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今回はワルサーの傑作小型拳銃、PPK(PPK/S)。
PPK/09

いきなり言うが、今回の1/6はPPK、1/1はPPK/Sである。
両者はフレームが違う。兄弟モデルではあるが。
昔はPPKしかモデルアップされなかったのだが、最近はPPK/S一機種のみがモデルアップされるようになってしまった。
1/1PPKを実現するには、金属製の古いモデルガンか、これまた金属製のガスガン改造(合法的に金色にして銃口も塞いでいる)モノしかない。
個人的な好みもあり(というかこのブログ自体個人的趣味だ)、どちらも手を出せないのでPPK/Sをもってきたという次第である。あらかじめご了承願って、始めさせていただく。

[PP,PPKシリーズの誕生]
PPとPPKは同時開発だったらしいが、PPは1929年、PPKは少し遅れて1931年発表されている。
PPKはPPの全長,高さを短縮、グリップを後部まで包む形としたモデル。
ダブルアクション(略してDA)機構,オートマチックセフティ(ファイアリングピンブロック),デコッキングを兼ねたサムセフティを備えた、シンプルブローバック式の中,小型拳銃で、弾は32ACP,38ACP(9×17mm)を使う。
PPK/Sはケネディ大統領暗殺を機に1968年制定された通称ケネディ法により小型の拳銃が輸出できなくなったので、PPのフレームとPPKのスライド,バレル(銃身)を組み合わせて作られた。
ケネディ狙撃はイタリアのカルカノというライフルが使われたとされており、小型拳銃は直接関係ないはずなのだが。
ともかくこの前後に対米輸出用としてPPK/Sが作られ、これはその後米国代理店だったインターアームス社が自社生産を行うこととなった。これは1986年からだという。

PPK/SとP38。
PPK/SもP38もマルゼンガスブローバックガン。
PPK/02

実はDA機構をセミオートピストル(自動装填=半自動拳銃)に持ち込んだ先例はリトルトムなどがあったし、リボルバー(回転式拳銃)などでは既に前世紀までに各社が製品化し、広く一般に用いられていた。
PPシリーズはDA化に際して高い安全性を持たせ、ドイツ工業製品らしい他には無い精緻で合理的、信頼性ある製品としたところが評価されたのではないだろうか。

DA機構がやはりまずPPシリーズのミソなので、
PPK/SとDAリボルバー。
左から、PPK/S,コルトデティクティブスペシャル,M1877。
デティクティブは1927年から作られている、短銃身スナブノーズの”探偵,警察用”のリボルバー。ジャンルは違うが、PPKのライバル。
これはタナカのペガサスシステムガスガン。
M1877はコルトとしては初のDAリボルバーだった。
これは頑住吉氏のガレージキット。
PPK/16

[空白,断絶の期間]
ワルサーがこれらの開発に相当力を入れ、また大きな期待をかけていたことはそれまでのモデルナンバー制を廃していることでもわかる。
モデルナンバーについては、既にモデル9まできており、2桁になること、10がドイツではアンラッキーナンバー?だったことも指摘されているが、それより「新しい酒は、新しい皮袋に」であると思う。10番になることは、そのきっかけになったかも知れないが、その全てではないと思う。
そして、新たなネーミングはポリッツァイ・ピストーレの頭文字をとってPP、そしてその短い型だとしてクルツを加えたPPKとした。
ワルサーのそれまでの民間護身用小型ピストルは、ファブリックナショナル(FN)社の後追いであり、しかも他に多くのライバルを持っていた。
それまでのワルサーも品質は良かったようだが、機構的には一般的なものであり、他を引き離すには至らなかったようである。
PP,PPKはこれらとは一線を画す「画期的な」新製品であり、その後拳銃の歴史を変えたモデルとなった。
これは9年(8年?)の間新しいモデルを出さなかったこともあるが、いままでのワルサー製品と断絶しているように思える。
例えば、これまでセフティという点ではFNブローニングの3つのセフティ(グリップセフティ,サムセフティ,マガジンセフティ)に対し、明らかに劣っていたのだが、オートマチックセフティ(引き金を引ききるまで、撃針をブロックする)を備え、更にサムセフティ(親指による手動の安全器)を操作するとデコック(ハンマーを安全位置まで戻す)出来るので、逆に優位に立っている。これは後には過剰であるという意見もある(もっとも日本の警察などはSIGに手動セフティを求めている)ほどだ。
もっともブローニングのマガジンセフティも邪魔な装備だとされて消えた機構だが。
更に独立したカートリッジインジケータ(装填の有無を確認する装置)を備え、これも安全性に寄与するパーツである。

PPK/Sの後部。
リアサイトの下,ハンマーの上(ハンマー上部をアール状にえぐったところの上)に突き出たピンがカートリッジインジケータ。
PPK/04

PPシリーズは、撃発機構もそれまでと違いハンマー式としている。時期的に、ストライカー式の限界が認識されていたのかも知れない(しかし80年代になってストライカー式でグロックが大旋風を巻き起こす)が、これ以前では中,小型ではコンパクトになるストライカー式がもてはやされた。
コルト32オートなどはハンマーだが、突起が出るのを嫌ってかそれを内臓式としている。
イタリアのベレッタもこの時期ストライカー式からハンマー式へと変わってきて、イタリア制式M1934に至る。
ベレッタは少しづつ改良していったモデルが残っており、その軌跡がたどれるのだが、ワルサーはこの間の試作なども見かけない。
P38はAP,MPの試作,HPモデルなどその軌跡が伺えるモデルが公開されているのだが。
また、スタイルもモデル8のフロント部分などに類似点はあるが、曲線を多用し、ステップ(段付き)加工やリブなど、装飾的な要素も多い。
その頃のバウハウスなど装飾を廃した機能を重視するデザイン運動に対する反動なのか、これもそれまでとは断絶を感じる部分だ。

