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今回は、銃の要素シリーズとして、フロントサイトを取り上げようと思う。
(ちなみに要素シリーズ第一回はこちら セフティ
FSI/01

[フロントサイトとは]
フロントサイトとは、照準に使う装置のうち、アイアンサイト(光学式,レーザー式など以外の旧来のサイト。主に鉄で出来ているからか、こう呼ぶ)の片側、銃口側の部品である。
照準は、おおざっぱにいうと、目標,フロントサイト,リアサイトを直線状に結ぶと弾が当たるように調整して使う。
火縄銃の時代からサイトはついており、実に多種多様な形をしているのだが、今回は20世紀に入ってからの拳銃,小銃のものに焦点を当てて見ていきたい。
現代ではスコープ,レーザーサイトなどの機器も発達し、アイアンサイトに頼らないことも増えたが、簡単な装置でもあり、まだ大抵の銃には装備されている。

[照星]
フロントサイトは日本語で照星という。
「照準器のうち照門や照尺の事を見当と言い、照星を(さきのめあて)照門を(まえのめあて)と呼んだ。「見当をつける」は、位置を見極めるという意味で用いられ、照準を定める動作から、位置を見極めることにひろがったと思われる。」(ウィキペディア)とのこと。
補足すると、照門とはリアサイト、後方(顔に近いほう)の照準装置。
上が開いた門が逆さになった形からきているのか、はたまた視線がここを通ることからきているのか、ともかく日本では鉄砲伝来以来こう呼んでいるようだ。
照尺とは何か、調べてみたらこれは深みにはまったが、距離に応じて照準する位置を変えるための“尺”がついている後方の照準装置のようだ。

[凸型]
フロントサイトで一般的なものは凸型に分類されるもので、凹型は非常に少ない。
火縄銃のサイト形式の解説や、競技拳銃で有名なストレイヤー・ヴォイド(SV)のコンパクトタイプTIKIなど、一部ではあるが凹型に類するものは存在する。以前取り上げたH&KのVP70(過去の記事)は、塞がっているがこの凹型といえなくも無い。
FSI/02


[反射防止]
フロントサイトで重要なのは見やすい為の工夫だと思う。そのために、まず日光などが反射してフロントサイトが光り、照準しずらくならないよう、反射防止の工夫がなされている。
反射対策として、フロントサイト自体を保護する(ガード)板を持つものがあり、物理的な損傷防止の効果もあるので、小銃ではガード付きが一般的。
逆に拳銃ではかさばるので通常見られない。競技用にカスタムされた回転式拳銃では、装着例がある。下で出てくる、M29デベルなどがこの例だ。

反射防止板にも、様々な形式がある。
米軍制式の歴代ライフル,M1やM14,M16に代表される、王冠型に上が広がったガード板。
これはM16A1(過去の記事)のもの。
FSI/03


米軍は制式ショットガンM1014(過去の記事)にも、同型のガード板付きフロントサイトがついている。
FSI/15


これらも、上方,後方からの光で反射しないよう、垂直もしくはそれ以上に角度をつけた(パートリッジタイプの)フロントサイトを組み合わせている。
これに対し、上部も覆うカバーがついたものも存在する。
ドイツのH&K(ヘッケラー・アンド・コック)はG3、MP5などのウエポン・システムで、この丸型カバーを採用している。
FSI/04

全周カバーでもやはり、後方から光が当たるので、垂直にフロントサイトが立って後方からの光の反射でサイトが光って見づらくなるのを防ぐ。
ドイツのKar98k(過去の記事)なども、カマボコ型のカバーを後付けしていたが、これは垂直(パートリッジ)型ではなく、後述する横溝付きのサイトである。
Kar98/04


[スナッグプルーフとサイトピクチャー]
拳銃では、小さくコンパクトにする必要性と、見易さとのバランスが難しい。とくに通常ホルスターや何かに入れて使うので、出し入れでひっかかりにくい(スナッグプルーフ)形状にすることも求められる。
19世紀のパーカッションリボルバーでは、今でもショットガンなどで見られるような、小さなフロントサイトが銃身上に直立しているものが多かった。コルトM1851やレミントンニューアーミーなど、側面を少し削ったりはあるが、基本的には直立の棒形状である。
この後、コルト シングルアクションアーミー(SAA)で特長的なカマボコ型の後ろを削り取った形が登場する。

M1851(後方)とSAA(前方)のフロントサイト。
FSI/05

SAAのフロントサイトは、光の反射を防ぐ為に後部を垂直に削った形状にしたものと思われる。前がアール状なのは、直立よりホルスターにしまいやすいからと、フロントサイトの長さを稼いでロウ付け接着の強度を確保したかったからではないだろうか。このあと後部を削っていないカマボコ型がコルトニューアーミー,M1911などで使われるが、今度は抜きやすさを優先したのではないかと思う。一応これもアール形状なので丁度反射するのは線一本分にはなっている。

