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今回はスミス&ウェッソン(S&W)社が市販最強奪回を目指して作り上げた
リボルバー、M500を。

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[概要]
M500は市販最強を標榜するリボルバー(回転式拳銃)だ。
最初に作られた8-3/8インチバレル(銃身)付きのモデルでは重量が2kg
を超え、”44マグナムの3倍”とも言われる強力な.500マグナムの非常に
強いリコイル(反動)など、人が扱える限界を超えている面があるが、
”最強”ファンの所有欲をかきたて、人気を博した。

[1/1]
今回の1/1モデルはタナカ製で、8-3/8インチバレル付きがモデルガン、
3(1インチのコンパンセイター除く)インチモデルはガスガンだ。

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タナカ m500でモデルガン(上)の8-3/8インチモデルと3(3+1)インチモデル。

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タナカではモデルガンはもちろん、ガスガンでもガスタンクをシリンダー内に持ち、
グリップは実物用が装着可能となっている。
サイズはこれも実物と同じだが、S&WのKフレームラウンドバットと同じになっている。


タナカでは、この他に10.5インチ、6.5インチのハンターモデル、
2-3/4インチでコンペンセイター(制退器)無しのES(エマージェンシー
サバイバル)モデルを作っており、それぞれHW樹脂のブラック、ABS製で
ステンレス風メッキ、ミッドナイトゴールド仕上げなどのバリエーション
がある。

[1/6]
今回の1/6は、ホットトイズのバイオハザードⅣアフターライフ アリス
フィギュアの付属品だと思われる。
すると、同じフレームでもバレルが(コンペンセイター付きで)5インチ、
口径が460のM460XVRとなるが、口径とバレル長が違うのみなので、
これを登場させてみた。

swm500/02
タナカの3インチとホットトイズ4インチ(共に1インチのコンペンセイター付き。

モデルアップする際、5連発のところ6連発と間違え、またシリンダー
サイズが少し小さい、グリップ後方にバックストラップが通っている
など、従来のNフレームの要素を誤って取り入れたように思われるが、
コンペンセイターの形状などから、Xフレームを再現していると思われる。
シリンダーが可動するほか、スイングアウトが可能で、ハンマーも可動で、
コッキング状態が再現できる。

[最強の歴史]
拳銃で強力な弾薬を、というチャレンジはもともとその発生時から、
かもしれないが、1934年、S&Wはライフルのマグナム弾の概念を拳銃に
持ち込み、.38スペシャル弾のケースを延長し、2倍近いパワーの.357
マグナム弾を開発(カートリッジはウィンチェスターの開発)、同社の
リボルバーに採用した。

これはハンティング時のバックアップ、それに当時の防弾チョッキを
貫通する能力から公用でも使われ、現在も広く普及している。

更にS&Wは1956年、当時市販では最強となる.44マグナム弾を使う
リボルバー、M29を発表している。

M29は登場当時、一部のビッグゲームハンターや好事家が入手するだけ
だったらしいが、その後、映画「ダーティ・ハリー」や「タクシー
・ドライバー」などで使われ、”世界最強”の拳銃は、一気に知名度が
上がり、セールス的にも大きな成功をもたらした。

swm500/03
M500(左)とM29(右 タナカ ガスガン 6.5インチ)。

.44マグナムはその後、スタームルガー社やトーラス社などでも採用
されたが、その後、より強力なカートリッジとして.454カスール弾が
フリーダムアームズのM83に採用され、これにスタームルガーの
スーパーレッドホーク、トーラスのレジングブルなどが続く。

また自動装填式でオートマグ、ウィルディ、グリズリー、デザート
イーグルなども登場、グリズリーが.45ウィンチェスターマグナム弾で、
そのあとデザートイーグルが.50アクションエクスプレス(.50AE)弾で
44マグナムを凌いでいる。

swm500/16
左から、デザートイーグル50AE(ハドソン モデルガン)、スーパーレッドホーク.454カスール
(タナカ ガスガン)、M500。


これら以外にも、.500ラインバーを使う拳銃が作られたが、これは弾が
カートリッジメーカーの市販には至っていない。
このように”最強の拳銃”は一定の需要を得、メーカーもそれぞれ開発
していたが、強い反動は撃つ射手を選び、いやもう既にパワー競争は
人間の限界を超えている、という側面もあり、逆にパワーを抑えた
.480ルガー弾なども開発されている。

これらの相次ぐ強力カートリッジに対し、.44マグナムは発売当初の色物
的扱いから、山歩きの際に携帯する護身用などで一般化するまでに
普及した。

しかし、元祖”世界最強”とも言えるS&Wは、M29のバリエーションは作る
ものの、パワー競争からは一歩引いたスタンスをとっていた。

S&Wは一時英国資本となったが、米国資本に戻って、21世紀初めから
積極的に新製品の開発を始める。
この時期S&Wでは複数のプロジェクトが進行していたようで、今回のM500
以外にも、1911シリーズやポリマーオートのM&Pシリーズが前後して
発表されている。
そしてその計画のひとつに”世界最強”を取り戻す、というものがあった。

S&Wは、当時市販最強の.454カスールを超える.500マグナムをコーボン
(Cor-bon)社と共同開発し、これを使用するM500を2003年に発表した。

M500は新たに開発されたXフレームを使うが、大径カートリッジで必要な
肉厚を得る為に装弾数を5発と減らしている。

一方でシリンダー長などはまだ余裕があり、後に.460S&Wマグナム仕様の
M460XVRなども製品化されている。

M500は、ショットショーで発表すると、大きな反響を得て予想の数倍の
バックオーダーを抱えるほどの人気を得たという。

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M500は5連発で、フレームにクレーン(シリンダーを支持するパーツ)を止めるディテント
(戻り止め)ボールを設けてシリンダー前方を止めている。


