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今回は、銃のパーツシリーズ、リアサイト編を。
Rsig/01

まずトップのカットは、M1911系のリアサイトバリエーション。右からSTI(ヘイニー)、ハイキャパ(ボーマー)、スプリングフィールド(ノバック)、MEU(専用?)、デカスペシャルⅡ(オリジナル)、CQBガバ(ウィルソンナイトアイ)。

[概要]
リアサイトは、アイアンサイト(前の記事、フロントサイト参照)のうち、後方(目に近いほう)のもの。現在はフロントサイトが突起状なので、後方のリアサイトは凹(オープン)型、穴(ピープ,ゴーストリング)型の2種類が主流。
但しショットガンなどでは、リアサイトが無いものもある。
リアサイトには、固定(半固定)式とドライバー,指で調整が可能な調整式がある。
他にも、照準しやすいように白線,ドットなどが使われたものがあり、また反射防止のグルーブ,チェッカーなど、様々な工夫が凝らされている。

まず変わった例をひとつ。
コルト M1851のリアサイトは、ハンマーの上端にある。
普段は隠れていてコッキング時に起き上がる、という設定だが、調整も面倒そうだし、ノッチが摩耗すると狙いが狂いそうだが。
Rsig/a8


[考察の方法]
リアサイトには、現在まで非常に多くのバリエーションがあり、リアサイトの研究だけで結構な分量の本が出来ると思う。
そして、これまでも取り上げた各モデルのサイトについては述べてきている。
また各メーカーが今も鋭意研究中のパーツであり、年を追って変遷やバリエーションについて語ろうとすると非常に長くなってしまう。
簡単に傾向だけを述べても、拳銃ではサイトが大型化の傾向、ライフルなど長物では凹型から穴型へ主流が移行してきている、というぐらいにしておかないと収拾がつかない。
そこで、今回は主に拳銃に焦点を当て、まず現在代表的なサイト、ノバックを例にどのような構成で機能を実現しているか探り、ここから逆にリアサイトの構成,機能面の要求について迫ってみようと思う。

[例;ノバック]
それでは、現在の拳銃用サイトの代表として、ノバックを見てみよう。モデルは、Jアーモリー(WA)のFBIビューローモデル(過去の記事)だ。
ノッチ(凹み)の部分は大型で底がフラットの正に凹型、この両端には2つのドットを持ち、フロントと合わせると3ドット、これが一列に並ぶと上下が合い、更に等間隔になっているなら左右も合う。
もちろん、サイトの凹凸が合っていればドットによらなくても合わせられる。
ノバックサイトは横から見ると3角形の下にドブテイル(アリ溝)が足された形になっている。
これは抜くとき,納めるときにひっかかりにくく、強度的にも強い形を目指したものだと思う。
その上で元のサイトがついていたドブテイル部分から、後方いっぱいまで後退させて照準線長を少しでも伸ばそうとしている。
但しサイト後方の狙いをつける部分(別体式のサイトリーフに当たる部分)は、光を反射して見にくくなりにくいように、削り込んで凹ませ、取り付け面に対して直角になっている。
これは同時に、強度上のガードとスナッグプルーフ(引っ掛かり難い)のためにもなっている。
そして前方は、サイティングするときに内側面が反射したり、干渉するのを避けるため、リーフ(薄板、この場合一体なので照準面)部分近くまで削りが入っている。
サイトは左右に動かすことも可能だが、不用意に動かないように上にセットビスが付けられている。
上下方向の調整は、前後どちらかのサイトを交換して高さを変えるか、どちらかを削ることで可能だが、ねじ回し一本では調整できない。
Rsig/a1


[ドット]
それでは、ここから導かれた各要素について考えたい。
サイトのドットには、上下2つの、下のSTIに使われているもの(ヘイニー)やSIGに多い形式、3つのドットが並ぶノバックなどに多い形式、それから凹型にリアサイトを囲んで白線が入る、S&Wやグロックに見られる形などがある。
更にドットにトリチウムなどの発光物質を使うもの、半透明のプラスチックで上方からの光を受け、明るく光るファイバーオプティクというものもある。
Rsig/a2


