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今回は、SIG P232。
P232/13

[経緯のミステリー]
SIGがザウエルと提携して始めたDA(ダブルアクション)オートは、軍用のP220シリーズと警察用,民間護身用のP230シリーズの2本立てだった。
P232はそのP230の改良型である。
P230はスイス警察の要望で開発されたという。
しかし、発表前後からドイツ警察のトライアルも受けていたようだ。
使用できる弾薬に9×18mm(9mmポリス,9mmウルトラという名がついたが、結局特殊なので普及しなかった)があるが、これはSIGがオーストリアの弾薬メーカーと’60年代から開発していたとか。
但しこの弾薬については、戦前からワルサーPPがテストした経緯があるという記述が今回のガスガンを作ったKSCの取説には記載されている。
P230は1977年完成との記事があり(床井雅美「オールカラー軍用銃辞典改訂版」P61)、これまたKSCも取説で1977年の作としているが、他では1976年との記述もみられる。しかし、どうやらそれ以前にP230は世に出ていたらしいのだ。
1973年からドイツ警察用拳銃の選定が行われており、これにワルサーもPPスーパーで共に参加していた(これも`73年にP230が提出されたのか、話が`73年からで、モノはもっと後だったかは不明)。
但し結局9×18mm弾を採用しなかったから、これを使う両者は却下されている。
また、面白いのは昭和51年5月に刊行された小橋良夫氏の「ピストル」で、初期型P230がイラストだが紹介され、民間にも販売されている旨記載されていることだ。
これに従うなら、P230は1975年ということになるのではないだろうか(原稿執筆から本の刊行までの期間もあるので)。
そしてP220が1975年に発表されているとの記事があるので、モデルナンバーの順番からいってやはりこの後か同時発表ではないかと思われる。すると、試作品の段階でトライアルに参加(採用されなかったのだが)、後に一般に向け発売、ということのようである。
1998年、上記のようにP230はP232にバトンタッチしたが、この間、そう、P231というモデルもどうやら存在するらしい。
P231はP230,P232両者と(この2つは同じ)グリップスクリュー寸法が異なるところまではホーグ(社外品のグリップメーカー)の適合表で確認できたが、年代的にはP230の製造終了とP232の開始が同年、しかも仕様としてP232と同じくスライド後退量を増したもの、とされているので、果たして外観がどのように違うのか、興味あるところだ。

更にP230は初期に細かいスライド側面セレーション(溝)と広めの2種があったという。
そしてどうやら、9×18mm弾の方が広いセレーションだったようなのだ。
これは基本的に1982年まで(一部1983年頃まで)続いていたという。
そしてP232で更に広い幅のものに変わっている。
P230,P232は口径9mmがメインで、9×17mmと9×18mmのものがあり(P232に9×18があったかは不明)、あとは7.65mmと22口径が生産されている。

日本の警察用、P230JPとニューナンブ。
P230JPはKSCのガスブローバックガン。日本の警察用の特注安全装置も再現している。
ニューナンブの名称は商標の関係か使われていないが、これはマルシンのガスガン。
P232/09

日本の警察がサムセフティを追加したP230JP(これが制式名称なのか、通称なのかは不明)モデルを導入したのは、正式には1995年以降とされているが、導入した製品にはW.Germanyと入っていて、1990年(東西ドイツ統一)以前ということから、これもちょっとしたミステリーである。
P230JPを1990年以前に作っておいた可能性はあるし、また以前に生産,もしくは部品の状態で在庫したP230を後に改造した可能性もある。このときわざわざWの文字を消すのもおかしいのでそのまま出荷していても、虚偽の表示にはあたらないと思う。
ちなみにP220は日本で生産しているが、P230JPはドイツ製で、日本特注仕様の余った分は米国で売られたそうだ。
更に噂だが、現在日本のミネベアで、P230JPが生産されているという話もあるが、これは大いに疑問だ。
警察関係の注文では小数にもかかわらず製造設備を整備すると莫大なコストがかかる、自衛戦力でもないのに(しかも他国の多くの機種で代替がきくし、事実S&W製のものも使っている)国産化する必要がどこにあるのか、更にドイツで余っていたということもあり、するとわざわざ作る必要がないからだ。
P230JPとP220。
P220はタナカのガスブローバックガン。
これは航空自衛隊向けに日本のミネベアで生産されたモデルをモデルアップしている。
P232/04

