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今回はエンフィールド リボルバーNo2を。
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[概要]
ロイヤル・スモールアームズ・ファクトリー(RSAF:王立子火器製造廠,エンフィールド造兵廠)は、ロンドンの北、エンフィールドの地に19世紀に創設された。
それまで小銃の品質に問題のあった英国は、1851年に自国で開いた万国博覧会で展示されたコルトの品質、とりわけ高い相互誤差(それぞれの部品の精度のばらつきが少ない)に注目した。
多くの専用機械を使って製作し、部品に共通性をもたせ、組み立て調整の手間がかからず大量生産できるこの進んだシステムを、国立(王国なので)の工場を作って取り入れることにしたのである。
こうして生産されたエンフィールド小銃は、英国制式として配備され、RSAFは英国陸軍の装備を支える重要な存在となる。
英国軍は、小銃だけでなく拳銃もRSAFで生産することにしたが、このときどういうわけか、それまで制式としていた.455インチ口径のリボルバー(手動回転式拳銃)を作っていたウェブリー&スコット社に口径を38口径に変更したものを試作させ、それをRSAFで勝手に製造してしまったらしい。
こうして生まれたいわくつきの拳銃が、エンフィールドNo2MkⅠのようである。
型式は、ウェブリー&スコットのNo1MkⅣリボルバーの型式を引き継いで、No2MkⅠとしているが、後にウェブリー&スコットから訴えられ、いくらか払って決着したような。

ウェブリー&スコットは、その前に自動式も手がけており、.455口径の自動装填式と、これを小型化したものを作っている。

今回は、ウェブリーのM1905自動装填式拳銃の文鎮(つまり一体成形の無可動キャスト)モデルも。
左がNo2MkⅠ、右がM1905。
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さて、エンフィールドNo2MkⅠだが、ノーマルのものは5インチバレル(銃身)だ。
38口径のカートリッジは、実は38S&Wそのもの、だったらしいが、これをNo2用英国制式拳銃弾とし、長いので通称は380エンフィールドと呼ばれるようだ。
このバリエーションとして、戦車兵が携帯しやすいよう、デボーンド(指掛けを切った)ハンマーでダブルアクション(引き金を引くとハンマー7が起き、更に引き続けるとハンマーが落ちる)専用とされたNo2MkⅠ☆があり、これが今回マルシンから再販されたモデルである。
日本軍もダブルアクションオンリーのトップブレイクリボルバー、二六式を採用していたが、米国では、現在も警察用にDAO(ダブルアクションオンリー)モデルが指定されるなど、軽いトリガーを危険視しているところはある。
もちろん暴発の原因はトリガーの軽さだけに原因があるのではない。
しかし、命中精度を落とし,ある機能を殺すという、この方法も現実的な解決策ではあり、また間違いなく事故は減る。
一説には、戦車兵は着ていたオーバーオールの中に拳銃を突っ込んでおり、抜くときにハンマースパーが引っかかって暴発するから、というのもあったが、後述するようにリバウンドメカ+ハンマーブロックの2重の安全機構が備えられており、ハンマーがひっかかっての暴発は考えにくい。
やはり軽いトリガーを、誤って引いてしまっての暴発事故への対処ではないだろうか。

バリエーションとしては更に、短いものが試作され、これは警察(憲兵?)用だったのではないかと推測からか、ポリスモデルと呼ばれたりしている。
マルシンはこれもモデルアップ,少し前に再販しているが、英国では結局試作止まりとなり、イスラエルで戦後作られたとか。