[1/1小型拳銃]
PPKと他社の380ACP(32)小型拳銃。
左からコルトガバメント380オート,PPK/S,ベレッタM1934,FN M1910,コルト.32ポケット。
コルト380はタナカのガスブローバックガン。これは'80年代の作なのだが、M1911の小型化を目指し、PPKとP38の逆をいったような展開で出てきたモデル。
M1934はウエスタンアームズのガスブローバックガン。
M1934はPPKの少し後だが、これもPPKの精巧なメカ満載とは対照的にどこまでもシンプルだ。
M1910はマルシンのモデルガン。
これはPPKが狙っていたライバルだ。
コルト.32ポケットはMGCモデルガン。
これもブローニング設計で、少し大きいが内臓ハンマー式。米国では長くポケットピストルのスタンダードとして使われていたようだ。
PPK/11

[模型のバリエーションも?]
ワルサーPPKシリーズのバリエーションとして、マルシンは一時期PPも作り、更にPPスポーツという珍しいモデルを作った。
スポーツモデルはPPをベースに調整式サイト,ロングバレル,スパーハンマー,サムレスト(親指掛け)付きグリップなどを装備したモデル。
戦後フランスのマニューリン社でPPが作られていた頃、少数が7.65mmで作られた。あとは22口径で、こちらは大量に生産されている。
マルシンがモデルアップしたのはレアな7.65mmモデルだ。
付いているのはパートリッジタイプ(後ろが切り立ったような)フロントサイトだが、これは22口径のものについているように思うが。写真が紹介されている7.65mmモデルはランプタイプ(後ろがなだらかに下がっている)である。
このモデルがあったら、更にレアな存在だったのでは。
標的射撃の目的からいうと、パートリッジタイプのほうが光の反射が無く適しているはずだ。

PPK/SとPPスポーツ,M1910ターゲットモデル。
PPスポーツはマルシンで、サイドファイア時代のもの。
現在マルシンはセンターファイア,リアルライブ式エキストラクター(カートリッジを薬室から引き抜く部品)の改良モデルを作っている。
M1910スポーツも同じくマルシンで、調整式リアサイト付き。フィンガーレスト付きの弾倉と木製グリップが奢られている。
PPK/05

マニューリン社は高品質リボルバーも有名。
1/6スケールだがマニューリンMR73とPPKもついでに。
PPK/15

[ライバル]
PP,PPKが発表されると今度はこれらが中,小型拳銃のベンチマークになった。
ドイツでは、モーゼルがHsc、ザウエルがM38Hを作って対抗してきたが、しかしワルサーは一歩先を行った。
今度はPPのシステムを大型拳銃に持ち込み、ドイツ制式のP38(上の写真)を完成させたのである。
斬新かつ高い安全性を持った機構を持ち、軍用,警察用などの公用にP38、護身用や私服にはPP,PPKというラインナップ攻勢で、短期間にワルサーは大きく躍進する。
もちろん、同じドイツでもDWMなどはP08の生産を諦める中、大恐慌の最中にPPを発表して、時流を掴むセンス(だったのか運だったのか)もあった。
ワルサーは敗戦後、生産に苦労しながらも生き延びてきたが、それはPP開発からP38に至るまでのこの時期の完璧ともいえる計画が効を奏したのではないかと思う。
逆にこの時の躍進から、ナチスご用達の悪いイメージに苦しんだのか、戦後は競技用の銃に熱心な割には公用拳銃の改良はP38,PPベース(P5,PPスーパーなど)ばかりで、P99までは時代に取り残されてしまった感があった。
そして戦後はモーゼルの血を引くH&Kや、SIG,ベレッタが次々コンパクトオートを出し、更に9mmルガー弾使用のオートが小型化してくるなど新たな動きも見せている。
悪いイメージといえば、映画(原作本も)007シリーズで、ベレッタからPPKに乗り換える場面があり、ベレッタが悪く、ワルサーが良いイメージを獲得していた。
ワルサーとすればまたもや幸運といえるかもしれない。今ならベレッタから(映画制作会社が)訴えられるところだ。
但し、米国などでの販売面では実際の影響は無かったらしいし、事実PPKは護身用として当時最高水準だった。
こうして戦後もワルサーは大きな技術的利点を持ったPPシリーズ,P38シリーズを中心に歩み、買収やP88などの迷走も?あったが、今も名門として生き続けている。

DAコンパクトオート4種。
向かって左から、PPK/S,SIG P230JP,ベレッタM84,グロックG26。
P230JPはKSC ガスブローバックガン。これは日本の警察用に普通はつけていないサムセフティ(手動安全器)をつけたモデル。
ベレッタM84はマルシン モデルガン。これはダブルアクションだけでなく、ブローニングハイパワーの複列弾倉を中型拳銃に持ち込んだ意欲作。
G26はマルイのガスブローバックガン。サイズは小さいが、これはP38と同じ9×19mm(ルガー,パラベラム)弾を使い、またこれも複列弾倉を装備、更にポリマーフレームで一世を風靡したG17の最小バージョン。
PPK/12

[1/1と1/6]
1/6はドラゴン製で、ミッション・アフリカという装備キットに以前紹介したワルサー・カンプピストルと一緒に入っていたもの。
PPKはグリップパネルが後部まで覆っている形になっており、更にベークライト製のものをモデルアップしている。
PPK/07

ワルサーは、もちろんP38も控えている。しばらくしたら、これもやるつもり。それでは。
PPK/14



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まとめ

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