ついでにP220の刻印。
左がコマーシャルモデル、右が航空自衛隊モデル。
9mm拳銃の刻印がわかるだろうか。
P232/05

ともかく得られた情報が少なく、それが今回の記事のように謎が謎を呼ぶ状態を生んでいる。
ここ30年ほどのことで、しかもまだ現役のモデルなのだが。
何度も取り上げているKSCの取説に、お詫びとして「以下で刻印のバリエーションをご紹介しますが、P230という銃は日本国内において極めて情報量の少ないモデルなため、必ずしもすべてのバリエーションを網羅できたとは思えません。モレ等がある可能性がありますのでご了承ください。」とわざわざ書いている。

[機構,意匠デザイン]
P230シリーズはシンプルなストレートブローバックの作動機構を持つ。
素材についても記述を見つけられなかったが、重量が500gを切る軽量さ(エアガンが数十グラム軽いだけ)であり、ほぼ同じ構成で(全長は短い)鋼(ステンレス)製のPPK/S(過去の記事)の重量からいって、これはアルミフレームでないと達成できないと思う。同時期のP220もアルミフレームだ。
意匠デザインはワルサーPPの影響が感じられるが、ザウエルが戦前作っていたM38Hの直系ともいえる機種で、オートマチックセフティとデコッキングレバーを備える。
全弾撃ち尽くすとスライドが後方でストップするが、ストップリリース(解除)レバーは無いので、前進させるにはスライドを少し引く必要がある。これはワルサーPPなどと同じ。モーゼルのHscやH&KのHk4は、弾の入ったマガジン(弾倉)を挿入すると自動で前進するらしいが。
ハンマーは外装式だが、丸まった短いスパー(突起)で、トリガーガード前方もなだらかな傾斜にするなどモーゼルHscに似た要素を持ち、引っかかり難いよう配慮されている。
全長は169mmが公表データで、PPKなどよりは長いが、幅方向にセフティなどの突起物が無い(デコッキングレバーはある)為隠し持ち易い。また流線型が多用され、体に当たっても痛い部分が少ない。
マガジンキャッチ(弾倉止め)はグリップ底部につく、いわゆるコンチネンタルタイプ。
ワルサーPPも初期の頃このコンチネンタルタイプで、後にコルトM1911ガバメント(M1911A1の過去の記事)などと同じ押しボタン式に改めている。

P230とライバル達。
左上から、G26,M84。
下段左から、P232,P230JP,PPK/S。
G26はマルイのガスブローバックガン。実銃は9×19mm弾10発の複列弾倉をこのサイズまで小型化したもの。
M84はマルシンのモデルガン。
M84実銃は9×17mm弾だが、これも13発入る複列弾倉を持つ。
P232もKSCのガスブローバックガン。これはヘビーウエイト樹脂製。
PPK/Sはマルゼンのガスブローバックガン。
実銃は7,65mmか9×17mm弾で、単列弾倉。
P232/07

各銃を下側から。
P232,P230JPはグリップ底部に弾倉止めを持つ。
P232/08

押しボタン式の方が交換は早い。銃を握った右手親指でボタンを押しながらマガジンを落下させ、左手で次のマガジンを握って挿入できるからだ。但しこれはマガジンを傷める原因であるから、マガジンを捨てる覚悟で行わなければならないこと、誤ってマガジンが脱落する危険は押しボタン式の方が高いことがデメリットである。もっともPPはスライドとグリップによって誤って押されにくい場所にボタンを配置しているので、この危険も低くなっている。
M1911などがそうしなかったのは、スライドストップを外装式とし、レバー操作できるようにしたため、この場所が使えない(もっともこっちがPPより先なので、それぞれの機能から配置を決めた)からだろう。
SIG/ザウエルはP220でもコンチネンタルタイプなので、護身用でより早い交換より確実性が重要なP230ならこっちを採用しているのは当然かも知れない。
また、H&Kが左右両用のレバー式マガジンキャッチを発明するまで、コンチネンタル式の方が左利きにも有利だった。P230はデコッキングレバーを除けば左右兼用である。
押しボタン式でも、左右を変更出来る機種もあるが、予め変更しておく必要があり、やはり両用のタイプの方が便利といえる。右利きでも、左手で操作しなければならない状況も考えられるからだ。