[溝,穴形状]
ライフルなどストックのあるものでは、穴型が増えてきているが、拳銃では凹型がほとんどなのは、射手の目から離れたところにリアサイトがあり、穴型ではかなり大きなものにしないと見にくい(これだと精度の点でも良くない)、使用が近距離を想定しているので、周囲が見えるほうがいい、などの要因だと思う。
凹型でもノッチ(切り欠き,溝)がV型,角型,U字型などがあり、変わったところでは十四年式(過去の記事)や最近のポリマーフレームのステアーのアリ溝型がある。
下のSIG P210はU字型、M172はV字型である。
Rsig/a4

考察の方法のところで述べたように、リアサイトは大きく、凹型の溝も大きくなってきているが、これは近距離で素早いサイティングを狙ったもので、M712(過去の記事)やP08(過去の記事)はその開発目的がもっと遠距離で使うことにあったから小さいのだと思う。
また、傾向として近距離用でも、コンシールド性から小さくなっていて、これらが拳銃用サイトの標準サイズを決め、すぐに大型のサイトが普及しなかったという要因もあるかもしれない。

[照準線長,高さ]
これは単体の問題ではないが、リアサイト自体も、より後ろにマウント出来る形、またサイトの後ろに照準面を配置する形を目指して作られている。
これは、上のスナッグプルーフとは相反する要素なので、これらの要求をまとめて丁度いい位置、というものが決められている。
また、理論上、サイトは銃身の中心線に近い程、パララックス(照準線と弾道との差?)が少なくなる。
コンパクトさにも貢献するのだが、これも見やすいために大型化すると失われるので、いかに低くマウントするかはそれぞれのデザインで工夫されるところだ。

[調整機能]
軍用拳銃では破損の危険の低い、ドブテイル(アリ溝)式のスライドだけが可能な半固定のサイトが主流となった。
軍用でもサイトの大型化は戦後も進んだが、ドライバーで上下左右に調整できるサイトは避けられた。
これが多弾数の複列式弾倉の流行と共に警察や民間にも波及し、更にポリマーをフレーム使ったオートの流行などでミリタリー用の流入はリボルバー(回転式)のシェアを奪いとった。
S&W(カテゴリ有り)のKサイトはコルト.45オートのカスタムに使われたりもしたが、回転式と共に大きくシェアを後退させることとなった。
競技用ではより高い命中精度を目指すことから調整式の方が多いが、回転式で公用でも多く調整式サイトが使われたのは、当時、リボルバーの固定サイトはコンシールド(隠し易さ)を重視し、低く小さなものだったから、大型のサイト=調整式だったという側面もあったかもしれない。
加えて回転式は使用出来る弾のバリエーションが多い。
.357マグナムなら.38スペシャルも.38+P(パワー)も撃てる。
そして、自動装填式より(手動なので弾の違いによる動作不良は無い)、弾頭の重さにも選択範囲が拡がる。
結果着弾が大きく異なりやすく、これをいちいちサイト交換などの厄介な方法で調整するのも面倒だった、というところもあるかもしれない。
S&WのKサイトとは別に、自動装填式の競技用カスタムに使われたボーマーサイトは、今も競技用アイアン・サイトの定番として使われている。ひとつ飛んで下の写真の、SF ハイキャパシティについているのがボーマーである。
更にリアサイトは引っかかりにくく、かつ狙いやすいデザインのノバックなどが登場し、コンシールド用途にも向くものが出来ると、これがまた流行した。
ライフルでもオープン型が多かったが、米国ではピープ型を早くから使い、NATO諸国でもピープ型を採用するようになってきた。
ドイツのH&Kは、このため、両方を備えて回転させる事で変えられる、ドラム式のリアサイトを装備した。
下はH&K G3(過去の記事)のオープンサイト位置。
SG1/14


ライフル,サブマシンガンなどでは、直ぐに射距離の切り替えが出来る、選択式のサイトも多い。
UZIやM16(過去の記事)では、横から見てL字のサイトを倒して切り替える。
現在ではスコープやダットサイト,レーザーサイトなど光学式のサイトが普及したため、フリップアップ式といって、通常は倒しておき、光学サイトの故障などの場合は起こして使用するサイトも登場している。

タンジェントサイトは、Kar98k(過去の記事),モーゼルC96,ルガーP08アーティラリーなど、ドイツの第一次大戦期のものに多く、これは支点の後ろにつけた尺に沿ってスライダーを動かし、数学のタンジェント値を求めるのと同じように、高さが変わるもの。
Rsig/a3


