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今回はS&W(スミス&ウエッソン)社のM19”コンバットマグナム”を。

m19/01

[概要]
M19はS&W社の中型フレーム(機関部体)、Kフレームを使う
スイングアウト式ダブルアクションリボルバー(回転式弾倉を横に
振り出す形式、かつ引き金を引くことで撃鉄を起こし、その後落とす
ことが出来る拳銃)だ。

m19/02
タナカ製ガスガンで、M19 4インチと357マグナムのダミーカートリッジ。

弾薬は強力な.357マグナム、エジェクターロッドハウジング(銃身下の
カートリッジ排出器の覆い)とランプタイプ(後面が斜め、他の型もM19
には存在する)のフロントサイト、調整式のKサイトと呼ばれる
リアサイトを持ち、バレル(銃身)は1955年の登場当時4インチだったが、
後に2.5,3(少数),6インチが作られた。

m16/18
エアソフトガン(ガスガン)のM19で、各バレル長のモデル。
左から6インチ(東京マルイ)、4インチ,2.5インチ(どちらもタナカ)。


ステンレスモデルはM66、ペットネーム(愛称)が付けられており、
コンバットマグナムという。

M19/M66は‘80年代にリボルバーからオート(自動装填式)に切替えが
進むまで、米国では制服警察官などの公用にも広く使われ、同社の
ドル箱モデルの一つとなった。

m19/14
コクサイ モデルガンで、ミリタリー&ポリスM65(左)とM66。

[M19の開発]
S&Wは、戦後の混乱期が収まると同時に、新しい公用,民間用リボルバー
を模索、当時ボーダーパトロールをしていたコンバットシューティングの
第一人者、ビル・ジョーダンに新リボルバーについて意見を求めた。

ビル・ジョーダンは軽量で強力なものを、と考えたのか、ミリタリー&
ポリスなどに使われていた.38スペシャル用のKフレームを使い、調整式の
サイトを付けて当時市販最強のカートリッジ、.357マグナムを使えるもの
を提案した。

.357マグナムは、.38スペシャルより数ミリ長いカートリッジケースで、
外観上の違いは少ないが、火薬量が多く、大幅にパワーアップした
強装弾だ。
リボルバーでは、.357マグナム仕様なら.38スペシャルは使用可能
(下位互換)となる。

当然シリンダー(回転式弾倉)はマグナムサイズになり、バレルは
フォージングコーン部(シリンダーに接する部分)が短いものになったが、
フレームは基本的に同じサイズで、強度不足に対処するため、焼入れ
などで強化して対処したという。

それまで.357マグナムを使うS&Wのリボルバーは、後にM27,M28となる
大型のNフレームを使ったもので、重量が1kg程には納まらない(2割ほど)
大きなものだった。

Nフレームは1956年に当時市販最強の拳銃用カートリッジの座を
.357マグナムから奪った.44マグナムを使うM29をラインナップに加えた
ほどの大型フレームで、S&Wでは.357ナグナム仕様をサイズ違いで揃え、
よりニーズにあった選択ができるように考えたのかも知れない。

m19/20
モデルガンでHWS M19(左)と、Nフレームのコクサイ M28(右)。
両社は同じ.357マグナム仕様だが、シリンダーのサイズはこのように大きく違う。


M19は登場当初スクエアバット(後端が突き出た形)のグリップフレーム
で、マグナムの強烈な反動に耐えられるようオーバーサイズの木製
グリップが付けられていたが、2.5インチではラウンドバットに、そして
後にはパックマイヤーやホーグのゴム製グリップが使われた。

(上の画像の左がパックマイヤー、右は(Nフレームだが)ホーグ製の
グリップを付けている。
更に2つ上のタナカ 2.5インチにも、パックマイヤーのグリップを
付けている。)

同時期にコルトが出したパイソンは、フレームこそS&WのNフレームより
小さめだが、フルラグバレル(下部に錘がついた銃身)で大きく重い、
ターゲット用やハンティング用の用途を主眼に置いたものだったのに対し、
軽いマグナム、というコンセプトは毎日拳銃を携帯する警官などには
たいへん好評で、コルトは後に対抗機種としてトルーパーを改良、新工場
まで建設してMkⅢシリーズを展開するものの、S&Wの牙城を崩すには
至らなかった。

m19/15
コクサイのモデルガンで、M19(右)とパイソン。

M19は、マグナム仕様とはいえ、通常は.38スペシャルを使い、時には
マグナムが撃てないことはない、という程度のもので、当時警察官は
.38スペシャルを主に使用していたため、この点でもちょうど良かった
のかもしれない。

m19/07
左から、.38スペシャル、.357マグナム、.30-06、.300ウェザビーマグナム。
.357マグナムはマルベリーフィールドのダミカートだが、数ミリ長いだけでなく、
大型のマグナムプライマーも再現されている(左の矢印)。
ライフルのマグナムカートリッジの多くは、ショルダーが急に大径になり、
リムの上もベルトと称される段差がある(右の上下の矢印)。


