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今回は、トミーガン,シカゴタイプライターなどの愛称(異名?)を持つ、トンプソン・サブマシンガンM1921と、これを開発したジョン・タリフェオ・トンプソン(Jhon・T・Thompson)について。
M1921/01


[1/1]
さて、今回の1/1は、LSからアリイが引き継いだエアーコッキングガンである。
実はモデルガンを斡旋してくれるところもあったのだが、以前ゴム製ナイフでLS-アリイに好感を持ったことと、コッキングガンも紹介したいという思惑もあり、こちらを入手した。
やはり価格なりの部分もあるが、第一印象は「結構良い」だった。
内部構造も含め、ほとんどプラスチックだが、バレル(銃身),コンペ(後で解説),トリガー(引き金),セフティレバー(手動安全装置つまみ?)などが金属部品だ。
作りは左右を木ネジで張り合わせた、いわゆるモナカ構造で、威力も大した事は無いが、可変の調整式サイトを装備するなど、頑張った部分もある(詳しくは下の各パーツの特徴で)。
樹脂製機関部で、トンプソンではマガジン挿入部の強度が心配だったが、ここはマガジンをカットし、ドラムマガジンも下から(実物は横から)挿入するようにして内部も構造体を残し、強度を上げている。
木部もスチロール樹脂だと思うが、プリントで木目も再現され、写真にすると結構、木製に見える。

M1921AC、ドラムマガジン付き。
各部は後で詳述するが、カッツコンペンセイター,フィン付きバレル,ドラムマガジン,バーチカルグリップと他に類の無い個性的なモデル。
M1921/03


左サイドの刻印と操作レバー類。
トンプソンの名と、製造を担当したコルトの名が刻まれている。
レバーは実銃が綾目ローレット(斜め十字型の溝)だと思われるが、これはグルーブ(立溝)である。
但し、マガジンキャッチもセフティも実銃通り可動する。
セレクターはコッキングの単発ガンなので、さすがに可動にはなっていない。
トリガーとセフティは金属パーツだ。
M1921/04


右サイドの刻印。
オートオーディエンスの名は(カー社が持っているが)現在も残っているようで、M1911クローンにこの名とロゴが付いた製品が見られる。
M1921/05

[M1921AC]
刻印によると、このモデルはM1921で、カッツコンペンセイター装着から、ACモデルのようである。
M1928でカッツコンペンセイターがついた、とするところもあるが、M1921にもこれが付いたACモデルが存在し、実物写真がある。
M1921は、一気に15000丁ほど作ったようだが、このシリアルが正しければこの最後期モデルという事になる。

M1921とM1928とは、ボルトのアクチュエーター(作動子とでも訳すべきだろうか?)重量、スプリング径が異なり、M1928の方が、連射速度が遅くなっているという。
あと、ストレートのフォアグリップ付きがM1928にはある(バーチカル・タイプのM1928もあるようだ)。

[各パーツの特徴]
バーチカル・グリップとフィンが再現されたバレル。
空冷フィンもその後姿を消し、逆にM1921,M1928の特徴的な形となった。
M1921/11


カッツコンペンセイター。
カッツは発明者の名で、コンペンセイターは均等にする、といった意。反動低減装置である。
上部に中心穴(銃腔)につながるスリット(溝)が切られ、ここから発射ガスが噴出し、銃口に下向きの力を加える。これで、発射の反動による銃口の跳ね上がりを低減する。
M1921/07


M1921もM1928も、サイトはLYMAN(ライマン)の調整式サイトが付いている。
これは近距離ではオープンサイトで、遠距離ではサイトを立てるとピープサイトが出てくる。
穴を開けた周囲はチェッカー(十字の溝)加工とし、光の反射を防いでいる。
M1928は海軍用のネービー、更にスリング取り付けを改良した陸軍用のA1があるが、A1にもライマンのプレス鋼板製固定サイト付きのものがあったのか、これが無可動実銃で日本にも入ってきているようだ。
m1921/09


ストックも実銃同様、ボタンを押して後方にスライドさせると外せる着脱式。
M1921/08


ドラム・マガジンも初期トンプソンの特徴の一つだが、これはP08のスネイルマガジンなどが参考になったように思う。
アリイのドラムマガジンは、上部斜めにBB弾を入れるスライド式の窓があり(写真右上)、ここから弾を入れて、マガジン前方のレバーをぜんまいを巻くように回してセット(実銃とここも同じだ!)する。
M1921/10