SIGの拳銃 各機種。
左からP232、P228、P210。
P228もタナカのガスブローバックガン。グリップはシボタイプだが、P232のそれとは少し形状が違う。
P210は今回MGCのモデルガンで、SFモデルという透明プラスチック製のものを。
これは昔に通常版より安価で発売し、当時は不人気だったのだが、今では珍しい存在になってしまった。
最近ではタナカがP08でクリアモデルを作っていたが、これも結構長い間売れ残っていたような。
P232/06



[1/1トイガン]
P230JPとP232。
P232/01


ダイカストパーツの表面も綺麗に面が出ており、黒染め(ブルー)は少し落ちやすいが、非常に品質が高い印象を受ける。
今回のP232は、ヘビーウエイト(HW)樹脂製だが、持った感じ重量はP230JPと変わらない。
P230とP232ではパーツはスライドとグリップパネル,サイトが異なっている。フレームは刻印だけが違う。
上記のように実物はスライドの後退距離が増えているらしい。
JPはランヤードリンク(肩掛け紐を止める為の輪、これでは長穴),サムセフティも装備されている。口径の表示も7.65mmとされているが、さすがにマズルまで新作とはいかなかったようで、ここは共通だ。

P232/02

どちらも中古を格安で入手しているのだが、P232はオプションパーツの先端ネジ切り付きバレルが付いてきた。サイレンサーやコンペンセイターも豊富に用意されていたのだが、現在も入手できるのだろうか。
KSCの得意とするパーティングライン(型の合わせ目)を消す為のNC(自動制御フライス)加工はこの機種から導入されているという。
P232では加工痕が残っていないので、HW樹脂では表面の凹凸の方が目立つのかもしれない。
また、このトリガープルが非常に気持ちいい。引ききる手前で、すっと軽くなって落ちていく。最後で急に重くなったり、粘ったような感触があるものとは大違いだ。
ただ、ストロークは多く、精密射撃に向くかは疑問だが、護身用なのでこれは実物でもそうなのかも知れない。
そして、手元のP232の方がP230JPより軽く,スムーズに感じる。
グリップはP230がチェッカーの配置も含め直線的なデザインで、端正な印象になるのに対し、P232のそれはシボ(凹凸)タイプで大柄で丸みがあり、ややファットな印象だ。
しかしさすがに改良しただけあって、グリップの角が感じられず、また反動も受けやすく(エアガンなのでもともと全くきつくは無いが)撃ちやすく感じる。ルックスのP230、フィット感のP232という感じである。
サイトはP230の2ドットからP232で3ドットに変更されている。現代では3ドットが一般的になった。上下方向は合わせ難い気もするが、個人的には2ドットも好きだ。
P232のサイトはフロントも少し大きめになっているが、サイト間の隙間(狙ったときリアサイトのノッチの幅とフロントサイトの幅がどの程度余裕があるか)が少し大きい。
ここはP230の方がタイトで好みだ。

P232/03

スライドの加工は、側面のセレーション以外にトップのセレーションもP232が大きめ、マズル(銃口)付近、スライド前方下側はP232が丸められている。
P232/10

1/6はP232で、コトブキヤ ワンコインフィギュアシリーズ メインウェポン&サイドアームズから。
色は少し緑がかったもので、グリップの黒と対比させている。
マガジン脱着、スライド前後動が可能、と小さいながら機能は充実している。
SIGも以前取り上げたP226以外に、いくつか予定している。ではまた。
P232/12


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