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今回はスイスアーミーナイフの代表、ヴィクトリノックス/ウェンガーの
ソルジャーを。

Sol/01

[ヴィクトリノックスの沿革]
ヴィクトリノックス社は、1884年、スイスでカール・エルズナーが開いた
工房が発祥だ。

同社によると、スイス軍は、新たに採用したライフルの分解にマイナス
ドライバーを必要とすることから、ドライバーが付属したアーミーナイフ
を求めた、とされる。

時期的にこのライフルは、シュミット・ルビンM1889というストレート
プル式(回転させずに機関部の閉鎖,開放を行う)ではないかと思われる。

ヴィクトリノックスは、スイス軍の求めに応じて、単なる
フォールディング(折り畳み)ナイフではなく、リーマー,缶切り,
マイナスドライバーといったツールを付属させたマルチツールを作った。

それまでスイス軍はドイツのゾーリンゲン地方でナイフを調達していたが、
1891年にこのマルチツールがスイス陸軍に採用され、今日に至るまで
スイス軍制式として納入され続けている。

初期のモデルが近年復刻(型式0.1891.)されているが、エボニー
(黒檀)のハンドルが装備され、若干形が異なるものの、
フォールディング式のマルチツールという形式は同じだ。

Sol/09
スイス制式拳銃だったSIG P210(後方)と、ソルジャー(中央),ニューソルジャー(右)。
ニューソルジャーとP210のロゴは同じだ。


手元にはいくつかのソルジャーがある。
ソルジャー(‘94,03)、ソルジャーAL(’98)、ソルジャーCVAL、
ウェンガーオリジナル、ニューソルジャーだ。

Sol/04
左から、ソルジャー,ソルジャーAL,ソルジャーCVAL,ウェンガー。

Sol/05
並びは上と同じで、ブレードを引き出した状態。
ソルジャーとソルジャーALには年式が刻印され、ソルジャーCVALでは
ハンドルにチェッカーの無い部分がある。


[61ソルジャー]
1961年から、このソルジャーモデルはアルミでチェッカー(格子状)の
滑り止めが入ったハンドルになり、当初は赤く着色されていたが、
70年代では白アルマイトのみのハンドルになった。

1980年から2008年まで軍に制式採用されていたソルジャーは、スイス軍
マークが赤く着色されている。

フォールディングの機構はロック無しでバネで保持される方式、ナイフ
ブレードは91mm、缶切り,リーマー,缶開け,マイナスドライバーと
いった機能がある。型式は《0.8610.26》で、日本には1997~2000の間
輸入されていなかった。

ブレードタング(刃の根元)の左側には、製造年を表わす二桁の数字が
刻印されている。

ブレードの仕上げは70年代のものにはヘアライン(缶切りなどには、
90年代のものでも残っている)があり、それ以降は若干角を丸めた平滑
なバフ仕上げとなっている。

80年代のソルジャーには、後述のウェンガー製も含めてハンドルの下側
(マークと反対側)に四角くチェッカーが刻まれていない部分がある。

また1994年ごろに貫通式の穴開きリベットを廃止し、ランヤード
(負い紐)取り付けが出来なくなっている。

日本では下記のAL,CVALがソルジャーの名を受け継ぎ、現在も供給
されているが、このタイプはニューソルジャーの登場と共に廃番となった
ようだ。

少し前まで、平行輸入された21世紀製造のソルジャーが販売されており、
手元の’03モデルも最近入手したものだ。

Sol/03
ソルジャーでブレード,缶切り,ドライバー,キリなど全て引き出した状態。

[ソルジャーAL]
1996~2001年に日本(韓国にも入っていたらしいので、複数の国の
可能性がある)仕様としてキーリング付きのものが登場し、これは
ソルジャーAL《0.8611.26》という。このモデルにはそれまでの
ソルジャーと同じくブレードタングに生産年が刻印されている。

Sol/12
ソルジャーALと購入時セットで販売されていた皮ケース。

[ソルジャーCVAL(パイオニア)]
更に2001年、ソルジャーCVAL《0.8201.26》にバトンタッチし、これは
現在も供給されているようだ。

このモデルはハンドルのロゴマークがヴィクトリノックスのものに替わり、
キーリングも付いているが、本国での名称はパイオニアで、製造年の
刻印は廃されている。

パイオニアは、日本ではアルマイト後に赤く染められたモデルが輸入
されていた時期があったが、この着色が環境に良くないようで、廃止
されている。

Sol/13
ソルジャーCVAL(左)とサイバーツール。

[ニューソルジャー]
現在は、ブレードが長く、ロック機構をもったニューソルジャーが採用
されており、これはブレードがセレーション付き(波刃)となり、プラス
(フィリップス)ドライバービット,ノコギリも装備している。

Sol/06
ソルジャー(左)とニューソルジャー。

ニューソルジャーのスイスマークは、ヴィクトリノックス社のものとも、
それまでのソルジャーのスイス軍のものとも違う。しかし、年式が
ブレードに刻印されているのは、旧型と同様だ。

メインブレードが波刃に変わり、またロックがメインブレードと大きな
マイナスドライバーに付いた。

このロックとスプリングによる保持があり、ロックは通常のライナー
ロックのようにガタ無しで固定するのではなく、あくまで補助で隙間が
ある。
但し、スプリングが効いているので、大き目のライナーロックが解除
されても、ブレードは戻らない。