M1911(後方)とM1911A1(前方、過去の記事)のフロントサイト。
(M1911A1はこれから下で紹介する、カマボコ型を改良したもの。)
FSI/06

しかしやがてこれらを改良するアイデアが出てくる。
それは細かい横溝(セレーション)を後部に刻み、細かい階段状とし、それぞれの溝が持つ面は直角(かそれ以上)になる、というものだ。
ポリスポジティブやオフィシャルポリスで途中からこの溝が刻まれるが、ドイツでは既にルガーP08(過去の記事)が採用していた。
それからまたしばらくたって、溝さえあれば反射が抑えられるなら、もっとなだらかな傾斜に、ということで作られたのがランプタイプのサイトだ。これはいっとき主流になったといっていいほど用いられた。S&WのM36チーフスペシャルなどがこれである。

P08とM36のフロントサイト。
後方がルガーP08。前方がS&WのM36。
FSI/08


[サイトピクチャー]
横から見た形は以上のような変遷をたどっていくが、後ろから見た形状も山型,ピラミッド型から垂直型になり、そして拳銃用は大きくなってきている。
山形は頂点が小さいので、ここに目標を合わせれば精密な射撃に向く。一方大きな垂直型は目標をそのサイトのどこに置くかということになり、精密さでは敵わないが、大きく見やすい。素早い射撃に適した形といえる。
モーゼルM712(過去の記事)は、山形のフロントサイト。
FSI/16

サイトにドットを埋める形式などは、リアサイトも含めてのデザインではあるので別に見ていきたいが、フロントサイトには、集光し明るいドットを持つもの,レッドランプと言われる赤い樹脂を埋めたものなどがある。

M500(後方)とM19のレッド(インサート付き)ランプ型サイト。
FSI/09


同じレッドランプでも、S&Wパフォーマンスセンターのものは、赤い樹脂が縦にサンドイッチされている。
FSI/14

更に、同じM19でも、ランプ型と後方が垂直なパートリッジ型をつけたのものが存在する。
FSI/13


ホワイトのペイントの起源はわからないが、パーカッションリボルバーの時代に黄銅そのままのサイト(レンミントンニューアーミーなど)があるので、色については昔から試行錯誤されていたものだと思う。

[フロントサイトの固定]
フロントサイトの取り付け方法だが、小銃の場合、銃身にベースごとろう付けするものが多いように思う。
拳銃では、ろう付けに加え、一体成形(削り出し),ピン止め,カシメたりという形だったが、台形の溝(アリ溝)を切ってはめ込むドブテイル形式が多くなった。
拳銃は反動で激しく動く(振られる)こと、動作する部分に付けていたりすること、取り付け長さが稼げず、広いろう付け面積が得にくい、などがこの要因ではないだろうか。

スタームルガーのレッドホークなどでは容易に交換出来るよう、クイックリリース機構を持つものがある。
これもサイトのベース部分はろう付けだと思うが。
FSI/10


[調整式]
ドブテイル式の取り付けの場合、専用工具などを使ってフロントサイトを左右に動かすことが出来る(溝の摩擦力だけで固定されている場合)。
ウィルソンFBIトライアルモデル(後方)と、グロックG34(前方)。
どちらもホワイトドット付きサイトだが、FBIトライアルは、ドブテイル式。
FSI/11


M29デベルのフロントサイトは、競技用で、両側面の反射防止板だけでなく、スライド式の上下調整機構を持つ。
7,25,50の文字(これが目標までの距離)のところにスライダーを持って行って調整する(写真は7の位置)。
それぞれの距離の設定値も微調整が可能だ。
FSI/12

これはカスタムモデルを再現したものだが、S&WのM29やM686にも、調整機能を持ったフロントサイトを付けたものがある。コクサイのM29AFモデルなどが、これを再現している。

また、米軍制式のM16ライフル、サブマシンガンだがUZIは、フロントサイトがスクリュー式で取りつけられており、フロントサイト自体を回転させて上下させる方式だ。
このような調整式のフロントサイト以外でも、高さの違うものに交換したり、フロントサイトを削って調整する場合がある。

現在、拳銃ではパートリッジ型は標的射撃用などに、ランプタイプがコンシールド(隠し持つ)用に使われるが、軍用,警察用にはこの中間の、60度(サイト後方と取り付け面の角度)くらいのものが増えている。
そして、現在では背面にセレーションを切らず、サンドブラスト加工などで反射を防止しているものが多い。
現代のサイトでは、ホワイトのドットが付いていることが多く、これが溝加工を減らしているのではないだろうか。
ドットの面積を出来るだけ大きくしているので、大部分が白い、フロントサイトのピクチャーになる。
すると、黒が白く、もしくは更に光って見難くなるのと違い(白はもともと明度が高く、差が生じにくい)、反射を抑える必要性は低くなっているのかもしれない。

さて、次回は、通常の?1モデルを取り上げる形で考えている。
そしてリアサイトも、そのうちやってみようと思う。
FSI/07

では、また。

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まとめ

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