[モデルガン]
マルシンのモデルガン、エンフィールド 3種。
左から、ポリス,No2MkⅠ,No2MkⅠ☆
いずれもヘビーウエイト(HW)樹脂製。
ポリスと☆が表面を磨いたエクセレント仕様で、グリップは木製でプレーンなもの。
No2MkⅠのグリップはスチロール?樹脂。
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ハンマーの比較。
左後方がMkⅠ、右がMkⅠ☆。
☆はスパーが切り取られた形だ。
実物では、☆はシングルアクションが出来ないだけでなく、ダブルアクションも重いという。
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No2MkⅠ☆でサイトピクチャーを。
フロントサイトは薄いが、リアはスクエアな溝で、大型かつプレーンな見やすいもの。
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グリップ右面の比較。
左がNo2MkⅠ。これはABSモデルで、グリップもプラだが、ラッカーを自分で塗ったもの。
ABSは真っ黒だが、レフ板に青い板を使って撮るとこのようなガンブルーっぽい反射が得られる。
右がNo2MkⅠ☆。グリップ右側には大きなナット(カラー)が付く。
グリップ上部もフレーム上まで伸ばされ、そこがフィンガーレスト(指掛け)状に成形(えぐられて)されている。
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両者はフレーム刻印も違う。
MkⅠ☆は1940年、MkⅠ(ポリス)には1933年の刻印が入る。王冠マークも少し違う。
これは両者HW樹脂。
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[中折れ式]
エンフィールドリボルバーは、ラッチを押してバレルを下方向に押すと、銃の中央部付近のヒンジを支点として折れ曲がり、カートリッジが排出されるトップブレイク(中折れ)タイプのリボルバーである。
トップブレイクの先例としてはS&WのNo3あたりが参考ではないだろうか。S&Wno3はブレイクオープンするとエジェクター(排出子)が作動してカートリッジを排出する。
これは内部にギア機構を仕込んであり、マルイの電動ガンがピストンを圧縮するようにエジェクターを押していく。

マルシンのNo3エングレーヴモデル(左)とNo2MkⅠ☆。
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エンフィールドではこれをもっと簡略化して、エジェクターをアームが押すだけのシンプルなものとした。
解除もいっぱいまでバレルを下げるとヒンジ部の突起(矢印)が押し込まれアームが戻る。
これでバレルを押して(ブレイク,開く)いくとカートリッジは引き出され、エジェクターはその後自動で戻る。
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これらのトップブレイク・リボルバーは、スイングアウト式リボルバーより簡単な操作である。
このためか、S&Wのスイングアウト式リボルバーの名称が、ハンド・エジェクターとなったのではないだろうか。
つまり自動(連動)式エジェクターとの比較(敢えて皮肉、とはいわない)である。
もちろん歴史を見ればわかるように、スイングアウト式がその後強度という利点を生かして主流になっていったのであるが。
エンフィールドがスイングアウト式を採らなかったのは、ウェブリ-のトップブレイクを使っていて、反動が大きいなどの点を除けば特に不満が無かった、というのが最も有力だが、弾の威力が低く変更の必要を感じなかった、操作がこのほうがシンプルに思えた(実際はあまり差はないと思う)などが理由ではないだろうか。

エンフィールドの不足を補う為、米国から供給(貸し出し?)されたS&Wのスイングアウト式、ヴィクトリーモデル(中央)と、同じく米国で生産されていたスイングアウト式、オフィシャルポリス(右)。
ヴィクトリーモデルはHWS(ハートフォード)のモデルガン、オフィシャルポリスは新日本模型か、タイトー時代の(旧MGC系)モデルガン。
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[ダブルアクション機構]
エンフィールドの撃発機構は、コルトオフィシャルポリスなどに酷似している。オフィシャルポリスそのままのメカを再現した模型は持ち合わせが無いので、ハンマーの形式は違うが、パイソン(タナカ)で比較を。
松葉状のメインスプリングを使い、その上側がリンクを介してハンマーを押しているところ、下側がアームを介してハンマーがいっぱい前進した位置から少し戻すところ(リバウンド機構)、アームがトリガーを戻すところ、またアームがシリンダーハンドを前方に押し付けるところの4つの機能が全くそのまま同じである。