片手でしまう場合は非常に操作しにくいが、開くのはスムーズなので、
安全を考えれば無難な解決法かもしれない。

Sol/07
ニューソルジャーのロック機構。PRESSの字の部分を押して解除する。

ハンドルは形状が変更され、黒いゴムも付いてグリップしやすくなった。

しかし、もう立派なナイフなので、価格も普通のタクティカルナイフが
買える(但し国産など)。

こうなるとスイス製で、リペアなどアフターフォローもある安心感が
残された”売り”だろうか。

大型化して波刃でロープ切断などには威力を発揮するが、「軍用食を
食べる為の道具」としてはちょっと大げさで、またロックがマイナス
ドライバーに付く意味は?など仕様には少し疑問がある。

このニューソルジャーでも、いわゆるタクティカルナイフのように
戦闘用としては考えられていないようだ。

[ウェンガーソルジャー]
ウェンガーはヴィクトリノックスの採用後、1901年から2分する形で
スイス軍の受注を受けていたが、2005年ヴィクトリノックスに買収され、
ブランドは残るものの、同じ会社となっている。

ウェンガーのソルジャーは型式《17001》で、D型のリングが貫通式の
リベット部に付けられているものだった。
このモデル《17001》は合併によって廃止されたようだが、USウェンガー
ではアルミハンドルオリジナルという名で後継モデル《16520》が作られ、
現在も販売(日本では並行輸入)している。

オリジナルモデルは、リーマの形状がヴィクトリノックスのソルジャーと
同じになり、ブレードへの製造年の刻印が廃止されたが、同社の
ソルジャーの特徴であるD型リングは存続している。

仕上げもヴィクトリノックスに近いが、スイス軍マークも存続しており、
背面部が研削のままで、バフ仕上げされていない。

また、ヴィクトリノックスのブレードに比べ、ネイルマーク(開くために
爪を引っ掛ける溝)が長い。

ただ、オリジナルモデルはまだ国内ウェンガーのウェブサイト上には登場
しておらず、USウェンガーのみの販売かもしれない。

Sol/14
ウエンガーの16520。

[1/6]
今回の1/6も単品で入手したため、製造元はわからないのだが、
D型のランヤードが付き、ナイフブレードとドライバー/缶切りが
引き出せる。

ランヤードはメインのブレード側に付いており、ランヤードを付けた
ままでのブレード使用に向くか、は疑問だが、逆にこのタイプの難点
である、ランヤードが収納時ブレードに当たり、刃が傷むことはない。

Sol/11
1/6(左)とウェンガーのソルジャー。

[軍用ナイフの変遷]
ソルジャーは軍用だが、もともとライフルの分解や食料の缶詰めを開ける
為の装備で、戦闘となると銃剣やコンバットナイフ,タクティカルナイフ
を使うことを想定していると思われる。

ブレードの固定がバネで押しているだけで、ある程度戻ると自動的に
納まるため、戦闘などで力のかかる向きが変わると、刃が戻ってきて
自分の指を切る可能性があり、危険なのだ。

新ソルジャーではロックが付いたが、刃は波刃で、戦闘向きというより、
ロープの切断などに適した形である。

米国はソルジャーに似た構成で、ステンレスのプレス製ハンドルを持つ
カミラス製のアーミーナイフを使っていたが、最近はレザーマンが支給
されているとか。

スイス軍も食料が缶からレトルトなどに替わり、またライフルの手入れ
にマイナスドライバーを要しなくなり、いやそれどころか銃剣さえ現代
の戦闘では意味が無い、ともいわれ、従来のソルジャーは不要になった、
のかも知れない。

しかし、軍隊は基本的にアウトドア生活であり、マルチツールはやはり
便利で欠かせないアイテムとして、紐や木を切る為の機能を加え、支給
され続けているのかも知れない。

スイスでは国民皆兵制をしいているため、皆軍隊経験があり、このナイフ
もおそらくかなりの確率で所有しているのではないだろうか。

Sol/08
ソルジャー(左)とレザーマンのウェーブ(右)。

[日本のナイフ規制]
日本でも、災害時などにカッターナイフだけでは対応しきれない状況が
ままある。

非常用の装備にはアーミーナイフなどを備えておきたいが、現在銃刀法の
規定で用も無く持ち歩くと逮捕されることになる。

いつもいうことだが、悪用を恐れる余りに、このような戦闘には向かない
形式のナイフまで規制するのは、過剰なだけでなく、逆に助かる命も
失っているのではないだろうか。

救急用キットの詰まった箱に入れて乗用車に常備するくらいのことは、
容認すべきではないのだろうか。

大体、非常事態になったときに、担当が「撤退」のお伺いを出すくらい、
無責任な体制である。

もし民間が自ら備えるのを許さないのなら、官やそれに順ずる“責任の
ある”人々は、自分の命を賭けてもその責任を果し、国民の生命を守る
べきであり、それが出来なかったならクビでも止むを得ない、くらいの
覚悟はしてもらいたい。

大体、過剰な規制は、実は当局が恐がりで、それを潜在的にか、意識
していて隠してか、”勝手に(議員立法でなく、という意味だ)”
どんどん強化されていってしまっただけかもしれない。

以前にも書いたが、それだけ規制しても被害者はゼロになっていない。

スイスの国民皆兵制に対し、市民のナイフまで取り上げる日本の非武装制
は、果たして優れた体制だろうか。

Sol/02

少し前から、ですが、ブログ拍手にお礼画像を設けていますので、
宜しかったら拍手のところをクリックして下さい。

では今回はここらへんで。

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【2012/11/13 04:01】 | #[ 編集]















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まとめ

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