[1/1モデルガン]
今回はここでトイガン紹介を。M19はモデルガンでも歴史があるモデルだ。
まず金属モデルガンで1968年!にMGCから2.5インチ、続いて4インチと
6インチが発売、これはSM,SMG規格でも製造された。

次にコクサイが「リボルバーのコクサイ」というイメージを決定づけた
KフレームシリーズのABS樹脂製モデルガンで80年代にモデルアップ、
これはキット化,HW(ヘビーウエイト)化や細部のディティールアップ
などのマイナーチェンジを受けながら現在も販売されている。

2.5,4,6インチの他、メッキモデルでM66(ステンレス仕様)も再現し、
後にはパイソンバレル付きのスマイソンも作られている。

コクサイでは同じ基本設計,パーツ(フレーム等は設計も異なる)で、
金属モデルガンでもM19を作っている。

CMCでは、コクサイより後にM19のABSモデルガンを製作、4,6インチの
バリエーションで、6インチはパートリッジ(後面が垂直)タイプの
フロントサイトを付けていた。
この金型はHWS(ハートフォード)に引き継がれ、2.5インチも追加、
現在キットモデルも販売されている。

CMC/HWSではスマイソン4,6インチも作られたが、HWSはワイドハンマー
(撃鉄),ワイドトリガー(引き金)が金型紛失の為、これを組んだ
6インチ版はHWSでは限定数(在庫の部品で組んだ)しか生産できなかった
という。
HWSのスマイソン4インチは、M19の2.5インチのフレームを使ったラウンド
バットモデルも作られている。

タナカは独自開発のガスガンを発売していたが、これをもとにモデルガン
も開発、こちらは2.5,4インチで、上記でモデルアップされている型では
なく、後期型のモデルアップのようである。

m19/17
コクサイのM19(左)とHWSのM19(右)。共に6インチモデル。

[1/1エアソフトガン]
コクサイは好評のABS/金属モデルガンの外形をベースにカートリッジ式
ガスガンも作った。
また、東京マルイは24連射のカート固定式ガスガンを作り、これは長らく
絶版だったが、
リニューアルして再販予定だという。
タナカは上記のモデルガンの前に、同社得意のペガサスシステム
(シリンダーにガスタンクを内蔵する形式)でM19,M66を作り、
それぞれ2.5,4インチでHWなどのバリエーションがある。
タナカでは6インチは作られていないが、スマイソンでは4,6インチが
ある。

またクラウンからはエアコッキングガンが出ているという。

[1/6]
今回の1/6は単品購入したものだが、実は映画「ダーティハリー」の
キャラクター、ハリーキャラハンのフィギュアが持っていたもので、
設定からいくとM29である。
しかし、モデルアップするときに間違えたのか、サイズ的にはM19で、
スケールだけでなく、細身のシリンダーでプロポーションもM19である。

m19/12
コクサイ モデルガン6インチと1/6。

[トリガー機構]
S&Wのリボルバーは以前、いちばん小さなJフレーム以外、共通の機構
を採用していた。

ハンマーはリーフスプリング(板バネ)、トリガーはコイルスプリングで、
電動式エアガンのように、噛み合う歯の部分が次の歯に移動(一回だけ
だが)し、効率よく動くように考えられている。

m19/16
トリガーとハンマーの関係。
まず青い矢印で示したシアーとトリガーの上部が接触するが、
トリガーを引くに従ってシアーから外れ、赤の矢印部分のハンマー下部と
トリガーの2段目の突起がかみあう。


