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今回は、S&Wが次期スタンダードを目指し開発したと思われる、
M586/M686を。

m586/02

[概要]
M586は、リボルバー(弾倉回転式けん銃)を得意とするS&W(スミス&ウエッソン)
社が1980年に発表した.357マグナム弾を使用するモデルだ。

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マルシンのモデルガンで、M586 4インチバレル(下)と6インチバレル付き。

それまでのKフレーム(構造体)、Nフレームの中間サイズとなるLフレームを新たに
開発し、バレル(銃身)下に錘の効果を持たせたフルラグ(全長に渡る突起、
M586では円柱状)、調整式のKサイトと呼ばれるリアサイト(照門)を装備
している。

バレル長は2.5~8-3/8インチが作られたという。
全鋼製がM586、主要部材がステンレスのものはM686となる。

[1/1]
M586シリーズはS&W期待の新型、ということもあり、各社競作でモデルガンが
作られ、またエアーガンもエルエス,グンゼ,クラウンそしてモデルガンも
手掛けたマルシンなど、多数出ている。

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マルシン ガス式エアーソフトガンのM6864インチ(手前は旧型。奥がXカートの新型)。

モデルガンは、まずコクサイ、続いてマルイからは“造るモデルガン”のキット
として、その後MGC、マルシンからの発売となったようである。

m586/04
左から、MGC、マルシン、コクサイのM586 6インチ。
MGCには木製のファイティンググリップが付いている。


各社共当初は4,6インチの2種だったが、MGCでは2.5,3インチと3インチに
反動軽減用の穴加工を施したキャリーコンプと呼ばれるカスタム2種、
加えて固定サイトのM581、ロン・パワー氏のPPC(プラティカル・ピストル・
コース)競技用カスタムを模したパワーカスタムも造られている。

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MGC M586 2.5インチ(左)と3インチキャリーコンプカスタム。

5An03493.jpg
MGC M586 6インチ(左)とパワーカスタム(右)。

[1/6]
今回のモデルもルーズパーツの単品入手で、出処は不明だが、ステンレスを
模した銀色の塗装で、4インチにラウンドバットのコンバットグリップが付いた
形となっている。
ハンマーが可動で、シリンダーもスイングアウトできる。

m586/03

[M586の開発]
M586シリーズのペットネーム(愛称)はディスティングイッシュドコンバット
マグナムだ。

この名は、単に究極の戦闘マグナム銃、というだけでなく、PPC競技の取得
段位で最高位のグランドマスターに次ぐ位、ディスティングイッシュドマスター
から来ているともとれ、また同社のM19コンバットマグナムの進化形、とも
とれる。

当時S&Wのリボルバー用フレームはJ,K,Nの3種のみで、いやオート(自動
装てん式)もM39系統、M41,M61の3種しか無く、基本的にはサイト,口径など
の違いでバリエーション展開していた。

.357マグナムを使うモデルは元々この弾薬の開発時から用いられていた
Nフレームだったのだが、軽量化のため、Kフレームに焼き入れしたM19を
作ったところ、これが大成功、米国では制服警察官の標準的装備、と
言われるほど普及した。

この銃については過去にも取り上げたが、.357マグナムでは強度上少し
役不足だった。

そして当時、.38スペシャル弾の威力不足がクローズアップされていたことも
あり、S&Wとしては珍しく新型フレーム(サイズ)の採用に踏み切ったのでは
ないかと思われる。

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コクサイのモデルガンで、左から、M28、M586、M19のスイングアウト
(シリンダー振出し)状態。


これは結果的にこうなった、のかもしれないが、そのサイズは登場当時
『ゴツ過ぎる』とも評されたパイソンのサイズに近い。
パイソンは、同社のオフィシャルポリスから派生した.357マグナム,トルーパー
を元にしているが、S&WのKフレームに比べると、各部が肉厚になっていた。

結果論だが、やはり.357マグナム用としては、これくらいの大きさが必要だった、
ということになる。

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マルシン モデルガンM586(左)とタナカ ガスガンのコルトパイソン(右)。

しかし、当時まだ好調だったM19と重なる新型の開発は躊躇われたに
違いなく、しかもM19の限界から新型を開発した、となれば、S&Wの評判
にまで響く可能性もある。

そこで、他に外観上大きく注意を引く要素を再びパイソンからいただき、新型に
加えることとしたのかも知れない。
その要素とは、フルラグである。

[フルラグバレル]
パイソンのバレルはフルラグ、クーリングホールが装備された豪華なもの
だが、バレル自体も若干タイト(内径が細い)で、命中精度も高いと考えられた
ため、S&Wやスタームルガー社のフレームにパイソンバレルを付けたカスタム、
スマイソン(=Smi+thon スモルト=Sm+olt),クーガー(Co+uger)が
流行する。