[1/6]
今回は、分量の関係もあり(これでも大きすぎると反省中)1/1と1/6の比較写真は割愛し、大きさの比較はトップのカットを参照していただくとして、以下1/6サブマシンガン達を紹介する。
まずトンプソンのバリエーションを。
上から下に、M1921,M1928,M1A1。
M1921はコンペンセイター,50連ドラムマガジン付き。
M1928はストレートのフォアグリップ,ボックスマガジン付き。
M1A1はコンペンセイター無し,固定サイト,簡易化されたセレクターとセフティ,ネジ止めのストックなどが再現されている。
M1921/31


ドラムマガジンつながりでソビエト連邦(現ロシア)のPPD34/38と。
M1921/32


それでは、トンプソンのバリエーション、競合モデルなどと一気に。

左上はM1921とMP18(P08と同じスネイルマガジンが正解ではないかと思うが、メーカーの表示に従うとこれは一応MP18、ご指摘があり注記追加しました)。
サブマシンガン創成期の2機種。
MP18はドイツ製で、トンプソンより先行したサブマシンガン。
右上はM1928とMP38。
どちらも左の機種から改良されたモデル。
MP38はアルミ製の機関部、折り畳み式ストックなど、大きな変更がなされたのに対し、それより10年前からそのままとはいえ、同時期に軍制式だったM1928の変更点は少ない。
左下はM1A1とM1928.
M1からは大きく省力化されている。ボルトを引くコッキングピースもM1928の上から、横に変更されている。
右下はM1A1とM3A1。
M1928の改良型M1A1も、その後のM3,M3A1(過去の記事)とは大きく異なる。
M3A1は、レシーバーの左右を溶接して張り合わせる独自の構成方法だが、形はMPシリーズを大きく意識しているように見える。
M1921/34


[開発期]
米陸軍兵器廠で准将だったJ・T・トンプソンが退役後、1917年に大株主兼チーフ・エンジニアに就任したオート・オーディナンス社(1916年ごろ設立)で、トンプソン・サブマシンガンは開発された。
これには異説もあり、1917年にトンプソン自身がオート・オーディナンスを創業した、という記述も見つかる。
代表取締役社長でなくても、大株主だから創業者でもいいのかもしれないが。
また、J・T・トンプソンには、1914年退役とも、1917年退役とも資料があるようだ。
J・T・トンプソンは、この前に一時レミントン(カテゴリあり)でも働いていたという。
ともかく、オート・オーディナンスでの当時最新の小火器の開発には、海軍中佐だったJ・ブリッシュも同じく退役して加わっていたという。
ブリッシュが考案(もとはVillar Perosa SMGというものらしい)したブリッシュ・プリンシプル(ブリッシュさんの原理)という遅延ブローバック機構をもとに、M1921は完成,M1928,M1928A1と改良が進む。
J・T・トンプソンはサブマシンガンが塹壕戦に最適だと考えたらしいが、第一次世界大戦は終結、そうこうするうちに世界恐慌、となり、軍用としての販売は順風満帆とはいかなかった。

[サブマシンガンの需要]
当時は「武器よさらば」で、第一次世界大戦後の厭戦気分が拡がっており、大量に弾丸をまき散らすこの新しいジャンルの武器を、積極的に購入して装備しようという雰囲気では無かったのだと思う。
米軍は制式ライフルより高いこれをごく少数購入したに止まったようだ。
トンプソンも製品が出来れば軍の採用は容易だと思っていたのか、再三働きかけを行ったものの、予算が出なかったのではないだろうか。
J・T・トンプソンは退役時准将である。J・ブリッシュも海軍中佐だった。
現代の日本ならそれこそ天下り宜しく影響力を発揮して無理やり購入させる、とかのイメージがあるのだが、そのあたりはドライだったのか、それとも昔のよしみ,つながりを無視しても、サブマシンガンなど備えたくなかったのだろうか。
M1928(海軍制式)となっても、M1928A1(陸軍制式)となっても、試験採用の域を出ず、少数が軍に渡ったのみだという記事もある。
しかし軍はともかく公用や民間!用では、サブマシンガンの需要があったようだ。
オート・オーディナンスは当初製造設備を持たなかったので、コルト社と製造契約を結び、M1921をいきなり一気に15000丁作ったらしい。
M1921は、約半数が警察,連邦捜査局BOI(=Bureau of Investigation FBIの前身),沿岸警備隊など各取締当局に、残りの大半は世界中に散った。