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S&Wは以前、ハンマーノーズという部品がハンマーに付き、これが直接プライマー(雷管)を
叩いていたが、現在ではフレームにファイアリングピンを付け、これをハンマーで叩く方式に
改めている。M500は初めからこの方式をとっている。

また、このカットでわかるとおり、強度確保のためハンマー上部がかなり肉厚で、.500マグナム
のパワーの大きさが伺える。


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これも最近の機種では標準となった、キーロック。
タナカでも実物と同様、キーロックが付属し、機能する。


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トリガーの内側は肉抜きされている。
S&Wは大型の鍛造機を持ち、型鍛造でフレームなどを作っていたが、この形状から、
実物でも、トリガーなどはキャスティング(ロストワックスか焼結)を採用している
可能性がある。


登場当時、反動を軽減する目的のパワーポートが3つの長穴が上方にある
だけのもの(今回のタナカ 8-3/8インチモデルの形)だったが、
3インチ登場時に弾頭の種類に合わせた1インチ長の2種類の交換式
コンペンセイターが付けられ(今回のタナカ 3+1インチがその外観を
再現)、その効果が高かったために、8-3/8インチにも採用されるように
なっている。
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制退器の比較。
8-3/8インチ用8左)は上部だけに穴が空いたパワーポート。
3インチ用は側面にも長穴がある。実物では、上方にも穴があるが、このトイガンでは
それは省略されている。


更に、2-3/4インチの短いESも作られているが、これにはコンペン
セイターは付属していない。余りに短い銃身ゆえ、初速が低く(通常
拳銃のサイズでは銃身の長さと初速は比例)、反動が抑えられている
のかも知れない。

[威力の減衰?]
”M500は初速こそ高いものの、その後すぐに弾速が落ちてしまい、結局
.454カスールと大差ない威力となる”とか、更に”20mを超えるあたり
では.44マグナム弾とそれほど違わない”などの記述がネット上で
見つかる。

しかし、月刊Gun誌上では15mで貫通力テストを行い、ハードキャストの
440gr(グレイン)で7/8”厚の松板16枚を抜いて高い貫通力を証明して
いる。
更に、弾薬メーカー ホーナディ社のサイトでは、.各種弾薬の各距離での
エネルギーを掲示しており、これによると.44レミントンマグナムは
300grの弾頭でマズル(銃口)1195J(ジュール)、50m時1048J
(14%ダウン)、
.454カスールは同じ300grでマズル2459J、50m時1918J(28%ダウン)
である。

対して.500S&Wは同じ300grでマズル3435J、50m時2385J(44%ダウン)
とあり、確かに減衰は大きいものの24%ほど.454カスールを上回っている。

swm500/13
各種カートリッジをダミーカートで比較。
左から、.44マグナム、.454カスール、.50AE(アクションエキスプレス)、.500マグナム。


減衰が大きいのは口径が大きい=空気抵抗を受ける面積が大きいこと、
初速が高いことによるものと思われる。

近いものでは20ゲージのショットガン用スラッグ弾が、マズル3349J、
50m時2441J(37%ダウン)となっている。

その半面、ノックアウトパワーファクター
(KOPF 弾丸重量(gr)×弾速(fps)×口径(inch)÷7000)では口径にも
比例するため、.500マグナムは有利になる(KOPFが本当に標的に対する
ダメージを表わしているか、はまた別問題だが)。

もちろん、このデータは平均値だと思われ、相互誤差はもちろん存在し、
またそれぞれ銃身長はもちろん、メーカーの違う銃から採ったはず
(同一メーカー,機種で全ての弾を撃てる銃などない)、
更に弾薬メーカー(火薬,弾頭)の違いもある。

.500マグナムでは300grより重い、440grなどの弾頭があり、それを使えば
エネルギーの減衰率は下がる(エネルギーが同じなら初速が下がり、
空気抵抗は減る)ので、更に有利となるはずだ。

ともかく、.500マグナムは拳銃の有効射程範囲なら、.454カスールを
上回っているといっていいと思う。

このような否定的伝説?が生まれるのも、やはり.500マグナムに対する
“特別の感情”があるのかも知れない。

[オーバーキル]
以前、.44マグナムでオーバーキル(過剰防衛)が叫ばれたことがあった
が、長物(ライフル,ショットガン)はその数倍のパワーがあり、米国
などでは認められなかったと思う。

M500を対人用に使うのは、デメリットの方が大きい(反動が大きく、
弾数も少ない)為考え難いが、ショットガンでも自衛は認められている
以上、今更このパワー自体が問題になることはないだろう。

現在.500マグナムはライフルでも採用例があり、ショットガンの
スラッグ弾や他の大口径マグナムライフルよりマイルドなリコイルで
支持を受けているとか。

大体、死亡件数では圧倒的に.22LR弾が多いらしく、またライフルで
撃たれて生還した兵士の話があるように、パワーだけで規制しても
実効性は疑問がある。

M500登場後、更に強力な拳銃は出てきていない。むしろ、これより低めの
パワーで制御しやすいものを模索する動きが出てきているという。

もっとも、Xフレームはそのシリンダーサイズから、更にパワーを上げる
ことも前提にしておき、他者をけん制するつもりもあったのかも知れない。

swm500/05

このところ余り時間が取れず、次回はクリスマス、年始(画像だけの更新)
に入ってしまうかもしれないが、また次回記事を気長に待っていただけたら、
と思う。

では今回はここらへんで。

参考文献;月刊Gun 2003年7,8,9月号、2006年2月号

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まとめ

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