない、
というような万全の対策を施したところは少数派だった。

S&Wはハンマーを少し後退させるリバウンド機構とハンマー前進を止める
ハンマーブロックの2本立てだが、どちらも壊れるだけの衝撃力なら発射
は起こる。

コルトのダブルアクションも従来の機構(ポジティブロック)の安全性は
S&Wとほぼ同じで、後に新たにセフティコネクター(トランスファーバー
と同じ機構)で対策を講じたMkⅢシリーズを開発している。

これらを見ていけば、スタームルガーは安全性でも業界をリードする存在
だったのではないだろうか。

そして、最初の製品からスーパーブラックホークに至るまで(一時期
作られていなかったものもあるが)が改良されながらでも現在まで
生き残っている、ということも、驚くべきことである。

ブラックホ-ク,スーパーブラックホークは、プリンキング以外にも、
ハンターのバックアップガンとして、メタリックシルエット競技の
ベースガンとして、実用面でも需要を得、安定した人気を獲得した。

また、よりSAAに近づけた固定サイトのバッキィエロ、クラシック
スタイルを残しつつダブルアクションとスイングアウト式を採用した
GP100(セキュリティシックス)やレッドホークシリーズなど、新しい
モデルも充実している。

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スーパーレッドホーク454カスール弾仕様(右 タナカガスガン)と。
アンフルーテッドのシリンダーや、シリンダー後部のリコイルシールド部など、
外観上の共通点がある。


幸運は何度も続くものではない。
特にブラックホークには、幸運どころか大変な困難が待ち受けていた。
しかしそれでも成功に導いたのは、ビル・ルガーの、(ネガティブな
ものまで!)周りの意見を素直に聞き、売れる要素=ユーザーが選ぶ
メリットを真摯に追求する、確かな判断力によるものではないだろうか。

sbh/02

では今回はここらへんで。

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まとめ

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