コルトパイソン(上)とエンフィールド(下)の機構部。
グリップ部に入っているのがメインスプリング。
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違いは、セフティ機構で、コルトのそれはシーソー型のレバーを介しており、エンフィールドのものはトリガーから円弧状のパーツが伸びている。
ここはエンフィールドの方がパーツ数も少なく済ませている。

エンフィールドの安全装置。トリガーを引かない限り、矢印部分がハンマーとフレームの間に入ってブロック、撃発しない。
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さて、どっちが真似したのか。
RSAF設立にあたっては、スプリングフィールド造兵廠やコルト社を視察したという経緯があるらしく、するとエンフィールドが、とも思われる。
だが、エンフィールドの原型となったウェブリーは、1887年からこのタイプ(内部機構はわからない)、対してコルトのスイングアウトリボルバーはM1889が最初で、しかもこれはシリンダーの回転方向,サイドプレート取り付け面が今の構成と逆、すると内部構造も違う可能性が高い。
それではコルトが真似したのか、というとどっこい、他に先例があったのである。
ドイツの「Faustfeuerwaffen」(ハンドガンという意味らしい)をガレージキットメーカーの頑住吉氏が訳された記事によると、
1851にアダムス氏がダブルアクション機構を開発(これはソリッドフレーム,ダブルアクショントリガーを持ち、イギリスで採用されたようだ)、1856年にMarietteによってエンフィールド,コルトの機構の基本となる構造が考えられ、1859年にはリバウンドを除いてhubert Joseph Canbainが同じ形を考案、1875年になるとJean Warnantがこれらにリバウンドメカを加えている。
既にこれらのパテントが、金属カートリッジ普及(この話の途中からS&Wのものはあったが、パテントで他社は作れなかった)前に出ていたのである。
コルトがM1877などでダブルアクションについてパテントを取得していないのは、それが既に新しい機構で無かったからだ、という記事も見られたが、そうではなく、当時他のパテントがまだ生きており、これらのパテントを回避したため、結果的に後のモデルに機構を引き継げないような苦しい(失敗とまではいかないが)機構とした為ではないだろうか。
そして、パテント切れを待って、今日のスイングアウトダブルアクションリボルバーにまでつながる、この方式を採ったのではないだろうか。
そういう点では、エンフィールドもコルトも、既にイノベイターでは無かったようである。
これらの伝統的形式は、コルトではデティクティブ,パイソンなどで1990年代まで(注文制作をいう形では今も)残った。
これに対し、S&Wはトリガー,リバウンド機構をコイルスプリングとし、シリンダーハンドはトリガー内に納めたキックスプリングで行う形に進化していく。これはまた、S&Wを取り上げるときに。

[1/6]
さて今回の1/6は、ドラゴン製で英国戦車兵のモデルに付属していたもの。正に戦車兵用のMkⅠ☆だが、これにはホルスターがついていた。
それではオーバーオールの中に突っ込んでいた、というのは?
軍では普通このようにホルスターは支給されるはずで、やはり引っかかって云々は怪しいところではないだろうか。
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エンフィールドの名を冠されたモーターバイクも生産され、これも当初この軍需工場で作られたようだが、戦後バイク部門はインドに売却され、今もエンフィールドの名は残っている。
しかし、RSAFは1980年にあの英軍制式L85を開発するが、1984年に民営化,買収を経て1988年にごく一部の工場を除いて閉鎖されたようである。


今回の衣装は、LINK先のmomocloさん提供。いつも有難うございます。
では、また。
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【2008/07/07 19:15】 | #[ 編集]

鍵コメさん、こんにちは。
ウェブリーの文鎮モデルは、ご指摘のアドベンのものかもしれません。
ただ、入手した箱には、製造元については何の表示も無いので、決定的な証拠、はありませんでした。
また、情報がありましたらお願いします。
【2008/07/10 21:34】 URL | 赤い猫 #-[ 編集]















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