[強度,脱落防止]
ノバックサイトは上に述べたように、非常に強度的に強い形で、これが支持を広げた要因のひとつだと思う。
また、強度とは少し違うが、弛み,脱落防止という点も配慮されている。
クリック式の調整機能も、発射の衝撃による弛みで狂いが生じないようにも、配慮(クリック数で調整内容を記録,記憶しやすくするのも目的)したものだと思う。
余談になるが、日本のモデルガンで初めて上下左右調整のクリック機構を持ったサイトをつけたのはMGCのパイソン(過去の記事)だったと思う。

[スナッグプルーフ]
拳銃は特に、ホルスターなど納めて携帯するのが主なので、抜くとき、収納するときに引っ掛かり難い形状が好まれるようだ。
ライフル等でも、装備や衣服が引っ掛からない方がいい。
銃の上部に取り付けられることが多く、突起物になるリアサイトは、ガードを引っ掛かり防止の用途にも用いているものが多い。
20世紀初めは、フレームを削り込んで突起を無くしたものが多く使われたが、その後なだらかな傾斜のガードをつけたM459や、サイトそのものをスナッグプルーフ(引っ掛かりにくい形)としたノバックのようなものが出てくる。
Rsig/a5


[薄いサイトリーフ]
まず、サイトの形式に関係なく、照準のための凹型,穴型を設けたリーフ部分がある。
一体のサイトでもここは薄くなるように成形するのが多いのだが、これはリーフが厚いと凹型,穴を開けた内側の側面が見え(遠近法で遠くに行くほど小さく描くのと同じで、並行に同じ溝,穴を覗くとその内側が見える)、ここがクリアなピクチャー(輪郭?)を阻害するからだ。
このため厚いサイトでは、前方から削りを入れて照準面が薄くなるようにしている。
例外のキンバーのサイトなどは、溝を並行ではなく、テーパー状に前方を広くしてこの問題を解決している。
余談になるが昔、MGCがキンバーのモデルガンを作ったとき、このサイトを再現しきれず、真直ぐ並行に同じ幅の溝を切ったサイトをつけていた。これはサイト前部が少し見え、サイティングに少し邪魔になる。
Rsig/a7


[照準面の反射防止]
サイトリーフの前方は、上記のように薄くする為の工夫がなされているが、その後方、照準面は、光の反射を防ぐ対策がなされている。
これは照準面が光ると、照準しにくいのと、その具合で錯覚による誤差を生む恐れがあるからだと思う。
まず、光を反射してもそれが目に入らないように、視線に対して直角か若干下向きに傾けて照準面を取り付けるものがある。
これは上のヘイニーやデカスペシャル(Ⅲでした。訂正します),MEUのものや、コルトのターゲット用などに用いられるイライアソン、H&KのUSP(過去の記事)のサイトなど、多くのものが採用している。
次に、照準面自体に加工して反射を防ぐ工夫がある。ここにグルーブ(横溝)を彫るもの、チェッカー(格子状の溝)を刻むもの、サンドブラスト(砂を吹き付ける処理)やマット(艶消し)の塗装を施すものなど、多様な対策がなされている。
また、強度上の保護も兼ねて、側面にサイトリーフ部分に光が当たらないようにガードをつけるものがあり、一体型でも、ノバックは後方から削って照準面を成形し、ガードの効果を持たせているともいえる。
Rsig/a6


このように見ていて感じたことは、過去の作品でも単に配慮が足りない、進化の途中にあるのではなく、現在より遠距離に焦点を当てているなど、違う目的で造り込まれている、という点もあることだ。
もちろん、技術の進歩はあり、新たな発明もいろいろ盛り込まれて、現在の多彩なリアサイトがある。
またノバック系?でもウィルソンは違う形、S&Wは更に薄いもの、というようにそれぞれが目的を絞り込み、あるいは逆に汎用性をもたせ、機能向上を図っている。
まとまりのない企画になったかも知れないが、サイトはその銃の性格によって形を変え、逆にその銃の性格を形成する影響を及ぼす(もちろん全てのパーツが、その銃の性格を形作っているのだが)、結構重要なキーパーツだと思う。
それぞれのサイトには、設計者の思いが込められているように思う。
こんなことを考えながら、新たな視点でGunを見つめるのも楽しいもの。

今回のドール衣装は、Link先のmomoclo 樽猫さんに作ってもらったもの。
これは、momocloブログでも紹介されている。
それでは、今回はこのへんで。
Rsig/02


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まとめ

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