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左から、マルシン M686(ガスガン)、HWS スマイソン(モデルガン)、
WA クーガー(モデルガン)。


S&Wはこの動きを受けて、フルラグバレルのM586を開発したのでは
ないだろうか。

フルラグバレル付きリボルバーの追従例としてはS&Wの前にダン・ウエッソン
社、独コルス社、仏マニューリン社があり、マニューリン以外(後のM96では
採用)のどちらもクーリングホール(冷却用の穴)もコピーしていた。

しかし、ダン・ウエッソンはコピーするにも少しアレンジを加え、フルラグでも
両側面をフラットに成形していた。

またS&W M586より前か後か、は調べきれなかったが、フルラグバレルは
ブラジルのタウルス社、独エルマ社、伊ウベルティ社とルイギ・フランキ社
(これはウベルティのOEMかもしれない)、ブラジルのロッシと、ともかく
ターゲット用リボルバーの標準装備、といえるまでに普及している。

他ではスタームルガーもGP100でフルラグ化しているが、これも側面は
フラット(台形断面かも知れない)で、やはりパイソンとは少し形を変えている。

ともかく、S&Wはいくつかの”コピーの先例”が登場する(一般化する)のを
待って、フルラグバレルの採用を決めた、のではないだろうか。

[コピーの程度と時期]
1970年代からS&Wの仕上げは悪化していった。これに対し、美しい仕上げ
を(表面上は)維持していたコルト社のパイソンの人気は上昇していた。

M586は打倒パイソンを標榜していたはずだが、当のコルトパイソンも仕上げ
が悪くなり顧客離れを招き、自滅とはいかないが低迷を始めていた。

この時期、結局両者共“仕上げを回復する”というつもりはなく、後にS&Wの
パフォーマンスセンターカスタムが高級路線を受け持ち一定の位置を確保
するまで、S&Wも”見てくれ”よりも実用性重視、だったようだ。

M586は高級な仕上げのパイソン対抗モデルというより、サイズ的にも中庸を
狙い、新たなリボルバーのスタンダード、という位置づけだったのかも
知れない。

しかし、1980~1990年代は、米国でも警察など公用の装備が、リボルバー
からオート(自動装てん式)へ転換、特にポリマー(樹脂)フレームを持ち
多弾数マガジン(弾倉)を持つグロックなどが台頭、大幅にリボルバーの
市場が縮小する時期となってしまった。

M586も7発の装弾数を持つ+1モデルを追加(M619,M620という別モデル名
を持つモデルも存在した)、大型のNフレームでは、8連発となるM327などが
作られたが、再装填の時間など、やはり克服できない問題もあり、現在
制服組の装備でリボルバーは見られなくなっている。

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8連発のM327(左 タナカ ガスガン)とM586パワーポート
(マルシン モデルガンベースのカスタム)


S&Wは、オートもM39系のものを発展させてきたが、このシリーズでは対抗
しえないと判断し、ポリマーオートのシグマを作る。
しかし、これがグロックの特許に触れていると訴えられ、ワルサーと組んだ
SW99シリーズ、そしてM&Pシリーズとポリマーオートでも迷走、一時外国
資本となるなど、会社自体も思わしくない状態が続いた。

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S&Wのオート、M&P9(左 マルイ ガスガン)とM586(右 コクサイ モデルガン)

シグマは特許問題に関わる部分のコピーがあり、またすぐにコピーしたこと
でS&Wの評判をを落としたが、単に意匠上、サイズの問題であるパイソンと
M586についても、もし1960年代にM586を出していたら、成功よりも、
『パイソンの二番煎じ』の誹りを免れなかったのではないか。

ただ、1970年代なら、M586は”出遅れる”ことなく、ベストセラーとなってポリス
装備の定番、となっていたかも知れない。

現在、リボルバーはメンテナンスの容易さと作動の確実性から個人や私服
警官の護身用として、大パワーを活かしてハンティングや山歩きの際の
バックアップとして、需要が戻ってきているようだ。

S&Wも大型のM500やポリマー,レーザーサイトを導入した新型ボディガード
など、従来のサービス(公用)モデル、競技用よりも大小どちらかに特化した
モデルに力を入れ、またそれが受けているようだ。

”良いモノは真似られる”というのはある意味当たっており、法的問題や、心象
(デッドコピーで二流のイメージ)を除けば売れている他社製品の要素を
取り入れるのは手っ取り早く品質を向上させる方法でもある。

ただ、それも程度とタイミングが重要で、そのセンスを磨くのはもしかすると
独自技術の開発よりも難しいのかもしれない。

m586/08

でrは今回はここらへんで。

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まとめ

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