また、ハンマーが落ちる(レットオフ)まえに、ボルトがシリンダーを
ロックするので落ちるタイミングがわかりやすく、ダブルアクションでも
当てやすいのも利点だ。

[モデルチェンジ]
M19は長く生産された間に、いくつかのモデルチェンジがあり、社内の
コードでは-5型(6型?)に分けられている。

トリガーがナロータイプ(幅が単一)でグルーブ(溝)付きとセミワイド
でスムーズ、シリンダーがカウンターボア(カートリッジのリムが納まる
段付きの穴)かストレートか、とそれに伴うフレームのラグ(シリンダー
後退防止の突起)形状の違い、バレルピンの有無、エジェクターロッド
ハウジングの裏側形状のほか、中期からフロントサイトにレッドポイント
がインサートされ、後期のモデルでは更にファイアリングピン(撃針)が
ハンマーからフレーム取り付けに変わり、フレームラグも
リコイルプレート(シリンダー後方の半円状の突起部)とつながる形状を
採用したが、2005年にディスコンティニュー(廃番)となったようである。

m19/06
コクサイとタナカで、新旧の相違点。
左から、バレル固定ピン、セミワイドトリガー、エジェクターロッドハウジング。


[軽量化ゆえの弱点]
しかし、M19はマグナムを大量に消費するだけの強度はやはり持っておらず、
また6インチなどでは同社のカートリッジでバレルが裂ける、といった
報告もあった。

基本的に38スペシャルや、その5~15%位パワーアップした+P
カートリッジまでが適する弾薬で、また後にコンバットシューティングが
競技化されると、わざわざM19に重いバレルやウエイトを付けて使う者
まで現れ、役不足の感があった。

強度の点では、鋼材が改善したのか、またステンレスで強度が高かった
のか、KフレームのマグナムはM13,M65などに広がり、S&Wでは更に
小さなJフレームでもマグナム仕様を作っている。

もちろん重量がより大きなM27はあるが、Nフレームは大型過ぎる。
ライバルであるコルトのパイソンは、登場当初はゴツくて使いこなせない
などという評価もあったが、フロントヘビーの重心と、タイトで集弾率の
良いバレルが評価されるようになり、パイソンのバレルをM19のフレームに
組み付ける、スマイソン(スモルト)と呼ばれるカスタムまで登場した。

ここに至ってS&Wは中間サイズのLフレームを開発、コルトのバレルに
倣ってフルラグ(ハウジングを前方いっぱいまで伸ばしたデザイン)
タイプのM586ディスティングイッシュドコンバットマグナム(究極の
戦闘用マグナム)を開発、M19とM27の隙間を埋めた。

m19/19
左から、M586(マルシン モデルガン)、スマイソン(HWS モデルガン)、
M19(タナカ ガスガン)。


またM586登場後も、S&Wはオートに対抗して7,8発の装弾数を持たせた
リボルバーをLフレーム,Nフレームで開発するなどしたが、もともと
ぎりぎりのサイズで357マグナム化しているKフレームでは増やすことは
できなかったようである。

[タクティカル向きのサイト]
M19の登場から、人気を博してきた調整式のKサイトは、一時期コルト
ガバメントにも搭載するカスタムが登場するほど流行したが、時代が
下って、コンバットシューティングがタクティカルシューティングと
呼ばれるようになると、調整式でもボーマーのように分厚いブレード
(照準面)でピクチャーもシンプルな優秀なものが主流になった。

またより堅牢で一度合わせれば狂いの来ないノバックなどの固定式
サイトが使われるようになると、護身用などで使われ続けている
リボルバーでも固定式が人気となり、KフレームでもM13/M65
(.357マグナム仕様の固定サイトモデル)などがFBIで使われたりも
した。

m19/21
パラオードナンスのノバックサイト(左 WAガスガン)と、M19のKサイト
(右 タナカガスガン)。
Kサイトはスクリューで調整できるが、ブレードが薄く、
強度では固定のノバックに敵わない。


[.38スペシャルの役不足感]
更に公用拳銃が自動装てん式に置き換えられるようになった頃、弾薬も
.38スペシャルではストッピングパワー(人を行動不能、つまり止める力)
不足、という評価がされ、自動装てん式用の40S&Wなどの大口径
カートリッジが開発され、使用されるようになる。

こうなると、.38口径より大きなカートリッジを6発納めることができない
Kフレームでは、弾薬でも対抗することが出来ない。

これらの複合的要因からか、M19はひっそりと姿を消した。
ミリタリー&ポリスやレディスミス、チーフスペシャルなどの愛称は、
リボルバーから自動装てん式に振り替えられているが、マグナムの名称
が”合わない”せいか、コンバットマグナムの愛称は、自動装てん式に
転用されていない。

今後復活を望む声が大きくなれば、S&Wが再度M19を作る可能性はあるが、
既に一世を風靡したコンバットマグナムの時代は、終わったのかも
知れない。

m19/13

では今回はここらへんで。

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まとめ

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