[シカゴ・タイプライター]
一説にはマフィアとFBIがこれで派手に撃ち合っていたというものもあるが、FBIの呼称は‘35年から、禁酒法の廃止は’33年で、マフィア全盛期が過ぎた大恐慌後、ということになる。するとM1921で撃ち合ったというのは奇妙な気もする。
実際はBOIが相手で、数も数丁が使用されただけでも、当時の最新兵器、話題としては非常に大きく、これが「シカゴ・タイプライター」の名で知られるもとになったのではないだろうか。
また、この間までの日本と違って、米国でギャングはアンダーグラウンドの勢力、堂々とマフィアですマシンガン下さいと買いにきたはずも無く、そして現在でも許可制だがフル・オートの個人所持が認められているようなので、オート・オーディナンスは責められるいわれも無かったのかも知れない。
だがやはり悪用されると大きな被害が出る兵器を作って売っていたのだから、販売,管理に配慮を欠いた、というそしりは免れない。
トンプソン・サブマシンガンのイメージダウンは避けられず、これも軍の採用に影響したとかしなかったとか。
ところが第二次世界大戦が始まると、トミーガンはドイツのMP38に対抗し得る武器として注目を集め、量産が追いつかなくなるほど製造に追いまくられ、コスト低減もあって改良型M1,M1A1へと進む。

[技術の変遷]
MP38は、テレスコピック(筒が組み合わされ伸縮する)タイプのスプリングハウジングがショックアブソーバ(緩衝装置)と遅延装置を兼ねており、トンプソンはH字型のパーツをかませた(ブリッシュ・プリンシプルの)遅延装置、後のM3グリースガンはボルト重量を極端に重くして発射サイクルを遅くしていた。
戦後は、これらの措置はとらず、連射速度は上がっているものが増え、M11イングラムなどはとうとう毎分1000発を超える。
こうなると制御が難しくなるが、今度はバースト(点射=一回引き金を引くと3発連射で止まる)機構などを盛り込んだものが登場するようになった。

そして削り出しのレシーバーに手間がかかったこともあって一時ボルトも円柱型が主流となり、MP38が多大な影響を及ぼしたのに対して、トンプソンの形は忘れ去られていくが、これも戦後になると角型ボルトにプレスの箱型フレームを組み合わせた方がスペース効率が良い、ということで再流行する。
UZIはマガジンをグリップ内に納めるレイアウトから全く違うもののイメージがあるが、角型ボルト、独立したフォアアームと初期にはついていた木製ストックが、トンプソンに近いコンセプトを感じさせる。
MP38系も、元のMP18では木製の一体型ストックに横出しマガジンであり、M1921の形は、ともかくライバルの登場当時よりは進んでいたのだと思う。

[トンプソンの功績]
トンプソンがライバルMP38,MP40に対し生産性などの点では遅れた設計で、改良も進んでおらず、差が開いていたのは否めない。
しかし問題は、連合国側でサブマシンガンの評価が低かったことで、軍用として省力化が進まなかったのは止むを得ない面もあると思う。

ドイツはサブマシンガンの効果を高く評価して、再軍備にあたりこれを重視し、機動力とも相まって大攻勢をかけられた。
一方で連合国は、ドイツに一方的にやられて(フランスに至っては占領されて)ようやく配備の必要性に気づいた。
この火急存亡の危機に、トンプソン・サブマシンガンが存在したことは米国,いや連合国にとって幸運だった。
製造が大変だとはいえ、製品としては既に長年使用され、軍でも試験が済んでいるものがあったのである。
まずフランスは3,000丁を注文、米国もここへきて大口の注文を出した。イギリスからも1940年には100,000丁の注文が出され、更にノルマンディーからは直接米兵の手に握られて戦列に並んだ。
最終的にトンプソンの名を持つ銃の生産数は、151万丁に上ったとか。
もちろんサブマシンガン、しかもトンプソンだけで戦ったのではないが、トミーガンは第二次世界大戦期の米軍兵士の頼もしい味方になった。

J・T・トンプソンは、ビッグビジネスになるアイデアに飛びついた、軍人を続けるには山っ気の多い一発屋だったのか、それとも20年も冷や飯を食わされても、サブマシンガンの可能性,必要性を信じ、下野して地道に営業を続けた憂国の士だったのか。
運だったにせよ必然だったにせよ、J・T・トンプソンはこの銃の名として後世に知られることとなった。

それでは。
M1921/06

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2008/05/20 11:02】 | #[ 編集]

このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2009/11/02 23:49】 | #[ 編集]

鍵コメ様こんばんは。
ここは基本的にメーカー,販売店の宣伝広告ではなく、
また販売,購入斡旋も対応しきれなくなりますので
お応えできません。
悪しからずご了承下さい。

ですが、今回は、ちょっとだけ。
アリイのトンプソンは店頭で新品購入しています。
現在も販売されているようです。
では。

【2009/11/03 23:22】 URL | 赤い猫RRⅢ #-[ 編集]

このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2009/11/04 22:26】 | #[ 編集]

鍵コメ様こんばんは。
トンプソン、みつかると良いですね。
では。
【2009/11/05 21:54】 URL | 赤い猫RR? #-[ 編集]















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